"わかりました"は目上には失礼!丁寧な敬語表現とは?【ビジネス敬語ガイド】
「わかりました」は、上司や先輩など目上の人には失礼!
「わかりました」とは、「わかる」という理解できたと意味を持つ部分と、「ました」という丁寧をあらわす助動詞「ます」も過去形を持ち合わせた言葉です。丁寧に述べているフレーズではありますが、敬語かと言われると実はそうではありません。
なぜなら、「わかりました」には尊敬の意味合いが含まれていないからです。そのため、目上の方には適切な言葉遣いとは言えず、すこし失礼な話し方をしていることになってしまいます。
上司や取引先の担当者など、目上の方と話したりメールで連絡を取ったりする際には、他の尊敬表現が含まれる言葉に言い換えるとよいでしょう。
「わかりました」の正しい敬語表現は、「承知しました」
「わかりました」を丁寧な敬語表現にするなら、「承知しました」と言い換えるのが適切です。
先輩や上司、取引先の担当者など、目上の方への返事は、「分かりました」ではなく「承知しました」が一般的に用いられます。「承知しました」の使い方はメールでも同じです。
指示が記されているメールの意図が十分にわかったなら、返信として送信するメールに、「承知しました」と記しましょう。
ビジネスでは目上の方に対する敬語をきちんとマスターしておくことがとても肝心です。「わかった」も「わかりました」も使わないようにして丁寧な敬語表現の使い方を習得しましょう。
「承知しました」を使った例文
- A:明日のミーティングは、午後2時に変更になります。
- B:承知しました。予定を調整しておきます。
- A:来週の取引先でのプレゼンの資料を集めてください。
- B:承知しました。では、さっそく取り掛かります。
【参考記事】「承知しました」の使い方を例文付きで分かりやすく解説!▽
「承知しました」以外の「わかりました」の敬語表現とは?
わかりましたの丁寧な敬語① 承りました
ビジネスで使える「わかりました」の類語として、「承りました」という表現があります。読み方は「うけたまわりました」です。「引き受ける」「聞く」といった言葉の謙譲語です。そのため、、目上の方に問題なく使用できます。
「わかった」というときにいつでも使える表現という訳ではなく、主に、伝言することを頼まれたりした際に、取引先などの社外の相手に対して使う言葉遣いといえます。
「承りました」の使い方
- A:御社の部長に伝えておいていただけますか。
- B:承りました。伝えておきます。
- A:この商品を送ってください。いつごろまでに発送できそうでしょうか。
- B:ご注文を承りました。本日中に発送いたします。
【参考記事】「承る」の意味から使い方まで解説▽
わかりましたの丁寧な敬語② かしこまりました
「かしこまりました」もわかったということを表現する敬語のフレーズです。「かしこまる」は、「畏まる」という漢字であらわすこともできる言葉で、恐れ敬うや恐縮するという意味を持ちます。
それに、丁寧の意味を持つ助動詞の語尾を付けたものが「かしこまりました」です。自分をへりくだって表現する謙譲の意味合いを強く含んだフレーズで、普段使いの「承知しました」より敬語の度合いは高い言葉遣いといえます。
接客業のスタッフは日常的にお客さんに対して使っても差し支えない敬語表現です。
ただし、社内でかしこまりましたを多用すると、堅苦しいニュアンスに聞こえたり、言葉の重みが薄れて聞こえることもあるため、社内では多用しすぎないよう注意しましょう。
「かしこまりました」の使い方
- A:ステーキハンバーグセットをください。
- B:かしこまりました。お飲み物は何にいたしますか。
- A:この商品の使い方を教えてください。
- B:かしこまりました。使い方に関しては弊社のホームページに動画付きで解説しています。
【参考記事】「かしこまりました」の意味から正しい使い方までをまとめました▽
わかりましたの丁寧な敬語③ 拝承しました
「拝承しました」もビジネスで使える敬語の表現です。「はいしょう-しました」と読みます。聞きましたや理解しましたを意味する謙譲語です。
「拝」の漢字には、謹んで受けるという意味が含められています。「承」にも聞くや受けるという意味があり、二重に同じ意味を敬語表現で述べている強い敬語のフレーズとなります。
基本的には、目上の方とのメールでの書き言葉としての用いるのが一般的です。
「拝承しました」の使い方
- A:打ち合わせのためにお伺いする時間が変更になりました。
- B:打ち合わせの時間変更を拝承しました。お待ちしております。
- A:先日お電話でお問い合わせした件について話したいのですが。
- B:拝承しております。商品の配送方法についてのご質問ですね。
「わかりました」と同様に、目上の人に使えない敬語表現
目上には使えない敬語① 了解しました
「了解しました」は、ビジネスシーンで使う際は注意が必要です。なぜなら、目上のかたに対して使うと失礼になってしまうからです。「了解しました」には、意味を理解したという意味があります。
語尾に丁寧な表現が付いているため、敬語として使ってしまうケースもありますが、正しくありません。「了解」には、謙譲のニュアンスが含まれていないので、目上のかたへの対応としては、適切でないのです。
同僚や後輩、とても身近な先輩との間での連絡のやり取りとして使うにはぴったりの使い方です。
【参考記事】「了解しました」の使い方|言い換えできる類語から例文まで解説します▽
「了解いたしました」は目上に使っても良い?
