大腿二頭筋の鍛え方。外側ハムストリングを鍛える効果的なトレーニング特集
大腿二頭筋(だいたいにとうきん)の基礎知識
近年、少しずつ注目されている筋肉、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)。多くの男性が、どこにある筋肉でどのような役割を担っているかわからないのが本音でしょう。そこでトレーニングをご紹介する前に、大腿二頭筋の基礎知識について解説していきます。鍛える筋肉の知識を深めて、筋トレに励んでいきましょう。
大腿二頭筋とは?
大腿二頭筋は太もも裏にある筋肉で、ハムストリングを形成する1つの筋肉です。ハムストリングを形成する筋肉は大腿二頭筋の他に「半腱様筋」「半膜様筋」の2つがあり、それぞれが違った役割を担っています。大腿二頭筋は短頭と長頭の2本からなっており、長頭は股関節と膝関節の2つの関節に影響を及ぼしてします。
大腿二頭筋の役割とは?
大腿二頭筋は、主に膝の屈曲や伸展、股関節の伸展や屈曲で使用されます。「走る」「ジャンプ」などの動作で使われることが多く、マラソンランナーの多くは大腿二頭筋が非常に発達していると言われています。また、大腿二頭筋は股関節と膝関節の回旋(開いたり閉じたりする動作)にも微力ながら影響しており、半腱様筋や半膜様筋をサポートする筋肉としての役割も存在しています。
大腿二頭筋を鍛えるメリットとは?
大腿二頭筋の役割でも説明した通り、大腿二頭筋は膝関節と股関節の動作に大きな影響を与えます。大腿二頭筋を鍛えることで得られるメリットは以下。
- ジャンプ力の向上
- 基礎代謝の向上
- 下半身全体の安定
- 蹴り出す力を飛躍的に上げる
- 前や横への瞬発力のUP
他にも様々なメリットがありますが、大まかな効果はこの5つになります。大腿二頭筋は人体の中でも大きな部位になっており、鍛えることで脂肪燃焼しやすい体を作ることが可能です。「痩せやすい体になりたい!」という男性は大腿二頭筋と同じく大きな筋肉(大臀筋や三角筋など)を鍛えると良いでしょう。
大腿二頭筋を効果的に鍛えるトレーニングメニュー
大腿二頭筋の基礎知識を学んだところで、ここからは実際に取り組める大腿二頭筋のトレーニングメニューについて解説していきます。自宅で行える自重トレーニングからマシンを使った筋トレ方法まで幅広くご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
大腿二頭筋のトレーニング1. ジャンピングスクワット
スクワット種目の中でも効率よく大腿二頭筋を刺激できるトレーニング、ジャンピングスクワット。ノーマルスクワットでも大腿二頭筋を刺激できますが、ジャンプの動作を加えることで一層高い筋トレ効果を得られるでしょう。
ジャンピングスクワットの正しいやり方
- 足を肩幅ほど広げる
- 両手を前で組む
- 膝を曲げて体を下ろす
- 太ももと床が平行になったら力強く地面を蹴って飛ぶ
- (4)の時、反動をつけずに膝を伸ばすイメージで取り組みましょう
- 着地したらそのまま体を下げていく
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
ジャンピングスクワットの目安は、15回 × 3セット。正しいフォームを常に意識してトレーニングに取り組みましょう。
トレーニングのコツ
- 反動をつけないで取り組む
- ジャンプは常に全力で行う
- 腹筋と脊柱起立筋に力を入れてフォームを安定させる
- 顔は前を向ける
- 膝をつま先よりも前に出さない
ジャンピングスクワットで効果を高めるコツは、ジャンプを常に全力で行うこと。大腿二頭筋は膝を伸ばす動作で使用されるため、力強く飛ぶことで効率よく刺激を届けられますよ。
【参考記事】ジャンピングスクワットのやり方&コツとは▽
大腿二頭筋のトレーニング2. プローンレッグレイズ
ハムストリングを効果的に鍛えられるトレーニング、プローンレッグレイズ。一般的なレッグレイズトレーニングは仰向けで行いますが、プローンレッグレイズはうつ伏せになった状態で取り組みます。
プローンレッグレイズの正しいやり方
- マットを敷き、うつ伏せになって寝っ転がる
- 両手はアゴの下か、体の真横で安定させます
- 上半身は動かさず、右足だけでゆっくりと上げていく
- 太もも裏がストレッチされているのを感じたら、ゆっくりと下げていく
- 左足も同様に行っていく
- この動作を左右10回ずつ繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
プローンレッグレイズの目安は、左右10回 × 3セット。大腿二頭筋への負荷を感じながらゆっくりと行っていきましょう。
トレーニングのコツ
- 片足ずつ行う
