"お含みおきください"の意味/例文。目上への使い方|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.09.10
"知っておいてね"を伝えられる敬語、お含みおきください。「ご承知おきください」と比較される敬語ですが、どのような違いがあるのか。今回は、お含みおきくださいの意味から目上には使える例文、言い換えで使える敬語まで徹底解説。ビジネス敬語の使い方をマスターしましょう。

「お含みおきください」の意味とは?

ご了承いただきの類語のお含みおきくださいの意味

事情をよく理解して、心にとめておいて欲しいという意味の「含みおく」を丁寧にした敬語表現が、「お含みおきください」です。

別の表記としては、「お含みおき下さい」や、「御含み」とするもの、「お含み置きください」などがあり、ビジネスの場、メールや文書など使用するシーンによって、使い分けると良いでしょう

「含みおきください」とは言わず、”お”が含みおくの前にくることで、相手に対して配慮して欲しいことがあった際の表現として、丁寧な印象を与えられますよ

この表現は目上の人に対しても使用できるので、上司や取引先の方へのビジネスメールに活用していきましょう。


「お含みおきください」の使い方・タイミングとは?

お含みおきくださいの使い方

「お含みおきください」は、何か事前に知っておいて欲しいことがある時、「知っておいてください」というニュアンスを丁寧に伝える敬語表現です。

例えば、暫く担当が不在で別の者が代わりに担当となる場合などに、
「弊社都合で申し訳ございませんが、担当◯◯は不在のため、代わりまして◯◯が担当させていただきますこと、お含みおきください」
というような表現で、自社都合による迷惑を掛けることへの理解を求める時にも使えます。

自社都合といえば、長期休暇等で対応が遅れたり、通常よりも納期が掛かる際などにも「お含みおきください」は便利な表現です


「お含みおきください」は、目上の人に使える敬語なのか?

お含みおきくださいは目上の人へ使えるのか

ビジネス敬語では、使用して良いシーン、対象に悩むことが少なくありませんが、「お含みおきください」は目上の人にも使える表現です。

同じような表現で、「ご承知おきください」がありますが、こちらは目上の人に使うと、「知っておいてください」と命令の意味合いを感じてしまいますので、少しきつく、場合によっては失礼な表現となってしまいます。

広く社外に向けてメールや文書で使い、目上の人に失礼のない表現を目指すなら、敬語表現である「お含みおきください」を使うのが間違いもなく、シンプルで覚えやすいと思います。


「お含みおきください」を使った丁寧な例文一覧

お手すきの際にを使う上での注意点③ 使いすぎない
  • 本日より、夏季休暇となり15日まで休業させていただきますこと、お含みおきくださいませ。なお、休暇中のご注文は…
  • ご注文より7日間、お支払いなき場合、弊社判断にてキャンセルとさせていただきますこと、予め、お含みおきくださいませ
  • 当券は発行日、ご本人様のみご使用可能であること、お含みおきください。第三者への譲渡、転売等は禁止されております。
  • 当施設ご利用の際には、契約時に郵送の利用規約、施設内ルール等をお含みおきくださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。

例文にもあるように、自社都合を顧客に事前に告知するメールや文書などで使用するとよいでしょう

また、発行したチケット、契約された施設の使用条件、利用規約やルールを確認して欲しい際にも、丁寧な敬語表現として「お含みおきください」は用いることができます。

メールや文書だけでなく、会話でも使える表現かつ、目上の人にも安心して使える敬語表現なので、例文を参考に、利用できるシーンがあれば積極的に活用しましょう。

【「例文」で使われている敬語】
「よろしくお願いいたします」の正しい使い方|ビジネスメールの例文まで解説

「弊社」と「当社」の意味/使い方|どちらが自社内ではどっちを使う?


「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違いとは?

承知の使い方⑤ご承知おきくださいの意味とは

「お含みおきください」と「ご承知おきください」は、共通点もありながら、使い方がことなる表現です。

目上の人、社外へ向けた敬語表現としては、「お含みおきください」が適切で、「ご承知おきください」は知っておいて欲しいということを指しながらも、丁寧さが薄れる印象ですので、あまり使わない方が良いでしょう

知っておいてくださいというニュアンスを丁寧に伝えたいなら「お含みおきください」を、「ご承知おきください」はただ知っておいてくださいと伝えたい、命令や要請の意味合いがある謙譲語なので、失礼のないよう注意が必要です。

