引きこもりになる原因&脱出方法とは?子供がこもる時の家族の接し方も解説
引きこもりから脱却したい方へ。
自分の部屋や自宅からできるだけ出ないで毎日を過ごす引きこもりさん。
家族や友人とのコミュニケーションも避けて、自分1人で過ごしたがる引きこもりさんになってしまうのは、なぜなのでしょうか?
今回は、引きこもりさんになってしまう原因や引きこもりさんから脱出するための方法について、詳しくご紹介します。
自分の子供や親兄弟などが引きこもりさんになってしまった時の、家族の接し方についても合わせて具体的に解説するので、引きこもりさんが身近にいる方は、要チェックですよ。
そもそも「引きこもり」とはどんな状態?意味や定義を詳しく解説します。
引きこもりさんには、女性男性問わず様々なタイプがいます。
食事やトイレなど必要最低限の事以外は自分の部屋からほとんど出ないタイプや、自分の部屋からでるけど家からは全くでないタイプ、また、家のすぐ近くにあるコンビニ程度ぐらいなら出かけるタイプは、「引きこもり」と定義されます。
また、「準引きこもり」と定義されるのが、自分が興味のある趣味などに関する用事の時だけ外出し、普段は家にいるタイプです。
引きこもりの人ってどれくらい居るの?日本国内の引きこもりの人口や割合
内閣府のデータによると、15~39歳の引きこもりさんと準引きこもりさん全てを合わせると、日本国内でおよそ69.6万人、1.79%はいるとされています。
このデータは引きこもりさんになってから6ヶ月以上経っている場合のみであり、また、心や身体の病気が原因で家にいなくてはならない場合を除いています。
内心ではどんな事を思ってる?引きこもりな人の心理
引きこもりさんの多くは、家族など身近な人ともあまり話したがらないため、「どうして、部屋からでてこないのか分からない」と、周囲の人が戸惑ってしまうケースがあります。
ここでは、引きこもりさんが心の中で考えている事など、引きこもりさんの心理について詳しくご紹介します。
心理1. 気持ちが落ち着くまで誰とも会いたくない
引きこもりさんの中には、引きこもりさんになる前は、女性男性問わずとても活発で周囲の人に慕われていた人気者だった場合もあります。
しかし、人間関係や仕事、学校など、とてもショックな事があり、そう簡単には立ち直れないぐらい落ち込んでいたり、自分でも信じられないぐらい何かに失望していたりして、落ち着くまでは誰にも会いたくないという辛い状態になってしまったケースです。
この心理がきっかけで引きこもりさんになってしまった場合、自分の気持ちを人に上手く説明できないぐらいショックを受けている場合もあります。
心理2. 誰かと接したり、会話したりするのが怖い
引きこもりさんになる前に、他の人からとても嫌な事をされたり、裏切られたりしている場合、人に会う事自体が恐怖となってしまう場合があります。
そのため、「他の人が怖い=他の人に会うのが辛い=自分の部屋にいれば他の人に会わなくてすむ」と、引きこもりさんになってしまうのです。
他の人が怖くて引きこもりさんとなってしまった場合、家族や親友など身近な人に対しても警戒心がとても強くなっている可能性があります。
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心理3. 時間が経過すれば復活すると思っている
失恋や別離の悲しみは、「時間が癒してくれる」と言いますよね。
引きこもりさんのなかには、「今は外に出れないけど、いつかそのうち出られるようになる。」と、時間の経過に身を委ねている場合があります。
もちろん、このタイプの引きこもりさんも、引きこもり当初から時間の経過に身を委ねているわけではありません。
自分の心の中で悩んだり外に出てみようと試みたり、いろいろ試した上でどれも上手くいかず、最終的に「そのうち出られるようになる」という心理に行き着いているパターンが多くあります。
自宅から出ようとせず引きこもっている人の特徴
自宅から1歩外に出る事が、とてつもなくハードルの高い事と感じてしまう引きこもりさん。
毎日、学校や会社に行くために自宅から出ている人には、なぜ、そんなに難しく感じてしまうのか理解しにくいですよね。
近くのコンビニやご近所の散歩も難しい引きこもりさん、実はとっても繊細な性格をしているのです。
ここでは、自宅から出るのが難しい引きこもりさんの特徴について、詳しくご紹介します。
引きこもる人の特徴1. 必要以上に相手へ気を遣いすぎてしまう
とっても繊細な引きこもりさんは、周囲の人の反応を必要以上に気にしてしまいます。
自分の話した事や行った事で、相手が不快にならないか、怒ってしまわないか、一挙手一投足ひたすら相手の様子を伺ってしまうので、他愛ない気軽なお喋りをするだけでもとっても疲れてしまうのです。
その結果、「他の人といるより、自分1人でいる方が落ち着く…。」と部屋に引きこもってしまうのです。
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引きこもる人の特徴2. 人見知りな性格で人間関係を構築するのが得意じゃない
クラス替えや進級、就職、人事異動など、普段通りに生活していても、自分の意思とは関係なく、様々な人と知り合わなくてはならないシーンがたくさんありますよね。
もともと人見知りな性格の引きこもりさんの場合、環境が変わって他人と人間関係を新たに構築しなくてはならなくなった時、強いストレスを感じてしまうという特徴があります。
そのため、新しい人間関係が上手く作れなくて、引きこもりとなってしまう場合があるのです。
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引きこもる人の特徴3. 防衛本能が強く、嫌なことから目を背ける傾向にある
嫌いだけどしなくてはならない事って、世の中にたくさんありますよね?
