交渉力がある人の特徴とは?交渉の12のコツ&効果的な心理学を解説

HaRuKa 2022.01.28
交渉力のある人に憧れることってありますよね。本記事では、交渉するのが上手い人の特徴や、交渉力をつけるためのコツや方法をご紹介!さらには、交渉力を上げるために使える心理学から、交渉力を高める本までお教えします。ぜひ参考にして、仕事の成果を伸ばしてくださいね。

仕事で使える交渉力が欲しい方へ。

交渉力がある人の特徴

交渉力のある人を見ると、つい「かっこいいな」と思ってしまう人もいるかもしれません。交渉力とは何なのか、つい疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では、「交渉とは」という意味の解説から交渉がうまい人の特徴、さらには交渉する時のコツや交渉の時に使える心理学について解説します。

交渉力をあげたい人は参考にして、実りある交渉を実現させてみてくださいね。


そもそも交渉とは?交渉の意味を解説!

そもそも「交渉力とは?」と疑問に思っている人もいるかもしれません。交渉とはお互いが納得できるような答えを見つけるために話し合うことを意味しています。

勝ち負けで捉えるのではなく、お互い納得できる落としどころをしっかりと考慮した上で話し合うもの。

対立という形ではなく、あくまでお互いに会話という認識の中で、最終的なゴールを見つけようとします。


「交渉」と「折衝」の違いについて

折衝とは、お互いが納得できるような妥協点を見つける作業のこと。交渉が難航しそうな時や利害関係が一致しないような時、お互いの妥協点を探ろうとして折衝が行われます。

お互いに折り合いをつけるために話し合うことをゴールとしており、納得する答えを見つけようとする交渉とは異なるので注意してください。


交渉するのが上手い人の5つの特徴

交渉が上手い人は、いったいどのような特徴を持っているのか気になる人も多いでしょう。

ここでは、交渉するのが上手い人の特徴について解説します。

人心掌握に長けた交渉力が上手い人の共通点を見ていきましょう!


交渉が上手い人の特徴1. 適度に楽観的で、細かい事に動じない

交渉力のある人は細かいことに動じないので、相手は安心感を覚えやすいといえるでしょう。

もしネガティブでいつもおどおどしていると、交渉相手も「この人で大丈夫かな」とつい不安に思ってしまうはず。

交渉が上手い人はいつも楽観的で、器の大きい人も多いです。交渉する中で相手は安心して、「この人なら大丈夫」と交渉が上手く進みやすくなります。

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交渉が上手い人の特徴2. 観察力に優れている

交渉が上手い人は、相手がどう思っているのか気持ちを読むことに長けていることもしばしば。交渉をうまく進行させるには、タイミングが大事です。相手がその気になっていないのに強く押してしまえば、交渉が決裂する可能性も。

相手の仕草や話すときの表情などを観察しながら、押す場面と引く場面をしっかり見極めて戦法を変えることも多いです。


交渉が上手い人の特徴3. 交渉相手の話をよく聞く

交渉相手の話をじっくり聞こうとするので、会話が自然と発展して相手が心を開きやすいのも交渉力のある人の特徴の一つ。

相手の話をあまり聞かずに一方的に話していても、相手はなかなか前向きな気持ちにならないことも多いでしょう。相手の話をしっかりと聞いていい気分になってもらうことで、交渉を有利に進めることも少なくありません。


交渉が上手い人の特徴4. 「No」をはっきりと言う勇気がある

交渉力のある人は、相手の言いなりになることもあまりありません。交渉していてあまり自分にメリットがない場合、相手に合わせるのではなく、「No」とはっきり言うことも多いでしょう。

そうした強気の姿勢を持ち合わせているので、相手優位の交渉になることもなく、お互い納得感のある交渉になりやすいといえますよ。


交渉が上手い人の特徴5. 相手のメリットになることを始めにする

交渉力がある人は、自分の利益をすぐに優先しようとしないのが特徴。相手と上手く交渉するためには、相手にもしっかりとメリットを提示しなければなりませんよね。

先に相手のメリットとなることを話すことで、交渉相手は「自分も何かメリットを提示しなきゃ」という気持ちになりやすいです。さらに相手を優先させる姿勢に気持ちよさも感じるので、交渉がスムーズにいきやすいでしょう。


