広背筋のストレッチ方法。背筋下部をほぐす効果的な柔軟体操メニューとは
巷では人間のコア(体幹)をほぐす柔軟体操が大ブーム。専用のストレッチ施設やフィットネスクラブがオープンするほど需要が伸びており、筆者の周りでも実際に通っている人が増えてきています。しかし、実際に話を聞くと、「肩甲骨ストレッチ」や「股関節ストレッチ」と行った著名な部位の伸ばし方ばかり勉強している人も多いそう。
体幹だけでも覚えきれないほどの筋肉があるのに、伸ばしやすい筋肉ばかりをストレッチするのはもったいない。
そこで今回は、意識しにくい筋肉の代表とも言える「広背筋」の効果的なストレッチ方法を解説していきます。一人で手軽に行える柔軟体操をメインに解説していきますので、この機会に正しいやり方を勉強していきましょう。
広背筋(こうはいきん)とは?
広背筋とは、僧帽筋や脊柱起立筋などと同様に人間の背中部分を形成する筋肉です。
肩甲骨下から腰部分にかけて広がる大きな筋肉で、体幹の骨と上腕骨を結ぶ重要な役割を担っています。広背筋は体を形成する大きな筋肉の中でも伸ばしにくい筋肉なため、意識的にストレッチさせなければ上手くほぐすことは難しいでしょう。
【参考記事】広背筋の効果的な鍛え方とは▽
広背筋の役割|腕の上げ下げに使われる筋肉
広背筋は、主に肩関節を内旋させる動作(腕を内側に寄せる動き)、肩関節を内転させる動作(腕を肩よりも下に下げる動き)、肩関節を伸展させる動作(腕を体よりも下げる動き)を担当しています。
上腕骨に停止している筋肉になるため、日常的にも多く使われる筋肉です。広背筋の働きを最大限に発揮できるよう、毎日しっかりとケアしてあげましょう。
広背筋の効果的なストレッチ方法5選|背中下部の筋肉を伸ばす柔軟体操とは?
広背筋の基礎知識を勉強したところで、ここから実際に取り組んでほしい効果的な広背筋ストレッチをご紹介します。ちょっとした時間を有効活用して、筋肉を伸ばしていきましょう。
広背筋のストレッチ1. 座ってできるお手軽簡単ストレッチ①
座った状態で行う広背筋ストレッチ。柔らかいクッションやベッドの上で気軽に取り組める柔軟体操になるため、寝る前やお風呂後などちょっとした時間に取り組めるのが嬉しいポイント。
ストレッチの正しい方法
- ストレッチマットやベッドなど柔らかいアイテムの上にあぐらをかいて座る
- (1)の時、お尻から頭まで伸ばしましょう
- 右手を上げ、左手で右手の手首を掴む
- (3)の時、左手は自分側に手の甲があるようにしましょう
- その後、ゆっくりと左前に倒す
- 倒した状態を20秒間キープする
- 元に戻し、右側も同様に取り組む
- 終了
お手軽簡単ストレッチ①の目安は、左右20秒ずつ。脇腹部分が刺激されているのを感じながら取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 20秒間広背筋をしっかりと伸ばす
- 真横ではなく、斜め前に倒す
- お尻を上げない
お手軽簡単ストレッチ①で大切なポイントは、お尻を上げないということ。お尻が上がってしまうと広背筋への刺激が弱まり、効果的にストレッチできません。効率よく筋肉を伸ばすために、正しいフォームで取り組んでいきましょう。
【参考記事】ダイエットに効果的な簡単ストレッチメニュー▽
広背筋のストレッチ2. 壁を使うお手軽簡単ストレッチ②
座って行うお手軽簡単ストレッチ①とは違い、立って行う広背筋ストレッチメニュー。オフィスや外回り中など、座りこめない状況でも簡単に取り組めるため、仕事中はお手軽簡単ストレッチ②で広背筋を伸ばしましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 壁や支柱と向かい合って立つ
- (1)の時、30cmほど離れて立ちましょう
- 左手を上げて、頭のてっぺんを通して壁の右側につけます
- (3)の時、体を軽く前傾させましょう
- 広背筋が伸びているのを感じたら20秒キープする
- ゆっくりと元に戻し、逆の手も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
お手軽簡単ストレッチ②の目安は、左右20秒ずつ × 2回。時間のない方は、30秒間を1回でもOK。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 広背筋が刺激されているのを感じながら取り組む
- 逆の手でしっかりとバランスを取る
- 腰は動かさない
お手軽簡単ストレッチ②で重要なポイントは、腰は動かさないで体を前傾させるということ。腰が上下左右にぶれてしまうという方は、壁を使わずに斜め前に上半身を前傾させることから始めてみるといいでしょう。
広背筋のストレッチ3. タオルを使って行う広背筋ストレッチ
