"ご依頼"の意味/使い方。メール&文書で使える例文集|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2021.12.18
相手へ頼みごとをする行為を指す言葉、ご依頼。ビジネスを進める上で取引先へお願いするのは当たり前で、「ご依頼」は日常的に使う必要があります。今回は、ご依頼の意味から使い方、定番の敬語フレーズ、言い換えできる類語まで解説。メールや文書で使える例文を確認しましょう!

「ご依頼」の意味とは?

ご依頼の意味

ご依頼とは、他人に頼み事をする」、「用件を頼むこと」などを意味していた敬語表現です。

「依頼」という言葉の「依」には、「よりかかる」「頼みにする」と言った意味があり、「頼」という漢字には、「頼る」「あてにする」といった意味があります。

「ご依頼」は丁寧な表現なので、上司や取引先の人など目上の人に対しても使用できる言葉です。ちなみに、「ご依頼」は謙譲語でも尊敬語でもありません


「ご依頼」を使う時は、後に続く動詞で敬意を表す!

ご依頼は、動詞で経緯を表す

「ご依頼」は丁寧な表現方法なので、上司や取引先の人などにも使用できますが、この言葉自体は敬語ではありません

そのため、目上の人に対するメールやビジネス文書などでは、「ご依頼申し上げます」や「ご依頼いたします」という風に、「ご依頼」に続く動詞を尊敬語にすることで、より丁寧な言葉になり敬意を表すことができます

「ご依頼」だけでは、謙譲語にも尊敬語にも当てはまらないので、前後の言葉次第で表現を変えるのがベストでしょう。


「ご依頼させていただく」は、間違い。

「ご依頼」は丁寧語ですが、自分の依頼に対しても使用することができます

例を挙げると「ご依頼いたします」は、相手に対して依頼をする行為なので誤りではありません。しかし、「ご依頼させていただく」は、自分自身を立てる意味合いになるため、間違った敬語になります

間違った使い方をすると、上司や取引先など目上の人に失礼だと思われる可能性もあるため注意が必要です


「ご依頼」を使った丁寧な例文一覧

お気遣いありがとうございますと言い換えできる類語

「ご依頼」を使った定番のフレーズは、大きく分けて以下の4つ。

  • ご依頼申し上げます
  • ご依頼いただいた
  • ご依頼のありました
  • ご依頼の件につきまして

どの表現もビジネスメールなどで使われるため、この機会に使い方・例文などを確認していきましょう。


ご依頼の使い方①「ご依頼申し上げます」

「ご依頼申し上げます」の使い方

「ご依頼申し上げます」は、丁寧な表現である「ご依頼」と謙譲語の「申し上げます。」を組み合わせた敬語なので、上司や取引先の人など目上の人に対しても使用できます

「申し上げる」の「上げる」は、「申す」を補助する動詞で、「ます」は日常会話などでもよく使われる丁寧語です

つまり、「申し上げます」には、「言わせていただきます」という意味があり、「申す」は「言う」の謙譲語で、自分の行為をへりくだって話す時に使用します。


「ご依頼申し上げます」の例文

  • 先日、ご依頼申し上げたプロジェクトについてですが、仕上がりはいつになりますか?
  • 下記〇〇の通り、ご依頼申し上げます。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
  • ぜひとも~していただきたくご依頼申し上げます。

「ご依頼申し上げます」は、上司やお客さんなど目上の人に見積を依頼する場合や依頼を頼むときなどに使用できます

忙しい人に対して依頼する際は、「お忙しいところ恐縮ではございますが」という文章を付けるとより丁寧な表現になります

また、例文にもあるように「ご依頼申し上げた〇〇についてですが~」という言葉を使って、締め切りや完了日などを確認することもできます。

【「例文」で使われている敬語】
「恐縮ですが」の意味/使い方|例文付きで分かりやすく解説します

「よろしくお願いいたします」よりも丁寧な言い換え敬語まで詳しく解説!


ご依頼の使い方②「ご依頼いただいた」

「ご依頼いただいた」の使い方

「ご依頼いただいた」は、ビジネスシーンでよく使われている敬語です

この言葉がよく使用されるのは、何かの仕事をお願いする、もしくは仕事をお願いされるときです。頼まれていた仕事が完了したときや頼まれていた資料やデータなどを送信したときなどに使用できます。

「ご依頼」という言葉は、依頼されたのが過去であっても未来であっても、時期は関係なく使用することができますが、「いただいた~」は過去のことに対してのみ使用します。


「ご依頼いただいた」の例文

  • 先日ご依頼をいただきました資料を、添付ファイルにてお送りします。
  • ご依頼いただいたデータを添付ファイルにて送付いたします。
  • ご依頼いただきました通り、お客様の〇〇のメンバーシップを中止いたしました。

「ご依頼いただいた」は、メールで何かを資料やデータなど送ったことを知らせるとき、例文のように「ご依頼いただいたデータを送付いたします。」という使い方ができます

「ご依頼いただいた」は、ビジネスだけではなく日常生活でもよく目にします。例えば、通販サイトの会員登録を解除した際などには「ご依頼いただきました通り、〇〇を解除しました」というメールが届きます。


ご依頼の使い方③「ご依頼のありました」

「ご依頼のありました」の使い方

「ご依頼のありました~」は、過去のことを言い表します

メールや電話などで何かを頼まれていたことに対して、その後の報告を行う際に使用します。例えば、電話で無料カタログを送付するよう頼まれていた場合、カタログの送付が完了したとき、「ご依頼のありましたカタログをお送りいたしました。」という使い方ができます。

「〇〇のありました~」は、丁寧な表現になるので、上司や取引先の人など目上の人に対しても使用できます


「ご依頼のありました」の例文

  • 先日お電話にてご依頼のありました〇〇社のカタログは、さっそく別送いたしました。
  • ご依頼のありました書類お送りいたしましたので、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
  • ご依頼のありました無料サンプルを同封しております。

「ご依頼のありました」は、頼まれていた書類や無料サンプル、カタログなどの郵送・送付が完了したときなどに使えます

依頼されていた仕事を完了したことを知らせるときや相手に確認してもらいたいときなど、多くのシチュエーションで応用できます。


ご依頼の使い方④「ご依頼の件につきまして」

「ご依頼の件につきまして」の使い方

「ご依頼の件につきまして」は、文書やメールなど、ビジネスシーンでよく使われている敬語です

誰かから頼まれていた仕事について話すときや仕事を依頼されたときなど、「ご依頼の件につきまして、承りました」という使い方ができます。また、文章の中だけではなく、メールの件名やビジネス文書のタイトルや依頼された仕事を断るときの言葉としてもよく使われています。

この言葉は、丁寧な表現なので、上司や取引先の人など目上の人に対しても使用できますよ。


「ご依頼の件につきまして」の例文

  • ご依頼の件につきましては、ご期待に添うことができず、誠に申し訳ございません。
  • 〇〇のご依頼の件につきまして(依頼メールの件名として使用)
  • ご依頼の件につきまして、承りました。どこまで期待に応えられるか分かりませんが、できるかぎり精一杯がんばりたいと思います。

「ご依頼の件につきまして」は、仕事の依頼を受けるときや誰かに仕事を依頼するときだけではなく、例文の通り、ビジネス文書やメールのタイトル、依頼された仕事を断るときの文章としても使用できたりと、さまざまな使い方ができますよ

ビジネスシーンで多く使われている言葉なので、ぜひ例文を見ながら使い方を練習してみてください。

【「例文」で使われている敬語】
「申し訳ございません」の使い方|目上に失礼にならない丁寧な謝罪表現とは?


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