広背筋下部を鍛える筋トレメニュー。鍛えにくい背中に効果的なトレーニングとは?
広背筋下部とは、どんな働きがある筋肉なの?
広背筋とは、背骨の真ん中あたりから腰にまで広がる大きな筋肉。
上部と下部に分けられ、上腕骨から腰や骨盤までに広がる広背筋下部は、肩甲骨の伸展に重要。肩甲骨の伸展がうまく行われることで上腕の動きもスムーズになり綺麗な姿勢を保つことができます。
広背筋は引く動作の中心なので、あらゆるスポーツのパフォーマンス向上にも期待できるのです。また、広背筋上部と下部をバランスよく鍛えることで、男性は逆三角形、女性はくびれのある体形作りを行えます。
広背筋下部を効果的に鍛えるコツ|背中の筋肉を鍛えるポイントとは?
広背筋下部は自分で見えない筋肉のため、ちゃんと鍛えることが難しいです。
特に筋トレ初級者はいくつかのポイントを意識しなければ、広背筋下部は発達しません。そこでここからは、広背筋下部を効率よく鍛えるポイントを紹介します。
1. 肘をしっかりと下げた動作を行う
広背筋下部が鍛えにくい理由は、懸垂などの引く種目を普通に行っても収縮が難しいから。普通の種目では、肘を肩の少し下まで下げますが、それでは足りません。
広背筋下部を刺激するのなら、肘を背骨の真ん中あたりまで下げる必要があります。ただし肘を下げることばかりに意識を集中させると、腕の力に頼るフォームになって他の部位に刺激が逃げることに。
そのため、広背筋下部への刺激を意識しながら、肘をしっかりと下げるようにしましょう。
2. 片腕ずつトレーニングを行う
肘をしっかりと下げようとすると、腕の力に頼るフォームになり広背筋下部にあまり効かせられません。
そこで広背筋下部を鍛える際には、片腕ずつ行うようにしましょう。
例えば、ラットプルダウンは、両腕で行うのが一般的です。それでは、十分に肘を下げられないので、広背筋下部に効きません。そこでマシンの横に座り片腕でバーを引けば、自然な形で最大限まで肘を引けるのです。
意識としては、肘を真横、可能ならば肘が少し後ろに来るように引きましょう。そうすれば、広背筋下部を十分に刺激できます。
広背筋下部を鍛える自重トレーニング|背中下部を鍛える簡単な筋トレとは?
まずは自重で広背筋下部を鍛えられる筋トレメニューを紹介します。
自重なら安全に行えるので、腰痛持ちや初心者の方におすすめです。
また動作をゆっくり行う、肘を下げ切ったところで数秒静止などの工夫をすることで、中上級者も広背筋下部を鍛えられます。
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難易度:★☆☆|バックエクステンション
バックエクステンションは、背中から腰にかけての筋肉を鍛える種目です。うつぶせになって、上体をゆっくりそらすだけなので、初心者の方でも簡単に行えます。
腰を反らす動作を行うので、長時間のデスクワークによって姿勢が悪くなり、猫背や巻き肩が気になる方はぜひ試してみてください。
バックエクステンションではスピードが重要になります。勢いをつけないように、呼吸を吐きながらゆっくりと上体を起こし、起こし切ったところで2秒間キープしましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 床にうつぶせになる
- 両手を頭につけて、足は肩幅よりやや狭めに開く
- 呼吸を吐きながら、ゆっくりと上体を反らす
- 3段階に分けて上半身を上げるのが理想
- 上半身を起こし切ったところで2秒キープ
- 息を吸いながら、ゆっくりと上体を下す
- 腰痛持ちの方は無理に背中を反らさないように注意する
バックエクステンションの目安は、10回×3セットです。できるようになったら、回数を増やすもしくは上体を上げるスピードをゆっくりとしましょう。
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難易度:★★★|自重デッドリフト
デッドリフトとは、広背筋や下半身を鍛える王道の種目。一般的にはダンベルやバーベルなどのウエイトを用いるのが普通ですが、入門者はペットボトルやチューブで行うといいでしょう。
