"ご尽力"の意味/使い方。類語&上司に使える例文付き|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.03.17
力の限り頑張ることを意味する敬語、ご尽力。「ご尽力いただき」などに使われる言葉ですが、上司など目上の人に使えるか分からない人も多いはず。そこで今回は、ご尽力の意味から使い方、例文、類語まで詳しく解説。類語の1つ「お力添え」との違いもこの機会にチェックしておいて!

「ご尽力」の意味とは?

一助の類語 ご尽力の意味とは

「尽力」という言葉は、できる範囲で精いっぱい力を尽くす、頑張ることを意味します身近な言葉だと「努力」と同じような意味を持ちます

日常会話などではよく「頑張る」や「努力する」という言葉が使われますが、ビジネスシーンでは「ご尽力」または「尽力」を使うのが一般的。

この「尽力」という言葉のはじめに「ご」をつけることで、尊敬の意味を加えられます。

「ご尽力」は、目上の人が努力してくれたことに対して感謝の気持ちを述べたいときなどに使用される敬語表現です

また、自分がこれから努力したい、頑張りたいという気持ちを相手に伝えたいときもこの言葉を使用できます。


【ご尽力の使い方】どんなタイミングで使うのか?

ご尽力の使い方

「ご尽力」は、ビジネスシーンでも多く使われている言葉です。

目上の人や上司などに対しては、「努力」「頑張る」よりも「尽力」のほうが相応しく、敬意をこめて相手にお礼を伝えたいときなどに多く使用されています

自分がこれから取りかかるプロジェクトや企画などを精一杯頑張る、精一杯努力したいという意気込みや決意を述べるときには、敬語の接頭語である「ご」を外し、「尽力させていただきます」を使います

その他にも、より敬意を示したいときには「ご尽力のおかげで~」や「ご尽力の賜物」といった表現が使用されます。


「ご尽力」を使った例文一覧

ご苦労様ですの類語一覧

ここから、「ご尽力」を使った定番フレーズ別に例文を解説します。

ご尽力は、多くのビジネスシーンで使える敬語表現ですので、フレーズを覚えるだけで必ず役に立ちますよ。

  • ご尽力いただく
  • ご尽力ください
  • ご尽力の賜物
  • ご尽力のおかげ

ご尽力の使い方① ご尽力いただく

ご尽力いただくは目上の人に使えるのか

「ご尽力いただく」は、目上の人にお礼の気持ちを伝えたいときにも使用できる敬語表現になります。そのため、目下の人には、「尽力してもらい〜」と敬語表現を無くして使うのが一般的でしょう。

上司やお客さん、お世話になった人などが自分や自分の会社のために力を尽くしてくれた場合は、相手への敬意をこめて「ご尽力いただく」という表現を用いmさう。

プロジェクトが無事に成功した後や研究の成果が発揮されたときなど、ビジネスでお世話になった人に対して感謝を伝えたいときは、「ご尽力いただきありがとうございました。」という風な使い方ができます。


「ご尽力いただく」の使い方

  • 今回のプロジェクトが承認されるまでに多方向にてご尽力いただき、誠にありがとうございます。
  • 本日はご尽力いただきまして、深く感謝いたします。
  • ○○様にご尽力いただいたおかげで、成功することができました。
  • 幅広くご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
  • このプロジェクトの実現にあたり、A様にご尽力をいただきました。

「ご尽力いただく」は、プロジェクトが無事に成功した後などに使用します

丁寧にお礼を伝える表現なので、目上の人や上司にお礼の気持ちを示す際に使用することができますが、依頼の際には「尽力」よりも「お力添え」を使うのが一般的。

相手やシチュエーションによっては失礼にあたる場合もあるので注意が必要です。

【「例文」で使われている敬語】
「ありがとうございます」以外にも使える感謝を伝える類語を解説!

