"かしこまりました"の意味/使い方。類語&例文付き|ビジネス敬語ガイド
「かしこまりました」の意味とは?
ビジネスシーンで使うことの多い「かしこまりました」は、「あなたの言っていることは理解した」や「分かりました」といった承諾や御意の意味があります。
ビジネスシーンでは、相手の言っていることを受け止めて理解したこと示す敬語になります。
口語・文語どちらでも使える敬語表現なため、メールや手紙、対面どれでも問題なく使用できます。
もともと「かしこ」には、「かしこまる」という意味があります。かしこまるとは、目上の人に対して敬意を払う態度を指します。
そのため、「かしこまりました」は、一度姿勢を正してかしこまって要件を伝える必要のある相手に使う謙譲語です。
「かしこまりました」は、目上の人に使えるのか?
「かしこまりました」は謙譲語にあたるため、目上の人や上司、取引先の人など自分よりも立場が上の人に使います。
また、自分の立場をへり下って表現するため、どちらかと言えば社内の人に対して使うことよりも、お客様や取引先の人など第三者に対して使用することが多いです。
相手に対して敬意を示す必要がある人、かしこまる必要のある人に対して使うと覚えておくといいでしょう。
一方で、同僚や部下など目下の人には使用できない言葉でもあります。同僚や部下に使うときは「分かりました」「了解しました」などに言い換えて使うようにしましょう。
「かしこまりました」の例文
- A:来週までにこの商品が手元に欲しいのですが、手配してもらうことは可能でしょうか?
- B:かしこまりました。来週までにお手元に届くよう手配させていただきます。もうしばらくお待ちくださいませ。
- A:今から外出しなければならなくなったため、明日の会議の資料の準備をお願いしてもいいですか?
- B:かしこまりました。すぐに取りかかり明日までには準備しておくように致します。
- A:すみません、こちらに〇〇さまはいらっしゃいますか?
- B:〇〇ですね、かしこまりました。確認しますので少々お待ちください。
「かしこまりました」は、目上の人や取引先の人、お客様からの要望や依頼に対して「理解しました」「分かりました」という御意の意志を伝えるシーンが多くなります。
特に取引先の人やお客様から受けた依頼内容を確認する前に「かしこまりました」と一言添えるだけでも、丁寧な印象を与えるでしょう。
また、目上の人やお客様の依頼に対して「了解しました」という承認の意思を伝えられますよ。
依頼を受けることが可能な場合や、相手の言ったことに対して、その通りに対応できる場合には、「かしこまりました」を使うことができます。
「かしこまりました」と「承知しました」の違いとは?
「かしこまりました」の類語として最も定番な敬語、「承知しました」。
「承知しました」もかしこまりましたと同様に、「理解した」「わかった」などの意味を伝える言葉です。
目上の人や上司など自分よりも立場が上の人に使う敬語なため、部下や同僚など目下の人には使うことができません。
「かしこまりました」と「承知しました」の違いは、使用する相手です。
「かしこまりました」は取引先の人やお客様など外部の人に対して使いますが、「承知しました」は、社内の上司など自分に近い目上の人に使用することが多いです。
「承知しました」の例文
- A:この書類を、明日の〇時までに○○会社に持って行ってもらいたいのですが、対応可能ですか?
- B:承知しました。その時間帯は空いておりますので私が対応致します。
- A:この見積もり書の内容を、明日までに修正してもらいたいのですが可能ですか?
- B:承知しました。明日までに内容を修正をして再度提出させて頂きます。明日、またご確認お願い致します。
- A:明日の臨時会議の件を、社内の人に周知させておいて欲しいのですが。
- B:承知しました。今からメールを作成し、社内全員に送付するように致します。
「承知しました」の例文を見てみると、上司や目上の人からの指示や依頼に対して「分かりました」「了解しました」という意思を伝えたいときに使用していることが分かります。
「分かりました」という代わりに「承知しました」を使うことで、丁寧な印象を与えることが可能です。
また、上司や目上の人から依頼を受けたときには「承知しました」を使うことで、自分が引き受けることができるという意思を伝えられますよ。
ビジネスシーンでは、上司からの指示や依頼を受けることは多いはず。使えるシーンも多いため、積極的に使いたい敬語です。
【参考記事】「承知しました」の使い方をより詳しく解説します▽
「かしこまりました」と「了解しました」の違い
「かしこまりました」の類語、了解しました。
「了解しました」も「かしこまりました」と同様に「わかった」「理解した」といった意味があります。相手に対して、承諾や了承を示すときに使います。
「かしこまりました」との大きな違いは、尊敬語でも謙譲語でもない点。
「了解しました」は、同僚や目下の人に使う敬語で、上司や取引先など目上の人には使えません。
目下の人や同僚に対して、承諾や御意の意思を伝えたいときには「了解しました」を使いましょう。
「了解しました」の例文
- A:○○時から予定している○○会社との打ち合わせへの同行をお願いしたいのですが可能でしょうか?
