ランナー向けスクワットメニュー。タイムが短くなる効果的なやり方とは?
ランナーがスクワットを行うメリット|どんな良い効果があるの?
「ランナーがスクワットをするとどんないいことがあるの?」と気になっている人は多いはず。
まずは、スクワットがランナーに与えるメリットをご紹介します。スクワットを始める前にぜひ参考にしてみてください。
1. 走る上で大切な脚力が強化される
スクワットをすると、マラソンをするときに使う「大殿筋(お尻の筋肉)」や「ハムストリングス(もも裏の筋肉)」、「大腿四頭筋(もも前の筋肉)」などの下半身の筋肉を集中的に鍛えられます。
そのため、長距離マラソンのバテ防止やアップダウンの激しいコースにも強くなり、自信の目標達成に近づけるでしょう。
2. 体幹が鍛えられ、走るフォームが安定する
体幹が安定していないと、ランニング中のフォームが崩れたり、走っているときの振動や反発に耐えられずにフォームが歪んでしまうことがあります。
スクワットでは、背筋を伸ばして胸を張る姿勢を維持するため、腹筋や背筋など体幹部の筋肉が鍛えられます。
理想のフォームを維持するために、スクワットで体幹をしっかり鍛えていきましょう。
3. 足腰が強化されるので、怪我予防に効果的
ランニングでは、度重なる着地により膝への負担が大きくなります。とくに、着地時の衝撃吸収の役割を担う「大腿四頭筋(もも前の筋肉)」が弱いと膝が衝撃を直接受け止めるため、怪我につながることも。
スクワットの動作は膝回りの筋肉を鍛えられるので、ランナーが陥りやすい膝周りの怪我を予防することができます。
4. ダイエット目的でランニングをする場合、より効率よく痩せられる
全身の筋肉の約70%は、下半身の筋肉が占めていると言われています。スクワットは下半身全体の筋肉を使うトレーニングなので、鍛えた分だけ下半身の筋肉量や活動力が増えていきます。
下半身の筋肉量や活動量が増加すれば自然と基礎代謝が上がり、同じランニング量でも痩せやすくなるでしょう。痩せやすい体作りができるようになるため、ランニングのダイエット効果を高められます。
ランナーにおすすめのスクワットメニュー|タイムが短くなる最強の筋トレとは?
ここからは、ランナーにおすすめのスクワットメニューを6つご紹介します。
オーソドックスなノーマルスクワットから、ランニングフォームに似たスクワット、より負荷を高めるスクワットまで様々な方法を厳選してご紹介します。ぜひ、スクワットをするときの参考にしてください。
ランナー向けのスクワットメニュー1. ノーマルスクワット
スクワットの中でも王道のトレーニングとなるのが「ノーマルスクワット」です。両足を広げた姿勢を作り重心を落として、ゆっくりと元へ戻すという動作を繰り返します。
簡単な動作で初心者でも取り組みやすいトレーニングなので、ぜひチャレンジしてみてください。
トレーニングの正しいやり方
- まっすぐに立つ
- 両足を肩幅と同じくらいに開く
- 足の先はやや外側に向ける
- 腕の反動を使わないようにするため、両手は頭の後ろで組むか前に真っ直ぐ伸ばす
- 息を吸いながら、太ももと地面が平行になるよう体を下していく
- 太ももと地面が平行になったところでストップ
- 息を吐きながら、ゆっくりと元に戻す
ノーマルスクワットの目安は、20回×3セット。1セットが終わった後に、インターバルとして30秒休む。
トレーニングのコツ
- 呼吸を意識しながら、1回ずつゆっくりと行う
- 腕の反動を使い下半身を動かないよう、腕はしっかり固定する
- つま先よりも膝が前に出ないよう意識する
- 背中は丸めずに、背筋を伸ばした姿勢をキープする
- 大腿四頭筋を意識して収縮と伸張を感じながら取り組む
ノーマルスクワットのコツは、1回ずつゆっくりと丁寧に行うことです。回数だけにとらわれて動作を素早くしてしまうと、フォームが崩れて思ったように負荷がかからず効果を実感できません。