デッドリフトでは、背中が曲がらないように注意しましょう。そのためにも、視線は前に向けて胸を張り、腰を落とすのではなくお尻を後ろに引くイメージで行うのが大切です。
トレーニングの正しいやり方
- 足を肩幅よりやや狭く開く
- 両手にペットボトルなどの重りを持つ
- 胸を張ったまま、お尻を後ろに引いて重心を落とす
- 膝を軽く曲げたときに、太ももの裏側が少し張る感覚を得る
- ゆっくりと持ち上げて、元の姿勢に戻る
- 上体を持ち上げるときも、肘は伸ばしたまま
- これを10~15回ほど繰り返す
自重デッドリフトの目安は、10~15回×3セットです。低負荷なので、ゆっくりと刺激をかけるのが大切です。
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難易度:★★★|懸垂
懸垂は広背筋を中心とした背中を鍛える王道の自重トレーニングです。自重トレーニングがメインなら、懸垂さえやっておけば間違いありません。
手の甲を自分に向ける懸垂が一般的ですが、それでは広背筋上部ばかりに効いてしまいます。広背筋下部を狙うのなら、手の平を自分に向ける逆手懸垂がおすすめです。
ポイントは肘をしっかりと曲げること。可能な限り、肘と腰を近づけるように懸垂を行いましょう。そうすることで、広背筋下部に大きな刺激を与えられますよ。
トレーニングの正しいやり方
- 手の平を自分に向けて懸垂バーを握る
- 足を後ろで組んで体を浮かす
- 呼吸を吐きながら、ゆっくりと上体を持ち上げる
- 上体を上げ切ったところで、息を吐ききり、さらに肘を腰に近づける
- 息を吸いながら、体を下す
- 元の姿勢に戻ったら、勢いをつけないためにも、1秒ほど止まる
- これをできる限り繰り返す
懸垂の目安は、1回以上×3セットです。中級者でも10回するのは難しいので、10回を上限にしてできるだけ回数をこなしましょう。
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難易度:★★☆|斜め懸垂
普通の懸垂が3回もできない方は、斜め懸垂で基礎筋力をつけるのがおすすめです。
斜め懸垂とは、上体を上に向けて行う腕立て伏せのようなもの。バーや机を握り、足を大きく前に出して、体の上げ下げを行います。普通の懸垂よりは負荷が低いので、入門者に最適なトレーニングです。
斜め懸垂では、胸がバーにつくまで上体を上げるようにしましょう。そうすることで肘が十分に曲がり、広背筋下部に効かせられるのです。また肩甲骨を寄せるイメージで行うと、さらに効果が上がります。
トレーニングの正しいやり方
- 両手を肩幅より広めに開き、バーや机を握る
- 足を前に伸ばし、地面にかかとをしっかりと着ける
- このとき体の角度は45度ほどで、背筋から足までのラインは一直線にする
- 肩甲骨を寄せるように、ゆっくりと上体を上げる
- 胸がバーに近づいたところで、2秒ほどキープ
- ゆっくりと上体を下ろし、元の姿勢に戻る
斜め懸垂の目安は、10回×3セットとなります。回数よりも、正しいフォームで限界まで行うのが重要です。
難易度:★☆☆|リバースエルボープッシュアップ
広背筋を鍛えるには、懸垂が一番ですが、自宅に懸垂バーのない方は多いはず。自宅で懸垂を行えない方におすすめなのが、床で行えるリバースエルボープッシュアップです。
簡単に手順を説明すれば、仰向けで横になり、肘で床を押して上体を上げるだけです。肘で床を押したとき、広背筋に大きな刺激を与えられます。
ポイントは肩甲骨を寄せることです。肩甲骨を寄せる意識がなければ、腹筋に刺激がいき広背筋に効かなくなります。肘の下にタオルなどを置けば、可動域が広がり、より大きな刺激を与えられるのです。
トレーニングの正しいやり方
- 仰向けになって床に寝転がる
- 肘を脇につけて、少し肩をすぼめる
- 重ねたタオルの上に肘を置くと、可動域が広がるのでおすすめ
- 肘で床を押して、上半身をゆっくりと上げる
- このさい、肩甲骨を寄せるイメージで行う
- 上体を上げ切ったところで、2秒ほどキープ
- ゆっくりと上体を下ろし、元の姿勢に戻る
リバースエルボープッシュアップの目安は、10~15回×3セットです。ゆっくりと行うことで、大きな負荷をかけられます。
広背筋下部を鍛えるダンベルトレーニング|自重よりも効果的な筋トレとは?
