"弊社"と"当社"の意味/使い分け。自社内ではどちら?|ビジネス敬語ガイド
「弊社」を使ったビジネス例文とは?
- 販売した商品のクレーム内容については、弊社の〇〇から聞いております。
- このたびは弊社へのご来訪いただき、まことにありがとうございます。社員一同心よりお待ちしておりました。
- 本来なら伺うべきところ、わざわざ弊社にご足労いただき恐縮です。
- 来期のビジネスに関して、弊社へのご支援をよろしくお願いいたします。
- 弊社のサポートが必要とあれば、遠慮なくお申し付けください。
- 申し訳ありませんが、弊社のビジネスは午後6時までの営業時間となっております。
「弊社」がよく使われるシチュエーションとして、取引先などの相手企業に何らかの迷惑をかけてしまった場合があります。こちらからお願いごとがある場合にも使われますね。
どちらの場合も下手に出る必要があるので、へりくだった意味合いがある「弊社」を使うのが一般的です。また、顧客に対して何らかのサポートが必要な場合にも「弊社」を使います。
商品についての質問や、営業時間の問合せなどのように。このようにビジネス上、立場が上位になる相手とのシチュエーションでは「弊社」や「弊社内」を使うのが無難です。
【「例文」で使われている敬語】
・「来訪」の正しい使い方|取引先が帰った時に使えるお礼の例文まで解説!
・「ご足労いただき」の丁寧な例文|上司や取引先など目上に使えるテンプレ集
・「ご支援」の意味/使い方|例文から言い換えできる類語まで簡単に説明します
「当社」を使ったビジネス例文とは?
- 採用担当者が知りたいのは、あなたが当社を知ったきっかけです。
- ホームページに載っている当社の経営コンセプトは、お客様を大切にするということです。
- テレビのコマーシャルで使われているのは、当社で販売している製品です。
- 当社にとって必要なのは、ビジネスの現場で指導力を発揮できる人材です。
- マスコミで話題になっているビジネストラブルについて、当社は全く関係しておりません。
- もしも当社の方針に従わない場合は、契約解除もありえます。
「当社」がよく使われるシチュエーションは、毅然とした態度を主張したい場合が多いです。
例えば、会社の経営理念やコンセプトなどを世間に公表するときなど、「当社」を使うことで自信や実績といったプラスイメージを強く押し出せます。
販売している商品などを自信を持って相手にすすめたいときや、マイナスイメージを払拭するときにも。また、自社のプランを積極的に提案したいシチュエーションなどでも、「当社」を使った方が力強いイメージになります。
「弊社」「当社」と似た言い換え類語とは?
類語①「自社」の意味・使い方とは?
「自社」という言葉もよく使われますが、主に立場が対等な相手に対して使用します。同じ社内の人間同士で会話するときなどに使いますが、同僚や上司など地位の上下に関係なく使えるので便利です。
社外の相手を話すときも、「自社の製品」や「自社の立場」などのように使われるのが一般的。「当社」と同じようなシチュエーションで使いますが、「自社」の場合はもう少し砕けたイメージに。
「自社」は一般的に使われる言葉なので、特に相手を尊重する場合以外は自由に使えて便利です。
類語②「我が社」の意味・使い方とは?
「我が社」も「当社」や「自社」と同じようなシチュエーションで使います。「我が社の方針について」などのように自社の者に対して使うこともありますが、多くの場合は社外の人間に対して使う表現です。
「弊社」のようにへりくだった言い方ではなく、対等な立場の相手に使うのが「我が社」。
一般的なビジネス会話では「自社」や「当社」などの方が自然に使われていますが、演説や報告などの場合は「我が社」の方が適しているでしょう。団結力を強める効果が得られるからです。
類語③「小社」の意味・使い方とは?
「小社」は社外の相手に対して使う言葉で、「弊社」と同じくへりくだった言い方になります。「弊社」よりもどちらかというと、会社の規模が小さい場合に「小社」を使う傾向が多いようです。
「小社」は「商社」と発音が同じなので、使い方に気をつける必要も。時と場合を考えて使わないと勘違いされることもあります。
また大企業であるにも関わらず「小社」などと使うと、相手は嫌みに感じることがあるので要注意。「小社」にはより小さなイメージがあるので、あまり頻繁に使わない方が賢明でしょう。
類語④「弊方(へいほう)」の意味・使い方とは?
「弊方」は「へいほう」と読みますが、最近はあまり使われない言葉です。自分のことを「当方」といいますが、さらにへりくだった意味合いが「弊方」。
社外の相手に対して使う言葉ですが、「私ども」といった意味があります。
へりくだった謙譲語としてよく使われるのが「弊社」ですが、基本的には「弊方」も同じですね。「弊社」は会社全体を指すのに対して、「弊方」は組織に属している個々人を指すようです。
へりくだって相手を立てる言い方としては、「弊社」の方がわかりやすいでしょう。
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