薄筋のトレーニング&ストレッチ。二関節筋を刺激する効果的な筋トレ方法とは
薄筋(はっきん)とは?
下半身の動かす筋肉として名前が挙げられる部位、薄筋(はっきん)。実際にどんなトレーニングに取り組めば鍛えられる、鍛えることでどのようなメリットが期待できるのか。今回は、薄筋の基礎知識から効果的な筋トレメニューまで詳しく解説していきます。
まずは薄筋の位置・役割・鍛えて得られるメリットをしっかりと把握しておきましょう。
薄筋の位置とは?
薄筋は、「ハムストリング」や「大腿四頭筋」などと同様に、人間の太ももを形成する筋肉部位です。薄筋は内転筋群と呼ばれる筋肉群に含まれており、内転筋群は薄筋の他に、「長内転筋」「短内転筋」「大内転筋」「恥骨筋」の4つが存在しています。各筋肉に役割が振り分けられており、どれも体を動かすために重要な筋肉です。
薄筋の役割って?
薄筋は、主に大腿を内転させる動作(太ももを内側に寄せる動き)、下腿を屈曲させる動作(ふくらはぎを曲げる動き)、下腿を内旋させる動作(膝を内側に向ける動き)を主にサポートしています。内転筋群の中で唯一の二関節筋になり、ふくらはぎと太ももの動きに影響を及ぼしている筋肉です。非常に長細くパワーのある筋肉ではありませんが、補助筋肉として活躍しています。
薄筋を鍛えるメリットとは?
【薄筋の役割】でもご紹介した通り、薄筋はふくらはぎの動作と太ももの動作の両方に影響を与えています。そのため、鍛えれば鍛えるほどトレーニングの幅が広がり、質の高い筋トレ・スポーツパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。太もも側面にある筋肉が刺激されているか感じながら取り組んでくださいね。
薄筋を鍛えられるトレーニングメニュー
薄筋の基礎知識をご紹介した後は、実際に薄筋を効果的に鍛えられるトレーニングメニューをお教えします。自宅で取り組める自重トレーニングを解説いたしますので、ジムに通っていない男性もぜひ挑戦してみてください。
薄筋のトレーニング1. ヒップアブダクション
お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋・小臀筋)と内転筋群を鍛えられるトレーニングメニュー、ヒップアブダクション。フラットベンチなどを使って、一層効果的に薄筋に刺激を届けていきましょう。
ヒップアブダクションのやり方
- フラットベンチなどを用意する
- 上半身を乗せ、体勢を安定させる
- 地面に近い足は落ち着かせる
- 逆側の足を90度に曲げた状態で、ゆっくりと上に上げる
- (4)の時、しっかり真上に足を持ち上げましょう
- 限界まで上げたら足を下げる
- (6)の時、太ももがクロスする形を作りましょう
- 元の位置まで戻す
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 逆足も同様に取り組む
- 終了
ヒップアブダクションの目安は、左右15回 × 3セット。内太ももが刺激されているか感じながら取り組んでいきましょう。
トレーニングのコツ
- 足は真上に上げる
- 太ももがクロスするまで足を下げる
- 息は止めず、安定させましょう
- 全ての動作ゆっくりと行う
- 慣れてきたら、キープ時間を作る
- 軽く膝を曲げた状態で取り組む
ヒップアブダクションで薄筋を鍛えるポイントは、軽く膝を曲げた状態でトレーニング取り組むということ。薄筋のような二関節筋は、2つの役割を抑えたまま行うことが効果的に鍛えるコツになります。
【参考記事】ヒップアブダクションの効果を解説▽
薄筋のトレーニング2. サイドランジ
薄筋を含む内転筋群・大腿四頭筋・ハムストリングといった太もも全体を鍛えられるトレーニング、サイドランジ。上下だけでなく、前後左右に体を動かす筋トレになるため、様々な筋肉に刺激を届けられますよ。
サイドランジのやり方
- 足を肩幅2つ分ほど開きます
- 両手を胸の前で組みます
- 右足に体重をかけていく
- (3)の時、膝はつま先と同じ方向に向けましょう
- 限界まで曲げたら、ゆっくりと元に戻す
- 逆方向も同様に行う
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
サイドランジの目安は、15回 × 3セット。トレーニングのコツまでしっかりと押さえて取り組んでいきましょう。
トレーニングのコツ
- 膝とつま先は同じ方向に向ける
- 足先は外に45度ほど広げる
- 呼吸を安定させて取り組む
- 背中は丸めない
- 慣れてきたら斜め前に体重をかけていく
サイドランジを行う時は足は戻すのではなく、常に開いた状態で取り組んでいきましょう。後はゆっくりと体重をかけていき、限界まで体を落とすことを意識してください。
薄筋のトレーニング3. クロスバックランジ
サイドランジをアレンジしたトレーニング種目、クロスバックランジ。ややレベルは上がりますが、マスターすれば効率よく太ももを引き締められます。薄筋への刺激を届けられる筋トレメニューですので、気になった方はぜひ挑戦してみてください。
クロスバックランジのやり方
- 肩幅分ほど足を開いて直立します
- 足を斜め後ろに大きく踏み出す
- (2)の時、背中は丸めず伸ばした状態を維持しましょう
- かかとは捻らず、体を真っ直ぐ落とす
- 体を持ち上げ、足を元に位置に戻す
- 逆側も同様に行う
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
クロスバックランジの目安は、15回 × 3セット。腰が曲がってしまわないよう、腹筋に力を入れて取り組んでみて。
トレーニングのコツ
- 背中を丸めて行わない
- かかとを捻らないよう注意する
- 呼吸を安定させて取り組む
- 体は真っ直ぐ真下に通す
- 慣れてきたら最後に足を真上に持ち上げる動作をプラスする
クロスバックランジで重要なポイントは、背中を丸めて行わないということ。フロントランジやバックランジと違い、体を捻る動作が加わるため、故障のリスクも自然と高まります。怪我を避けるためにも、正しいフォームで取り組みましょう。
薄筋のほぐせる効果的なストレッチメニューとは?
