"お心遣いありがとうございます"の意味&丁寧な例文集|ビジネス敬語ガイド

"お心遣いありがとうございます"の意味&丁寧な例文集|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.02.07
「ありがとう」を丁寧に伝えられる敬語、お心遣いありがとうございます。感謝の意を伝えられる言葉なため、使い方は覚えておきたいところ。今回は、お心遣いありがとうございますの意味や使い方、丁寧な例文、言い換えできる類語を徹底解説。ビジネス敬語の質を上げましょう。

「お心遣いありがとうございます」の意味とは?

返事の仕方①お心遣いありがとうございますの意味とは

「心遣い」とは、あれこれと気を配る事や心配りを意味する言葉です。また、祝儀や心付けを意味することもあります。

目上の相手に対して使う「お心遣い」とは、相手の気配りや心配りを指し、「お心遣いありがとうございます」で、相手の思いやりある心配りや気配りに対して感謝をあらわすフレーズになります。

相手が自分のことに対する配慮や心配りに対して使用するフレーズのため、自分を気遣った声がけや贈り物を受け取った時、またはビジネス上などでいつも自分を気にかけてくれる人物に対しての感謝の気持ちを込めて「お心遣いありがとうございます」を使います


「お心遣いありがとうございます」は目上の人に使えるのか?

お心遣いありがとうございますの使える相手とは

「お心遣いありがとうございます」は、心遣いに接頭語の「お」を付けた敬語で、相手に対しての敬意をはらった敬語表現ですので、目上の人に対しても使用できます

思いやりある対応に対して「お心遣いいただき、ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べるフレーズとして使われます。例えば、いつも自分に対してアドバイスをくれる上司や、病気やケガで入院した時に上司や取引先の方からお見舞いの品をいただいたときに使用します。


「お心遣いありがとうございます」を使う上での注意点

お心遣いありがとうございますの注意点

「お心遣いありがとうございます」は、「おこころづかい」と訓読みをする「和語」ですので、元々は口語や、文語では挨拶状や手紙などで使用されるフレーズです

そのため、報告書や企画書、週報などのビジネス文書、スピーディな対応が求められるビジネス上でのメールで使用するフレーズとしてはふさわしくありません

ビジネス文書やメールにおいて「お心遣いありがとうございます」と表現したい場合には、和語である「お心遣い」の代わりに音読みの「ご配慮」を使用しましょう

「ご配慮いただきありがとうございます」「ご配慮を賜りまして感謝申し上げます」などが、ビジネス文書やメール上での適切な表現です。


「お心遣いありがとうございます」を使った例文

お気遣いありがとうございますと言い換えできる類語
  • いつもながらお心遣いいただき、ありがとうございます。
  • 皆さまにお心遣いいただいたおかげで、素晴らしい展示会になりました。ありがとうございました。
  • ○○様のお心遣いに、厚く御礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
  • 入院中はお心遣いいただきありがとうございました。おかげさまですっかり元気になりました。
  • この度いただいた数々のお心遣いに大変感謝申し上げます。
  • 温かいお心遣いありがとうございます。

「お心遣いありがとうございます」は、ビジネス上では自分を気にかけてくれた人に対する感謝の気持ちを表現するフレーズです

「お心遣い」と相手の心遣いに対して敬意を払っているため、目上の方に対しても使用できます

具体的には、自分を気遣ってくれた人に言葉として伝えるだけでなく、お客様など目上の人からの配慮をいただいた時、入院中にお見舞いなどをいただいた時のお礼状や挨拶文にも使われるのが一般的

また、個人対個人ではなく、企業や団体などの複数対複数にも使用可能で、展示会やイベントなどが成功した時や、無事に終了した時に配慮や気配りをしてくれた人々に対しして感謝のスピーチの文言としても用いられます。

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「お心遣いありがとうございます」と「お気遣いありがとうございます」との違い

とんでもないですの類語⑤お気遣いありがとうございますの意味とは

「心遣い」の類語に「気遣い」があります

心遣いに対して気遣いも「気を遣う事」の意味がありますが、気遣いは「相手が自分に対して配慮をしてくれたこと」と行為そのものを指すのに対して、心遣いは「相手が自分に思いやりや誠意をもって配慮してくれたこと」と心情を指すニュアンスが含まれます。

例えば、「お心遣い・お気遣いありがとうございます」は両方とも使用できますが、相手に気を遣わないで欲しいと伝えるフレーズである「お気遣いなく」は「お心遣いなく」と言い換えることはできません。