この嫌な事を頑張ってやり抜くより、背を向けて逃げる傾向にある人は、引きこもりさんになりやすいとされています。
特に、試験や面接など、逃げてはいけない事から逃げた場合、周囲から非難されたり、逃げた事を問いつめられたりしやすくなります。
「試験を受けなかった=親に怒られる=怒られたくないから引きこもる」と、嫌な事から逃げ続けた結果、自分の部屋などに引きこもって他の人からのコンタクトを一切遮断してしまうのです。
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引きこもる人の特徴4. 自己肯定感が低く、何事もネガティブに捉えてしまう
自己肯定感とは、自分自身の価値や存在意義をポジティブに考えられる感情です。
引きこもりさんになりやすい人は、その特徴として、自分自身をネガティブに否定してしまいがち。
自己肯定感が低いため、すぐに「どうせ自分なんて…。」「自分には無理だし…。」と考えてしまうのです。
その結果、受験や就職などに失敗した時も、「試験ダメだった=自分はダメな人間」と決めつけてしまい、ひたすらどん底まで落ち込んでしまうのです。
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引きこもる人の特徴5. 内弁慶で両親に対しては強気な人が多い
引きこもりさんのなかには、自分が心を許せる相手とそうでない相手に対して、清々しいほど態度を大きく変えるタイプもいます。
一緒に住んでいる両親や兄弟姉妹などには態度が大きく常に強気で接する事ができても、学校や職場などで会う自分がよく知らない相手に対しては、借りてきた猫以上に、大人しくなってしまうのです。
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きっかけは何?引きこもりになってしまう主な原因
繊細な性格が多い引きこもりさんですが、何のきっかけもなく、ある日突然、引きこもってしまうわけではありません。
ここでは、他の人からは分かりにくい引きこもりのきっかけとなる、主な原因について詳しくチェックしていきましょう。
引きこもりの原因1. 打たれ弱く、仕事や恋愛の失敗をいつまでも立ち直れない
引きこもりさんは、ビシバシ厳しくされると、すぐに逃げたくなってしまいます。
もともと打たれ弱い性格なため、仕事でミスをしたり、失恋したりすると、その失敗を延々と引きずってしまうのです。
「俺のプレゼンが良くなかったから…。」「あの時、俺があんな事言ったせいで…。」などと、失敗の原因ばかり考えて、ますます落ち込んで引きこもっていくのです。
引きこもりの原因2. 嫌がらせなど、人間関係でトラウマ体験をした
親友だと思っていた人に彼氏を寝取られたり、同僚からの執拗な嫌がらせで仕事でミスをしてしまったりと、人間関係でトラウマ経験をしてしまうと、「また、同じ経験をするんじゃないか?」と、怖くなってしまいます。
その結果、他の人と接する事自体が恐怖となり、誰にも合わなくてすむ自分の部屋に引きこもってしまうのです。
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引きこもりの原因3. 両親が過保護に育て過ぎて、嫌なことがあると実家に閉じこもる習慣が癖になっている
蝶よ花よと大切に育てられ、何か嫌な事があっても両親に助けを求めればすぐに守ってくれる。
それでも問題なくやっていけるのは、小学校にあがるまででしょう。
過保護な両親によって、いつも守られていた人の場合、学校に通うようになっても、就職しても、何か嫌な事があったら、幼い頃と同じように実家に逃げてしまえば、あとは、両親が全てから守ってくれると、習慣づいてしまっているのです。
その結果、自分で嫌な事に立ち向かう事ができなくなり、引きこもりさんになってしまうのです。
引きこもりの原因4. オンラインゲームなど、趣味や好きな事に没頭しすぎている
自分が好きな事をしている時間が楽しいのは、誰でも同じです。
引きこもりさんは、大変な事を乗り越える努力をするよりも、自分が楽に楽しめる事に流れてしまいがち。
その結果、資格試験や就職活動など自分の人生に必要だけど努力が必要な楽しくない事より、努力しないで楽しめる趣味や好きな事ばかりに没頭してしまうのです。
引きこもりの原因5. 社会復帰したくても、仕事が決まらない
引きこもりさんは、延々に引きこもりたいわけではありません。
無職の状態を抜け出して、早く毎日仕事をして自分でお金を稼ぐ生活をしたいと思っていても、新しい仕事が決まらないと、社会復帰もままなりません。
