2017.12.01

「安産祈願っていつ行くの? 男性も一緒に行くべき? 」僕は彼女に妊娠を告げられた

もしも彼女が妊娠したら、男にはこんな現実が待っている。父親になる男のリアルに描く体験記「僕は彼女に妊娠を告げられた」第21話。

僕は彼女に妊娠を告げられた.jpg


彼女と入籍してから一週間、妊娠16週目を迎えたある日。

“戌の日”だったこの日は、彼女の安産祈願をするべく、僕の両親を含めた4人で『水天宮』へ訪れる事になっていました。

安産祈願とは、妊娠5ヶ月に入った最初の“戌の日”に、妊婦さんが腹帯を巻いて、赤ちゃんの無事を祈ってお参りをする風習のこと。

お産の軽い犬は、昔から“安産の守り神”と言われており、それにあやかって12日に一度訪れる戌の日に、安産祈願を行うようになったと言います。

この日に備えて事前に休みを取っていた僕は、いつもより早く起床して、身支度に取り掛かっていました。

「お義父さんとお義母さん、今日一緒に来てくれはるって?」

同じく身支度をしている彼女が、僕に問いかけます。

「うん、来てくれるって!車で行きたいから、最寄り駅まで来てほしいってよ!」

彼女の強い説得もあり、両親にもこの日はスケジュールを空けてもらっていたので、お互いに準備を済ませると、実家の最寄り駅へと向かうことに。

駅に着き、ホームで電車を待っていると、彼女がおもむろに口を開きます。

「お母さん本当はな、安産祈願、めちゃくちゃ一緒に行きたかったらしいねん(笑)」

話の内容は、大阪にいる母親について。

「けど、大阪からは遠くて来れへんやん?せやから、せめて小嶋くんの親御さんには一緒に行ってもらいって、ずっと言われてたんよ(笑)」

「なるほどね!だから、俺の親にも行きましょうってしつこかったのか(笑)」

彼女のお母さんとのやり取りを聞いて、僕の両親を頑なに同行させたかった理由が、ようやく理解できました。

その後も安産祈願や出産について話し込んでしまい、気がつくと、あっという間に実家の最寄り駅へ到着。

ロータリーへ出ると、見慣れた実家の車が停まっていました。

「わざわざ遠回りさせてごめんね!車の方が楽かと思って(笑)」

車へ乗り込むと、母が優しく出迎えてくれます。

平日で道路が空いていたこともあり、水天宮へは40分足らずで到着。

中へ入ると、すでに多くの妊婦さんや付添いの人たちの姿でごった返していました。

「妊婦さんめっちゃおるやん!すごない?(笑)」

彼女が驚いていると、係の人が、受付用紙を書くように案内してくれます。

用紙には、安産祈祷・腹帯・お守りの欄が記載されており、帯やお守りだけ購入したり、祈祷だけ受けたり、チェックを入れて選択できるようになっていました。

「せっかくだから、祈祷もしてもらったらどうだ?」

父の提言もあり、僕たちは全部にチェックを入れ、初穂料を支払って用紙を提出します。

受付を終えると待合室へ通されます。

それから、またしばらくすると彼女の名前が呼ばれ、本人だけが本殿へと案内されていきました。

「えっ!?中って妊婦さんしか入れないの!?」

両親と待合室に取り残され、僕が驚いていると、

「当たり前じゃない!本人以外が祈祷受けてどうすんのよ(笑)」

母が呆れた様子で答えます。

本殿に入れるのは、妊婦さん本人のみ(代理の場合1名のみ)。

したがって、同行者は祈祷の最中、待合室で待機するしかありません。

そのため、僕たちは待合室でしばし彼女の戻りを待つことに。

「やっと終わった!結構待ったけど、元気な赤ちゃん産めるようになった気がする(笑)」

小一時間ほど待っていると、彼女が晴れやかな表情で戻ってきました。

「それなら良かったわ(笑)それじゃ、軽くお参りして帰りますか!」

彼女の嬉しそうな姿を目にして、僕たちまでホッとしたのを覚えています。

「こんだけ妊婦さんおるなら、自分も頑張って元気な子が産まなって思える(笑)」

妊娠生活を頑張っている女性は、自分以外にもたくさんいる。

祈祷だけでなく、その事実を知れたことが、今の彼女にとっては大きな励みになったようでした。

正直、僕は同行する以外、特に何もできませんでした。

でも、妊娠生活や出産に対して前向きになり、より“母親”らしくなった彼女の姿を見て、

「安産祈願に一緒に訪れて良かった。」

そんなことをしみじみと思うのでした。

<続く>


僕は彼女に妊娠を告げられた

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