「子供の名前って、どう付けるのが正解?」僕は彼女に妊娠を告げられた
彼女が妊娠23週目となり、大阪に里帰りするまで残り1ヶ月を切りました。
ある日僕がいつも通り仕事を終えて、自宅へ帰ると、
「おかえりー!お風呂沸いてるから入りや!」
心なしか、この日はいつもより元気な彼女が出迎えてくれました。
荷物を置くと、腰を下ろす間もなく、彼女に諭されるままお風呂へ入ることに。
髪を乾かしてリビングへ戻ると、テーブルには既に、晩御飯の用意がされていました。
「美味しそう!てか、今日めっちゃテキパキしてるけど、どうかしたの?(笑)」
不思議に思った僕が尋ねると、
「そろそろ、赤ちゃんの名前考えたろうかなと思って!」
思わぬ彼女の返答に、
「急にどうしたよ(笑)まだ全然考えてないわ!」
話の流れを掴めずにいると、
「今日、検診やったんけど、男の子だと思いますよってさ!ほぼ間違いないだろうって(笑)」
以前の診察でも男の子と判別されました、今回も同様だったらしく、
「そういうことか(笑)やっぱり男の子なんだね。」
状況を飲み込んだ僕が返事をすると、
「明日も仕事やからさ!寝る前に、少し名前について話せる時間を設けようと思って(笑)」
彼女がテキパキしていた理由は、夫婦で話し合う時間を設けるためでした。
「ちなみに男の子やったら、どんな名前つけたいとかある?」
彼女のザックリとした質問に対し、
「ん〜、幸之助とかどうよ?なんだか偉大な男に育ってくれそうだしさ(笑)」
彼女の地元が、松下電器本社のすぐ近くだったこともあり、松下幸之助氏にあやかって、僕がそう答えると、
「それはない!小嶋に対して名前が渋すぎるやろ!せめて幸助とかにしてや(笑)」
一瞬で却下されます。
名前なんて考えた事もなかったので、思わず考え込んでしまうと、
「一応、小嶋に合う名前書き出しといたから!」
しびれを切らした彼女が、一冊のノートを手渡してくれました。
「めっちゃ凄いね!これ全部自分で調べたの!?」
中を覗くと、そこには漢字の意味や音の響きで選んだものから、名前占いや画数で選んだものまで、百パターン以上の名前がびっしりと記されていました。
「名前は子供への最初のプレゼントやから。気に入ってくれる名前つけな、かわいそうかと思って!」
誇らしげに語る彼女の表情は、すっかり母の顔。
「へぇ〜、悠真(ゆうま)とか、陽翔(はると)って名前が今年は一番多いんだ〜」
メモの中には、2017年上半期の人気名前ランキングも書き留めてありました。
その後もノートを参考に討論を重ね、最終的に三つほどの候補に絞り込み、
「あとは、お互いの親にも聞いたりして決めよう」
との結論で落ち着きました。
夫婦や家族によって名前の付け方はそれぞれですが、
一生残るモノだからこそ、名前はしっかりと願いを込めて付けたい。
名付け親となる重圧を肌で感じつつ、そんなプレッシャーとは裏腹に、息子の名前を呼べる日が早く来て欲しい!なんて事も晴れ晴れした気持ちで思うのでした。
<続く>
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