肩甲下筋の鍛え方。筋肥大に効果的なトレーニング&ストレッチとは
肩甲下筋(けんこうかきん)とは?
肩甲下筋のトレーニングメニューをご紹介する前に、まずは肩甲下筋の基礎知識をおさらいしていきましょう。肩甲下筋は、回旋筋腱板(ローテーターカフ)に含まれる筋肉で、脇の背面部分にある筋肉部位です。ローテーターカフは肩甲下筋の他に、「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」の3つがあり、それぞれが重要な役割を担っています。それでは肩甲下筋は一体どんな役割を担当しているのでしょか?
肩甲下筋の役割とは?
肩甲下筋は、主に肩関節を内旋させる動作(腕を内側に曲げる動き)、肩関節を内転させる動作(腕を下に下げる動き)、肩関節を伸展させる動作(腕を後ろに下げる動き)をサポートします。スポーツでは、物を投げたり、ラケット種目で使用されます。ローテーターカフの中でも高い強度を誇る筋肉になるため、しっかりと鍛えることで様々なメリット効果を期待できますよ。
肩甲下筋を鍛えるメリットとは?
【肩甲下筋の役割】でご紹介した通り、肩甲下筋は物を投げる動作などで強く刺激されます。そのため、しっかりと鍛えることで物を投げるスピードが上がったり、強くラケットを振れるようになります。また、バーベルやダンベルを使う様々な筋トレ種目もスムーズに行えるため、必然と筋肉を肥大させやすい体に。ローテーターカフは肩のインナーマッスルとも呼ばれ、鍛えれば鍛えるほど他の筋肉を効率よく使える肉体になれるので、しっかりと鍛えておきましょう。
肩甲下筋を鍛えられるトレーニングメニュー
肩甲下筋の基礎知識について勉強した後は、実際に肩甲下筋を鍛えられるトレーニングメニューを解説していきます。自宅で出来るトレーニングからダンベル・マシンを使ったトレーニングまでご紹介しますので、気になった方はチャレンジしてみて。
肩甲下筋のトレーニング1. インターナルローテーション
チューブを使ったトレーニングメニュー、インターナルローテーション。プロ野球選手も実践している筋トレ種目で、シンプルながらもローテーターカフ全体を鍛えられます。チューブを持っていない男性はこの機会に買ってみては?
インターナルローテーションのやり方
- チューブの片方を肘の高さで支えられる場所に結びつける
- 片方を持つ
- (2)の時、足幅は肩幅程度開き、直立する
- チューブを持った腕の上腕部分は体に沿わせ、前腕は地面と平行にする
- チューブを持った腕を外に広げていく
- (5)の時、前腕以外は動かさない
- 限界まで引っ張ったら、ゆっくりと元に戻す
- この動作を20回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
インターナルローテーションの目安は、20回 × 3セット。肩周りの筋肉が刺激されているか感じながら取り組んでいきましょう。
トレーニングのコツ
- 前腕以外は動かさない
- 呼吸は止めない
- 全ての動作をゆっくりと行う
- チューブは少し固めを選ぶ
- 手首に力を入れすぎない
インターナルローテーションで効果を高めるコツは、前腕以外は動かさないこと。肘が動いてしまったりしてしまうと、肩甲下筋や小円筋ではない筋肉を刺激してしまう恐れがあります。前腕だけで引っ張るイメージで取り組んでいきましょう。
【参考記事】インターナルローテーションのやり方を動画で解説▽
肩甲下筋のトレーニング2. インワードローテーション
最初に紹介したインターナルローテーションとは違い、ダンベルを使ったトレーニングメニュー。ダンベルを持っていれば自宅で寝っ転がって行える種目ですので、ぜひ挑戦してみてください。
インワードローテーションのやり方
- マットなどを敷いた上に、仰向けで寝っ転がる
- ダンベルを右手に持つ
