"速筋"と"遅筋"の違いとは?効果的な鍛え方まで学んで運動能力を上げよう!
「速筋」と「遅筋」の違い|どんな役割で使われる筋肉を指すの?
一般的に筋肉とされる部分には「速筋」と「遅筋」の2種類がありますが、それぞれの違いについてよくわからない人もいますよね。
ここでは、「速筋」と「遅筋」の違いから解説。
正しい知識をつけて取り組むことで、筋トレ効果は高まります。どんな特徴のある筋肉のことを指すのか、しっかりと理解していきましょう!
「遅筋」の定義とは?|マラソンに向いてる筋肉
「遅筋」とは、酸素を使用しながら収縮する筋肉で、水泳やジョギングなどのように持久力を必要とする有酸素運動に向いている筋繊維です。
遅筋を運動させるためには酸素の他、糖や脂質を燃焼させてエネルギー源として多く使うのが特徴。赤色に見えることから「赤筋」や「typeI繊維」と呼ばれることもあります。
姿勢の保持やバランスを取ったりする時に重要とされており、インナーマッスル(コアや深層筋)に多く含まれています。
「速筋」の定義とは?|別名"白筋"とも呼ばれる速筋はさらに2つに別れる!
「速筋」とは、白く見えることから「白筋」と呼ばれる筋繊維。
運動させるためには糖分をエネルギー源としており、遅筋とは異なり酸素を必要としません。そのため、ダッシュやジャンプなど瞬発力が必要となる無酸素運動に向いている筋繊維です。
速筋の中には「typeⅡa型繊維」と「typeⅡb型線維」が存在しています。
速筋の種類①「type II a型繊維」とは?
「type II a型繊維」は、速筋と遅筋の中間にあたる性質があり、色も遅筋の赤と速筋の白が混ざったようなピンク色の筋繊維です。
エネルギー源としては、遅筋と同じように酸素と糖と脂質を使用している特徴があります。筋肉の疲労度や瞬発力は速筋と遅筋の中間程度となっており、瞬発力がありながらもやや持久的な運動が主体となっています。
速筋の種類②「type II b型線維」とは?
「type II b型線維」とは、色が白く見えるので白筋とよばれることもある筋繊維です。速筋の定義があてはまるタイプで、持久力はありませんが、瞬発力が高い動きが特徴。
エネルギー源としては、酸素は必要とせず、糖のみを使用しています。そのため持久力があまりなく、すぐに疲労を感じる一方で、遅筋と比べると爆発的なパワーや、スピードを生み出せます。
「速筋」と「遅筋」の割合|偏った割合の筋肉は意外と多い?
「速筋」と「遅筋」の筋繊維の割合は体の部位によって異なります。この割合は遺伝的な要素や先天的な要素が大きいとされているため、トレーニングによって筋繊維の割合を増減させるのは難しいと考えられています。
効率よく筋肉をトレーニングするためには、部位による「速筋」と「遅筋」の筋繊維の割合を把握しておくことが大切です。ここでは「速筋」「遅筋」それぞれの割合が多い筋肉部位を紹介します。
【速筋の割合が多い筋肉】一番多い筋肉は60%を優に超える!
速筋の割合が多い筋肉は、アウターマッスルが多いため、鍛えると見た目にもわかりやすいのが特徴。
中でも代表格は「上腕三頭筋」で、67.5%が速筋だとされています。上腕三頭筋は二の腕にあり、腕にある筋肉の中でも一番の体積を誇る部位です。
次に多いのが65.6%とされるのは太もも前にある、大腿直筋。大腿直筋は太ももの前面にある大腿四頭筋を形成する1つの筋肉で、股関節や膝関節の動きに大きな役割を担っています。
次に速筋の割合が多い筋肉部位「胸鎖乳突筋」。首の筋肉の一つで、耳の下から鎖骨まで伸びています。
【遅筋の割合が多い筋肉】90%近くが遅筋の筋肉とは?
遅筋の割合が多い筋肉はインナーマッスルに多いとされており、体の表面からは見えにくく内側から体を支えているのが特徴。
その代表格としてあげられるのが「ヒラメ筋」で、88%が遅筋だとされています。ヒラメ筋はふくらはぎの内側についている筋肉で、立っている時には一番下で体を支える大切な筋肉部位です。
次に多い筋肉部位が「前脛骨筋」で73.4%とされており、脛骨と足の内側をつなぐすねの前側にある筋肉で、つま先を持ち上げる働きをしています。
速筋と遅筋の割合を調べる方法|あなたの体は長距離向き?短距離向き?
速筋と遅筋は人によってその割合が異なり、先天的に決まっています。自分の体における速筋と遅筋の割合がどのくらいなのか割合を調べるためには、次のような方法があります。
まず50m走ると12分間走の速度と距離を測定。それを「速筋の割合=-59.8+69.8×(50m走の速度(秒速)÷12分間走の速度(秒速))」に当てはめて計算すると割合が導きだせます。
例えば、50mは7.5秒、12分間走は3000mの場合は次のような式で求められます。-59.8+69.8×(7.5÷4.2)=65となり、つまり65%が速筋の割合になるのです。
速筋と遅筋を鍛えるメリット|得られる効果に合わせて鍛える筋肉を変えよう!