本格的に広背筋下部を鍛えたいのなら、ダンベルやケトルベルなどのウェイトを使うのがおすすめです。
広背筋は大きく強い筋肉のため、ウェイトの方が効率的に増大を狙えます。
ここからはダンベルを使った広背筋下部のトレーニングを紹介します。
難易度:★★☆|ワンハンドローイング
ワンハンドローイングとは、名前の通り片手で重量を引く種目です。広背筋の上部と下部をバランスよく鍛えられます。
ワンハンドローイングはシンプルで簡単そうに見えますが、正しいフォームを身に着けるのが難しいです。特に初心者は間違ったフォームを身に着けやすいので、初めはウェイトなしでフォーム固めをするといいでしょう。
ポイントは、視線を斜め45度くらいにすることです。そうすることで、背中が真っすぐに保たれ、広背筋に刺激を与えられます。
トレーニングの正しいやり方
- ベンチや椅子などを用意する
- 右手でダンベルを持ち、左手足はベンチに置く
- 視線を斜め45度に固定し、背中を真っすぐにする
- そのままの状態で、ゆっくりとダンベルを上げる
- その際、腕ではなく肘で上げる意識で行う
- 2~3秒ほどかけながら、ゆっくりとダンベルを下す
- これを数回繰り返す
ワンハンドローイングの目安は、8~15回×3セットです。インターバルは3分ほど取って、筋肉が十分に回復してから次セットに取りかかりましょう。
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難易度:★★★|ダンベルデッドリフト
ダンベルを用いたデッドリフトです。バーベルよりも安全で、自重よりも効果の高い種目。
ダンベルデッドリフトでは足幅を肩幅よりも狭めに開き、足の外側でダンベルを握ります。そのまま背中を曲げないように重心を落として、ダンベルを引き上げるのです。
一番大切なポイントは、ダンベルを引き上げたときに、肩甲骨をぐっと寄せることになります。このポイントを意識するだけで、広背筋を十二分に収縮できますよ。また怪我を防ぐためにも、背中は丸めず膝がつま先より前に出ないようにしてください。
トレーニングの正しいやり方
- 足幅は肩幅よりも狭くし、足の外側でダンベルを持つ
- 胸を張って、視線を少し上に向ける
- そのままの姿勢を保ちながら、ゆっくりと重心を下げる
- イメージとしては、腰を落とすのではなく、お尻を後ろに引く
- 重心を十分に下げたら、体を引き上げる
- ダンベルを引き上げたら、肩甲骨をしっかりと寄せる
ダンベルデッドリフトの回数は、10回×3セットです。追い込みに、足を広く開いて行うダンベルスモウデッドリフトを取り入れるのもいいでしょう。
【参考記事】ダンベルデッドリフトのコツはこちらをチェック▽
広背筋下部のバーベル・マシントレーニング|効果的なジムメニューとは?