交渉力をつけるためには?交渉する時の12個のコツ

交渉力をつけたいと思った時、どのようなことが必要になるのか悩んでしまう人もいるでしょう。ここでは、交渉する時のコツについて解説します。

日頃から交渉がうまくいかない人はぜひ参考にして、「いいな」と思うものがあればぜひ取り入れてみてくださいね。


交渉をする時のコツや方法:事前準備編

ここでは、事前準備として交渉する時のコツや方法について解説します。事前にやっておきたいことも非常に様々。事前準備をしっかりとすることで、交渉も有利に進みやすくなるはず。

ぜひ参考にして、完璧な準備をして交渉に挑んでくださいね。


事前準備1. 交渉の目的を整理する

まず第一に確認しておきたいのが、なんのために交渉するのか。交渉の目的がはっきりしていないと、交渉している時に「交渉のゴールはどこだっけ」と迷ってしまい、交渉もスムーズに進みにくくなります。

目的をはっきりさせることで交渉のイメージがしやすくなるはず。話がぎこちなくなることもなく、納得した交渉になりやすいでしょう。


事前準備2. 交渉相手の情報や、ニーズを徹底的に分析する

相手の状況をしっかりと把握しておくことも、交渉術の一つとしてしっかりとやっておきたいところ。交渉相手をしっかりと分析することなく交渉の対策を立てたとしても、なかなかうまくいかないでしょう。

相手がどんなことを求めているのかをしっかりと把握しておくことで、相手へのメリットもしっかり提示でき、交渉が上手くいきやすくなります。


事前準備3. 提案にあたって想定される疑問や、不満を洗い出す

スムーズな交渉にしたい時は、相手から想定される質問を考えておくことも大切なこと。

何も考えずに交渉に臨んだ時、相手から質問されてもしっかりと答えられない可能性も。相手からすると、「大丈夫かな」と不安になりやすいです。

しっかりと質問を想定しておけば交渉でぎこちなくなりにくく、相手も安心感を覚えやすいでしょう


事前準備4. 交渉を進めるデッドラインを決めておく

その場で判断をする時の基準を設けておくことも交渉術の一つ。例えば交渉している時、相手が値下げを要求してくるケースも少なくないはず。

あまりにも値下げしすぎると、自分に有利になりにくいですよね。「これ以上値下げしたら利益が出ない」など判断するための現状を把握して、あらかじめ基準を設けておきましょう。


事前準備5. 交渉相手の中で決定権は誰にあるのか確認しておく

交渉相手の中で、誰が重要人物なのかを絞り出しておきましょう。いくら相手を説得できるような発言をしたとしても、決定権のない人に言っても交渉は決まりません。

誰に決定権があるのかしっかりと確認しておくことで、本番の交渉の時決定権のある人にターゲットを絞れるので、交渉が上手くいく確率もアップするでしょう。


事前準備6. 他の提案や選択肢も準備しておく

交渉のシミュレーションをしていいイメージを持っていたとしても、本番ではその通りにいくとは限りませんよね。相手からの合意が得られず、話がまとまらないこともあるかもしれません。

そんな状況を考慮して、他の提案を用意しておくことも大切なこと。代替案を準備しておくことで交渉が決裂しにくくなり、スムーズに進む可能性もあるでしょう。


交渉をする時のコツや方法:事中編

交渉する場合、事前準備も大切ですが、やはり鍵を握るのは事中。交渉の事中でうまくいかなければ、事前準備をした意味もありませんよね。

ここでは、事中編における交渉のコツについて解説します。ぜひ参考にして、交渉を有利に進めてみてくださいね。


事中の交渉術1. 誠実で清潔感のある外見を心掛ける

交渉する時は、話の内容だけでなく見た目にもしっかりとこだわることが大切。人は第一印象でその人を判断することも多いです、初対面でヨレヨレのスーツなどを着ていれば、相手も思わず不安になってしまいます。

誠実かつ清潔感のある見た目を心がけることで、相手は「この人なら信頼できそうだ」と思いやすく、交渉も思い通りに進めやすくなるはずです。

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事中の交渉術2. 信頼を得るために信頼関係(ラポール)を築く

交渉において信頼関係は必要不可欠。信頼関係があることで相手も警戒心がなくなり、安心して話ができるようになるので提案が通りやすくなります。

相手が話をしている時に傾聴する姿勢を見せたり、さらには交渉する前に雑談を取り入れたりしてみましょう。相手との信頼関係をしっかりと構築しやすくなり、交渉もスムーズに進みやすくなります。


