"ご返信"の意味/使い方。自分にも使えるメール例文集|ビジネス敬語ガイド
「ご返信」の意味とは?
「返信」とは、受け取ったメールや手紙に対して返事を返すことを意味する言葉。
かつてビジネス文書に使われる媒体というのは、手紙やファックスが主流となっていました。しかし、近年においてはインターネット環境の芯かによるメール文化の発達により、返信という言葉を昔以上に使うようになっています。
「返信」に対して「ご」をつけて「ご返信」とすることで、メールや手紙を贈った相手に対して、返信を促したり、求めたりする表現になります。また、「ご」をつけることで、相手に対して敬語表現として、かしこまった印象を与えることができるでしょう。
「ご返信ください」は目上の人には失礼な表現?
ビジネスの場において、「ご返信ください」という表現をよく見ることがあるでしょう。
目上の上司や取引先などへの、敬語を使ったメールで使われている場合もありますが、これはあまりおすすめできる使い方とは言えません。
文法上「ご~ください」という尊敬語は、目上の人に対しても使用できる敬語表現です。しかし、相手に対して、メールを返すことを強制させるような表現と受け取られる可能性があります。そのため、目上の上司や取引先に使用する場合は、使用を避けるようが良いでしょう。
目上の人には「ご返信くださいますよう、」を使う
「メールを返す」ことを依頼するのはよくあることであり、「ご返信ください」という表現にいちいち目くじらを立てる方は多くないでしょう。
しかし、あくまでもビジネスの場ですので、できる限り柔らかく伝えたいものです。そのような場合、目上の上司などへメールを返す際に、「ご返信くださいますよう、」という表現を使うようにしましょう。
「ご返信ください」について、相手に対する尊敬語として「くださいますよう」という敬語表現にすることで、強制的な印象を和らげることができます。
「ご返信」の使い方・例文
「ご返信」が使われるタイミングは、大きく6つのシーンに分けられます。
- 取引先に返信を頼む場合
- 相手からの返信メールに感謝を伝える場合
- 返信不要を伝える場合
- 返信が遅くなってしまった場合
- 相手企業からの返信を待っている場合
- 時間を改めて返信する場合
どのシーンでも正しい使い方をマスターしてこそのビジネスパーソンです。例文をチェックしておきましょう。
【ご返信の使い方①】取引先に返信を頼む場合
ビジネスシーンにおいて、取引先に対して返信を求めるシーンは多くなります。
メールを見たことの確認や報告、問い合わせに対する返答などさまざまなパターンがあるでしょう。ここで注意したいのは、できる限り強制させているという印象を薄める必要があります。
返信を依頼するということは、どうしても指示めいた表現になりやすいです。敬語や謙譲語を使って柔らかな表現にしましょう。
ご返信を使った例文
- アポイントの日程をいくつかご提示させていただきます。都合のよろしい日をご遠心頂けると幸いです。
- ご依頼の見積書を送信いたします。内容をご確認いただき、ご遠心頂けるのをお待ち申し上げます。
- 機械の不具合につきまして詳細を送らせていただきます。対応方法についてご遠心頂きたく存じます。
- パーティーの出欠確認について、ご返信くださるようよろしくお願いいたします。
取引先に対して、メールを返すことを依頼するケースは非常に多いです。たとえば、こちら側から相手に対して提案などをした場合に、それに対しての返信を求める際に使用されます。
また、取引先に対して問い合わせなどを行った際に、それに対する返答を求める場合などに使われることが多いです。例文のようなパターンをいくつか覚えておくと、役に立つことでしょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご依頼」の正しい使い方|メールや文書で使われる丁寧な例文を解説
・「幸いです」の意味とは?使い方を例文付きで分かりやすく解説します
【ご返信の使い方②】相手からの返信メールに感謝を伝える場合
「ご返信」というのは、相手に対して依頼する場合以外にも、相手からの返信に対してお礼の気持ちを込めて使用されることも多いです。
