"ご高配"の意味/類語。上司など目上に使える例文集|ビジネス敬語ガイド
「ご高配」の意味とは?
「ご高配」とは、「ごこうはい」と読み、「相手の気配りなどに対して感謝する」という意味を持つ敬語です。
そもそも「高配」には相手が自分にしてくれた厚意や心配りに感謝をする、敬うという意味があり、「高配」を尊敬語にした表現が「ご高配」になります。話し言葉はもちろん、メールなどの書き言葉としてビジネスシーンでも使われることが多いです。
相手の厚意を敬うという意味からも分かるように、何かしてくれた初対面ではない上司や目上の人に人に対して使います。部下や同僚、目下の人には使用することができないため注意しましょう。
「ご高配」の使い方とは?
「ご高配」は、自分には使わない上司や目上の人なら、どのような人にでも使えるわけではありません。
日頃からお世話になっている上司や取り先の人に対して、感謝の気持ちや敬う気持ちを伝えたいときに使います。
そのため、初対面の目上の人やあまり会うことのない上司や目上の人に「ご高配」を使うのは不自然です。常習的に関わりがありお世話になっている目上の人に対して使用するのが好ましくなります。
「ご高配」は、自分に対しては使わない
「ご高配」は、上司や目上の人が自分のためにしてくれたことを敬って使う敬語です。そのため、自分に対しては使うことができません。自分に対して使うとなると、相手よりも自分の立場の方が上になってしまうからです。
上司や目上の人が自分のためにしてくれた行為に対して使うことができると覚えておきましょう。
「ご高配」を使った敬語文一覧
「ご高配」を使った敬語文は大きく分けて以下の5つ。
- ご高配を賜り
- ご高配いただき
- ご高配にあずかり
- ご高配のほど
- ご高配の賜物
どの敬語表現も目上の人に使えるため、ちょっとしたい違いや例文まで確認していきましょう。
ご高配を使った敬語① ご高配を賜り
「ご高配を賜り」には、相手が自分のためにしてくれた厚意や振る舞いに対して感謝の気持ちや恐縮する気持ちを込めて使う敬語です。「賜る」は「もらう」の謙譲語なので、相手の厚意や配慮に感謝する気持ちを伝えられます。
とても丁寧な言い方なので不快な印象を与えず、初対面の人にも使用できビジネスシーンでも使う機会が多い敬語です。
「ご高配を賜り」は、目上の人や上司に対して使う敬語なので、自分や部下、同僚には使うことができません。
「ご高配を賜り」の例文
- 無事に創立〇周年を迎えることができました。平素は格別のご高配を賜りまして深くお礼申し上げます。
- 日頃は弊社の業務に関しまして格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 ますますご清祥の候、お慶び申し上げます。 皆様には日頃より当社業務に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 先日はありがとうございました。今後ともご高配を賜りますよう深くお願い申し上げます。
「ご高配を賜り」の例文をみてみると、感謝の気持ちや相手の厚意に配慮した気持ちを示す定型文として使われることが多いことが分かるでしょう。スピーチの冒頭や挨拶の冒頭などに、目上の人や取引先への感謝の気持ちを込めて使われるのが一般的です。
また、書き言葉としても冒頭の言葉や文末の言葉として用いられることが多くなります。相手への愛慮を表現できるのはもちろんのこと、丁寧な印象を与えるためビジネスシーンで使いやすい敬語です。
【「例文」で使われている敬語】
・「平素」を使った例文集|正しい使い方から類義語まで解説します
・「弊社」と「当社」の使い分けとは?社内の会議で使うのはどっち?