事中の交渉術3. 相手目線に立ち、Win-Winの提案をする

交渉している時、独りよがりな話にならないよう注意しておくことも大切なこと。なんとか自分有利に進めようとして自分のメリットを優先してしまうと、相手もいい思いはせずに交渉が難航してしまいがち。

交渉する時は、双方にメリットがあるような提案をすることが大切。相手のメリットをしっかりと考慮した上で提案することで相手も納得しやすくなり、実りある交渉になりやすいといえます。


事中の交渉術4. 結論を述べてから理由を述べ、簡潔に話す

話す順番を意識することで、相手からの印象も大きく変えるのもおすすめしたい交渉術の一つ。結論を最後に持ってくるような話し方だと、相手は「何が言いたいのかわからない」とイライラしてしまう可能性も。

結論から先に話すことを意識しておくことで、相手は「簡潔でわかりやすい」と好印象に感じることも多く、話がスムーズに相手の頭の中に入りやすくなるでしょう。


事中の交渉術5. 堂々とした立ち振舞いをする

交渉している時の態度にも気をつけておきたいところ。交渉している時、自信がなくナヨナヨとした姿をしていると、相手も「この人大丈夫かな」と不安になってしまい、交渉も上手くいきにくいです。

堂々として自信があるような立ち振る舞いをすることで、相手も安心感を覚えやすいはず。話も発展しやすくなり、交渉がスムーズに進みやすいでしょう。


事中の交渉術6. できない事は、はっきりと断る

交渉している時、自分ができないことを提案されるケースも少なくありません。目の前の利益を優先してできない事を引き受けてしまえば、場合よっては信用を失うことにつながる可能性も。

できないと思った時は、「できません」とはっきりと言うことも大切。正直にいることで信頼関係も構築されやすく、交渉が上手くいく可能性もアップしやすいです。


交渉力を上げたい!交渉の際に使える10個の心理学

交渉している時、役立つ心理学も様々存在しているのはご存知でしたか。ここでは、交渉の時に使える心理学について解説します。

交渉力をもっとつけたいと考えている人はぜひ参考にして、心理学を活かして有利な交渉を進めてみてくださいね。


心理学1. ミラーリング

ミラーリングとは、相手の仕草の真似をする手法を指す心理学です。相手に動きをあわせて無意識的に似ている存在だと思わせることで、親近感を抱かせることが可能に。

声のトーンや口調など、相手にあわせるよう意識することで、次第に相手は「この人なら大丈夫そう」と信頼してもらえるようになり、交渉においてもスムーズに進みやすいです。


心理学2. ダブルバインド

ダブルバインドとは、2つの選択肢を出すことで、断る選択を消す手法を意味した心理学のこと。人はあらかじめ、決められた選択肢のみに目がいくことが多いです。

「お客様の場合、この商品もしくはあの商品がおすすめです」などと選択肢をあえて絞っておくことで、交渉が難航しにくくなり、お互い納得できる交渉になりやすいといえます。


心理学3. バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、人気のあるものや支持されている商品に対して、つい惹かれてしまう心理を指しています。

例えば交渉の時に、「他のみなさんも使っているんですよ」「多くの方に支持されている商品です」などと言えば、相手も興味を示しやすいはず。

「だったら買ってみようかな」と思うことも少なくなく、交渉が上手くいきやすくなるでしょう。


心理学4. キャリブレーション

相手を観察し心理を読み取ることを、キャリブレーションと言います。人はコミュニケーションをとる時、言葉以外の部分でも様々なメッセージを発信している傾向に。

交渉の時では、表情やジェスチャー、さらには声のトーンなど、様々な部分をしっかりと観察するよう意識してみてください。

相手の考えることを察知することで押したり引いたりするタイミングがわかるので、交渉もうまく進めやすいでしょう。


心理学5. アンカリング

アンカリングとは、印象的な情報が基準となり、その後の行動に影響を与える効果のことを指しています。マーケティングの世界でも有名な言葉で、価格交渉の時にはより有利に進めやすくなるはず。

例えば交渉で価格の話になった時、「以前は10万円だったんですけど値下げして3万円になったんですよね」定時すれば、相手は「ものすごいお得かもしれない」と思うようになり、商品の購入に繋がりやすくなります。