速筋と遅筋は筋肉部位によって割合が異なりますが、それぞれの特徴を踏まえ鍛えるメリットについて紹介していきます。
効率よく理想の体を目指すためには、それぞれの筋肉を鍛えることによるメリットを把握しておくことが重要です。
陸上などのスポーツをもっと上達させるために鍛えるのか、ダイエットをして痩せるために鍛えるのか、目的によっても鍛え方が異なるためチェックしておきましょう。
速筋を鍛えるメリット|スポーツの運動能力は速筋が全て?
大きな負荷がかかる動作にも向いているので、筋トレにも効果がありそうですが、実際にはどのようなあメリットがあるのでしょう。
速筋は瞬発力や大きなパワーを生み出す筋肉なので、瞬発力が必要とされる陸上競技など、スポーツ技能を上げたい人に効果がありそうですが、ここでは速筋鍛えるメリットを詳しく解説します。
速筋を鍛えるメリット1. 瞬発力が上がる
速筋を動かすためには酸素を必要としないため、素早くエネルギーを生み出せるようになり、瞬発力が上がります。
持久力は上がりませんが、その分瞬発力やパワーが高くなるため、パワー系のスポーツをする時に活躍する筋肉です。
例えば、スタートダッシュが必要な陸上の短距離走や、パワーが必要なウェイトリフティング。
ジャンプ力が重要な走り高跳びのように、一瞬のパワーで勝負が決まるようなスポーツで良い結果を残すためには速筋を鍛えるのがおすすめです。
【参考記事】瞬発力を高める効果的なトレーニング方法とは▽
速筋を鍛えるメリット2. 見た目がマッチョになる
速筋は鍛えれば鍛えるほど筋肥大がしやすくなるのが特徴。ボディビルダーのようなマッチョな体格を目指す人は速筋を鍛え、筋肥大させているのです。
速筋は重いものを持つときやジャンプをする時などに瞬間的に使われる筋肉なので、動かすためには大きな力が必要になります。
ベンチプレスやダンベルなどのウェイトトレーニングや、短距離を全力疾走する無酸素運動などにより高負荷をかけたトレーニングによって速筋は鍛えられ、見た目にもマッチョになるのです。
【参考記事】短期間で細マッチョボディを作る方法とは?▽
遅筋を鍛えるメリット|速筋では得られない大切な効果とは?
遅筋は酸素を使用しながら収縮するため、長距離のジョギングや水泳などの有酸素運動をする時に必要になる筋肉です。
同じ筋肉でありながらも速筋のように筋肥大しにくいなど、遅筋には異なる特徴があるので、目的によってトレーニング方法を変えて鍛えていかなければなりません。
遅筋を鍛えると体にどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは遅筋を鍛えるメリットを紹介します。
遅筋を鍛えるメリット1. 持久力が上がる
遅筋は、筋肉が収縮するスピードが遅いため、鍛えれば鍛えるほど疲れにくく、持久性のある筋肉になります。速筋のように筋肥大しにくいので、鍛えすぎても見た目に体格が良くなることもありません。
マラソンランナーや競輪選手など長い時間筋肉を使うスポーツや競技をする人にとっては、遅筋を鍛えることが重要です。
動いている時に筋肉が疲労しにくくなり、疲れにくくなるので安定したフォームで走れるなどのメリットがあります。
【参考記事】持久力アップにおすすめのトレーニングメニューとは▽
遅筋を鍛えるメリット2. ダイエット効果が高まる
遅筋を動かすためのエネルギー源は、脂質を燃焼させること。そのため、遅筋を動かすことで体の脂肪分を減らせるので、ダイエットにも効果的です。
遅筋は継続的なトレーニングによってゆっくりと少しずつ鍛えられていきます。鍛えるのに大きな力を必要としないので、速筋のように筋肥大しにくく、遅筋を鍛えてもマッチョな体格になりにくいです。
ゆっくり歩いたり自転車をこぐなど有酸素運動を中心に、遅筋を意識しながらトレーニングすることでバランスよく体が引き締まり、ダイエット効果が高まります。
【参考記事】脂肪燃焼に効果的なダイエットメニューを解説▽
速筋と遅筋の鍛え方|効果的な肥大を実現するコツとは?
速筋と遅筋にはそれぞれに特徴が異なるように鍛え方も異なってきます。
ダイエットやマッチョな体作りなど、目的に応じてトレーニング方法を工夫しながら速筋や遅筋を鍛えていく必要がありますが、どのように鍛えれば良いのかわからない人もいますよね。
ここでは速筋と遅筋の鍛え方のコツを紹介しますので、自分の目的に合った鍛え方を実践してみてくださいね。
速筋を鍛えるコツ|スポーツパフォーマンスを向上させる鍛え方とは?
