"受け取る"の敬語表現。尊敬語/謙譲語の使い方を解説|ビジネス敬語ガイド

ビジネスシーンでは書類やファイルなどを受け取る機会が多くあります。上司や先輩など目上の人に対して使う場合は、丁寧な敬語を使わなければいけません。今回は、受け取るの謙譲語/尊敬語から使い方、丁寧な例文まで詳しく解説。ビジネス敬語のレベルを上げていきましょう。

ビジネスで使える「受け取る」の敬語<謙譲語>

物品からメールまで、相手から色々なものを受け取る機会がビジネスシーンでは数多くあります。その際、目上の人から、物やメール、書類を受け取る時には、自分をへりくだって相手を高く上げて敬意を表す、謙譲語を使って表現します。

そんな「受け取る」の謙譲語には「頂く」「頂戴する」があります。例えば、上司から何かを受け取った時には「課長から書類を頂く」のように使用します。

また、「頂く」「頂戴する」は謙譲語のため、自分の行動に対してのみ使う敬語です。くれぐれお「受け取る」の尊敬語と混同しないようにしましょう。


「頂く」の意味、成り立ち、使い方について

頂くの意味とは

受け取る、の謙譲語「頂く」とは、高い位置や頭上という意味のある「頂」の動詞形として、「頭にのせる、かぶせる」のほか、「敬意を持って物を高く掲げる」「目上の立場の人を、上司などとして迎える」という意味があります。

敬意をもって掲げる、または目上の人を迎えるという意味から派生し、「受け取る」、そして「食べる、飲む」の謙譲語としても使用されます。

また、自分がお酒やコーヒーなどのし好品を嗜む際に、相手に「私はお酒も少し頂きます」などとへりくだる表現も可能です。

「頂く」の使い方

  • 社長より、年末商戦に向けての激励のお言葉を頂きました。
  • 自分の努力が実り、上司から冬のボーナスに向けて良い査定を頂きました。
  • 先ほどいらっしゃったお客様からお土産を頂いたので、皆さんにお配りします。

【参考記事】「頂く」の使い方を詳しく解説します


「頂戴する」の意味、成り立ち、使い方について

頂戴するの意味・使い方とは

「頂戴する」とは、受け取るの謙譲語「頂く」と「戴く」両方の漢字を使用した、同じく受け取る、または目上の相手から食べ物や飲み物を受け取った上で食べる、飲むを表す謙譲語です。

なお、電話口やアンケートなどで、「お名前を頂戴しても宜しいでしょうか」という使い方がまれにされていますが、これは間違いです。「頂戴する」は謙譲語であり、自分が受け取る、または何かを貰って飲食する場合をへりくだって言う敬語です。

相手の行動に対しては使えませんので、この場合は自分視点なら「お名前を伺っても宜しいでしょうか」、相手視点なら「お名前をこちらにご記入ください」が正しいです。

「頂戴する」の使い方

  • この度は息子へ大変結構なお祝いの品を頂戴し、誠にありがとうございました。
  • 社長より直々に時期支店長の役職辞令を頂戴し、大変光栄に存じます。
  • もう十分に頂戴しました。お気遣いいただきありがとうございます。

【参考記事】「頂戴する」の意味から正しい使い方を解説します


相手が「受け取る」場合に使う敬語<尊敬語>

自分が受け取る場合をへりくだる謙譲語と共に、ここからは相手が受け取る場合に使う敬語、尊敬語を押さえておきましょう。

受け取る、の尊敬語は「受け取る」に敬語の接頭語「お」を付けた「お受け取りになる」を使用します。また、金品や書類を受け取ることを、自分の視点で「納める」と言いますが、納めるに同じく敬語の接頭語「お」を付けて「お納めになる」の表現も可能です。

自分が相手から受け取る時には「頂きます」「頂戴します」、相手へ渡す時は「どうぞお受け取りください」「お納めください」とセットで覚えておくと、ビジネス上でもシーンに応じて適切な表現ができます。


「お受け取りになる」の意味、成り立ち、使い方について

お受け取りになるの意味や使い方

受け取るの尊敬語「お受け取りになる」は、受け取るに敬語の接頭語「お」、語尾を「~になる」に変化させて「お受け取りになる」です。

目上の相手が何かを受け取った時や、自分が目上の相手に対して何かを渡す時に使用します。

また、自分が取引先などから何かを受け取ったことを丁寧に表すために「メールをお受け取りいたしました」と使われることがありますが、やや回りくどい表現のため「メールを頂きました」「メールは頂いております」と言った方がスマートです。

「お受け取りになる」の使い方

  • ご依頼のお見積書をメールにて送付いたしましたので、どうぞお受け取りください。
  • ○○部長はご不在でしたので、持参した手土産は○○課長が代わりにお受け取りになりました。
  • 先日お問い合わせの件についてご返信をいたしましたが、お受け取りになられていますでしょうか。

「お納めになる」の意味、成り立ち、使い方について

お納めになるの意味や使い方

自分が受け取る場合をへりくだる謙譲語と共に、相手が受け取る場合に使う敬語、尊敬語を押さえておきましょう。受け取る、の尊敬語は「受け取る」に敬語の接頭語「お」を付けた「お受け取りになる」を使用します。 また、金品や書類を受け取ることを、自分の視点で「納める」と言いますが、納めるに同じく敬語の接頭語「お」を付けて「お納めになる」の表現も可能です。

