【肩のストレッチ方法】肩関節周辺の筋肉を伸ばす効果的な柔軟体操とは
肩関節のストレッチで腕と体幹を健康的に繋ごう
「首関節ストレッチ」や「股関節ストレッチ」など著名な部位ばかりストレッチさせていませんか。人間の体にはまだまだたくさんの関節があります。そんな数ある関節の中でも肩関節の存在は外せません。今回は肩関節付近にある筋肉から、実際に覚えて欲しいストレッチ方法まで徹底レクチャーしていきます。健康的な上半身を維持するためにもしっかりと勉強してください。
肩関節とはどこの関節なのか?
肩関節は、その名の通り肩にある関節のことを指し、一般的には上腕骨と肩甲骨を結ぶ関節になります。肩甲骨・上腕骨・胸骨・鎖骨・胸郭に関連している5つの関節も広い意味で肩関節と呼ばれますが、この記事では一般的に呼ばれている上腕骨と肩甲骨を結ぶ関節について解説していきます。
肩のストレッチと聞くと肩甲骨ストレッチのイメージが強いですが、肩甲骨は多くの骨が付着しているため、今回は主に上腕骨と肩甲骨を結ぶ筋肉のストレッチ方法をご紹介していきます。
肩関節の動きをメインに支える筋肉とは?
肩関節のストレッチをご紹介する前に、まずはストレッチで伸ばす筋肉について勉強していきましょう。肩関節の動きをメインにサポートする筋肉部位は以下の4つ。
肩関節の筋肉① 三角筋
肩関節の動きに最も強い影響を与えている筋肉部位、三角筋(さんかくきん)。人間の体を構成する筋肉の中でも三角筋は非常に大きな筋肉と言われており、鍛えれば鍛えるほど基礎代謝が向上するなど筋トレ以外にも良い影響を与えてくれます。
三角筋は、肩関節の屈曲・伸展・外旋・内旋・外転といったほとんどの動作を担当しています。ただ、内転動作に関しては大胸筋や広背筋など三角筋以外の部位が担っているそう。三角筋は肩関節の動きに最も大切な筋肉ですので、ストレッチをする際は入念に刺激を与えていきましょう。
【参考記事】三角筋の効果的な鍛え方とは▽
肩関節の筋肉② 回旋筋腱版(ローテーターカフ)
野球選手やバレーボール選手などプロアスリートも注目している筋肉、回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)。通称ローテーターカフとも呼ばれ、「小円筋」「棘上筋」「棘下筋」「肩甲下筋」といった4つの筋肉をまとめた総称のことを回旋筋腱板と言います。回旋筋腱板は肩のインナーマッスルとも呼ばれ、三角筋や大胸筋といった大きな筋肉を補助するサポートマッスルとして活躍します。
回旋筋腱板は4つの筋肉が各役割を担っていますが、まとめると外転・内転・外旋・内旋といった肩関節全般の動きに影響を及ぼしています。三角筋の役割にはない内転動作も担当しているのが特徴的なポイントです。
【参考記事】回旋筋鍵板の効果的な鍛え方とは▽
肩関節の筋肉③ 烏口腕筋
上腕のインナーマッスルとも言われる筋肉、烏口腕筋(うこうわんきん)。三角筋・上腕三頭筋・大胸筋といった大きな筋肉の深層に隠れている筋肉なため、知名度としてはマイナーですが、肩関節には重要な筋肉になります。
烏口腕筋は、主に肩関節を内転させる動作(肩と平行の位置よりも手を下げる動き)と肩関節を屈曲させる動作(体の前に手を置いた状態で腕を上げる動き)を担当しています。
【参考記事】烏口腕筋の効果的な鍛え方とは▽
肩関節の筋肉④ 大円筋
小円筋とはまた違った役割を担っている筋肉、大円筋(だいえんきん)。肩の筋肉として紹介される場合もあれば、背中の筋肉として説明されるケースもある絶妙な位置にある筋肉部位です。
大円筋は主に、肩関節を内旋させる動作 (腕を体側に引き寄せる動き)と肩関節を伸展させる動作(腕を体よりも後ろ側に回す動き)をサポートしてくれます。
【参考記事】大円筋の効果的な鍛え方とは▽
肩関節付近の筋肉を効果的に伸ばすストレッチ7選
肩関節の動きをサポートする筋肉について学んだ後は、実際に取り組んでほしい肩関節のストレッチ方法をご紹介します。
オフィスで出来るストレッチから家で寝ながら取り組める種目まで幅広く解説していきますので、このページを参考に取り組んでみてください。
肩関節のストレッチ1. オフィスでも出来るストレッチ①
肩関節から上腕にかけて取り組めるストレッチ種目。机や椅子などがあれば、自宅はもちろん、オフィスでも簡単に行えるため、気になった方は方法からコツまで抑えていってください。
ストレッチの正しい方法
- 椅子に座った状態で机に右肘を乗せる
- 右肘を乗せたまま、椅子を限界まで下げていく
- その後、体を前に倒し、右手は右肩に乗せる
- 筋肉が刺激されているのを感じながら20秒間キープ
