「叱る」と「怒る」の違いとは?子供や部下への正しい叱り方を解説

子供や部下を叱る時に、感情的になっていませんか。実は、叱ると怒るは違う意味で、叱るがいつのまにか怒るになっていることがあります。本記事では、叱るの意味から、「叱る」と「怒る」の違い、正しい叱り方、怒る時に出る言動、叱る時のルール、叱り方の参考になる名言まで徹底解説します。

叱ると怒るの意味が違うって知っていましたか?

子供や部下の4つの正しい叱り方

公私問わず、改善を求めて相手を叱る場面は多いですよね。特に子育て中の方や上司の方は、子供や部下に対して叱らなければならない場面も少なくないでしょう。しかし、「叱り」が「怒り」になってしまうと相手の改善を望めないどころか、反感を買うのも珍しくありません。

そこで今記事では人を怒るのではなく正しく叱れるように、叱ると怒るの違いから叱る時のルールまで幅広く解説していきます。相手がなかなか改善してくれないのは叱りではなく、怒りになっているからかもしれませんよ。


「叱る」の意味とは?

叱るとは、相手の欠点を改善させるために強く注意することを指す言葉です。教育や指導としての意味合いが強く、子供や部下といった目下の人に対してのみ使われます。

使い方の例としては、「子供のわがままを叱る」「上司から仕事のミスを叱られる」など。また、類語としては「叱咤」や「叱責」といった言葉が用いられます。


「叱る」と「怒る」の違いとは?

叱るのは相手のためを思って言葉を掛ける行動で、怒るのは負の感情を爆発させて自分が満足するために荒い言葉をぶつける行動です。

キツい言葉を相手に投げかける行動自体は同じですが、「相手のためなのか」「自分のためなのか」と動機が大きく異なります。

辞書的な意味合いでは叱る=怒るとされていますが、教育や指導の場面では明確な違いがありますので頭に入れておきましょう。


怒りではない”正しい叱り方”とは?

相手の良くない言動を改善させるためには、怒るのではなく正しく叱る必要があります。

そこで、正しい叱り方を4つ紹介していきますので、子育て中の夫婦や部下を抱える上司の方はこういった叱り方を行うように意識しましょう。

そうすれば、相手も素直に聞き入れて改善してくれるはずです。


正しい叱り方1. 行動を改めるメリットを提示する

ただ頭ごなしに叱りつけるだけでは、相手は「なんでそんな風に言われなければならないんだ」と感じてしまうため、改善を望むのは難しいです。

そこで、現在の行動を改めるメリットを併せて伝えてあげると「自分が得するなら改善しよう!」といった心理になり、行動を改めてくれる可能性も高まります。

叱る時には「○○がダメ」と悪いことばかりを指摘してしまいがちですが、相手のモチベーションを高めるためにメリットを提示してあげるのも必要なことです。


正しい叱り方2. 事実確認をしっかりと行う

叱る前には必ず、自分と相手に認識のズレがないかを確認しましょう。事実確認を行わないまま「○○をしたから」と主観で決めつけて叱るのは、感情に動かされているので「怒り」となります。

もしかすると、自分が知り得ていない事実があって相手が悪い訳ではないのかもしれません。その状態で叱ってしまうと、相手は不満を覚えて反発心を抱いてしまいますので、しっかりと事実を明らかにした上で叱るように心掛けましょう。


正しい叱り方3. 「こうしてほしい」という感情を伝える

相手も一方的に怒られているだけでは何をどう改善すればいいのか分からず、ただ謝ることしかできません。改善を求めるのなら、ただ怒りをぶつけるのではなく、相手に「○○してほしい」と明確に伝えてあげるのが重要です。

そうすれば相手も改善すべき点をハッキリと確認できるので、自発的に「これからは○○をしよう」といった心理になってくれるでしょう。悪い点を指摘するだけに留まらず、改善に向けてのアドバイスをしてあげるのも子育て中の親や上司としての務めですよ。


正しい叱り方4. 「次はできるよ」とポジティブな感情を持つように叱る

いくら正当な理由であったとしても叱っている側はもちろん、叱られている側も気分が良いものではありません。お互いの関係を悪化させないためにも、叱った後はポジティブな言葉で締めくくるようにしましょう。

