ローテーターカフのトレーニング集|肩を鍛える筋トレ&ストレッチとは?

織田琢也 2022.11.11
肩のインナーマッスルと呼ばれる筋肉、回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)。どのような役割を担って、どんなトレーニングを行う事で鍛えられるのか。今回はローテーターカフの鍛え方として、基礎知識と効果的な筋トレメニュー&ストレッチをご紹介していきます。

ローテーターカフの効果的なトレーニングメニュー|肩周りを鍛えられる筋トレとは?

ローテーターカフを鍛えられるトレーニングメニュー

回旋筋腱板の基礎知識について勉強したところで、ここからは実際に回旋筋腱板を鍛えられる効果的なトレーニングメニューをご紹介します。自宅で取り組める筋トレ方法を中心に解説していきますので、気になったトレーニングは今日からでも取り組んでみてください。


ローテーターカフの筋トレメニュー1. インターナルローテーション

インターナルローテーションのやり方

チューブを使った回旋筋腱板トレーニング、インターナルローテーション。プロ野球選手も日々の筋トレメニューにプラスしている種目で、シンプルながらもローテーターカフ全体を刺激できますよ。チューブを必要とする男性ですので、持っていない方はこの機会に購入してみて。

インターナルローテーションの正しいやり方

  1. チューブの片方を肘の高さで支えられる場所に結ぶ
  2. 片方をしっかりと持つ
  3. (2)の時、足は肩幅分開く
  4. チューブを持った腕の上腕部分は体に沿わせて、前腕は地面と平行に
  5. チューブを持った腕を外に広げていく
  6. (5)の時、前腕以外は動かさない
  7. 限界まで引っ張り、ゆっくりと元に戻す
  8. この動作を20回繰り返す
  9. インターバル(30秒)
  10. 残り2セット行う
  11. 終了

インターナルローテーションの目安は、20回 × 3セット。肩部分への刺激を感じながらゆっくりと取り組んでいきましょう。

セットの仕方

  • 前腕以外は動かさない
  • 呼吸を止めないで行う
  • 全ての動作をゆっくりと
  • チューブは少し固めを選びましょう
  • 手首に力を入れすぎない

インターナルローテーションで効果を高めるコツは、前腕以外は動かさないで取り組むということ。肘を動かしてしまうと、回旋筋腱板に刺激が届きにくいため、しっかりと固定した状態で取り組みましょう。

【参考記事】インターナルローテーションのやり方を動画で解説


ローテーターカフの筋トレメニュー2. アウトワードローテーション

アウトワードローテーションのやり方

インターナルローテーションとは違い、ダンベルを使った回旋筋腱板トレーニングメニュー。ダンベルを持っていれば自宅で寝っ転がって行える種目なため、ぜひ挑戦してみください。

アウトワードローテーションの正しいやり方

  1. マットなどを敷いた上に、仰向けで寝っ転がる
  2. ダンベルを右手に持つ
  3. 右の上腕部分は体に沿わせ、前腕は体と垂直になるように横に倒す
  4. 前腕をゆっくりと上に上げる
  5. 肘の真上に来たら、ゆっくりと元に戻す
  6. この動作を20回繰り返す
  7. インターバル(1分間)
  8. 残り2セット行う
  9. 終了

アウトワードローテーションの目安は、20回 × 3セット。ダンベルは無理できない重量を選びましょう。

セットの仕方

  • 前腕以外は動かさない
  • 上げる時に空気を吐き、下ろす時に取り込む
  • 全動作をゆっくりと行う
  • ダンベルは軽めを選ぶ
  • ダンベルを握りこみすぎない

アウトワードローテーションで効果を高めるポイントは、全動作ゆっくりと行うということ。たった、これだけを意識するだけで回旋筋腱板への刺激を届けられますよ。ダンベルの重量は2kg~3kgを選ぶのがベスト。


ローテーターカフの筋トレメニュー3. ショルダーサークル

ショルダーサークルのやり方

アウトワードローテーションと同様にダンベルで行う回旋筋腱板トレーニング、ショルダーサークル。ダンベルをもった状態でぐるっと大きく回すことで、ローテーターカーフ全体を効率良く刺激できますよ。

ショルダーサークルの正しいやり方

  1. ダンベルをもって直立する
  2. 右手と左手の手のひらはお互いに向ける
  3. 肘を伸ばした状態で、両手をぐるっと時計回しに回す
  4. 頭の上を通り過ぎた時に、手のひらを返す
  5. 下ろす時はゆっくりと
  6. 同じペースで5周取り組む
  7. インターバル(30秒)
  8. 逆回しも同様に行う
  9. インターバル(30秒)
  10. 残り2セット行う
  11. 終了

ショルダーサークルの目安は、5周 × 3セット。同じペースを守りながら、ゆっくりと行っていきましょう。

セットの仕方

  • 肘はまっすぐ伸ばして行う
  • 肩は動かしすぎない
  • 両手は前後に動かさない
  • 呼吸を安定させて行う
  • ダンベルは1kg未満を目安に選ぶ

ショルダーサークルを行う上で大切なポイントは、両手を前後にブラさないということ。そのためには、ダンベルの重量はしっかりとこだわる必要があります。無理に3kgダンベルなどを使わずに、1kg程度を選ぶようにしましょう。