この時に注意すべきポイントとしては、あまり使いすぎないということが重要です。相手から返信が来るたびに使ってしまうと、相手から疎ましく思われる恐れがあります。ある程度メールでの会話が続く場合は、最初の返信にだけ使用するようにしましょう。
ご返信を使った例文
- お忙しいところご返信いただきありがとうございます。
- 弊社新卒採用の面接への出欠可否につきまして、ご返信いただきありがとうございます。
- ご返信いただきありがとうございます。謹んでお礼申し上げます。
- トラブルシューティングに関するご返信ありがとうございます。無事解決したことご報告差し上げます。
相手からの返信メールについて感謝の意を伝える場面で、「ご返信」という表現は、比較的どのようなシチュエーションでも使用できます。
目上の上司や取引酒だけではなく、就活における面接のスケジュールを学生に連絡した際に返信があったときなどでも、お礼の気持ちを伝えるために使われることが多いでしょう。また、就活生側でもよく使用するフレーズです。
【ご返信の使い方③】返信不要を伝える場合
メールでのやり取りをしている場合、終わりどころがわからなくなることがあります。
特に、メールの内容が通知や報告程度である場合、いちいち相手から返信をもらわなくてもいいケースがあるでしょう。そのような場合に、返信不要を伝えるようにしましょう。
ただし、目上の上司などに対して返信不要といってしまうと、失礼に当たることがあるので使い方を誤らないようにしましょう。
ご返信を使った例文
- 来週の就職説明会につきまして、ご連絡させていただきました。なお、ご返信には及びません。
- ご説明通り対応できましたことご報告申し上げます。ご返信はいただかなくてかまいません。
- システム改修に関するご報告ありがとうございます。返信は不要でございます。よろしくお願いいたします。
- 非常に申し訳ございませんが、この度は採用を見送らさせていただきます。なお、返信は不要でございます。よろしくお願いいたします。
相手に対してこれ以上返信はいらない場合に使用されることが多いです。
特に、こちらから相手に対して通知や報告をする場合に、わざわざ返信の手間を相手にかけさせないときなどにおすすめです。また、単純にお礼のメールをし隊だけの場合にもお勧めです。
その他、就活の際に、例文のように学生に対して面接や説明会の予定をメールで送る際に使われることも多いでしょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「申し訳ございません」の使い方&言い換えできる類語を徹底解説!
・「よろしくお願いいたします」の正しい使い方|例文付きで分かりやすく解説します
【ご返信の使い方④】返信が遅くなってしまった場合
「返信」が遅れてしまった場合で、自分自身の行動に対して「ご返信」と「ご」をつけていいのか迷ってしまいがちです。
ただ、「ご○○」というのは、尊敬語だけではなく、謙譲語としても使えます。そのため、自分自身の返信に対しても「ご返信」は使用可能です。こちら側の過失によって返信が遅れているので、謝罪の言葉につなげるようにするとよいでしょう。
ご返信を使った例文
- 体調不良でご返信が遅くなり、申し訳ございませんでした。
- 本日は1日外出しておりました。ご返信が遅くなり、申し訳ございません。
- 申し訳ございません。先週は夏期休暇を取らせていただいておりました。ご返信が遅くなり、大変ご迷惑をおかけしました。
- 申し訳ございません。ご返信が遅くなりました。ご依頼の資料を送信させていただきます。
今回の例文は、ほとんど同じような内容ではありますが、相手がどれだけ怒っているかによって、微妙に使い方を変えたほうが良いでしょう。
相手が良く見知った相手であれば、「ご返信が遅くなり、申し訳ございません。」というような表現でも構いません。
しかし、目上の人や相手がかなり怒っている場合は、まずは謝罪をしてから、「ご返信が遅くなり、大変ご迷惑をおかけしました。」という表現にしたほうが良いでしょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「申し訳ございませんでした」が間違い敬語だと言われる理由とは?