呼吸を意識しながらゆっくりと体を下して元に戻すということを念頭に置き、丁寧にトレーニングをしてみてください。
【参考記事】正しいノーマルスクワットのやり方とは?▽
ランナー向けのスクワットメニュー2. フロントランジ
「フロントランジ」は、走る動作に近いスクワットで実践的なトレーニングができるところが特徴です。
走っているときと同じような片足を前に踏み出す動作を繰り返すことで、もも後やもも前に負荷を与えられるため下半身の筋肉が強化できます。ランナーが実践する定番筋トレの一つなので、ぜひ毎日のトレーニング取り入れてみましょう。
トレーニングの正しいやり方
- まっすぐに立つ 2.腰の幅と同じくらいに両足を開く
- 片方の足を前に踏み出す
- 踏み出した足の膝角度が90度になるよう、ゆっくりと重心を落とす
- 踏み出した足の膝角度が90度になったところでストップ
- ゆっくりと元の姿勢に戻す
- 反対側の足を前に踏み出して、同じ動作を行う
フロントランジの目安は、左右10回ずつ×3セット。1セットが終わった後に、インターバルとして30秒休む。
トレーニングのコツ
- 片足ずつゆっくり丁寧に行うことを意識する
- 背筋はまっすぐと伸ばしたまま取り組む -つま先よりも前に膝が出ないよう90度に曲げる
- 体を下していくときに、前かがみにならないよう意識する
- もも前の筋肉より、お尻の筋肉ともも裏の筋肉を意識して取り組む
フロントランジのコツは、お尻の筋肉ともも裏の筋肉を意識してトレーニングに取り組むことです。
体を下していくときに背中が曲がったり前かがみになったりしないよう、注意しましょう。お尻の筋肉やもも裏の筋肉を意識する癖がつくと、ランニング時にも同じように意識できるようになりきれいなフォームが保ちやすくなります。
【参考記事】フロントランジの効果的なやり方とは?▽
ランナー向けのスクワットメニュー3. ワイドスクワット
「ワイドスクワット」は、太もも痩せが期待できるスクワット。
ノーマルスクワットと異なり足を大きく広げてスクワットをすることで、もも内側の内転筋やお尻の筋肉である大臀筋を重点的に鍛えられます。
ランニング時に使う筋肉を鍛えたい人はもちろんのこと、太ももを細くしたいランナーはぜひ取り組んでみてください。
トレーニングの正しいやり方
- まっすぐに立つ
- 肩幅の1.5~2倍を目安に足を開く
- つま先は外角に向けて45度程度広げる
- 腕の反動を使わないように、頭の後ろで手を組む
- まっすぐ正面を見たまま、お尻を突き出すように重心を下げていく
- 床と太ももが平行になったところでストップ
- 素速く元の姿勢に戻す
ワイドスクワットの目安は、20回×5セット。1セットが終わった後に、インターバルとして30秒休む。
トレーニングのコツ
- 背筋を曲げないためにも、顔は正面を向いているようにする
- つま先が外角に向けて40度程度広がっている状態をキープする
- 体を下げるときはゆっくりと、元に戻すときは素早くを意識する
- 膝が内側に入らないよう意識する
- バランスを保つために、背筋と腹筋を意識してフォームを安定させる
ワイドスクワットのポイントは、正しい姿勢で行いフォームを安定させること。
上半身がグラグラした状態でトレーニングをしても、下半身の筋肉に負荷がかかりにくく思ったような効果が期待できません。
背筋や腹筋を意識し上半身を安定させること、前かがみにならないよう前を向いてトレーニングすることに気をつけてみましょう。
【参考記事】ワイドスクワットのやり方を詳しく解説▽
ランナー向けのスクワットメニュー4. シングルレッグスクワット
「シングルレッグスクワット」は別名片足立ちスクワットとも呼ばれているトレーニングで、より負荷をかけて下半身を鍛えたい人におすすめです。
片足をベンチや椅子に乗せた状態でスクワットをすることで、太ももの筋肉やお尻の筋肉への効果が期待できます。