- 上半身は動かさずに、足を上げていく
- 上げる時も下げる時も動作は常にゆっくりと
- できるだけ膝を曲げない
プローンレッグレイズで最も重要なポイントは、上半身を動かさないで取り組むということ。特に筋トレ初心者はきつくなってくると上半身を浮かせてしまったりしがちです。上体はリラックスさせたまま、足を上げていきましょう。
大腿二頭筋のトレーニング3. スプリットスクワット
ジャンピングスクワットと違い、片足ずつ鍛えられるトレーニング、スプリットスクワット。筋トレ初心者でも比較的取り組みやすい筋トレメニューですので、ジャンピングスクワットがきついという男性はチャレンジしてみてください。
スプリットスクワットの正しいやり方
- 足を肩幅ほど広げる
- 膝を伸ばしきった上体で、片足を前に出す
- 両手は頭の後ろで組むか腰に置く
- 背筋を伸ばし、顔は前に向けます
- 前に出した膝を曲げて、ゆっくりと体を下げる
- 前に出した足の太ももが床と平行になった止めて、体を上げる
- この動作を20回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行い、逆足も同じく行う
- 終了
スプリットスクワットの目安は、左右20回 × 3セット。左右に体が振られないよう、正しいフォームを意識しましょう。
トレーニングのコツ
- 後ろの足のかかとは浮かせる
- 両足の膝はつま先と同じ向きに向ける
- 下ろす時は、膝を床につけない
- 腹筋に力を入れて背筋を伸ばす
ジャンピングスクワットで効果を高めるコツは、腹筋に力を入れて背筋を伸ばすこと。背中を丸めた状態で行ってしまうと、前に重心が移動してしまい、膝を故障するリスクが出てきます。背中は常にまっすぐを意識して取り組んでください。
【参考記事】スプリットスクワットのやり方&コツとは▽
大腿二頭筋のトレーニング4. ヒップリフト
大臀筋とハムストリングを刺激できる筋トレメニュー、ヒップリフト。寝っ転がった状態で取り組めるトレーニングですので、筋トレがなかなか続かないという男性にもおすすめな種目になります。
ヒップリフトの正しいやり方
- マットなどを敷き、仰向けで寝っ転がる
- 膝を90度曲げて足を立てます
- 両手は体の横で安定させる
- 膝から頭あまで一直線になるまでお尻をゆっくりと上げていく
- まっすぐになったところで2秒間キープ
- ゆっくりと元に戻す
- この動作を20回繰り返す
- インターバル(30秒)
- 残り2セット行う
- 終了
ヒップリフトの目安は、20回 × 3セット。大臀筋から太もも裏を意識して取り組みましょう。
トレーニングのコツ
- 呼吸を安定させて取り組む
- 上半身は常にリラックスさせる
- 動作1つ1つ丁寧に行う
- 大臀筋とハムストリングを意識する
ヒップリフトトレーニングで大切なポイントは、動作1つ1つをゆっくり丁寧に行うこと。たったこれだけを意識するだけで、大臀筋とハムストリングを効率良く鍛えられますよ。
【参考記事】ヒップリフトのやり方&コツとは▽
大腿二頭筋のトレーニング5. レッグカール
レッグカールマシンを使って行うハムストリングトレーニング。ハムストリングをピンポイントで刺激できる筋トレメニューなため、スムーズに筋肉を肥大させたいという男性はぜひジムで取り組んでみて。
レッグカールの正しいやり方
- マシンの高さなどを調整してうつ伏せに寝っ転がる
- パット部分にふくらはぎ部分を当てる
- 両手で軽くバーを持ち、上半身を安定させる
- 素早くパットを持ち上げ、太もも裏にパットを触れる
- ゆっくりと元に戻す
- この動作を8回繰り返す
- インターバル(1分間)
- 残り2セット行う
- 終了
レッグカールの目安は、8回 × 3セット。太もも裏のストレッチを意識してパットの上げ下げしていきましょう。
トレーニングのコツ
- 呼吸を安定させて取り組む
- 上半身は安定させる
- かかとをお尻につけるイメージで行う
- 上げる時は素早く、下ろす時はゆっくりと
レッグカールは他の大腿二頭筋トレーニングと違い、マシンを使って行います。そのため、1セットの回数は5~8回をベースにメニューを構成しましょう。重量は8回で限界を迎えるウエイトに調整するのが理想的です。
大腿二頭筋のトレーニング6. ランニング
最もシンプルで取り組みやすいトレーニング。「大腿二頭筋をメインに刺激したい!」という男性はランニングの歩幅を少し大きめにすることで、太もも裏を効果的に鍛えられますよ。普段からランニングに取り組む男性はいつもよりも前に足を踏み出すイメージで取り組んでみてください。
【参考記事】有酸素運動と筋トレを組み合わせて最高の効果を▽
筋トレだけじゃなく、大腿二頭筋ストレッチにも取り組んで!