・「お願い申し上げます」の使い方|目上に使える例文まで徹底解説
ご高配を使った敬語② ご高配いただき
「ご高配いただき」も、相手の厚意や配慮に対して感謝の気持ちを伝えたいときに使う敬語です。また、「いただく」は「もらう」の謙譲語にあたるため、自分をへり下って表現することができます。
もともと「ご高配」という言葉自体が部下や同僚には使用できませんが「いただき」と一緒に使うことで、目上の人や上司により丁寧な印象を与えます。
また、相手が自分のためにしてくれる心遣いに対して感謝の気持ちを示すことができるため、書き言葉や話し言葉の定型文として使われることも多いです。
「ご高配いただき」の例文
- 日頃よりご高配いただき、誠にありがとうございます。
- 日頃は弊社のサービスに関しまして、ご高配いただき厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 ますますご清祥の候、お慶び申し上げます。 皆様には日頃より当社業務にご高配いただき厚く御礼申し上げます。
- 拝啓 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素はご高配いただき、厚く御礼申し上げます。
「ご高配いただき」の例文をみてみると「ご高配を賜り」と同様に、取引先や目上の人の心配りに対して感謝の気持ちを示したいときに使っています。
「いただき」も「賜り」も「もらう」の謙譲語であることに変わりがないため、類語として同じシーンや同じ意味として使えるからです。そのため、「ご高配いただき」もスピーチや挨拶の冒頭の定型文として使われることが多くなります。
もちろん、書き言葉やメールなどの書き言葉の定型文としても使われることが多く、ビジネスシーンでよく耳にする敬語です。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご清栄」の意味/読み方とは?"ご健勝"との違いまで詳しく解説します
ご高配を使った敬語③ ご高配にあずかり
「ご高配にあずかり」も目上の人からの心遣いや配慮に感謝する気持ちを伝える敬語です。
この場合の「あずける」には、目上の人からの厚意を「受け取る」「受ける」という意味があり、ご高配を受けたことに対する感謝の気持ちを表現できます。
目上の人に対して気を遣うことや配慮することのできる言い回しで、とても丁寧な印象を与えることが可能。そのため、ビジネスシーンでは話し言葉と書き言葉の両方で使われることが多い敬語です。
「ご高配にあずかり」の例文
- 平素は格別のご高配にあずかり、厚くお礼申し上げます。
- 日頃は弊社の円滑な業務運営に関しまして、ご高配にあずかり厚く御礼申し上げます。
- 本日はありがとうございました。今後とも何卒ご高配あずかりますよう、お願い申し上げます。
- 拝啓 ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配にあずかり厚くお礼申し上げます。
「ご高配にあずかり」の例文をみてみると「ご高配を賜り」と同じような場面で使用している文が目立つのが特徴です。
挨拶の冒頭やビジネス文章の冒頭文など、目上の人や取引先の人に配慮や感謝の気持ちを表現したいときに使えるところが特徴です。
目下の人や部下などには使用できないため、どうしても使えすシーンや場面が限られてしまいますが、相手に不快を与えない丁寧な言い回しとして使えます。
ご高配を使った敬語④ ご高配のほど
「ご高配のほど」も「ご高配を賜り」の類語で、同じような意味や同じようなシーンで使うことが可能です。
「~のほど」には「~してもらうよう」という意味があり、これからも変わらない心遣いや配慮をお願いします、という気持ちを伝えられますよ。そのため、書き言葉では締めくくりの表現として、ビジネス文書の文末に使うことも多い敬語文です。
また「~ほど」は、断定を避けて柔らかい印象を与えるため、目上の人や取引先の人にも好印象を与えることができます。
「ご高配のほど」の例文
- 旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り御礼申し上げますとともに、本年もご指導ご高配のほどよろしくお願いいたします。
- 本日はありがとうございました。今後とも何卒ご高配のほどお願い申し上げます。
- この度、理事に就任することとなりました。今後とも変わらぬご高配のほどお願い申し上げます。
- 不躾なお願いとは存じますが事情ご賢察のうえ、ご高配のほどお願い申し上げます。