とくにもも前の筋肉「大腿四頭筋」を鍛えられるため、ランニング終盤まで強い下半身を作りたい人はぜひチャレンジしてみてください。
トレーニングの正しいやり方
- 自分が立っている後ろ側に、膝と同じ高さのベンチや椅子を用意する
- ベンチや椅子と足の長さ分離れて立つ
- 片足は前に出し、もう片方の足をベンチや椅子に乗せる
- 前に出した足をゆっくりと曲げて、重心を落としていく
- 大腿四頭筋が伸縮していると感じたところでストップ
- 元の姿勢に戻す
- 反対側の足を前に踏み出して、同じ動作を行う
シングルレッグスクワットの目安は、左右20回ずつ×3セット。1セットが終わった後に、インターバルとして30秒休む。
トレーニングのコツ
- 体幹を意識して、全身でバランスを取るように意識する
- 大腿四頭筋やお尻の筋肉を意識して取り組む
- 背筋を曲げないよう、上半身はまっすぐの状態をキープする
- ベンチや椅子に乗せた足は力を抜いてリラックスさせる
- 腕の反動を使わないように、手は胸の前から動かさない
シングルレッグスクワットはスクワットの中でもバランスが取りにくいトレーニングとなるため、体幹を意識して全身でバランスを保つところがポイントです。
ベンチや椅子に乗せたほうの足に力が入りすぎていると、バランスが取りにくくなり上手に負荷がかかりません。
前に出した足に力を入れる、上半身は体幹を意識して曲げないようにすることに注意して取り組んでみましょう。
【参考記事】シングルレッグスクワットの効果的なやり方とは?▽
ランナー向けのスクワットメニュー5. スプリットスクワット
「スプリットスクワット」は、大殿筋やハムストリングス、大腿四頭筋などのお尻や太もも周りにある筋肉をバランスよく鍛えられるところが特徴です。
フロントラウンジと同じように走る姿勢に近いフォームでトレーニングをするため、ランニングをする人に向いています。
下半身の筋肉をバランスよく鍛えていきたい人は、ぜひ取り組んでみてください。
トレーニングの正しいやり方
- 肩幅の広さに両足を開いて、まっすぐ立つ
- 片方の足を大きく前に踏み出す
- 腕の反動を使わないように、両手は腰にあてる
- 前に出した足に体重をかけて、ゆっくりと重心を下げていく
- 床と前に出した足の太ももが平行になるところでストップ
- 元の姿勢に戻す
- 反対側の足を前に踏み出し、同じ動作を行う
スプリットスクワットの目安は、左右20回ずつ×3セット。1セットが終わった後に、インターバルとして30秒休む。
トレーニングのコツ
- 一つ一つの動作を丁寧に行って、負荷をかける
- 後ろ足のかかとは浮かせた状態を意識する
- 両足ともまっすぐと前を向けて、内側や外側に入らないようにする
- 重心を下げていくときに、後ろ側の足の膝を床につけない
- 背筋は伸ばしたまま取り組む
スプリットスクワットのコツは、両足がしっかりと前を向いている状態をキープすることです。
左右どちらかの足の膝が内側や外側に入っている状態や足が歪んでいる状態では、負荷がかけにくく期待している効果が得られない可能性も。
1回ずつ膝の位置と両足の向きをチェックしながらトレーニングをしてみましょう。
【参考記事】スプリットスクワットのやり方を詳しく解説します▽
ランナー向けのスクワットメニュー6. バーベルバックスクワット
「バーベルバックスクワット」はバーベルを使い負荷をプラスすることで、より効果的に大腿四頭筋を鍛えられるところがポイントです。
通常のスクワットは自分の体重分しか負荷がかかりませんが、バーベルを利用することで刺激が大きくなり集中的に大腿四頭筋を刺激できるようになります。
下半身の筋肉を使う瞬発力が必要な短距離ランナー向けのトレーニングなので、ぜひチャレンジしてみてください。
トレーニングの正しいやり方
- パワーラックに自分に合うバーベルをセットし、両手で握る
