謙譲語"承る"の意味/使い方。類語&"受け賜る"の違い|ビジネス敬語ガイド

聞く/伝え聞く/受ける/引き受けると4つの意味を持つ謙譲語、承る。同じ読み方で「受け賜る」がありますが、どのような違いがあるのか。今回は、「承る」の意味から使い方、受け賜るとの違い、言い換えできる類語まで徹底解説。例文を確認しながら正しい使用方法を学びましょう。

「承る」の意味とは?

賜ると承るの違いとは

ビジネスシーンでよく使われる敬語である「承る」。聞く・伝え聞く・受ける・引き受けるなどの意味を持つ敬意の強い敬語です。

もともとは、天皇や貴族など身分が高い人から「受け賜る」・「受け給わる」が語源

時間の経過とともに人を両手で持ち上げながら「受け取る」を意味する会意文字である「承」に変化していきました。そのため、上司や社会的地位の高い人などから何かをもらったり、してもらったりした場合に使われる言葉といえるでしょう。

例えば相手から何かを聞く場合、「お聞きします」という表現より「承ります」のほうが丁寧で、「お聞かせいただきます」と同程度の敬語表現とされています

敬意を強く表したい相手に対して使う敬語といえるでしょう。

─承るの読み方について─

「承る」の読み方は、「うけたまわる」です。古語の動詞「受く」と「賜る」が複合してできた言葉です。

同音語に「受け賜わる」がありますが、意味が限定される場合が多く、「承る」のほうが一般的に広く使われています。


「承る」は、敬語の中でも謙譲語

「承る」とは、「聞く、受ける、伝え聞く、引き受ける」の4つの意味を持つ謙譲語です。

中でも「聞く」「受ける」の謙譲語としては、ビジネスシーンでも頻繁に使われる誰しもが耳にしたことがある一般的な敬語表現です。

例えば、お客様相手に、「ご伝言をお聞きします」というより「ご伝言を承ります」と表現するほうが丁寧さが増し、顧客対応もスムーズに進みます

使いこなすことで、相手に対して言葉遣いを知っている人、という印象も与えられますよ。

「承る」は何かを聞くときだけでなく、仕事を引き受けたときや伝言を聞いたときなど使える範囲が広い敬語です。是非マスターしておくといいでしょう。


「承る」は、目上の人に使っても問題のない敬語表現。

承るは目上の人にも使える敬語

「承る」の語源は身分が高い人から「受け賜る」・「受け給わる」ことなので、上司や目上の人に使える敬語表現になります。

自分がへりくだる謙譲語の一種で、会議や打ち合わせ、メールの文章内でも使いやすいといえるでしょう。使用する相手は目上の人や上司、取引先の人などで、ビジネスでも使用可能です。

立場・地位が同程度の相手に使用するには少し大げさな場合もあります同僚や目下の人に対して使う場合は、同じような意味を持つ丁寧語である「了解する」などを使うといいでしょう

使う相手と自分のバランスを考えながら、どの言葉を用いるのがいいのかを判断して使い分けるのがいいでしょう。


「承る」を使った例文一覧

ご了承いただきと言い換えできる類語

  • 〇月△日からご1泊××様2名様、ご宿泊のご予約確かに承りました
  • 配車のご用命はこちらで承ります。ご乗車されるのは何名様でしょうか。
  • 〇〇はただ今不在です。私同じ部署の△△と申します。よろしければご伝言を承ります
  • ××様からのご注文を確かに承りました。準備が整い次第発送させていただきます。
  • その他にご希望-ご要望などがございましたら何なりと承ります
  • ××課長がご入院中と承りましたが、その後お加減はいかがでしょうか。
  • 誠に申し訳ございませんが、今回××様のご要望を承ることはできかねます。

例文のように、「承る」は、ビジネスシーンなどで目上の人やお客様に対して使うべき言葉です。

例えば、「〇〇さんからご予約をお受けました」という表現より「〇〇様からご予約を承りました」というほうがより丁寧で、お客様に対して使う言葉として適しています。

「いただいた」「お受けした」などよりも丁寧で敬意を表せる言葉なので、目上の相手から注文や予約をもらったときや受付したとき、何らかの金品をもらい受けたときなどに使うのに適しています。

電話やカウンターで受付するときに使えることが多くなりますので、覚えておくといいでしょう。


「承る」と「受け賜る」の違いとは?