「ご高配のほど」の例文は、"目上の人や取引先の人たちの配慮や厚意に感謝しつつこれからもよろしくお願いします"というニュアンスを伝えたいときに使うことが多いです。文末において、締めくくりの文章として用いられるのが一般的な使い方でしょう。
また、メールなどの書き言葉でも最後に添える一文に「ご高配のほど」を取り入れて使うと、相手への配慮や感謝の気持ちを伝えられますよ。
【「例文」で使われている敬語】
・「よろしくお願いいたします」よりも丁寧な言い換えとは?目上にも使いやすい敬語を徹底解説
・「不躾なお願い」の意味とは?正しい使い方まで詳しく解説します
ご高配を使った敬語⑤ ご高配の賜物
「ご高配の賜物」とは相手が自分のためにしてくれた配慮や厚意を受け取るという意味があります。「賜物」には「いい結果」「天からの恵み」などという意味があり、優れたものを受け取ったという感謝の気持ちを示すことが可能です。
また、「賜物」は目に見えない優れたものを指すときにも使われるため、相手の厚意や配慮などを示すことができます。しかし、なかなか日常会話では使う機会がないため、挨拶やスピーチ、手紙などで使われることが多いです。
「ご高配の賜物」の例文
- これもひとえに御社のご高配の賜物と大変ありがたく感謝しております。
- この度の結果は、○○様のご高配の賜物だと感謝しております。
- この度、理事に就任することができたのも、ひとえにご高配の賜物だと心より感謝いたします。
- 弊社が〇〇周年を迎えることができたのも、皆様のご高配の賜物だと感じております。
「ご高配の賜物」は、予期せぬ結果やいい結果を出せたことに関して、感謝の気持ちや周囲のサポートに対するお礼を示したいときに使えます。
まだ起こっていないことや今後のサポートをお願いする場面には向いていません。その点では「ご高配を賜り」とは使える場面が異なります。
また、例文のように挨拶やスピーチなどの改まった場面で使用することが多いのも特徴。日常的に使うことは少ないですが、定型文として覚えておくことがおすすめです。
【「例文」で使われている敬語】
・「ひとえに」の正しい使い方|感謝&謝罪の例文を詳しく解説します
・「御社」と「貴社」の使い分け|メール/電話/面接で使うのはどっち?
「ご高配」と言い換えできる類語一覧
「ご高配」のように相手の行動や気配りに感謝する敬語は数多く存在します。
ここからは、「ご高配」と言い換えられる類語表現を5つご紹介します。
- ご配慮
- お心遣い
- お気遣い
- ご配意
- ご厚情
各類語の使い方から例文まで確認して、ビジネス敬語のレベルを一気に高めましょう!
ご高配の類語① ご配慮
「ご配慮」は、相手が自分のためにしてくれる心遣いや心配りに感謝をする気持ちを込めて使う敬語です。
「ご高配」の類語ではありますが、「ご高配」が目上の人や取引先など自分よりも立場が上の人にしか使えないのに対して、「ご配慮」は同等の立場の相手にも使えます。「ご高配」よりもくだけた印象を与えるため、日常会話でも使うシーンが多いです。
また「ご配慮」の後に続ける言葉によっては、配慮をお願いするシーンや注意喚起をするシーンにも使うことが可能です。注意喚起で使用する場合は、初対面でも使えます。
「ご配慮」の使い方
- 先日は突然お伺いしたにも関わらず、さまざまなご配慮をいただきありがとうございました。
- ここから先は関係者以外立ち入り禁止区域となりますので、ご配慮願います。
- いつも多大なるご配慮とご協力をありがとうございます。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご配慮」の意味とは?敬語の正しい使い方から類語まで解説
ご高配の類語② お心遣い
「お心遣い」は、相手が自分のためを思ってくれている心情や気を遣う気持ちに対して感謝の気持ちを表現する言葉です。「お心遣い」は「心遣い」の敬語表現で、目上の人や取引先の人に使うことができます。
「お心遣い」は「ご高配」」とは異なり相手が自分のために直接してくれた行為などの動きがなくても、形にならない心情や配慮に対して感謝の気持ちを示すことができます。一方で、「お心遣い」は和語となるため、企画書や報告書には向いていません。
「お心遣い」の使い方
- 暖かいお心遣いをいただきましたことに大変感激しております。ありがとうございます。
- 昨日は早退してしまい申し訳ございませんでした。体調を心配してくださり、お心遣いありがとうございます。
- いつもながら、温かいお心遣い誠にありがとうございます。
【「例文」で使われている敬語】
・「お心遣い」の意味/使い方|お気遣いとの違いまで分かりやすく解説
・「お心遣いありがとうございます」を使った目上にも使える丁寧な例文集