- A:明日の朝礼でのコメントをお願いしていいかな。
- B:了解いたしました。よく準備しておくようにします。
- A:打ち合わせの前までに、資料を来客人数分コピーしておいてください。
- B:了解しました。30分後には、取り掛かれると思います。
目上には使えない敬語② 了承しました
「了承しました」も、ビジネス敬語の使い方として適切でないフレーズです。「了承」には、承諾や承認の意味があります。相手がこちらに述べたことが、OKですよという意味で使います。
「わかりました」という意味で「了承しました」を目上の立場のかたに使っているなら、それはとても失礼なことをしていることになります。「承知しました」や「かしこまりました」に言い換えて使う方が違和感なく受け入れてもらえるでしょう。
【参考記事】「了承しました」の使い方ガイド。例文から類語まで分かりやすく解説します▽
「了承いたしました」は目上に使っても良い?
- A:申し訳ありませんが、退会させてください。
- B:退会の件を了承いたしました。手続きをいたします。
- A:たいへんご迷惑をおかけしますが、納期変更についてご理解ください。
- B:納期の変更を了承いたしました。発送時にお知らせください。
「わかりました」の英語表現
- O.K.!(わかりました)
- Noted with thanks.(わかりました。ありがとうございます。)
- I get it.(わかった)
- I understand this matter.(この件について承知しました。)
- I agree to that.(わかりました)
- We have approved your request.(承知いたしました)
ビジネス英語でも丁寧さと敬語の度合いのバリエーションが豊富にあります。
取引先の目上のかたとの英語での連絡であれば、「approved your request」で、注文などを承ったことを伝えられます。
社内の連絡であれば、同僚や部下とは「OK」でいいですし、目上のかたなら、「agree」で、理解できた旨を伝えられます。
「わかりました」の韓国語表現
- 알았어요.(わかりました)
- 알겠습니다(かしこまりました)
- 예,알겠습니다(承知いたしました)
- 오케이(O.K.、わかりました)
- 이해하다(了解しました)
- 분부대로 하겠습니다(仰せの通りに致します)
韓国語にもたくさんの「わかりました」の言い換えのフレーズがあります。
「알았어요」は、「わかりました」というニュアンスで、「알겠습니다」は、「かしこまりました」のニュアンスを伝えられます。
「예,알겠습니다」は、ビジネスで上司などの目上のかたに使える表現です。相手のかたの立場や年齢に合わせて言い換える必要があります。
「わかりました」の中国語表現
- 明白了(わかりました)
- 知道了(了解しました)
- 好的(わかった)
- 可以(O.K.)
- 了解了(理解しました)
- 懂了(よくわかりました)
中国語でも、日本語・英語・韓国語と同じようにたくさんの言い換え表現があります。
ビジネスでも使えるのが、「明白了(Míngbáile ミンバイラ)」です。上司や先輩などの目上のかたにも使える失礼のない表現です。
仕事の内容を説明してもらって、よく理解できたときなどには、「懂了(Dǒngle ドンラ)」と言いましょう。
「わかりました」は使う頻度が多いからこそ、しっかり使いこなしましょう!
ビジネスでの敬語の使い方は、とても大切な要素です。先輩や目上の方への言葉の使い方を間違えると、信頼をなくしてしまうということもあり得ます。
また、日本語だけでなく英語などの外国語でのビジネス敬語表現の使い方もよくマスターしましょう。それぞれの敬語表現に使い方のコツがあります。
ぜひ参考にして、正しい敬語の使い方をマスターしていただければ幸いです。
【参考記事】「わかりました」の使い方を例文付きで分かりやすく解説!▽
【参考記事】「了解」は目上の人に使える?言い換えできる類語もご紹介!▽
【参考記事】「頂く」の意味から正しい使い方までをまとめました▽
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