- ゆっくりと体を上げ、左手も同様に行う
- この動作を1回ずつ繰り返す
- 終了
オフィスでも出来るストレッチ①の目安は、左右20秒 × 2回。肩周りから胸にかけての筋肉が伸びているのを感じながら取り組みましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 肘はしっかりと机に固定する
- 手を肩につけた状態をキープする
- 肩から胸にかけての刺激を感じながら取り組む
オフィスでも出来るストレッチ①で効果を高めるコツは、手を肩につけた状態をキープしたまま20秒間伸ばし続けるということ。たったこれだけを意識するだけで肩関節の筋肉全体を効率よくほぐせますよ。PC作業の休憩中や家でのんびりしている時に取り組んでみてください。
肩関節のストレッチ2. オフィスでも出来るストレッチ②
オフィスでも出来るストレッチ②として、大胸筋&肩関節のストレッチをご紹介します。作業中に1分あれば行える柔軟メニューですので、1時間置きに軽く肩関節を休ませるイメージで行っていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 椅子に軽く座る
- 右手を斜め45度に後ろに下げる
- 後ろに下げたまま、腕をひねる
- 痛みの出ない範囲で回転させる
- 左右に5回転ずつ行ったら、左手も同様に取り組む
- 終了
オフィスでも出来るストレッチ②の目安は、左右5回転ずつ。たったこれだけで肩周りの筋肉をバランスよく刺激できますよ。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 肩周りの筋肉が刺激されているのを感じながら取り組む
- 手の位置は上下させない
- ゆっくり筋肉をひねるイメージで取り組む
オフィスでも出来るストレッチ②で大切なコツは、ゆっくりと筋肉をひねるイメージで取り組むこと。ストレッチは反動をつけたり、高速スピードで行うメニューではありません。じっくりと時間をかけて行っていきましょう。
肩関節のストレッチ3. 肩周り+背中のストレッチ
肩関節から広背筋などの背中筋肉まで伸ばせるストレッチ種目。寝ながら行えるストレッチメニューなため、お風呂後や筋トレ後におすすめです。やり方からコツまでおさらいしておきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 膝をつけた状態で四つん這いになる
- 右手を左手と左膝の間に通す
- 右手を滑らせて右耳を床につける
- (3)の時、へそは真下に向けた状態にしましょう
- 右腕は体から垂直の位置に置く
- この状態を20秒キープする
- ゆっくりと元に戻す
- 左腕も同様に取り組む
- 残り1回ずつ行う
- 終了
肩周り+背中のストレッチの目安は、左右20秒 × 2回。呼吸を安定させながら20秒数えていきましょう。
トレーニングのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- お尻は高い状態を維持する
- 腕と同じ方向の耳はしっかりと床につける
- 慣れてきたら逆の腕を真上に上げる
肩周り+背中のストレッチで大切なポイントは、腕と同じ方向の耳をしっかりと床につけるということ。耳が浮いてしまうと本来伸ばせる筋肉をしっかりと伸展させられません。正しいフォームで取り組むことに意識を集中させましょう。
肩関節のストレッチ4. 全体ストレッチ
肩関節に関する筋肉全体を刺激できるストレッチ種目。大円筋や烏口腕筋などはもちろん、大胸筋まで伸ばせるストレッチメニューになります。背伸び動作と似た動きになるため、体幹の筋肉全体を伸ばしたい男子にもおすすめです。
ストレッチの正しい方法
- 椅子にしっかりと座る
- (1)の時、足は肩幅分ほど広げましょう
- 右腕を伸ばした状態で左足の向こう側に腕を置く
- (3)の状態を10秒間キープ
- 右腕を体を挟んで逆側に大きく振る
- (5)の右腕を伸ばし、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻す
- この動作を左腕でも行う
- 終了
全体ストレッチの目安は、左右30秒ずつ。わき下の筋肉が伸びているのを感じながら同じ姿勢を維持していきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 胸と脇下の筋肉を意識しながら取り組む
- 動かしていない肩は動かさない
- 勢いをつけない