- 右の上腕部分は体に沿わせ、前腕は体と垂直になるよう横に倒す
- 前腕をゆっくりと上に上げていく
- 肘の真上に来たら、元に戻していきましょう
- この動作を20回繰り返す
- インターバル(1分間)
- 残り2セット行う
- 終了
インワードローテンションの目安は、20回 × 3セット。ダンベルは少し軽めを選ぶのがおすすめです。
トレーニングのコツ
- 前腕以外は動かさない
- 上げる時に吐き、下ろす時に息を取り込む
- 全ての動作をゆっくりと行う
- ダンベルは軽めを選ぶ
- ダンベルを握りこみすぎない
インワードローテーションで重要なコツは、ダンベルを握り込みすぎないこと。ダンベルを強く握ってしまうと、ダンベルが頭側に寄ってしまったりしてしまうため、軽く支えるイメージで持っておくと良いでしょう。
肩甲下筋のトレーニング3. ダンベルバックレイズ
ダンベルを使って行う肩甲下筋トレーニング、ダンベルバックレイズ。うつ伏せになった状態で取り組む筋トレ種目で、肩甲下筋をスムーズに肥大させられます。ダンベルの重量を調整すれば誰でも挑戦できるため、気になった男性は取り組んでみて。
ダンベルバッグレイズのやり方
- うつ伏せになって寝っ転がる
- 右手にダンベルを持つ
- (2)の時、体から少しだけ離した位置でダンベルを持ちましょう
- ダンベルを持つ手は、手のひらが体に向くようにします
- 肘を曲げずに、ゆっくりと上に持ち上げていきます
- 限界まで持ち上げたら、元に戻す
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
ダンベルバックレイズの目安は、15回 × 3セット。ダンベルは1kg程度のアイテムを用意しておきましょう。
トレーニングのコツ
- 肘は曲げない
- 呼吸を安定させながら行う
- 肩はあげない
- 手首は返さない
- 肩を軽く下に下げるイメージで取り組む
ダンベルバックレイズで重要なコツは、肩を軽く下に下げるイメージでダンベルを上げること。ダンベルバックレイズは、ついつい肩を上げてしまうトレーニングメニューですので、下げるように動かすことで肘や肩に負担をかけずに取り組めますよ。
肩甲下筋のトレーニング4. ショルダーサークル
ダンベルを持った状態で取り組む肩甲下筋トレーニング、ショルダーサークル。ダンベルを持った状態でぐるっと大きく回すだけで、ローテーターカフ全体の筋肉を効率よく刺激できますよ。
ショルダーサークルのやり方
- ダンベルを持って直立する
- 右手と左手の手のひらはお互いに向ける
- 肘を伸ばした状態で、両手をぐるっと時計回しに回す
- 頭の上を通り過ぎた時に、手のひらを返す
- 下ろす時はゆっくり行う
- この動作を5周取り組む
- インターバル(30秒)
- 逆方向も同じように行う
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
ショルダーサークルの目安は、5周 × 3セット。肩は上げすぎないよう、注意した上で取り組んでいきましょう。
トレーニングのコツ
- 肘は曲げない
- 肩は動かしすぎない
- 両手は前後に動かさない
- 呼吸を安定させて行う
- ダンベルは1kg未満を目安に選ぶ
ショルダーサークルで重要なポイントは、両手を前後に動かさないこと。前から見た時に、大きな円ができるイメージで取り組むことで、トレーニングの質を高められますよ。
肩甲下筋の効果的なストレッチメニューとは?
大きな筋肉はもちろん、肩甲下筋などの細かい筋肉も、しっかりとケアしなければ効果的な肥大は期待できません。今回は、肩周りの筋肉を効率よく伸ばせるストレッチメニューの中から、
肩甲下筋を効果的に刺激できる柔軟体操を2つ厳選してご紹介します。スポーツでも大きな力を発揮する『回旋筋腱板』の主軸をスムーズに大きくしていきましょう!