ボディビルダーのようにマッチョで体格の良いボディを目指すためには速筋を鍛えることが重要です。速筋は大きな負荷をかけたトレーニングで鍛えられますが、どのようなトレーニングが効果的なのでしょうか。
ここでは速筋を鍛えるコツを2つピックアップしてご紹介します。コツをおさえて効率的に速筋を鍛えてムキムキボディを目指しましょう。
速筋を鍛えるコツ1. 負荷のある筋トレ(無酸素運動)を取り入れる
筋肉に高い負荷がかかると、その高い負荷に抵抗するために瞬間的に大きな力を発揮しなければなりません。その時に使われるのが速筋です。
負荷が高いほどに速筋が働く割合が大きくなり、筋肥大して見た目にも筋肉が大きくなります。速筋を鍛えるためには、筋肉に大きな負荷をかけ、できるだけ短時間でトレーニングを行うことが効果的。
家でも取り組める自重トレーニングでも良いですが、ベンチプレスやダンベルなどのウェイトトレーニングのように、負荷のある筋トレを取り入れることとよりスピーディーに速筋を鍛えられますよ。
【参考記事】全身を鍛えられる「筋トレの教科書」をご紹介!▽
速筋を鍛えるコツ2. 回数を少なめにして筋トレの動作スピードを早める
速筋は負荷をかけるスピードが速いほど、筋肉にかかる負荷が高くかかり、一瞬で大きな力を発揮する必要が生まれて、筋肉には瞬発力が身につきます。
一度の動作で体にかかる負荷が大きくなるため、速筋を鍛える少ない回数でも疲れる重量にするのがポイント。
少ない回数でトレーニングするのは、素速く動かすことで負荷をかけるだけでなく、フォームが乱れて怪我が起きるのを防いだり、筋肉疲労をかけすぎたりしないためも効果的です。
【参考記事】より効率よく筋肉を付ける方法って知ってる?▽
遅筋を鍛えるコツ|筋トレよりもランニングの方が良い?
遅筋は基礎代謝アップに必要なインナーマッスルに多く含まれているので、ダイエットをしたい時に鍛えておきたい筋肉です。
遅筋は速筋のように筋肥大しにくいので、しっかり鍛えてもしなやかなボディラインをキープできるのも特徴。
ここでは効率よく遅筋を鍛えるために、遅筋を鍛えるコツを2つ紹介していきます。持久力をつけたりバランスよく痩せるためにダイエットをしたい人は要チェックですよ。
遅筋を鍛えるコツ1. 有酸素運動で鍛える
遅筋を動かすためには酸素が必要です。呼吸で取り入れた酸素によって脂質を燃やし、それをエネルギー源とします。そのため、遅筋を鍛えるためには有酸素運動が効果的です。
遅筋は小さな力を継続的に発揮する特徴があるため、ランニングや水泳、サイクリングなどのように、小さめの負荷でゆっくりと長い時間かけて行う運動やトレーニングがおすすめ。
有酸素運動で負荷をおさえながら継続したトレーニングをすることが遅筋を鍛えるこつです。
【参考記事】有酸素運動のおすすめメニューを解説▽
遅筋を鍛えるコツ2. 筋肉疲労の少ない低負荷な筋トレ(無酸素運動)をゆっくり取り組む
遅筋を鍛えるための筋トレは、低め負荷をかけながら筋肉疲労をかけずに同じ動作を何度も反復するトレーニングが効果的です。
重い負荷をかけると動作に瞬発力が必要になるので、遅筋ではなく速筋が鍛えられてしまいます。スクワットや腕立て伏せなど、自宅で出来るくらいの負荷の小さめな筋トレによって遅筋を鍛えることで体全体の持久力が高まるため、有酸素運動を継続して行うためにも遅筋の筋トレを取り入れてトレーニングすることで効率よく遅筋を鍛えられますよ。
【参考記事】家で出来る効果的な筋トレメニューを大公開▽
遅筋と速筋について理解してトレーニングすれば、あなたの運動能力はもっと高くなる!
今回は「遅筋」と「速筋」について詳しく解説してきました。普段は筋肉とひとくくりにされていますが、自分の目的に合わせて効率的に体を鍛えるためには「遅筋」と「速筋」の違いを知っておくことが重要です。
自分が理想とする体型を目指すべく、痩せるためのダイエットや、陸上などの運動パフォーマンスを手に入れるためにも、それぞれの筋肉を鍛えるために効果的なトレーニング方法を取り入れていきましょう。
【参考記事】プロテインの全てが分かるプロテインの教科書とは?▽
【参考記事】パンプアップってどういう意味があるの?▽
【参考記事】筋肉量の平均値ってどのくらいなの?▽
【参考記事】はこちら▽
大切な人にシェアしよう。Enjoy Men’s Life!