そうすれば気まずい雰囲気を引きずることなく、お互いが明るく気持ちを切り替えられます。その上、相手のやる気も引き出せますので、キツく叱った後は必ずポジティブな言葉を掛けるのを忘れないのが大事ですよ。


「叱る」ではなく、「怒る」になる言動とは

本人は愛情を持って相手のために叱っているつもりでも、相手には「怒られてる」と判断されてしまうことも少なくありません。

どんな言動が叱るのではなく怒るとなってしまうのか、これから紹介していきますので当てはまるようであれば改善した方が良いでしょう。


怒る言動1. 暴言を吐く

部下に対して「本当に使えないな」、子供に対して「あんたなんか生まなきゃ良かった」といったように伝えるのは、とても叱っているとは言えません。

暴言を吐くのは自分の感情を一方的にぶつけているだけであって、相手の心に一生残る傷を与えてしまいます。

暴言は言葉の暴力であり、叱るどころか激怒していることになりますので、正当な理由があっても暴言は吐かないようにしてくださいね。

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怒る言動2. 必要以上に責める

叱る以上、相手を責める形になってしまうのも少なくないでしょう。その際に感情が高まって、必要以上に責めてしまうと叱りではなく怒りとなってしまいます。

例えば、部下が仕事をミスしてしまった場合であれば、ミスした点に関してのみ指摘すれば十分なはず。

それを普段の仕事の姿勢や人間性まで深堀りして責めてしまうのは、自分の感情による行動であり、叱るのを通り越して怒ることとなってしまいます。


怒る言動3. 命令口調で威圧的に注意する

どんなに正しいことを指摘していたとしても、相手を萎縮させてしまえばそれは怒りです。例えば「○○をやれ」「○○しなさい」といった命令口調では、相手は威圧的に感じて萎縮してしまうので「怒られてる」と判断されます。

同じ指摘でも、伝え方次第で叱りにも怒りにもなりますので、言葉選びは慎重に行うよう心掛けましょう。

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叱る上で押さえておきたい7つのルール

相手を叱る時に冷静であることを意識していないと、つい感情的になって怒ってしまいがちです。

そこで、怒るのを防止して正しく叱るために必要な7つのルールをこれから紹介していきますので、叱る際にはこれらを意識するようにしましょう。


叱る時のルール1. 相手を”納得”させること

ただ相手の欠点を注意するだけでは、上手い叱り方とは言えません。相手が「何が悪かったのか」を理解して納得できるように、論理的に説明してあげるのが上手い叱り方です。

感情に任せて言葉を口にしていては、要点がまとまらず「結局何を言いたいのか」「何をすればいいか」が相手も理解できません。相手が納得して改善に努めてもらうのが本来の目的なので、論理的に筋道を立てて説明できるように冷静さを保つのを心掛けましょう。


叱る時のルール2. 他の人と比べないこと

物事の考え方や能力は人によって異なりますので、他の人と全く同じようにはできなくて当然です。

つい、他の子供や部下と比較して欠点を指摘してしまいがちですが、比較されると「自分はダメなんだ…」という心理に陥りやすいので他人を引き合いに出すのは控えましょう。

個性を尊重して相手に合った叱り方をしてあげるのが、叱る立場として欠かせないルールの一つですよ。


叱る時のルール3. 否定するような言葉をかけない

叱る際には、良くない言動に対してのみ指摘すれば充分です。そのため、「だからダメなんだよ」と相手を丸ごと否定するような言葉はかけないようにしましょう。

叱るのは相手のためを思った行動ですが、否定する言葉は決して相手のためにならず、見放してるような印象を与えてしまいます。

そうすれば改善を望むどころか、良くない言動がさらに悪化してしまう可能性もありますので、相手にかける言葉には細心の注意を払いましょう。


叱る時のルール4. 行動に対する理由を問い詰めない

なぜ相手がそういった行動に至ったのかが気になって、「なんで?」「どうして?」と口にしてしまう人も多いでしょう。しかし、既に済んでしまった行動の理由を尋ねてもあまり意味がなく、追い詰められることで言い訳したり、萎縮したりと逆効果になってしまいます。

重要なのは、良くない行動を起こした理由よりも「今後同じ行動をとらないためにはどうすればいいか」というポイントです。叱る際には過去や現在ではなく、未来に焦点を当てて叱るように心掛けましょう。