薄筋のトレーニングメニューを解説していきましたが、大切なのはトレーニング前後にしっかりとケアを行うこと。
ここでは、太もものストレッチメニューから、薄筋に効果的な柔軟体操を2つ選んでご紹介します。正しいやり方からストレッチのコツまでマスターしていきましょう。
薄筋のストレッチ1. 捻りストレッチ
薄筋を含む、内転筋群と広背筋を伸ばせる効果的なストレッチメニュー。座ったまま、ちょっとしか時間で行えるため、トレーニング前後にも取り入れやすい柔軟体操です。痛みの出ない範囲でゆっくりと体をほぐしていきましょう。
ストレッチのやり方
- マットやベッドなど柔らかい生地の上にあぐらをかいて座る
- 右足だけを横に伸ばす
- (2)の時、体は前傾にならないよう注意しましょう
- 体を左側にひねっていく
- 内太ももが伸びているのを感じながら20秒キープする
- ゆっくりと元に戻し、逆足も行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
このストレッチの目安は、左右20秒ずつ × 2回。呼吸を安定させて、少しずつ薄筋へ刺激を届けていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させる
- 痛みの出ない範囲で体をひねっていく
- 足は前ではなく、真横に伸ばす
- 体をひねった時に足先は横に倒す
- 軽く体を前傾させる
ストレッチで大切なポイントは、体をひねると同時に足先を少しずつ倒していくこと。親指が床にくっついた状態から、痛みの出ない範囲で上半身を逆方向へひねっていきましょう。内太ももに刺激がない場合は、フォームを再度チェックしてみてください。
薄筋のストレッチ2. 寝ながらできるストレッチ
体の硬い男性でも手軽に取り組めるストレッチメニュー。寝ながら取り組めるため、トレーニング前後はもちろん、眠る前やお風呂上がりなどに行いやすいのが魅力的なポイント。リラックスした状態でゆっくりと伸ばしていきましょう。
ストレッチのやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上に仰向けで寝っ転がる
- 右足の膝を曲げて、足裏を左足の膝に当てる
- (2)の時、膝向きは体の向きと垂直にしましょう
- 右膝を出来るだけ床に近づける
- 同じ姿勢を20秒間キープする
- ゆっくりと元に戻し、逆足も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
このストレッチの目安は、左右20秒ずつ × 2回。刺激を感じない方は、太ももとくっついた足裏を少しずつ上半身側へずらしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させる
- 20秒間しっかりと内太ももの筋肉を伸ばす
- 腰を上げない
- 慣れてきたら足裏を股関節の方に近づける
- 上半身はリラックスさせる
このストレッチで大切なポイントは、足裏を股関節の方向へ少しずつ近づけること。毎日続けていれば、刺激を感じにくくなってくるため、少しずつ負荷を高めると一層効果的なストレッチになりますよ。
薄筋トレーニングにおすすめの筋トレグッズとは?
内転筋群を筆頭に、自重だけでは鍛えにくい筋肉は、筋トレグッズを使うことでスムーズに大きく太く鍛えられます。今回は、数ある人気トレーニングアイテムの中から、
薄筋トレーニングに最適な筋トレグッズを2つ厳選してご紹介します。効率よく筋肉を鍛えていきましょう。
おすすめ筋トレグッズ1. トレーニングチューブ
ヒップアブダクションなどでも使える人気アイテム、トレーニングチューブ。ダンベルやバンベルと違い、徐々に負荷を高められるチューブは、内転筋群の筋トレに最適ですよ。慣れてきたら伸縮性の弱いアイテムを使って、筋肉へ刺激を届けていきましょう。トレーニングチューブは、セットで1,500円前後で購入できますよ。
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おすすめ筋トレグッズ2. アンクルウエイト
薄筋トレーニングは、下半身をメインで動かす種目が多いため、ダンベルよりもアンクルウエイトがおすすめです。まずは、1kg程度から始めて、少しずつ重量を上げていきましょう。女性は、0.5kgのアイテムから始めていくと効率よく筋肥大を促せますよ。
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薄筋の基礎知識と鍛えられるトレーニングメニューをご紹介しました。二関節筋になるため、他の内転筋よりも鍛えやすい筋肉部位です。気になった方は、今日からでもぜひ日々のトレーニングメニューに組み込んでみてください。
【参考記事】内転筋を鍛えられるトレーニングメニューとは▽
【参考記事】太ももの筋トレは筋肉肥大にもダイエットにも効果的です▽
【参考記事】下腿三頭筋の効果的な鍛え方を解説します▽
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