全体ストレッチで押さえてほしいコツは、動かしていない肩は動かさずに同じ場所に維持すること。体全体を動かしてしまうと、肩関節の筋肉が緩み、うまくストレッチできない恐れがあります。効率よく伸ばすために、フォーム1つ1つチェックしながら行いましょう。
肩関節のストレッチ5. 壁ストレッチ
壁を使って行う肩関節のストレッチ種目。肩関節の屈曲・内旋に関わる筋肉全体を刺激できるメニューで、自分の身長よりも50cmほど高い壁があればどこでも取り組めます。寝ながら行うことも可能です。
ストレッチの正しい方法
- 壁から40cm~50cmほど離れて立ちます
- 壁に近い腕で体を支え、逆の腕は頭の真上を通して壁に密着させる
- (2)の状態のまま、30秒間深呼吸を行う
- 壁から手を離し、逆の腕でも取り組む
- 残り1回ずつ繰り返す
- 終了
壁ストレッチの目安は、左右30秒 × 2回。肩が上がらないという男性は、寝っ転がった状態で取り組むところから始めてみましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 肩関節への刺激を感じながら取り組む
- 顔はまっすぐ前に向ける
- 肩が上がらない肩は寝ながら限界まで手を挙げる
壁ストレッチで大切なポイントは、顔はまっすぐ前に向けた状態でストレッチを行うということ。きつくなってくるとついつい下を見がちなメニューですので、リラックスしながら30秒間筋肉を伸ばしていきましょう。
肩関節のストレッチ6. 肩寄せ
三角筋・上腕三頭筋をストレッチできるストレッチ種目。誰もが一度は取り組んだことのある柔軟体操ですが、正しい方法を勉強した方は少ないでしょう。ここできちんとしたやり方を勉強していってください。
ストレッチの正しい方法
- 右手で左肩をつかむ
- (1)の時、右腕が地面と平行になる高さまで上げましょう
- 左手で右肘と上腕三頭筋の部分を軽く押さえる
- 平行を保ったまま、左手で左肩方向にゆっくりと押す
- 痛みの出ない場所まで押したら止める
- その位置で20秒間キープしていきましょう
- その後ゆっくりと戻し、逆側も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
肩寄せストレッチの目安は、左右20秒ずつ × 2回。呼吸は止めず、体をリラックスさせながら取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 細かなポイントまで注意して取り組む
- 顔はまっすぐ前に向ける
- 痛みの出ない範囲で止める
肩寄せストレッチで大切なポイントは、痛みの出ない範囲で止めて筋肉を伸ばすということ。痛みを我慢して筋肉を伸ばしても怪我のリスクを上げてしまうだけです。痛みを我慢してストレッチを行わないようにしてください。
肩関節のストレッチ7. 肩まわし
肩関節全体の筋肉を刺激しながら、僧帽筋や肩甲挙筋などその他の筋肉も刺激できるストレッチ種目。オーソドックスな肩のエクササイズになりますが、肩周りのコリに有効とされています。正しい方法で肩周りの筋肉をリフレッシュしていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 両手の指を肩に乗せる
- (1)の時、軽く胸を張りましょう
- 横から見た時に肘で大きな円を描くように肘を回す
- (3)の時は、指を肩から離さないようにしましょう
- この動作を10回繰り返す
- 逆回しも同様に行う
- 終了
肩まわしの目安は、左右10回ずつ。早く回すのではなく、時間をかけてゆっくりと取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 肘で大きな円を描く
- 顔はまっすぐ前に向ける
- 最初はポイント毎で止める
肩まわしストレッチのポイントは、ポイント毎で止めて少しずつ筋肉をほぐすということ。時計で言うところの12時・3時・6時・9時の場所で3秒間キープすれば、肩関節の役割別で筋肉を刺激できますよ。
ストレッチで肩関節の筋肉をほぐそう
ここまで肩関節のストレッチを解説してきました。肩甲骨や股関節といった有名部位をストレッチすることも大切ですが、細かな関節のストレッチ方法を勉強しておくことは悪くないでしょう。この機会に肩関節の柔軟を日頃の習慣として取り入れてみてください。
【参考記事】全身のストレッチ方法を徹底解説▽
【参考記事】背中下部の筋肉を伸ばせるストレッチ方法とは▽
【参考記事】腰のストレッチ方法をレクチャーします▽
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