「感謝申し上げます」の意味/使い方|上司など目上の人に使える例文まで解説します


ご尽力の使い方② ご尽力ください

ご尽力くださいは、目上の人に使えるのか

「ご尽力」は、「努力」「頑張る」という意味の「尽力」に尊敬語である「ご」をつけた正しい敬語なので、ビジネスシーンでも多く使用されています。

しかし、「ご尽力ください。」と言い切ってしまうと、力を貸してくれ!と命令されていると感じる人もいます。そのため、目上の人にお願いする時に使わないよう注意しましょう。

「いただく」は謙譲語なので、尽力してもらった相手が目下や同僚の場合は、「ご尽力くださいまして~」の方が適しているでしょう。


「ご尽力ください」の使い方

  • ご尽力くださいまして、ありがとうございました。
  • 先輩諸師がいろいろとご尽力下さいましたことには、あらためて敬意を表したいと思います。
  • この会社のためにご尽力を下さっていることに、篤く御礼申し上げます。
  • 愛する〇〇の幸せのため、ご尽力くださいませ。
  • これからも交流の場の提供にご尽力ください。

「ご尽力ください」は、自分や自分の会社のために力を貸してくれた相手に対して感謝の気持ちを伝えたいときに使用する言葉です。

「ご尽力いただく」と同様に、プロジェクトや企画が終了した後などに使用するのが一般的で、依頼する際に使うと失礼になってしまう可能性があります

目上の人に使用する際は、特に注意が必要です。


ご尽力の使い方③ ご尽力の賜物

ご尽力の賜物は、目上の人に使えるのか

「賜物」とは、他者から受けた恩恵や自分以外の人からいただいた良いこと、成果などを意味します。

つまり、「ご尽力の賜物」は、「自分以外の誰かが力を尽くしてくれたおかげで得ることができた、または達成することができた成果」という意味で使用できます。

「賜物」という言葉には、天や神から賜ったものという意味もあり、縁起が良いイメージもあります。ビジネスで目上の人や上司に感謝の気持ちを最大限に伝えたいときに使う敬語です。


「ご尽力の賜物」の使い方

  • 皆様方の並々ならぬご尽力の賜物と深く感謝いたします。
  • 弊社がここまでこぎつけることができましたのも、ひとえに支えていただきました関係各位のご尽力の賜物と存じます。
  • 弊社が業績を伸ばすことができたのもお取引先各位のご尽力の賜物と心より感謝いたしております。
  • 今回のプロジェクトが成功したのも、〇〇様の並々ならぬご尽力の賜物にほかなりません。
  • この日を迎えることができたのも〇〇様のご尽力の賜物です。
  • プロジェクトの成功は、あなたのご尽力の賜物です。

「ご尽力の賜物」は、「他者が努力してくれたおかげで得ることができた成果」を意味します。

この言葉は、話し言葉として使用するよりもメールやビジネス文書などで使用されるのが一般的。

そのままでも丁寧な表現ですが、さらにここに「並々ならぬ」というフレーズを加えることで「尽力」という言葉をより強調することができます。

【「例文」で使われている敬語】
「賜物」の意味/使い方とは?言い換えできる類語から例文まで解説!


ご尽力の使い方④ ご尽力のおかげ

ご尽力のおかげは、目上の人に使える

「ご尽力のおかげ」は、相手に敬意を示した文章なので、目上の人や上司などビジネスシーンにも使用できます

この言葉は、相手に敬意を示しながら大きく感謝の気持ちを伝えることができ、以前より成長した自分を誇らしく思う様子なども相手に伝えられます。

「~のおかげで」という言葉を加えることで「ご尽力」がより強調されるため、「あなたの努力のおかけで成功することができた」「あなたが力を尽くしてくれたおかげで今の私がある」という使い方ができる敬語です。


「ご尽力のおかげ」の使い方

  • 〇〇様のご尽力のおかげと深謝いたします。
  • 〇〇様のご尽力のおかげで、今の私があります。
  • これもひとえに、皆様のご尽力のおかげです。深く感謝申し上げます。
  • 皆様の多大なるご協力-ご尽力のおかげをもちまして、今回のイベントは予定どおりの活動を終えることができました。
  • これもひとえに、貴社のご尽力のおかげと厚く御礼申し上げます。

「これもひとえに、皆様のご尽力のおかげです。」という例文にある「ひとえに」には、「もっぱら」「いちずに」「ひたすら」という意味があります。

漢字で表すと「偏に」となり、物事の原因が偏っているという意味が元になっています。

この言葉は敬語ではありませんが、堅い言葉なのでビジネスメールや冠婚葬祭の挨拶やお礼などでよく使用されます。


▷次のページ:「ご尽力」と「お力添え」の違いとは?

よく一緒に読まれる記事

関連する記事