- 首の付け根辺りにシャフトを乗せ、バーベルを持ち上げる準備をする
- 両足は肩幅くらいの広さに開いて、背筋を伸ばす
- バーベルを持ち上げて、地面と太ももが平行になるまで重心を下げていく
- 地面と太ももが平行になったところでストップ
- 膝を伸ばしきらないところまで戻す
バーベルバックスクワットの目安は、10回×3セット。1セットが終わった後に、インターバルとして3分間休む。
トレーニングのコツ
- どちらかの肩が前に出ないよう、上下にだけ体を動かすことを意識する
- つま先よりも膝が前に出ないように、確認しながら取り組む
- 背中を丸めないよう、背筋を伸ばした状態を意識する
- スクワットができるように、やや軽めのバーベルを選ぶ
- しっかり負荷をかけるため、体勢を戻すときは素早く持ち上げる
バーベルバックスクワットは器具を使用する分、自重トレーニングと比較すると負荷が高いトレーニング。
腰を丸める、肩を前後に突き出すなど間違った姿勢で行ってしまうと、腰や肩に大きな負担がかかって怪我につながることも少なくありません。
1回ずつ正しい姿勢でスクワットができているのかを確認しながら取り組むようにしてください。
【参考記事】バーベルスクワット の効果的なやり方とは?▽
ランナー向けスクワットの効果的なやり方|頻度・回数・重量を詳しく解説します
ここからは、ダイエット目的・ランニング初心者や長距離ランナー、短距離ランナー別に効果的や頻度や回数、ポイントをご紹介します。
どのようにスクワットを続ければいいのか参考になるはずなので、ぜひチェックしてみてください。
1. ダイエット目的・初心者の方は無理せず継続することを目標に。
初心者やダイエット目的でランニングをしている方は、無理のない範囲で継続することが大切です。
バーベルなどの器具を使用しない「ノーマルスクワット」や「フロントランジ」を週に2~3回、基本的な15回×3セットからスタートしてみましょう。
スクワットを継続することでランニングだけでは鍛えられない体幹や下半身の筋力あっぷが期待でき、安定したランニングや痩せやすい体質づくりに繋がります。
2. 長距離ランナーは低重量・高回数で。
長距離ランナーはレースでも練習でも長距離を走るため、知らず知らずのうちに筋肉や関節、靭帯に負担が蓄積されている可能性があります。
スクワットを取り入れることで、安定した関節づくりや膝周りの筋力アップが期待できます。長距離ランナーは大きな筋肉は必要ないためスクワットをするときには低重量、高回数を意識してみましょう。
その結果、長距離を走るときの怪我予防やバランスの崩れたランニングフォームの修正に役立ちます。
3. 短距離ランナーは高重量・低回数で速筋をつける
短距離ランナーはランニングスピードアップが課題となってくるので、パワーに富む速筋を鍛える必要があります。
スクワットをするときには高重量、低回数を意識しましょう。
例えば、1~3回数ほどしか上げることのできない負荷を付けたバーベルバックスクワットを数セット行うことがおすすめです。正しい姿勢で大きな負荷をかけることで、下半身全体と体幹と速筋強化が期待できます。
ランナーこそ、スクワットでバランスよく筋肉を鍛えよう!
ランナーは、スクワットを取り入れることで効率よく下半身を鍛えられるだけでなく、怪我防止や下半身の筋力アップにも繋がります。
今回ご紹介した6つのスクワットから自分に合ったものを選び、正しいフォームで継続しましょう。よりランニングが楽しめるようになりますよ。
【参考記事】スクワットの基本を抑えて効果的に鍛えよう▽
【参考記事】自重スクワットの負荷を上げる方法とは?▽
【参考記事】スクワットは正しい呼吸で取り組む方がいい▽
【参考記事】スクワット以外にも、効果的な自重トレーニングはたくさんある▽
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