筋トレ後に起こる"超回復"とは?筋肉痛を早めに治すトレーニングの基礎知識

織田琢也 2022.06.05
筋トレを行った後に起きる「超回復」を知りたい方へ。今回はトレーニングの基礎知識として、超回復を徹底解説します。超回復中の筋肉の状態や休息に必要な期間、食事の重要性、筋トレの頻度、ウェイトトレーニングを含めた部位別の筋トレメニュー案などを紹介していきます。

"超回復"の理論|筋肉がどうなっている状態なのか?

超回復の理論を解説

「筋肉痛を早く治すにはどうしたら良い?」 「超回復ってどんなメカニズムなの?」

筋肉が回復するメカニズムについて説明するものに、「超回復理論」があります。「超回復」とはトレーニング等により傷ついた筋肉が、十分な休息をとることによって運動前より筋肥大する現象

一般的に筋肉は運動することで筋繊維が破壊され、筋肉痛になります

筋肉量を増やすためには、筋肉痛が治る(=筋肉が回復する)まで待つことが大切ですが、回復前に筋トレを再開すると破壊だけを繰り返すことになるため、成果が出づらくなります。

効率的に結果を得るためには、「超回復理論」に従って運動後は適度に休み、筋肉が回復するのに十分な栄養を食事から摂取することが必要。筋肉痛になったら早めに治すよう超回復を意識してくださいね。


超回復を促すためには、筋トレ後は48~72時間の休息が必要

超回復の期間:筋トレ後は48~72時間休む

48時間よりも短い期間で筋トレを再開してしまうと、筋肉が十分に回復していない状態で再び破壊されてしまうため、筋肉は肥大化せず疲労のみが蓄積することに。それを繰り返すと、筋肉がやせ細る原因にもなります。

しかし逆に長く休み過ぎてしまうと、筋力が元の状態に戻ってしまうので筋トレの意味がありません。理論的に言えば、トレーニングの間は3日以上空けない方が良いでしょう。

超回復のために必要な休息は、48~72時間。つまり2~3日が効果的とされています

「どんなウェイトトレーニングをしているか?」「もともとの筋肉の状態はどうか?」等、個人差はもちろんありますが、超回復を促すためには筋肉が回復・向上した時点で次のトレーニングを始めることが重要です。

そうすることで、筋肉は効率的に成長することが可能になり理想的な体へと一歩近づくことが可能になります。


効果的な超回復を促すためには、食事を意識すること

超回復の効果を上げるには食事が大切

超回復は筋肉を成長させるために重要な時間です。しかし「休むだけで筋肉が向上する」というのは嘘であり、しっかりと栄養も摂らなければいけません。

筋トレ後の体は筋肉の元となるタンパク質(アミノ酸)が分解されやすい状態になっているため、そのままにしておくと筋肉が新たに作られず低下したままになってしまいます。

それを防ぐためには、タンパク質を十分に含んだバランスの良い食事を心掛けることが大切。肉や魚等に多く含まれるタンパク質の必要量は、体重×1.2~2倍程度。それに加えて糖質やビタミンB群も同時に摂取すると、タンパク質を吸収しやすくなります。

「食事だけで本当にタンパク質が足りるのか心配」という方は、ホエイプロテインやとカゼインプロテイン等を試すのもおすすめです。もちろん大前提として毎日の食事を意識することが大事なので、筋肉痛を早く治すためにもそこを忘れないでくださいね。

【参考記事】筋肉作りで大切な食事法はこちら▽


超回復は、軽負荷の筋トレでも起こる?

超回復は軽負荷のトレーニングでも起きる

結論から言うと、超回復は軽負荷の筋トレでも起こります。なぜなら、超回復は筋肉に負荷が掛かっていれば自然と起こるものだから

筋肉痛が起こらない程度の軽いトレーニングであっても、筋繊維は破壊されています。筋繊維が破壊されれば、人間の体はそれを直すために働き、結果として筋繊維は太くなり筋肉は肥大化する超回復が起こるのです。

しかし、筋トレによる負荷があまりにも小さ過ぎるあまり、筋繊維が傷つかない(=筋肉痛が発生しない)場合もあります

筋繊維が傷つかなければ超回復も起こらないため、より筋肉を追い詰めることが必要です。そのためには、「重量はそのままでセット数を上げる」「休憩の時間を短くする」等の対策をすると良いでしょう。


超回復を意識した効果的なトレーニング頻度とは?

超回復を意識したトレーニング頻度

超回復に必要な時間はおおよそ48~72時間。つまり、2~3日置きに筋トレする必要があるのです。

しかし実は、超回復の時間は「筋肉にどれだけ負荷を掛けたか?」「どの部位の筋肉を鍛えたか?」によって変化します。

例えば背中(下)の場合、求められる回復期間は低負荷なら3日、中負荷なら4日、高負荷なら5日です。同じ部位でも負荷の量で超回復の日数が異なることが分かりますね。

また、前腕部や腹部等は低負荷なら1日、中負荷なら1.5日、高負荷なら2日が必要です。背中(下)に比べ回復に要する時間が少ないものの、やはり中1日以上は空けた方が良いでしょう。

このように超回復を意識して効果的に筋トレ・ウェイトトレーニングをするためには、「自分がどの部位を、どれだけの負荷で鍛えるのか?」を確認して、トレーニング頻度を決める必要があります。

【参考記事】筋トレの正しい頻度を詳しく解説▽


筋トレの頻度を上げたいなら、部位別にトレーニングする

部位別の筋トレメニュー

超回復の効果を得ながら毎日筋トレするためには、筋肉を部位別に分割してトレーニングするのが有効です。そうすれば連続して一部の筋肉に負担を掛けることがないため、効率的に筋肉の成長を早めることが出来ます。

部位別に分けたトレーニングのスケジュール例は、以下の通りです

上記は一例ですが、月曜と木曜は下半身、火曜と金曜は腕・肩、水曜と土曜は上半身を中心に鍛えられるようメニューを組んでいます

もちろん先述したように、どれくらい負荷を掛けるかによってスケジュールも変わるため、上のメニューを参考に自分の筋トレに合うようアレンジしてください。筋肉痛が治まらないようであれば、無理は禁物ですよ!


超回復を理解して、トレーニング効果を上げていこう!

筋トレに筋肉痛はつきものですが、早く直すのに越したことはありません。筋肉痛がなぜ起こるのかはまだはっきりと解明されていませんが、ウェイトトレーニングなど過度な運動で傷ついた筋繊維を修復する時に発生するものと考えられています。

この筋肉痛の治りを早めるためには筋肉の修復が必要ですが、そこで有効なのが超回復理論です。この理論によれば、トレーニング後に十分な休息と栄養を摂取することで、筋肉の回復を成長を促すことが出来ます。

超回復理論を取り入れれば、筋肉痛を長引かせずかつ筋肉の向上を早めることが出来ますよ。


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