承ると受け賜るの違い

「承る」と「受け賜る」はもともとの語源は同じで、基本的には同じ意味を表します

「受け賜わる」はもともと天皇陛下や貴族などの身分の高い人から金品やお言葉などを「賜る」という意味で使われていましたが、だんだんと目上の人からのお言葉を「受ける・引き受ける・聞く・伝え聞く」などの意味に変化していきました

その後、会意文字である「承る」を使うようになり、文書やメールに文字にする場合「承る」とするのが一般的です。

現在では、「受け賜わる」は「承る」に比べると使われるシーンはとても少ない傾向にあります。ビジネスシーンで使うのであれば「承る」を使っておくのがいいでしょう。


そもそも、「賜る」とは?

「承る」の語源の一部である「賜る」とは、天皇陛下や貴族などの高い身分の人から一般の人に対して金品や言葉などを「もらう」または「与える」の意味で使われていました。つまり、謙譲語・尊敬語両方として使われている言葉です。

もともとは古語であるものの、現在も天皇陛下・皇族などが主体となる場合に使われています。

例文としては、

「金メダリストが天皇陛下からお言葉を賜る」
「天皇陛下がノーベル賞受章者にお言葉を賜る」

などが挙げられます。

【参考記事】「賜る」の意味から例文まで詳しく解説します


「承る」と言い換えできる類語一覧

お手すきの際にを使う上での注意点② 自分に対して使わない

「承る」は、敬語の中でも非常に高い敬意を表している言葉なため、一般的なビジネスシーンでは、堅苦しいと思われてしまう恐れもあります。

ビジネスシーンに応じて、丁寧さを変えるため、ここで「承る」の類語を確認していきましょう。

  • 拝聴する
  • 拝受する
  • 承諾する
  • 承知する
  • 頂戴する
  • お受け取り

各類語の使い方・例文、承るとの違いについて解説しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。


承るの類語① 「拝聴する」の使い方

拝聴するの意味とは

「拝聴する(読み方:はいちょう)」は「聞く」の謙譲語で、口語よりはメールや手紙などで使用される傾向が多い言葉です。同じ意味を持ち口語表現でよく使われる言葉には「お聞きする」があります。

「聞く」の謙譲語という点において、「承る」の類語といえるでしょう。「拝聴する」の「拝」は拝む、つまり頭を下げるという意味があります。

「聴」は「耳を傾ける」という意味です。二つの単語が一緒になることで、「頭を下げて耳を傾ける」という意味になることで、「聞く」や「聴く」の謙譲語とされていて、ビジネスでも使われます。

「拝聴する」の使い方

  • 〇〇様からのアドバイスを拝聴することができて、大変勉強になりました。
  • 先日△△先生の講演を拝聴しました。いくつか質問がございます。
  • ××様のにお会いしてお話を直接拝聴できますことを、とても楽しみにしております。

承るの類語② 「拝受する」の使い方

賜るの類語②拝受するの意味とは

「拝受する」とは、「受領する」「受け取る」の謙譲語で、読み方は「はいじゅ」です。

頭を下げるという意味の「拝」と「受ける・受け取る」という意味の「受」からなる熟語で、「頭を下げて金品を受け取る」という意味になり、「受ける」の謙譲語表現という点で「承る」の類語となります。

目上の人から受け取るときに敬意を表す言葉としてビジネスシーンでよく使われる言葉です。使い方の例としては、取引先より大切な資料を送ってもらい受け取ったときなどにも使われます。

「拝受する」の使い方

  • 本日、資料を拝受いたしました。早々にご送付いただき、誠にありがとうございました。
  • (メールや手紙などで)「よろしくご査収ください」への返事として「拝受いたしました」
  • エントリーシートを確かに拝受いたしました。結果については追って連絡いたします。

承るの類語③ 「承諾する」の使い方

承るの類語の承諾するの意味

「承諾する(読み方:しょうだく)」には二つの意味があります。

一つは相手の意見や希望・要求などを聞いて、受け入れることです。
もう一つは法的な表現で、申し込みの意思表示と結合して契約を成立させる意思表示のことをいいます。

「承」「諾」いずれも「受ける」という意味を持つ漢字なので、二つが合わせられて「引き受ける」の意味になる点では「承る」の類語です。

「承」が含まれていますが敬語ではなく、ビジネスで目上の人や上司から承諾してもらうことは「ご承諾いただく」と表されます

「承諾する」の使い方

  • ご承諾いただき、誠にありがとうございました。スタッフ一同、感謝しております。
  • 先日の契約について、〇社から承諾を得ました。
  • △社から正式な承諾を得ておりませんので、プロジェクトを進めることができません。