特に、引きこもっている期間が長くなればなるほど履歴書に書きにくく、書類選考の段階で落とされてしまいがちなので、ますます、社会復帰しにくく無職の状態が長くなるのです。
引きこもりの原因6. 仕事や人間関係などで、大きな挫折をした
仕事で大きなミスをしたり、人間関係で多いな裏切りにあったりと、それまでの自分自身の考えを大きく覆すほど、強烈な挫折をしてしまうと、その恐怖やショックが原因となり、引きこもりさんとなってしまう場合があります。
挫折が大きければ大きいほど、その反動でやってくる無気力や不安も大きく、「また、同じ経験をするのでは?」と、身構えてしまい、次に進めなくなってしまうのです。
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引きこもりになった場合、脱出して社会復帰する方法とは
一度引きこもりさんになってしまうと、再び、以前のように毎日学校や会社に行く生活に戻るのは容易ではありません。
では、一体どうすれば、引きこもりさんを卒業できるのでしょうか?
ここでは、引きこもりさんが引きこもり状態を脱出して、社会復帰するための脱出方法について、詳しくご紹介します。
引きこもりの脱出方法1. 絶対に実行したい夢や目標を設定して、人生に生きがいを見出す
引きこもりさんがなかなか引きこもり状態から抜け出せない原因の1つに、「外の世界に希望を見いだせないから」というものがあります。
まずは、小さな事でいいので、外の世界でやってみたい事を探してみましょう。
「コンビニで売ってる唐揚げを買ってその場で食べてみたい。」ぐらいの些細な目標から設定してみましょう。
そして、その目標が達成できたら、次の目標を設定してみるのです。少しずつ、少しずつ、無理なく実行できそうな夢や目標から始める事が大切ですよ。
引きこもりの脱出方法2. 自然と外に出たいと思える日が来るまでゆっくりと過ごす
「このまま一生引きこもりになったらどうしよう!何としても外にでなきゃ!!」
などと、焦る気持ちとは裏腹に、身体が言う事を聞いてくれない。外に出ようと思っても足がすくんで玄関から外にはどうしても出られない人も居ますよね。
無理矢理行動しようとしてもできなければ、ストレスが溜まって余計に外に出られなくなってしまいます。
身体も心も外に出る準備ができるまで、じっくり気長に待ってみましょう。
引きこもりの脱出方法3. 家族や親友など、心から信頼できる人へ相談してみる
自宅や自室に引きこもる原因や外に出るのが怖い気持ちや不安な気持ちなどを時折吐き出してみましょう。
おすすめは、自分が心から信頼出来る家族や親友などに、のんびり話を聞いて貰うこと。
それは、引きこもりさんを卒業するための具体的な対策方法や改善方法を見つけるためのお喋りではありません。ただのんびりと、今感じている事などを気楽に話してみましょう。
元気な時でも、とりとめのないお喋りでストレス発散する事ってありますよね。引きこもりさんも何気ないお喋りをする事で、引きこもる事への不安や無気力な感情を紛らわす事が可能です。
気楽なお喋りを繰り返す事で、少しずつ気持ちも外に向かっていきますよ。
引きこもりの脱出方法4. 最初はアルバイトでもいいので、社会復帰の一歩目を踏み出してみる
引きこもり状態が改善してきたなら、簡単なアルバイトなどを初めてみるのもおすすめです。最初は、週に1回程度の簡単なアルバイトなども良いでしょう。
「いきなり他の人と仕事するのは無理!」というのであれば、直接顔を合わさなくてもできるオンライン経由の仕事からスタートしてみましょう。
オンラインとはいえ、メールやチャットのやりとりで他の人と接するようになれば、自分以外の人とのコミュニケーションの良い練習にもなります。
引きこもりの脱出方法5. 自力では厳しいと感じる場合、引きこもりの支援団体に相談してみる
他の人が怖い、無気力すぎて何もできないなど、引きこもりさんが自分自身でその状態を改善し、社会復帰するのは正直かなり大変です。
無理矢理外に出ようとしても気持ちがついていかず、かえって、引きこもりの状態を悪化させてしまう可能性もあります。
「自分だけでは外に出られない。」「このままじゃ、ホントに一生部屋の中にいることになりそうだ…。」と感じるのであれば、引きこもりの支援団体に相談してみるのも良いでしょう。
自分自身の今の状態を他の人に知られるのが嫌なのであれば、まずは、匿名で相談できるメールや電話相談などを利用して、プロのアドバイスを貰ってみることから始めてみるのもおすすめです。
自分ではなく、同居している子供が引きこもりになった場合の接し方や対処法
愛する子供がある日、突然引きこもるようになってしまったら?