叱る時のルール5. 「いつも」「毎回」という言葉を口に出さない

部下や子供の度重なる失敗を見て、「また○○して!」と言ってしまう人も少なくないでしょう。しかし、「いつも」「毎回」といった言葉を使うと、相手は「また叱られてしまった…」と感じ、何度も注意されてるのに改善できない自分を必要以上に責めてしまいます

そうなれば、自分に自信が持てないネガティブな性格に変わっていき、叱ったことでさらに事態が悪化してしまう可能性も。叱る時には自然と口に出してしまいがちですので、意識して「いつも」「また」といった言葉は用いないようにしましょう。


叱る時のルール6. 「今」や「目の前」の対象になることだけ叱る

過去の過ちや他の失敗を引っ張り出して、叱っている子育て中の親や上司も良く見られます。しかし、問題なのは今現在における目の前の対象だけであって、過去の過ちや他の失敗は関係ない話ですので、引き合いに出すのは控えましょう。

出してしまえば、改善させるどころかあれこれ言われて反発的になってしまうか、過剰に責められることで心を閉ざしてしまう可能性があり、逆効果にしかなりません。

感情が高まると他の話を引き合いに出してしまいがちですので、叱る時には冷静さを保つように心掛けましょう。


叱る時のルール7. 上から目線で叱らない

いくら相手が目下だからといって、見下すような叱り方をすれば反感を買ってしまいます。そうなれば改善させるのも難しくなりますので、たとえ相手に非があったとしても上から目線での物言いは控えるように心掛けましょう。

「そんなこともできないのか」と突き放すのでなく、「できるように○○しよう」と改善に導いてあげるのが目上の人の役割です。相手も一人の人間ですので、叱る時にも対等な目線で接するように意識しましょう。

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叱った後に最重要なことは、フォローを入れること

相手の改善を望む上で、何よりも重要なのは叱った後の接し方です。叱られた側は多少なりともネガティブな感情を抱いていますので、無駄に引きずってしまわないように叱った側からフォローしてあげましょう。

「よし!この話はおしまい!次から頑張れ!」と、フォローを入れれば相手も「キツく言われたのは自分のためだったんだ」と改めて認識でき、改善に励みやすくなります。

強く叱った上でフォローまでセットで行うのが、正しく効果的な叱りとなりますので、叱りっぱなしで終わらないように気を付けましょう。


正しい叱り方の参考になる名言2選

時には、子供や部下に対してどう叱ればいいかが分からず、頭を抱えてしまう子育て中の方や上司の方も多いはず。

そんな方に向けて、正しい叱り方の参考になる名言を2つ紹介していきます。叱り方に迷いが生じた際は、先人たちの名言を思い出して正しく叱れるように励んでいきましょう。


名言1. 『「叱る」と「褒める」というのは同意語だ。情熱や愛情が無いと、叱っても、ただ怒られているというとらえ方をする。』野村克也

元プロ野球選手であり、4球団の監督を務めた野村克也氏がテレビ番組に出演した際に残した言葉です。

褒めるのも叱るのも結局は同じことで、情熱や愛情を持って叱らなければ意味がないと説いています。

叱る時には変に上手い叱り方をしようとするのではなく、まずは自分が一生懸命になって相手と誠心誠意向き合うのが大事だというのが、こちらの名言から学べるでしょう。


名言2. 『人を叱るな。行為や態度を叱れ。』ながれおとや

なぞなぞの作家兼研究家として活動している、ながれおとや氏が残した言葉です。

「人を叱るな」というのは人格のことを指しており、叱る時には行動や態度にだけ焦点を当てて叱るべきと伝えています。

人格を叱ってしまうと反感を覚えたり落ち込んだりして逆効果になってしまうので、あくまで人格を尊重したまま行動だけを叱れるように、この名言を心に刻んでおきましょう。


「怒る」にならないように上手に叱りましょう。

本心では叱りたくなくても、時には叱らなければならないのが子育て中の親や上司としての務めです。叱る以上、相手に納得してもらって改善に励んでもらえるよう、叱りと怒りの違いや叱る時に押さえておくべきポイントをしっかりと理解しておきましょう。

正しく叱れるようになれれば相手も不満を抱くことなく、期待通りの成長を遂げてくれるはず。上手に子育てや仕事の管理ができるように、叱り上手を目指して日々精進していきましょう。


【参考記事】はこちら▽

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