肩甲下筋のストレッチ1. 肩寄せストレッチ
内転動作に影響を及ぼす肩甲下筋を直接刺激できるストレッチメニュー。小学校などでも取り組まれる体操なため、多くの人が一度は取り組んでいるでしょう。ここでは、肩寄せストレッチの正しいやり方について解説します。
ストレッチのやり方
- 右手で左肩をつかむ
- (1)の時、右腕が地面と平行にしましょう
- 左手で右肘と上腕三頭筋の部分を軽く押さえる
- 平行を保ったまま、左手で左肩方向にゆっくりと押す
- 痛みの出ない場所まで押したら止める
- その位置で20秒間キープしていきましょう
- その後ゆっくりと戻し、逆側も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
このストレッチの目安は、左右20秒ずつ × 2回。痛みの出ない範囲でゆっくりと腕を胸に寄せていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 細かなポイントまで注意して行う
- 顔はまっすぐ前に向ける
- 痛みの出ない範囲で止める
肩寄せストレッチで大切なポイントは、痛みを我慢せずに行わないこと。気持ち良さよりも痛みが上回ってしまった場合、それは筋肉をただ痛めつけているだけです。ストレッチでは痛みを我慢しないようにしてください。
肩甲下筋のストレッチ2. 全体ストレッチ
回旋筋腱板を含む、肩周りの筋肉にバランスよく刺激を届けられる最強ストレッチメニュー。固まってしまった筋肉を程よくほぐせる体操ですので、肩甲下筋トレーニングはもちろん、仕事の休憩中などちょっとした時間にもおすすめですよ。
ストレッチのやり方
- 椅子にしっかりと座る or あぐらをかいて座る
- (1)の時、足は肩幅分ほど広げましょう
- 右腕を伸ばした状態で左足の向こう側に腕を安定させる
- (3)の状態を10秒間キープ
- 右腕を体を挟んで逆側に大きく振る
- (5)の右腕を伸ばし、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻す
- この動作を左腕でも取り組む
- 終了
全体ストレッチの目安は、左右30秒ずつ。肩周りの筋肉が刺激されているのを感じながら、ゆっくり呼吸を取りましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 胸と脇下の筋肉を意識しながら取り組む
- 動かしていない肩は動かさない
- チーティングを行わない
肩の全体ストレッチで最も大切なコツが、動かしていない肩は固定しておくということ。体全体が動きに合わせて位置を変えてしまうと、刺激したい筋肉に刺激を届けられません。肩甲下筋をほぐせるように、全てのコツを意識しながら行ってください。
【参考記事】全体ストレッチの他に、僧帽筋をほぐせる体操とは▽
肩甲下筋トレーニングにおすすめの筋トレグッズとは?
肩甲下筋などのローテーターカフに含まれてる筋肉は、自重トレーニングでは刺激しにくいのが難点。そこで今回は、トレーニング効果を高められる人気アイテムを2つご紹介します。自宅で効率よく肩甲下筋を鍛え上げましょう。
おすすめ筋トレグッズ1. トレーニングチューブ
肩甲下筋トレーニングには欠かせない人気アイテム。ダンベルやバーベルとは違い、怪我のリスクも少なく、肩甲下筋などの細かい筋肉へもバランスよく刺激を届けられます。収納性も高く、邪魔にならない点も魅力的なポイントです。自宅でも使いやすい筋トレグッズですので、家トレを考えている方は購入を考えてみて。
Amazonで詳細を見る【参考記事】チューブを購入したらトレーニングを始めてみよう▽
おすすめ筋トレグッズ2. ダンベル
トレーニンググッズの定番になった、ダンベル。最近では、デザイン性の高いアイテムも多く販売されているため、女性からも人気を集めています。肩甲下筋の筋トレは、強い負荷ではなく、ピンポイントで刺激することが大切になるため、男性であれば4kg、女性であれば2kgのダンベルを選ぶのがおすすめです。
Amazonで詳細を見る【参考記事】初心者でも手軽に使える、おすすめダンベルを厳選しました▽
肩甲下筋を鍛えてトレーニングの質を高める
肩甲下筋の基礎知識と鍛えられるトレーニングメニューをご紹介しました。ローテーターカフの中でも重要度の高い筋肉になるため、優先して鍛えておくと良いでしょう。肩甲下筋を鍛えて筋トレ種目の質を向上させていってくださいね。
【参考記事】ローテーターカフの効果的な鍛え方とは▽
【参考記事】三角筋を鍛えられるトレーニングをご紹介します▽
【参考記事】僧帽筋を鍛えられる筋トレメニューとは▽
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