"頂戴いたします"の意味/使い方。レジで使える表現?|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.11.15
ビジネスシーンで頻繁に使われる敬語、頂戴いたします。基本的には使えない二重敬語ですが、現代では高い頻度で使われているため、使っても問題ないと言われています。今回は、頂戴いたしますの意味から正しい使い方、例文、同じく間違えやすい表現まで解説します。

「頂戴いたします」と同じく使いがちな二重敬語って?

使いがちな二重敬語① 拝見いたしました

使いがちな二重敬語①拝見いたしましたの意味とは

「見る」の謙譲語「拝見」と「する」の謙譲語「いたしました」を合わせた「拝見いたしました」もつい使いがちな二重敬語です。そのため、謙譲語が重なって二重敬語扱いになるため、「拝見いたしました」は誤用とされます。

特に年配の方ほど「拝見」が敬語であるという認識が高いため、「拝見いたしました」は避けたほうがよいでしょう

しかし、「拝見する」の「する」の語感から敬語の印象が薄いと感じるためか、「する」に代えて謙譲語の「いたします」をつける人が出てきました。

「拝見する」は敬語との認識のほうが優勢ですが、ビジネスにおける「拝見いたしました」も許容される使い方として定着しつつあります

【参考記事】「拝見いたしました」は間違い敬語なの?正しい使い方を解説


使いがちな二重敬語② 承知いたしました

使いがちな二重敬語②承知いたしました

「承知する」は「わかる(理解する)」の謙譲語ですが、「承知する」は目上の人に対してなど、場面を限定して使用することで謙譲語としての語義になります。

「する」がつく敬語によくありがちですが、一般動詞の「する」の連想から丁寧さが欠けるとの印象を持つ方が多くなってきたようです。「承知する」も同様の扱いを受けており、ビジネスでの「承知いたしました」も許容される使い方になっています

ただし、部下など目下の者からの報告に答える際は「承知する」としてかまいません。

【参考記事】「承知いたしました」の意味や正しい使い方を詳しく解説します


使いがちな二重敬語③ お越しになられる

使いがちな二重敬語③お越しになられる

「お越しになる」とは「行く」「来る」の意味の尊敬語で、「れる」は動作を行う人に対する敬意を表す助動詞です。「お越しになる」の語だけで意味と尊敬の意が伝わるため、尊敬の意を表す「れる」をつけるとくどい印象になるのは否めません。

「お越しになる」の「なる」は、「~する」ほど一般的な用法と誤認されていないためか、「お越しになられる」は明らかに誤った使い方になります。

「お越しになる」の使い方に自信がなければ、「いらっしゃる」を代用するのが無難です

【参考記事】尊敬語「いらっしゃる」の意味とは?正しい使い方から例文まで解説


使いがちな二重敬語④ お召し上がりになられますか

使いがちな二重敬語④お召し上がりになられますか

「お召し上がりになる」はよく耳にする言葉ですが、「食べる」の尊敬語の「召し上がる」に、尊敬表現の「お~になる」をつけているため、実は二重敬語ですこの表現であれば一般的に許容されている使い方なので、使っても問題ないでしょう。

しかし、そこに尊敬の助動詞「れる」をつけると敬語が3つ重なって、さすがにくどいと感じる人が多くなり基本的には使われることがありません。

ビジネス経験の浅い新社会人や学生アルバイトに誤用されることが多く見受けられるので、使い方にはくれぐれも気をつけましょう


使いがちな二重敬語⑤ おっしゃられる

使いがちな二重敬語⑤おっしゃられる

「おっしゃる」は「言う」「話す」の意味の尊敬語で、敬語の代表的な語としてよく知られています。そのため、「~する」のつく敬語のように誤用されたり、表現の揺れを実際にみかけたりすることは少ないです。

しかし、敬語に慣れない新社会人や学生、営業などの対外業務に従事しない方だと、「おっしゃられる」のような二重敬語の誤用をしがちなので注意しましょう。

基本的なビジネス用語なので、自信のない方は正しい活用形を一度確認しておくと安心です。


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