ここまで大腿二頭筋の基礎知識からトレーニングまで解説していきました。しかし、どんな筋肉もストレッチでケアする必要があります。
そこで今回は、大腿二頭筋ストレッチの代表的なメニューを2種類ご紹介します。呼吸を安定させてゆっくりと取り組んでいきましょう。
大腿二頭筋ストレッチ1. 椅子に座って行うストレッチ
大腿二頭筋を含む、ハムストリング筋群は全て二関節筋(股関節と膝関節)なため、どちらもバランスよく曲げていくことで、ほぐすことができます。ストレッチを行う時は、「なぜ、これで伸びるのか?」を考えながら取り組んでいきましょう。
ストレッチのやり方
- 膝ほどの高さを持った段差を用意する
- 段差に軽く座り、お尻から頭まで一直線にする
- 片足だけ前に伸ばす
- (3)の時、膝を軽く曲げた状態にしましょう
- 体を少しずつ前傾させていく
- 太もも裏の刺激を感じたら止め、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻し、逆足も同様に取り組む
- 終了
ストレッチ時間の目安は、20秒×左右。時間のある方は、もう1セットずつ行ってみてもOK。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させて行う
- 太もも裏の筋肉が刺激を感じながら取り組む
- つま先は上げず、リラックスさせた状態で行う
- 背中は丸めずに、少しずつ前傾させる
- チーティングを行わない
このストレッチで重要なコツは、チーティングを行わないということ。チーティングとは勢いをつけてエクササイズを行うことを指し、前屈ストレッチでは、勢いをつけて体を前に倒す方がいます。しかし、それでは太もも裏の筋肉を伸ばせません。キープする時間を作り、じわじわ筋肉に刺激を届けていきましょう。
大腿二頭筋ストレッチ2. 座って行うストレッチ
続いてご紹介するのは、座って行う大腿二頭筋ストレッチメニュー。お風呂上がりや筋トレ前など、手軽に取り組める柔軟体操なため、この機会にしっかりとやり方とコツをマスターしておきましょう。
ストレッチのやり方
- ストレッチマットなどの上にあぐらをかいて座る
- 右足だけを伸ばす
- (2)の時、左足は右足の太もも下に置いておきましょう
- 腰をまっすぐ前に出していくように体を前傾させる
- 痛みのでない地点まで倒したら、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻し、左足も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
ストレッチ時間の目安は、左右×20秒×2セット。時間のある方は、20秒間しっかりとキープしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させて行う
- 太もも裏の筋肉が刺激されているか感じる
- 前に倒す時は、腰から前傾させる
- 両手をしっかりと前に伸ばす
- 慣れてきたら、内側・外側・中央の3段階で行う
このストレッチで大切なポイントは、内側・外側・中央の3段階で行うこと。体を前に倒した時に、伸ばした足先を持ち、右に10秒、左に10秒、中央で10秒と3段階に分けるだことで、大腿二頭筋に限らず、ハムストリング全体をバランスよく刺激できますよ。
大腿二頭筋を鍛えて引き締まった下半身に
大腿二頭筋の基礎知識から鍛えられるトレーニングメニューまでご紹介しました。大腿二頭筋はハムストリングのメインとも呼ばれる筋肉になるため、ハムストリングのトレーニングを行えば自然と鍛えられます。筋トレ初心者はまず太もも全体を引き締めることを意識して取り組んでみて。
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