承るの類語④ 「承知する」の使い方

承るの類語の承知する

「承知する」とは「事情などを知ること」「聞いて引き受けること」「許すこと」の謙譲語。「聞く」「受ける」の意味を持つ「承る」と同義で使われる場合もあります。

謙譲語なのでビジネスで上司や目上の人に対しても使える言葉で、「わかりました」を丁寧に表現したい場合「承知しました」と表現するといいでしょう。

「承知しました」と変形させることで、単にわかったというだけでなく、理解し承諾したことを謙譲語として表現できますよ

短い言葉で複数の意味を表現できる言葉として覚えておきましょう。

「承知する」の使い方

  • 今回のいきさつについて承知いたしました。大変ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。
  • 打ち合わせの件、承知しました。すぐに確認いたします。
  • メールでご連絡いただいた件について承知しました。

【参考記事】「承知しました」の正しい使い方を例文付きで解説


承るの類語⑤ 「頂戴する」の使い方

賜るの類語④頂戴するの意味とは

「頂戴する」は「もらう」の謙譲語にあたる言葉です。読み方は「ちょうだい」で、「受ける」の意味を持つ「承る」と似た意味で使われる場合もあります

「頂戴する」は、主に人に譲渡できるような金品のやり取りや時間などを上司からいただく場合に使われる言葉になります。「承る」のほうが同じ敬語でも広い意味で使われる傾向にあります。

「頂戴する」はしばしば間違った使い方をされることも多いのが特徴です。例文として、「お名前を頂戴します」が挙げられます。名前は「もらう」ものではないので、「お名前を承ります」が正しい表現です。

どの言葉を使うのかわからなくなってしまいそうな場合は、もともとの使い方を意識するといいでしょう。

「頂戴する」の使い方

  • 先日は結構な贈り物を頂戴しまして、誠にありがとうございました。
  • 先ほど頂戴した資料につきましてお聞きしたいことがございます。少しお時間よろしいでしょうか。
  • 部長よりお褒めの言葉を頂戴し、身に余る光栄に存じます。

承るの類語⑥ 「お受け取り」の使い方

承るの類語のお受け取りの意味

「お受け取り」は「受け取る」の尊敬語表現です。「承る」とは「受ける」という意味において類義語ですが、動作の主体が異なります。

「承る」は動作の主体が自分なのに対して、「お受け取り」は動作の主体が相手です。

誰が受け取るのかをはっきりさせたうえで使うと間違えずに使えます。「お受け取り」はビジネス文書で使われることは少なく、同じ意味の「査収」や「笑納」などに言い換えされる傾向があります。

例文でもわかるように、メールや口頭での会話などでは使われることも多く、お客様や上司などにも使いやすい言葉といえるでしょう。

「お受け取り」の使い方

  • 書類を郵送しましたので、お受け取りくださいますようよろしくお願いいたします。
  • 企画書を作成しましたのでどうかお受け取りください。
  • お受け取りいただいたパンフレットは古いものでしたので、最新版を再送させていただきます。

「承る」の英語表現

賜るの英語表現

  • receive orders(注文を受ける)
  • take((伝言や注文などを)承る)
  • listen to(話を伺う)
  • hear(聞く)
  • Thank you for the request.(ご依頼の件承りました。)
  • We have received your order.(ご注文承りました。)

「承る」は比較的簡単な英語で表せる場合が多い単語ですが、持っている意味は幅広く、どの意味なのかによって英語表現が大きく異なります。

「聞く」であれば「listen」、「伝え聞く」であれば「hear」、「受ける」であれば「receive」、承るであれば「take」が比較的多く用いられています

「承る」を直訳できる英語はないので、まずはどの言葉の謙譲語表現なのかをはっきりさせると英語に翻訳しやすいでしょう。


「承る」の正しい使い方をこの機会にマスターして。

活用範囲の広い言葉「承る」は上手に使いこなせることで、周りの同僚と差を付けられる敬語表現です。

毎日のビジネスを円滑に進めていくためにも、スマートな敬語表現を再度チェックしておきましょう。

「承る」以外の敬語表現やマナーなども少しずつマスターして、ビジネスパーソンとして周りから一歩リードしていきましょう。

【参考記事】「わかりました」を目上の人に伝える時に使う敬語表現とは

【参考記事】「御社」と「貴社」の正しい使い分け方を詳しく解説します

【参考記事】「微力ながら」を使えば、相手を立てながら力を貸せる

LINE はてなブックマーク
お気に入り

注目の記事

関連する記事