「子供の名前って、どう付けるのが正解?」僕は彼女に妊娠を告げられた

小嶋 2018.01.09
もしも彼女が妊娠したら、男にはこんな現実が待っている。父親になる男のリアルに描く体験記「僕は彼女に妊娠を告げられた」第24話。
彼女が妊娠_24

彼女が妊娠23週目となり、大阪に里帰りするまで残り1ヶ月を切りました。

ある日僕がいつも通り仕事を終えて、自宅へ帰ると、

「おかえりー!お風呂沸いてるから入りや!」

心なしか、この日はいつもより元気な彼女が出迎えてくれました。

荷物を置くと、腰を下ろす間もなく、彼女に諭されるままお風呂へ入ることに。

髪を乾かしてリビングへ戻ると、テーブルには既に、晩御飯の用意がされていました。

「美味しそう!てか、今日めっちゃテキパキしてるけど、どうかしたの?(笑)」

不思議に思った僕が尋ねると、

「そろそろ、赤ちゃんの名前考えたろうかなと思って!」

思わぬ彼女の返答に、

「急にどうしたよ(笑)まだ全然考えてないわ!」

話の流れを掴めずにいると、

「今日、検診やったんけど、男の子だと思いますよってさ!ほぼ間違いないだろうって(笑)」

以前の診察でも男の子と判別されました、今回も同様だったらしく、

「そういうことか(笑)やっぱり男の子なんだね。」

状況を飲み込んだ僕が返事をすると、

「明日も仕事やからさ!寝る前に、少し名前について話せる時間を設けようと思って(笑)」

彼女がテキパキしていた理由は、夫婦で話し合う時間を設けるためでした。

「ちなみに男の子やったら、どんな名前つけたいとかある?」

彼女のザックリとした質問に対し、

「ん〜、幸之助とかどうよ?なんだか偉大な男に育ってくれそうだしさ(笑)」

彼女の地元が、松下電器本社のすぐ近くだったこともあり、松下幸之助氏にあやかって、僕がそう答えると、

「それはない!小嶋に対して名前が渋すぎるやろ!せめて幸助とかにしてや(笑)」

一瞬で却下されます。

名前なんて考えた事もなかったので、思わず考え込んでしまうと、

「一応、小嶋に合う名前書き出しといたから!」

しびれを切らした彼女が、一冊のノートを手渡してくれました。

「めっちゃ凄いね!これ全部自分で調べたの!?」

中を覗くと、そこには漢字の意味や音の響きで選んだものから、名前占いや画数で選んだものまで、百パターン以上の名前がびっしりと記されていました。

「名前は子供への最初のプレゼントやから。気に入ってくれる名前つけな、かわいそうかと思って!」

誇らしげに語る彼女の表情は、すっかり母の顔。

「へぇ〜、悠真(ゆうま)とか、陽翔(はると)って名前が今年は一番多いんだ〜」

メモの中には、2017年上半期の人気名前ランキングも書き留めてありました。

その後もノートを参考に討論を重ね、最終的に三つほどの候補に絞り込み、

「あとは、お互いの親にも聞いたりして決めよう」

との結論で落ち着きました。

夫婦や家族によって名前の付け方はそれぞれですが、

一生残るモノだからこそ、名前はしっかりと願いを込めて付けたい。

名付け親となる重圧を肌で感じつつ、そんなプレッシャーとは裏腹に、息子の名前を呼べる日が早く来て欲しい!なんて事も晴れ晴れした気持ちで思うのでした。

<続く>


僕は彼女に妊娠を告げられた

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