- B:了解しました。ちょうどその時間帯は空いているので、資料の下準備などをしておいてもらえれば同行することができます。
- A:明日の○時からの会議ですが、○○会社とのアポイントがあり外出しなければならないため欠席させていただきます。申し訳ありません。
- B:そうした事情があることは、了解しました。明日の会議の資料には目を通しておくようにしてください。
- A:社内での連絡をスムーズにするために、連絡簿を作成するため明日までに必要事項を提出していただけると幸いです。
- B:了解しました。明日までにメールにて提出させていただきます。
「了解しました」のは、部下や同僚からの依頼やお願い事に対して「わかった」「理解した」という意思を伝えるときに使用しています。
部下や同僚からの依頼に対して「わかりました」と答えるよりも丁寧な印象を受けます。
また、部下や同僚からの申し出に対して、事情や状況などを理解した、把握したという旨を伝えたいときにも使用できますよ。
「了解しました」もビジネスシーンで使用する機会が多い敬語ですが、あくまでも部下や同僚に使う言葉で上司や取引先など目上の人には使えないことを覚えておきましょう。
【「了解」の参考記事一覧】
・「了解しました」の意味/使い方を例文付きでより詳しく解説します
・「了解」と上司/先輩など目上の人に伝える時に使える敬語表現とは?
「かしこまりました」と「了承しました」の違い
「了承しました」は、目上の人に使えると思いがちな類語の1つ。
「了承しました」は、了解しましたと同じく尊敬や謙譲の意味合いがありません。
そのため、「かしこまりました」との違いは、目上の人や上司など自分よりも立場が上の人には使用できないところです。
敬意を払う敬語ではないため、同僚や目下の人に対して使う敬語表現になります。
「了承しました」の例文
- A:明日の昼からお休みをいただきたいのですが、許可していただくことは可能でしょうか?
- B:午後半休の件、了承しました。ゆっくりと休んでください。
- A:来週の◯◯支店での研修ですが、公共交通機関を利用して現地まで向かってもいいですか?
- B:了承しました。後から精算できるように、領収書の保存をお願いします。
- A:来週の○曜日の懇親会ですが、◯◯課長は出席できないようです。それでも、開催しても問題ないでしょうか?
- B:◯◯課長の欠席の件、了承しました。予定通り、懇親会が開催できるように手配をお願い致します。
「了承しました」の使い方は、例文のように部下や同僚の意見や相談に対して「わかった」「了解した」と承諾や御意の意思を伝えたいときに使います。
「わかりました」というよりも丁寧な印象を与えるため、部下の意見を受け止めるときには、積極的に使いたい敬語の1つでしょう。
部下や同僚など目下の人の申し出に許可をする場合にも使えるため、部下の欠席の許可や外出の許可、遅刻の許可などさまざまなビジネスシーンで多様できますよ。
話し言葉だけでなくメールや文章などの書き言葉としても使えるため、メールでも問題なく使えます。
【「了承」の参考記事一覧】
・「了承」は目上にも使える。丁寧な敬語表現を徹底解説
・「ご了承ください」は取引先に使えない?使い方を例文付きで説明します
・「ご了承」の正しい使い方|意味から言い換えできる類語まで解説!
「承知しました」以外にも「かしこまりました」と伝える表現はある。
- 了承いたしました
- 了解いたしました
「了承したしました」や「了解いたしました」は、文法上目上の人に使える敬語表現になります。両者は似ているようで微妙にニュアンスが異なります。
「了承いたしました」は、相手から依頼やお願いごとを受けたときに「承諾しました」「受けることができます」という意味で使います。
一方で、「了解いたしました」は、相手の意見を「理解した」「わかった」という把握や理解を示すときに使うことが可能です。
両者とも使用するシーンが少し異なるため、使い分けることができるようにしましょう。
「了承いたしました」は目上の人にも使える?
「了承いたしました」は謙譲語にあたるため、目下の人や上司など自分よりも立場が上の人にも使用できます。
しかし、「了承しました」が同僚や目下の人に使用する表現なので、現代では目上の人や上司に対して「了承いたしました」を使用するのは失礼だ、と考える人も少なからずいることも確かです。
そのため、自分よりも目上の人や上司に対して敬意を払って使いたい場合には、「かしこまりました」や「承知しました」「承知いたしました」を使うことが一般的です。
できるだけ、このような謙譲語の表現を使用するように心がけましょう。
「了解いたしました」は目上の人にも使える。
「了解いたしました」も同様に、謙譲表現にあたるため、上司や目上の人、取引先の人などに使用しても問題ありません。
しかし、「了承しました」と同じく失礼だと感じる人もいるので、目上の使わない方がベターだと言えます。
やはり、上司や目上の人には「かしこまりました」や「承知しました」「承知いたしました」を使う方が無難でしょう。
「かしこまりました」の英語表現
- I understand.(かしこまりました)
- Very good, sir.(かしこまりました)
- Certainly, sir.(かしこまりました)
- That would be fine.(かしこまりました)
- I see, sir.(承知いたしました)
- I get the point.(かしこまりました)
「かしこまりました」と同じような意味を持つ英語表現は、意外と多くあります。どれも一文なので、覚えておくといざという時にとても便利です。
特によく使われるのは「I understand.」です。使い方としては、相手の言っていることや要求に対して理解したことを表現したいときに向いています。
また、メールなどの書き言葉では「I get the point」を使えば「かしこまりました」と同じようなニュアンスを伝えることが可能です。
「かしこまりました」は、「承知しました」と上手く使い分けて。
相手の要望や話の内容に対して「理解した」「わかった」など承諾や御意の意思を伝えたいときに使える便利な敬語です。
類語が多いので、使う相手やシーンに合わせて上手に使い分けできるようになりましょう。
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