自分が相手から受け取る時には「頂きます」「頂戴します」、相手へ渡す時は「どうぞお受け取りください」「お納めください」とセットで覚えておくと、ビジネス上でもシーンに応じて適切な表現ができます。

「お納めになる」の使い方

  • こちら今月分の受領書です。どうぞお納めください。
  • 心ばかりの品をお送りいたしました。お納めいただけましたら幸いです。
  • 取引先に完成品をお持ちいたしました。○○様に対応いただき、お納めになりました。

【参考記事】「お納めください」の類語から使い方まで解説


「受け取る」と伝えられるビジネスで使われる敬語表現

受け取ると伝えられる表現① 査収

査収の意味とは

「査収」とは、調べるという意味の「査」+収めるから成り立ち「よく調べて受け取る」という意味があります。

ビジネスシーンでは、相手に良く確認して受け取って欲しいものを渡す時に、敬語の接頭語「ご」をつけて「ご査収ください」の形で使用します。

「お受け取りになる」は、「お受け取りになりましたか?」など、相手が物を受け取っていない場合にも使えますが、「査収」は自分が渡すものがある前提で使用します。

また、「受け取る」は「頂く」の形で自分の動作でも使用しますが、「査収」は相手の動作に対して使用し、自分に対しては基本的に使用しません。

【参考記事】「ご査収」の使い方を例文付きで解説します


受け取ると伝えられる表現② 受領する

受領の意味とは

「受領」は「受ける」+収めるという意味の「領」から成り立っています。

ビジネスシーンでは何かを受け取る時の「受領する」という動詞として、また「受領印」「受領書」などほかの名詞と組み合わせて使用します。「受領」は受け取る対象物が、取引先の印鑑から上司からのメールまで、「形あるもの」なら何でも使用できます。

ただし、気持ちや言葉など「形のないもの」に対しては使えません。そのため、抽象的なものを受け取った時には「頂く」を使用します。


受け取ると伝えられる表現③ 拝受する

拝受するの意味とは

「拝」とは、目上の相手への敬意を表す言葉です。

これに「受ける」を付けた「拝受」は、うやうやしく受け取る、自分をへりくだって相手に敬意を表しながら何かを受け取るという意味があります。ビジネスシーンでは、上司や取引先など、目上の相手から何かを受け取った時に「たしかに拝受しました」のように使用します。

「拝受」は謙譲の気持ちが込められた言葉のため、同僚や部下など、親しい間柄や自分よりも立場が下の人に対して「拝受」は使わず、「受領」や「受け取る」を使います。

【参考記事】「拝受」の意味から使い方を解説します


受け取ると伝えられる表現④ 賜る

賜るの意味とは

「賜る(たまわる)」は、「頂く」と同じく受け取るの謙譲語です。

ビジネスシーンでは目上の相手でも、社長や管理職クラスのより目上の人から何かを受け取る時や、よりあらたまったシーンで使用されます。

例えば、大切な取引先の方からお祝いの品を受け取った時には「賜る」を使いますが、同じ取引先の方でも日常的にやりとりしているメールを受け取った時は「頂く」や「受け取る」を使います。

また、「天皇陛下が受賞者にお言葉を賜りました」など、天皇が下々の者に対して何かを「あげる」時の尊敬語としても使用されます。

【参考記事】「賜る」の使い方を例文付きで解説します


「受け取る」の英語表現

ご教授くださいの英語表現

  • Did you get my mail ?(メールはお受け取りになりましたか)
  • I got a telegram from my mother, for my daughter's birthday.(娘の誕生日に、母から電報を受け取った)
  • I received your letter.(お手紙を受け取りました)
  • I got your mail.(メールを受け取りました)
  • I received an invitation to business client's party.(取引先のパーティの招待状を頂きました)
  • I appreciate and accept your gift.(贈り物をありがたく頂きます)

英語で受け取るを表現する時、一番よく使われるのが「get」です。動作の対象が自分でも相手でも使用できます。

受け取るものがお金やメールなど実物から、言葉などの抽象的なものまで幅広く使えます。相手から送られてくる、または贈った何かを受け取る時には「receive」を使います。

受け取る時にありがたい気持ちを込める時、または意見や申し出などを受け入れる場合は「accept」を使います。


「受け取る」を丁寧に伝えるために、敬語をマスターしましょう。

「受け取る」の謙譲語「頂く」や、尊敬語「お受け取りになる」などの表現、類語や英語表現をご紹介しました。

ビジネスシーンでは、相手から何かを受け取ることも、こちらから何かを送ることも多いです。受け取ったものに対してお礼を言う時や、相手が受け取ったかを確認する時にも、「受け取る」の謙譲語、尊敬語、類語をスマートに使いこなせるようにしましょう。

【参考記事】「ご査収の程」の意味から正しい使い方を徹底解説

【参考記事】「ご笑納」の使い方を例文付きで解説します

【参考記事】「ご高覧」を使った上司に使える丁寧な例文集

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