【参考記事】「ご承知おきください」は目下に使う。使い方を例文付きで解説


「お含みおきください」と言い換えできる類語一覧

お含みおきくださいの類語① ご了承ください

ご留意くださいの類語のご了承くださいます

「お含みおきください」の類語表現として、「ご了承ください」も使われます。

ただ、目上や上司に用いるのは適切ではなく、「ご了承いただけますと、幸いです」や「ご了承のほど、よろしくお願いいたします。」などのように、言葉を添えて使うとよいでしょう。

知っておいてくださいという意味以外にも、相手に対して不都合があることを伝える時に使います。面倒を掛けることを許してもらうという用途でも使われ、ビジネスの場ではメールや文書、会話で欠かせない表現となりますで、例文を参考に使い方をしっかりとマスターしましょう。

「ご了承ください」の使い方

  • 本日は18時に営業終了ですので、ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
  • お問い合わせ対応は土日を含まない、3営業日以内となりますのでご了承くださいませ。
  • ◯◯の件、ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

【「例文」で使われている敬語一覧】
「ご了承ください」の使い方を例文付きで分かりやすく解説します

「了承」の使い方ガイド。目上の人に使える敬語表現とは?

「お願い申し上げます」を使った例文集|依頼する時は丁寧に伝えよう!


お含みおきくださいの類語② ご理解ください

ご理解くださいの意味や使い方

「お含みおきください」の類語表現、「ご理解ください」もビジネスの現場で、よく使われます。

「理解」して欲しいというのは、知っておいてくださいと近い意味なのですが、へりくだるような意味合いはなく、目上の方に使うのは失礼な印象を受けます。

一方、「ご理解ください」とすることで、目上の方や上司、メールや文書での使用でも丁寧な敬語表現となりますので、例文を参考に使い方をしっかりと覚え、失礼のないようにしましょう。

ほんの少し表現が違うだけで、相手に与える印象もかなり違いますので、正しい敬語表現をマスターしてください。

「ご理解ください」の使い方

  • ご対応につきましては、週明け順次対応となりますこと、ご理解くださいませ。
  • 弊社の事情も何卒、ご理解くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。
  • 弊社都合ながら、ご回答を控えさせていただくこと、どうかご理解ください。

お含みおきくださいの類語③ ご容赦ください

お含みおきくださいの類語のご容赦くださいの意味

「お含みおきください」の類語表現として用いられるのが、「ご容赦ください」です。容赦とは、許すことを乞う時に使う表現で、「ご容赦ください」は容赦を丁寧に表現した、敬語表現です。

ビジネスの場でよく見かける表現ですので、例文を確認してよく理解しましょう。会話よりも、メールや文書での表現として用いられることが多く、ビジネスシーンでは欠かすことのできない表現の一つです。

知っておいて欲しいというニュアンス以外に、不便を掛けることや失礼を許して欲しいという意味合いを持ちますので、適切なシーンで使えるようにしてくださいね。

「ご容赦ください」の使い方

  • 誠に勝手ではございますが、本規定はお客様の承諾なく変更となることがございますことを、ご容赦くださいませ。
  • 当社の都合により、本日は18時終業となりますので、ご返答は明日以降となります。何卒、ご容赦ください。
  • ご注文のタイミングによっては、お届けまでお時間を頂戴しますこと、何卒ご容赦くださいますよう、よろしくお願いいたします。

お含みおきくださいの類語④ お知りおきください

お含みおきくださいの類語のお知りくださいの意味

知っておく、承知しておくという意味を持つ「知りおく」を丁寧にした敬語表現、「お知りおきください」も同じく、「お含みおきください」の類語表現として使われます。

ビジネス上でも、上司や目上の方にも使える敬語表現ですが、使い方やシーンをしっかりと理解しなければいけません。

会話でも使えますが、相手への敬意を忘れず、
「この度、1週間ほど休暇を頂戴することとなりました。◯◯様におかれましては、お知りおきくださいますよう、お願いいたします」
などのように、なるべく長めの文章で丁寧に知っておいて欲しいことを伝えましょう。

「お知りおきください」の使い方

  • 当社は15日まで夏季休暇を頂戴いたします。お取引先様各位におかれましては、何卒お知りおきくださいますよう、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
  • 本日、担当◯◯が欠勤のため、ご対応に数日頂戴いたしますこと、お知りおきくださいませ。
  • 当方が製造しました◯◯は国産の材料のみを厳選し使用しておりますこと、お知りおきくださり、安心してお召し上がりくださいませ。

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