・「申し訳ございませんでした」は正しい敬語?目上に謝る時使う表現とは
ご高配の類語③ お気遣い
「お気遣い」は相手が自分のために神経を使い、気を遣うことに感謝したいときに使います。「気遣い」という言葉を敬語表現しているため、目上の人や上司にも使用することが可能です。
「ご高配」よりも、相手が自分のために気を遣ってくれているという行為そのものに対して、感謝の気持ちを示したいときに使います。また、「どうぞお気遣いなく」などと使えば、わざわざ気を遣わなくても大丈夫ですよ、ということを示すことが可能です。
「お気遣い」の使い方
- 昨日は突然お邪魔したのにもかかわらず、お気遣いありがとうございました。
- 格別なお気遣いに感謝申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
- 今日は少し残業していきますが、どうぞお気遣いなく先にご帰宅ください。
【「例文」で使われている敬語】
・「お気遣い」の意味&使い方|上司や目上に使える例文まで徹底解説
・「お気遣いありがとうございます」の例文から類語までまとめました
ご高配の類語④ ご配意
「ご配意」に使われている「配意」は「配慮」と同じ意味の言葉です。
「配慮」という言葉が一般的になり、「配意」はあまり使われることがなくなり、耳慣れないという人も多いと思います。しかし、両者は同じような使い方をすることができます。
そのため、「ご配意」も「ご高配」と同じように相手が自分のためにしてくれた心配りや気を遣うに対して、感謝の気持ちを示したいときに使います。また「ご配意」は「配意」の尊敬表現になるため、目上の人や上司に使うことが可能です。
「ご配意」の使い方
- 平素から温かいご配意誠にありがとうございます。
- 22時以降は関係者以外使用禁止となりますので、ご配意できればと存じます。
- 本日はありがとうございました。今後とも変わらぬご配意を賜りますよう、お願い申し上げます。
ご高配の類語⑤ ご厚情
「ご高配」の類語である、ご厚情。相手がしてくれた親切や心配りに対して感謝の気持ちを示す表現です。
「厚情」には深い情けや思いやりの意味があり、行為よりも相手の気持ちや心遣いに感謝したいときに使います。
また「ご厚情」は、敬語表現ではありますが「いただく」や「賜る」などの謙譲語と一緒に使うことで、より丁寧な言い回しが可能です。かしこまった言葉でもあるので挨拶やスピーチ、書き言葉など改まったビジネスシーンでも活用できます。
「ご厚情」の使い方
- 平素より多大なご厚情にあずかり、厚くお礼申し上げます。
- わざわざお気遣いのお手紙をいただき、○○様のご厚情に感謝申し上げます。
- ご厚情あふれる励ましのお言葉をありがとうございました。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご厚情」の意味/使い方|目上の人にも使える例文とは
「ご高配」の英語表現
- I am obliged to you for the trouble you have taken for me(ご高配に感謝します)
- We appreciate your concern.(ご配慮に感謝いたします)
- Thank you for your kind consideration.(ご配慮に感謝いたします)
- Thank you for your kindness.(ご配慮いただきありがとうございます)
- Thank you very much for your kind consideration.(ご配慮いただきありがとうございました)
- Thanks for your consideration.(ご配慮に感謝いたします)
「ご高配」に近い意味のある英文は多くあり、目上の人や上司などを相手にビジネスシーンで使えます。
中でも「Thank you for your kind consideration.」は、相手の心配りや気を遣うことに対して感謝を示したいときに使えます。この一文さえ覚えておくと、とても便利ですよ。
「ご高配」の正しい使い方をマスターして。
今回は「ご高配」の類語や使い方、ビジネスシーンで使うときの例文をまとめてご紹介しました。
自分より目上の人の心遣いや気配りに感謝をしたいときに使える言葉です。また、手紙やスピーチなどでも使うことができ、初対面の人に対しても好印象を与えます。ぜひ「ご高配」や類語の正しい使い方をマスターしてみてくださいね。
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