【ご返信の使い方⑤】相手企業からの返信を待っている場合
相手から返信を待っているということを伝える場合、どうしても相手に対して催促している印象を与えてしまいます。
特に目上の上司や取引先などに対してメールを送る際には、相手を不快な気分にさせないように柔らかい表現や丁寧な表現を心がけるようにしましょう。
ご返信を使った例文
- 先週ご依頼させていただきましたお見積りの件、いつごろいただけますでしょうか?ご返信お待ちしております。
- 先日は面接のため来訪いただき、ありがとうございます。内定承諾の件、いつごろ回答いただけますでしょうか?他社の状況も併せてご返信お待ちしております。
- 先日頂いた契約書の件で確認事項がございます。添付資料を送信いたしますので、内容をご確認後、ご返信いただければ幸いです。
- 市役所から問い合わせがございました。ご返信いただきたく存じます。
相手に対して催促をするようなときに使用される例文ですが、どの例文もできるかぎり相手に対して配慮しているような文章となっています。
たとえば、対面や電話で依頼したことに対して、いつごろ回答をもらえるかというような場合や、就活などで面接で内定を出した学生に対して内定承諾の確認をしたり、他社での就活状況の確認をしたい場合などでもよくつかわれる表現です。
【「例文」で使われている敬語】
・「来訪」の正しい使い方とは?目上に使える丁寧な例文を詳しく解説
【ご返信の使い方⑥】時間を改めて返信する場合
メールの便利な点としては、リアルタイムでの会話が必要ないということです。
いつでも内容を確認でき、返信できるので手の空いた時に対応できるのが魅力といえるでしょう。すぐに返信ができない場合は、改めて返信する旨をひとまず送信します。
そのような場合は、すぐに返信できないことを謝罪の気持ちも込めて使うようにするとよいでしょう。
ご返信を使った例文
- 商品に関するお問い合わせの件ありがとうござまいす。申し訳ございません、本日終日会議となっております。夜、またご返信させていただきたく存じます。
- 本日セミナーで外出しております。夜、また、ご返信させていただきますので、よろしくお願いいたします。
- お電話ありがとうございます。○○は本日出張に出ております。改めて、現地からメールにて、ご返信するようお伝えいたします。
- 申し訳ございません。本日は終日外出しておりますので、改めてメールでご返信させていただきます。
ビジネスシーンにおいて、メールを確認してもすぐに返信できない状況というのは頻繁に起こり得るものです。
出張に出ているから詳細を調べられない、会議に入るから回答する時間がない等があるでしょう。
このような場合は、例文のようにまず連絡してくれたことのお礼、そして後から返信することについての謝罪をするのが望ましいです。
「ご返信」と言い換えできる類語
「ご返信」の類語には、使い方やタイミング次第で使える敬語表現がいくつか存在します。
- ご返事
- ご返答
- ご回答
- ご返送
ここからは、「ご返信」と言い換えできる類語4つの使い方をご紹介します。
ご返信の類語① ご返事
類語である「ご返事」は、使い方としては「ご返信」とほとんど同じ意味を持つこととなります。
文書でも口頭でも使いやすい類語表現です。ご返信の場合、メールや手紙などの文書に限定されますが、ご返事の場合は、口頭でも構わないことになります。そのため、次に会った時にでも返事が欲しいといった使い方でも依頼することができるでしょう
「ご返事」の例文
- ご依頼した件につきまして、次回打合せ時にご返事ください。
- 問い合わせの件につきまして、ご返事いただき、ありがとうございます。
- 別途封書を送りますので内容をご確認の上、ご返事くださいますよう、よろしくお願いいたします。
ご返信の類語② ご返答
「ご返答」は、「ご返信」の類語としてよく利用される言葉ですが、どちらかというとより固い使い方をしたい時に使用されることが多いです。
目上の人の中でも、特に役付きのような人に対して、返事を欲しいときなどの場合に適切な表現となります。親しい間柄に対しては、あまり使用せずに、「ご返信」や「ご返事」のほうが適しているでしょう。
「ご返答」の例文
- ご依頼した製品がいつ完成するのか、ご確認の上ご返答ください。
- 発注している工事の納期について、ご返答いただき、ありがとうございます。
- ●●社長のアポイントにつきまして、ご確認いただきご返答くださいますよう、お願いいたします。
ご返信の類語③ ご回答
「ご回答」は、「ご返信」の類語ではあるものの、問い合わせや質問の内容について回答を求める場合に使用されることが多いです。
単純に返事が欲しいときだけではなく、調査票やアンケート表などを送付している場合に、回答をして送り返してほしい場合などに、「ご回答して~」といったような使い方をするケースもありますよ。
「ご回答」の例文
- アンケート用紙を発送させていただきましたので、ご回答ください。
- お問い合わせにつき、ご回答いただき、ありがとうございます。
- 現在CS調査を行っております。内容をご確認の上、ご回答くださいますよう、よろしくお願いいたします。
ご返信の類語④ ご返送
「ご返送」は、類語の中でも比較的限定された使い方をされることが多いです。
メールの返信の依頼を目的として使用している場合も多いですが、あまり適した使い方とは言えません。
どちらかというと、文書で使われることが多い表現であり、メールで使う場合も別途郵送している文書や書類を送り返してほしいときに使うことが多いでしょう。
「ご返送」の例文
- 調査票の質問事項について、ご回答した後、ご返送ください。
- 受領書をご返送いただきありがとうございます。これにて、取引を完了させていただきます。
- 契約書を同封いたしましたので、押印午後返送くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
「ご返信」の正しい使い方をマスターしましょう!
メールや封書など、ビジネスシーンにおいて返信を求める機会が多くなります。
「ご返信」という言葉自体は、目上の上司や取引先などであっても使うことができますが、使い方次第で失礼な印象を与える恐れがあります。
今回ご紹介した例文や、より丁寧な表現になる類語をも活用して、スマートな表現を身につけるようにしましょう。
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