逆に、温かい言葉かけや対応を受けた時「温かいお心遣い」とは言えますが、「温かいお気遣い」と言い換えはできません

【「お気遣い」の敬語一覧】
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「お心遣いありがとうございます」と言い換えできる類語

お心遣いありがとうございますと言い換えできる類語

「お心遣いありがとうございます」には、言い換えできる類語が存在しており、タイミング次第では、「お心遣い」よりも適した敬語も存在します

ここから、「お心遣いありがとうございます」の類語の使い方/例文を徹底解説

  • ご配慮ありがとうございます
  • ご配意ありがとうございます
  • ご高配ありがとうございます
  • ご深慮ありがとうございます

各類語の使い方、例文をこの機会にマスターしておきましょう


類語① ご配慮ありがとうございます

ご配慮の使い方①ご配慮ありがとうございます

「配慮」とは、相手の自分に対する心配りや気配りを意味しますが、音読みのため「配慮」そのものはビジネス文書でも使用可能なフレーズです。

接頭語「ご」をつけることで相手を高める尊敬語になるため、上司など目上の人に対しても使用できます

「ご配慮ありがとうございます」よりも、相手から配慮してもらった、という意味を込めて「ご配慮いただきありがとうございます」や、さらに丁寧にした「ご配慮賜り感謝申し上げます」が使用されます。

「ご配慮ありがとうございます」の例文

  • この度は格別のご配慮を賜り、感謝申し上げます。
  • こちらの希望に対して納期調整のご配慮いただき、誠にありがとうございました。
  • ○○様にはいつもながら弊社に温かいご配慮いただきましてありがとうございます。

【「例文」で使われている敬語】
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類語② ご配意ありがとうございます

お心遣いありがとうございますの類語②ご配意ありがとうございます

「配意」とは気配り・心配りを指す言葉で「配慮」と同じ意味があります

「安全に配意した街づくり」などの使い方をします。そのため、「お心遣いありがとうございます」のビジネス上の言い換えとして「ご配意いただきありがとうございます」も使用可能です。

ただし、「配意」は「配慮」と全く同じ意味であるにも関わらず、一般的には「配慮」の方がビジネス上では多く使われる傾向にあります。目上の方に対しても使用できますが、「配意」自体があまり一般的でない表現のため、敬語としは「配慮」を使用した方が無難です。

「ご配意ありがとうございます」の例文

  • この度はご配意いただきありがとうございました。
  • 予算の面では特別なご配意をいただきまして、大変感謝申し上げます。
  • いつもご配意いただき、大変感謝しております。

類語③ ご高配ありがとうございます

類語③ご高配ありがとうございますの意味とは

「ご高配」とは、自分よりも目上の立場の人から受けた配慮や気配りを指します

「ご高配」の一言のみで、配慮や気配りの意味と相手に対する敬意を同時に表現できる言葉です。そのため、「ご高配ありがとうございます」は主に目上の方へのみ使用されるフレーズで、部下などには使用しません。

ビジネス上でも、「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」は、「いつも特別な気遣いをしてくださり、ありがとうございます」という意味でほぼ定型化された挨拶文です

「ご高配ありがとうございます」の例文

  • この度は弊社○○に対してご高配いただき、誠にありがとうございました。
  • 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
  • プロジェクトが無事に成功裏に終了したのも、皆様のご高配をいただいたおかげです。深く感謝申し上げます。

【「例文」で使われている敬語】
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類語④ ご深慮ありがとうございます

お心遣いありがとうございますの類語④ご深慮ありがとうございます

「深慮(しんりょ)」とは、深い考え、または深く考えをめぐらすという意味です

接頭語「ご」を付けることで、相手の考えや思考に対して敬意を払うフレーズになります。先々のことまで深く考える、という意味の「深慮遠謀」の四字熟語としても使用されるフレーズになります。

ビジネス上では、目上の方から思いやりのある心遣いや気配りを受けた時に、相手への心遣いや気配りに対しても敬意を払って「ご深慮ありがとうございます」とお礼の表現として言い換えられますが、「配意」と同じくあまりビジネス上では使われませんので、「ご高配」に言い換えるのが無難です

「ご深慮ありがとうございます」の例文

  • 弊社の提案につきまして、ご深慮いただきありがとうございます。
  • 特に○○様には格別のご深慮を賜りまして、ここに厚く御礼申し上げます。
  • この度は格別のご深慮をいただき、誠にありがとうございます。

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