タオルを使って行う広背筋のストレッチメニュー。タオルを持っていなければならないという条件はあるものの、家・外・オフィスどこでも取り組める万能な柔軟体操です。タオルは毎日持って歩くアイテムですので、気になった方はぜひ行ってみてください。
ストレッチの正しい方法
- 肩幅よりも広めのタオルを用意する
- タオルを肩幅1.5倍分ほどの手幅で握り、体の前に出す
- そのまま、タオルを頭上に持ち上げる
- ゆっくりと斜め前に倒していく
- (4)の時、両肘はできるだけ伸ばした状態にしましょう
- 広背筋のストレッチを感じたら、20秒キープする
- 元に戻し、逆側も同様に取り組む
- 終了
タオルを使って行う広背筋ストレッチの目安は、左右20秒ずつ。肩が上がらないよう、リラックスした状態で取り組みましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 広背筋が刺激されているのを感じながら行う
- 両肘はできるだけ伸ばした状態で取り組む
- 体は真横ではなく、斜め前に倒す
タオルを使って行う広背筋ストレッチで大切なポイントは、真横ではなく、斜め前に倒すということ。真横に倒すのは広背筋ではなく、腹斜筋や腹筋といったお腹周りの筋肉をストレッチする場合です。広背筋を伸ばす時は斜めまえに倒しましょう。
広背筋のストレッチ4. 広背筋&肩甲骨のストレッチ
背中全体の筋肉をバランスよく伸ばせるストレッチメニュー。肩甲骨と広背筋を一緒に伸ばしたいという方におすすめの柔軟体操です。ストレッチマットやカーペットなどの上で取り組みましょう。
ストレッチの正しい方法
- ストレッチマットなどを敷いた上で四つん這いの形を作る
- (1)の時、両手の幅は肩幅よりも少し広げましょう
- 右手を左手と左足の間に通して、上半身を倒す
- 右肩&右耳を床につけた状態で20秒キープします
- (4)の時、下半身は一切動かさないよう固定しましょう
- ゆっくりと元に戻し、左手も同様に行う
- 終了
広背筋&肩甲骨のストレッチの目安は、左右20秒ずつ。慣れてきたら伸ばしていない方の腕を真上に上げましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 痛みを我慢して体を倒さない
- 腰から下は動かさない
- 体を倒した後は、全身をリラックスさせる
- 慣れてきたら、伸ばしていない腕を真上に上げる
広背筋&肩甲骨のストレッチで大切なポイントは、体をリラックスさせた状態で取り組むということ。体をねじる柔軟体操になるため、無意識に力が入ってしまうこともあります。最初は意識的に体から力を抜くようにしましょう。
広背筋のストレッチ5. 上半身全体をバランスよく伸ばせるストレッチ
大胸筋や肩関節、肩甲骨まで伸ばせる広背筋ストレッチメニュー。椅子に座った状態で行えるため、オフィスでも気軽に行えますよ。この機会に正しいやり方とコツを学んでいきましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 椅子に浅く座ります
- (1)の時、両足を肩幅ほど広げましょう
- 右手を左足の向こう側に置きます
- (3)の時、軽く肩を出して、背中を丸めましょう
- 10秒間キープ
- その後、体を挟んで逆方向に手を伸ばす
- 肩甲骨と大胸筋がストレッチしているのを感じながら、再度10秒キープ
- ゆっくりと戻し、左手も同様に取り組む
- 終了
上半身をバランスよく伸ばせるストレッチの目安は、左右20秒ずつ。体が温まるのを感じながら取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で行う
- 痛みの出ない範囲で手を伸ばす
- 手を前に出す時は、肩から出すイメージで
- 逆方向に振る時は、ゆっくりと動かす
- 体は出来るだけ前に向けた状態をキープする
上半身をバランスよく伸ばせるストレッチで大切なポイントは、体を出来るだけ雨にに向けた状態で行うということ。特に手を後ろに振る時は、体が横を向きやすいため注意しておくといいでしょう。
【参考記事】肩関節の効果的なストレッチ方法とは▽
広背筋ストレッチで体幹部分を健康に保とう!
広背筋の基礎知識から効果的なストレッチメニューまで解説していきました。肩甲骨や股関節だけでなく、広背筋もしっかりと伸ばしてあげましょう。今回ご紹介したストレッチを1日に1回行うだけでもOK。ストレッチの効果は続けることで現れてきます。この記事がきっかけとなり、皆様のストレッチライフの支えになれば嬉しいです。
【参考記事】全身のストレッチメニューを徹底解説▽
【参考記事】背中を伸ばす効果的なストレッチ方法とは▽
【参考記事】腰の効果的なストレッチ方法をご紹介します▽
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