ダンベルでも十分に広背筋を鍛えられますが、中上級者はバーベル・マシンを利用するのもおすすめです。
たとえばウォームアップでダンベルデッドリフトを行い、バーベル・マシンで本格的に広背筋を刺激するのもいいでしょう。
ここからはバーベル・マシンを使った広背筋の筋トレメニューを解説します。
難易度:★★★|ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングは前かがみになった状態で、バーベルやダンベルを引き上げる種目です。
僧帽筋や広背筋などを鍛えられ、姿勢改善や肩こり解消などの効果にも期待できます。
ベントオーバーローイングのポイントは2つです。1つめは肩甲骨を寄せること。僧帽筋や広背筋は肩甲骨とくっついており、肩甲骨を寄せることで筋肉が収縮します。 2つめが反動をつけないことです。反動を使ってバーベルを引き上げると、負荷が逃げてしまいます。さらにケガのリスクも高まるのです。
トレーニングの正しいやり方
- 腰の高さにバーベルをラックに置く
- 足を肩幅に開き、バーベルを掴む
- 視線を少し上に向け、胸をしっかり張り、膝を軽く曲げる
- 背中を真っすぐに保ったまま、ゆっくりとバーベルを引く
- バーベルを引いたところで、肩甲骨を寄せて広背筋を収縮させる
- ゆっくりとバーベルを元の位置に戻す
ベントオーバーローイングの目安は、10回×3セットです。セット間には十分なインターバルを取り入れましょう。
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難易度:★★☆|ケーブルローイング
ケーブルローイングは、広背筋や僧帽筋、上腕二頭筋を鍛えられる種目です。広背筋下部のほか、広背筋中央部を重点に鍛えられます。
ケーブルローイングのやり方は簡単で、マシーンに座り、肩甲骨を寄せるようにケーブルを引くだけです。
ポイントは2つあります。1つめは肩甲骨を寄せて、広背筋を完全収縮させること。2つめがケーブルを引ききる際は、顎を少し上に向けることです。 グリップにより刺激部位が変わり、広背筋下部を狙うなら、狭い手幅の逆手持ちがおすすめとなります。
トレーニングの正しいやり方
- マシーンのシートに座る
- 手の平を自分に向けて、幅を狭めにグリップを握る
- 腕と足は完全に伸ばした状態にする
- 胸をしっかり張りながら、ケーブルをへそに向かって引く
- ケーブルを引いたら、顎を少し上に向け、肩甲骨を寄せてフィニッシュ
- ケーブルをゆっくりと元の位置に戻す
- これを数回繰り返す
ケーブルローイングの目安は、10回×3セットです。最初の2セットはナローグリップ、3セット目はワイドグリップで行うとバランスよく広背筋を鍛えられます。
難易度:★★☆|ラットプルダウン
ラットプルダウンは、ケーブルを上から下に引くことで、広背筋を鍛える種目となります。
基本的なやり方は、両手でバーを掴んで座り、胸を張りながらバーを引くだけです。バーを引く際は、少しばかり体を後ろに傾けてバーが胸につくようにしましょう。
ラットプルダウンでもまた、肩甲骨を寄せることが重要になります。もしラットプルダウンで腕に疲労を感じたら、それは肩甲骨で引けていない証です。背中を伸ばして、肩甲骨を寄せるようにしましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 手の甲を自分に向け、手幅は肩幅にしてバーを握る
- マシーンに座って、胸をしっかりと張る
- ゆっくりとバーを引いていく
- バーが下がったところで、顎を少し上に向け、肩甲骨をぐっと寄せる
- 十分に広背筋を収縮させたら、ゆっくりとバーを元の位置に戻す
- この手順でラットプルダウンを数回繰り返す
ラットプルダウンの目安は、10回×3セットです。広背筋をバランスよく鍛えたいのなら、アンダーハンドも取り入れましょう。
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難易度:★★☆|アンダーハンドラットプルダウン
アンダーハンドラットプルダウンとは、手の平を自分に向けるようにバーを握って行うラットプルダウンです。広背筋下部や内側を集中的に鍛えられます。
ポイントは、バーをしっかりと下げることです。胸のあたりではなく、肘を腰に近づけるようにバーを引きましょう。バーを引くときに、体を少し倒すことで、より下まで引けるようになります。
背中の筋トレをする際は、通常のラットプルダウンとアンダーハンドを組み合わせるのがおすすめです。
トレーニングの正しいやり方
- 手の平を自分に向けるようにして、バーを掴む
- 手の幅は肩幅もしくは肩幅より少し狭め
- 背中を真っすぐにしてシートに座る
- 胸を張りながら、ゆっくりとバーを引く
- バーを引いて、肩甲骨を寄せたところで2秒キープ
- そのままゆっくりとバーを元の位置に戻す
- これを数回繰り返す
アンダーハンドラットプルダウンの目安は、10回×3セットです。2セットはアンダーハンド、1セットは通常のラットプルダウンを行うといいでしょう。
広背筋下部に効かせるなら、正しい筋トレを選ぶ。
広背筋下部を鍛えることで、逆三角形やくびれのある体形になれるほか、姿勢改善や肩こり腰痛解消などにも期待できます。
今回は自重・ダンベル・マシーンを使ったトレーニングを紹介したので、ライフスタイルや筋力に合ったトレーニングを選んでください。
広背筋下部を効率よく鍛えて、理想の体型を作っていきましょう。
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