心理学6. ドア・イン・ザ・フェイス

大きな要求を突きつけ、相手に断らせてから負担の小さい要求を出す手法がドア・イン・ザ・フェイス。

商品を提案する時、最初に高めの値段を言えば断られる可能性も高いですよね。相手に何度も断らせる中で値段を下げてみてください。

相手は次第に罪悪感を覚えるようになり、「せっかくだし相手のお願いを聞こうかな」と思ってくれるはずですよ。


心理学7. フット・イン・ザ・ドア

フット・イン・ザ・ドアとは、最初に小さい要求を出して受け入れてもらい、次に少しずつ要求を積み重ねていく手法のこと。

例えば交渉する時、なかなか相手が時間を割いてくれないケースも。そんな時は、「まずは話を聞くだけで構いませんので…」などと小さなお願いをしてみてください。

次第に相手に受け入れてもらうことで、信頼されるようになり、スムーズな交渉に進みやすくなるはずです。


心理学8. セルフ・ハンディキャッピング

セルフ・ハンディキャッピングとは、自分の不利を前もって相手に訴えることで、失敗した時の言い訳を用意しておく手法のこと。

例えば交渉の時、事前に「期待をしないでください」とあえて伝えておきましょう。そうすると実際にうまくいかなかった時の予防線になるので、相手もがっかりしにくく、関係性が崩れにくくなりますよ。


心理学9. ハード・トゥ・ゲット

相手を特別扱いをすることで、相手から信頼を得る手法をハード・トゥ・ゲットと言います。

交渉の時に、「これは御社だけなんです」といった特別感を出すことで、相手は特別扱いされたことで嬉しくなり、自然と相手に好意や信頼を寄せてしまいがち。

「あなただけ」という希少性を相手に感じさせることで、相手も交渉に前向きになりやすいです。


心理学10. ラベリング効果

ラベリング効果とは、レッテルを貼りつけてその通りに誘導させる手法のこと。例えば 「〇〇さんって本当にかっこいいですね。」と相手を褒めたとします。

そうすると褒められた相手は、次第に外見を意識しだして、おしゃれであろうとする行動をしようとするでしょう。

ラベリング効果を交渉の場でも活用することで、「期待に応えたい」と相手は思うようになり、交渉がスムーズに進みやすくなります。

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交渉力を向上させたい人におすすめの本3選

交渉力を向上させたい時、ぜひおすすめしたいのが本。本を活用することで、「こういう方法もあったんだ」と交渉における新たな発見につながることも多いでしょう。

ここでは、交渉力を向上させたい人にぜひおすすめしたい本を解説します。


おすすめ本1. 「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ

影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか

まずおすすめしたいのが、承諾に関する人間のメカニズムに迫った「影響力の武器」。承諾誘導に関する様々なテクニックがこの一冊で学べます。

事例なども多く載っており、読んでて非常にわかりやすさを感じるのもおすすめポイント。交渉において相手をどう納得させて誘導させればいいか悩んでいる人は、ぜひ手にとってみてくださいね。

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おすすめ本2. 「ハーバード流交渉術」ロジャー フィッシャー

ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!

交渉術に関するあらゆる方法を解説した「ハーバード流交渉術」。相手が交渉の話にのってこない時や相手の方が交渉で有利な時など、様々な場面で活用できる交渉術が学べます。

とにかくどんな状況であっても交渉を有利に進めたいと思った時は、ぜひ「ハーバード流交渉術」を手にとって読んでみることをおすすめします。

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おすすめ本3. 「武器としての交渉思考」瀧本 哲史

武器としての交渉思考 (星海社新書)

実際の大学で教えられていることを一冊にまとめた本。自分だけでなく相手との利害関係を分析しながら、相手との合意を目指すことについて書かれています。

さらに交渉相手を「仲間」と認識してアクションを起こす思考についても記載されており、ビジネス以外の面でも役立つことが多く書かれている一冊だといえるでしょう。交渉相手といい関係性を構築したい人におすすめです。

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交渉術を身に着けて、仕事で活かしましょう。

ここまで、「交渉とは」という意味の解説から交渉がうまい人の特徴、さらには交渉する時のコツや使える心理学について解説しました。

交渉力とは、自分だけでなく相手も同時に納得させる力を指しています。交渉が上手くいくコツも様々存在しているので、ぜひ参考にして双方にメリットがある、実りある交渉にしてみてくださいね。


【参考記事】はこちら▽

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