ローテーターカフの筋トレメニュー4. タイプライタープッシュアップ

タイプライタープッシュアップのやり方

腕立て伏せ種目の中で、回旋筋腱板のトレーニングに最も適している、タイプライタープッシュアップ。やや負荷の高い筋トレメニューですので、慣れない方は膝をついた状態で取り組んでみて。

タイプライタープッシュアップの正しいやり方

  1. 手幅を肩幅2つ分ほどとる
  2. 足を伸ばして、腕立て伏せの形を作る
  3. 右腕に胸を寄せるように動かし、左腕が伸びるまで下げる
  4. その後、構えまで戻る
  5. 次に左腕に胸を寄せるように動かす
  6. この動作を左右10回ずつ行う
  7. インターバル(30秒)
  8. 残り2セット行う
  9. 終了

タイプライタープッシュアップの目安は、左右10回ずつ × 3セット。肩周りの筋肉が刺激されているか感じながら取り組んでいきましょう。

トレーニングのコツ

  • 腕がしっかりと伸びきるまで上体を下げる
  • 頭は下げすぎず、かかとから頭まで一直線をキープする
  • 体全体を使って動く
  • 呼吸を止めない
  • 顔を前に向ける

タイプライタープッシュアップで効果を高める秘訣は、腕が伸びきるまで体を下げるということ。不十分な状態で止め、元に戻してしまうと筋肉を効率良く刺激できません。効果的な筋肥大を実現するためにも、限界まで体を寄せていきましょう。

【参考記事】タイプライタープッシュアップのコツをより詳しく解説


ローテーターカフの筋トレメニュー5. エクスターナルローテーション

エクスターナルローテーションのやり方

インターナルローテーションと同じで寝っ転がって行う回旋筋腱板トレーニングメニュー。外に手を広げるインターナルローテーションとは違い、内側に曲げていく種目になります。インターナルローテーションと組み合わせて行う事で筋肉を効果的に刺激可能です。

エクスターナルローテーションの正しいやり方

  1. マットなどを敷き、横向きになって寝っ転がる
  2. 上側の手でダンベルを握る
  3. 状態は体に沿わせ、軽く内側に曲げる
  4. ダンベルを上に持ち上げていく
  5. 体と垂直になったら、ゆっくりと元に戻す
  6. この動作を10回繰り返す
  7. インターバル(1分間)
  8. 残り2セット行う
  9. 逆の手も同様に取り組む
  10. 終了

エクスターナルローテーションの目安は、左右10回ずつ × 3セット。ローテーターカフに刺激を届けるために、1セットずつ時間をかけて行ってください。

トレーニングのコツ

  • 前腕以外は動かさない
  • ダンベルは2kg~5kgを選ぶ
  • 上げる時よりも、下ろす時はゆっくりと
  • 体と90度になった位置よりも後ろに下げない
  • 筋肉への刺激を感じながら取り組む

エクスターナルローテーションで大切なポイントは、内側に下ろしていく時は時間をかけるということ。内旋動作に関わる、肩甲下筋へしっかりと刺激を届けるために、ダンベルはゆっくりと下ろしていきましょう。

【参考記事】エクスターナルローテーションのやり方を動画で解説します


ローテーターカフの筋トレメニュー6.ダンベルサイドレイズ

サイドレイズのやり方

三角筋を中心にローテーターカフも刺激できる回旋筋腱板トレーニング種目、ダンベルサイドレイズ。筋トレ初心者でも無理なく取り組める筋トレメニューなため、この機会にぜひ挑戦してみてください。ダンベルがなくとも、水を入れたペットボトルでも代用可能ですよ。

ダンベルサイドレイズの正しいやり方

  1. 両手にダンベルを持って肘を軽く曲げます
  2. 足は肩幅分ほど開き、上半身は少しだけ前傾姿勢をとる
  3. (2)の時、背中を丸めないよう意識しましょう
  4. 肘を軽く曲げたまま、ゆっくりと上に持ち上げる
  5. 肩と同じ高さまで持ち上げたら、少し停止する
  6. その後、重さに耐えながら元に戻す
  7. この動作を15回繰り返す
  8. インターバル(1分間)
  9. 残り2セット行う
  10. 逆の手も同様に行う
  11. 終了

ダンベルサイドレイズの目安は、左右15回ずつ × 3セット。肩周りへの刺激を感じながら取り組んでいきましょう。

トレーニングのコツ

  • 手首は返さず肩から手先まで伸ばしましょう
  • 呼吸を安定させ、ゆっくりと取り組む
  • ダンベルは前後に動かさない
  • 慣れてきたら停止時間を延ばす
  • 背中を丸めて行わない

ダンベルサイドレイズで回旋筋腱板への刺激を高めるコツは、ダンベルを前後ではなく上下に動かすということ。特に筋トレ初心者は、疲労がたまっていくにつれてフォームが乱れやすくなってしまうため、注意しておきましょう。


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