親としては、心配でいても立ってもいられませんよね?
ここでは、一緒に住んでいる子供が引きこもりさんになってしまった場合の接し方や対処法について、具体的にご紹介します。
引きこもりの対処法1. 些細な内容でも構わないので、1日1回はコミュニケーションをとるようにする
「美味しそうなプリン売ってたから、たくさん買ってきちゃった。」
など、些細な日常会話で良いので、引きこもってしまったお子さんと、1日に1回はコミュニケーションをとりましょう。
でも、ここで注意してほしいのは、どれだけ心配しているかを、切々と訴えるような事は絶対しないこと。自分が引きこもってしまう事で、親にたくさん心配をかけているのは、お子さん自身が一番良く分かっています。
そのうえで、親から「〇〇ちゃんが心配なのよ!」などと言われると、更に辛い気持ちばかりが大きくなってしまいます。
話しかけるのであれば、引きこもっているという事実とは関係のない日常会話にしておきましょう。
引きこもってしまうことで、それまで人間関係を疎遠にしてしまっている引きこもりさんにとって、引きこもりになっても今までと変わらず接してくれる親の存在は、決して小さくありません。
親として感じる焦りや不安は、一旦置いておいてお子さん本人の気持ちを重視し、普段通りに接しましょう。
引きこもりの対処法2. 完全に心を閉ざしている場合、気持ちが落ち着くまで様子を見る
何気ないお喋りもできないぐらい、他の人に対して心を閉ざしてしまっている場合、無理な対策やゴマをするような話しかけは、逆効果となります。
完全に心を閉ざしているという事は、それだけ心に負った傷が大きいという事。まずは、お子さんの気持ちが落ち着くまで、当たらず障らずの姿勢で様子を見ましょう。
親としては、何が原因で心を閉ざしてしまったのか一刻も早く知りたいところですが、心を閉ざしている状態では、どんなに素晴らしい対策も改善方法も全く届きません。
引きこもりの対処法3. 精神的ダメージを抱えている場合、精神科医へ相談してみる
誰かに裏切られたり、苛められたりなど、お子さんが精神的ダメージを抱えている場合、親が自己流で引きこもりから復活させようと頑張るのは、おすすめできません。
精神的ダメージは目には見えません。そのため、親の自己流改善方法では、精神的ダメージ自体を深くしてしまう可能性があります。
お子さんの心に負った精神的ダメージに合わせた適切な対処をするためにも、無理に改善策を試せず、精神科医や心療内科医などプロの手を借りるのが良いでしょう。
無理やり連れて行くのではなく、まずは専門家に相談から始めてみてくださいね。
自分にできることから少しずつ始めて、引きこもりを改善してくださいね。
様々なきっかけで引きこもってしまった状態から改善し、再び、学校に通ったり仕事をしたりするようにできるまで復活するのは、そう簡単ではありません。
特に、大人の場合、無職の状態が長くなればなるほど、女性でも男性でも新しい仕事を見つけ、社会復帰できるようになるためには本人の強い意志と努力も必要となります。
自分だけでは、引きこもり状態を改善できそうにない、復活できなさそうと感じるのであれば、無理せずプロの手を借りる事も考えてみましょう。
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