"お大事になさってください"の使い方。目上への例文集|ビジネス敬語ガイド

"お大事になさってください"の使い方。目上への例文集|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2022.08.20
体調を崩した相手を気遣う敬語、お大事になさってください。取引先や上司など目上にはもちろん、相手の家族の体調を労るのにも使えます。今回は、お大事になさってくださいの意味から正しい使い方、目上に使える丁寧な例文、言い換えできる類語、返事例まで詳しく解説します!

「お大事になさってください」の意味とは?

ご自愛くださいの類語①お大事になさってくださいの意味とは

「お大事になさってください」とは、体調を悪くしてしまった相手に対する気遣いを意味する敬語表現です

「お大事に」の「大事」は、大切にすることを意味しますから、ここでは体を大切にしてほしいと願っていることを表現しています

「お大事に」だけでも、気遣いを示す言葉ですが、ビジネスシーンの敬語表現として正しく成立させるためには、きちんと動詞を含めて文として成り立たせなければなりません。

それで、「なさってください」という「する」の尊敬語「なさる」をさらに丁寧にした表現を後ろに加えることによって、ビジネスでも使える丁寧なフレーズとなっています。


「お大事になさってください」は、目上の人に使える敬語なのか?

「お大事になさってください」は、目上の人に使える敬語

単体でも敬語表現である「お大事に」という言葉に、「する」を尊敬語と丁寧語にした表現を付け加えています

したがって、とても好感の持てるフレーズなので上司やクライアントなどの目上の方に対する体調を気遣う言葉としても、とてもふさわしいビジネス敬語です。口頭だけでなく、メールなどの文面でも使えます。

特に病気等の連絡への返信は、なかなか直接話したり電話したりできない状況もあるかもしれません。そんな時でも「お大事になさってください」は、文面としても好印象なため、メールや手紙などに記して気遣いを示すとよいでしょう。


「お大事になさってください」は、相手の家族や親族を労るのにも使える。

「お大事になさってください」は上司の家族にも使える敬語

上司の子供や上司の家族などが体調不良や怪我をしてしまったと聞いたときにでも、この「お大事になさってください」というフレーズを使えます

正しい使い方としては、上司の家族という第三者に伝達してもらうわけですから、例文としては、「お大事になさってくださいと伝えてください」というような言い方になります。

ビジネス上直接関係があるわけではないですが、相手の家族や近親者の調子が優れないなら、気遣いを示して、家族の予定を優先してもよいと思っていることを伝えることができるでしょう。


ビジネスで使える「お大事になさってください」を使った例文一覧

お大事になさってくださいを使った例文
  • くれぐれもお大事になさってください。
  • 入院されていると聞きました。ご無理なさらず、お大事になさってください。
  • 一日でも早く回復されることを願っております。お大事になさってください。
  • 奥様が怪我をされたと聞きました。どうぞ、お大事になさるようにお伝えください。
  • お大事になさってください。返信は不要です。
  • ゆっくり休みをとって、お大事になさってください。

社内のチームのメンバーとして「お大事になさってください」と伝えることによって、ゆっくり休めるよう代わりを務めておきますというニュアンスを伝えられます

取引先の担当者に「お大事になさってください」という言葉を送る場合は、回復されるまで取り引きの再開を待っているので、じっくり治してくださいという意図を伝えられます。

体調が優れずに心細く思っているときに、「お大事になさってください」というメッセージをもらうと安心できるため、積極的に使用して相手を気遣ってあげましょう。


「お大事になさってください」と言い換えできる類語一覧

お大事になさってくださいの類語① ご自愛ください

ご自愛くださいの意味とは

「お大事になさってください」の類語に、「ご自愛ください」という表現があります。「自愛」するとは、自分を大切にするということで、体調がすぐれないときに回復を優先してもらいたいということを表現したフレーズです。

「お大事になさってください」というフレーズも体を労わってほしいという願いを込めた言葉ですから、使い方もほぼ同じ意味の言葉といえます

ただし、「ご自愛ください」は、相手が体調不良や怪我をしただけでなく、ビジネスメールの文末にて、気遣いを示す締めの言葉としても使えるため、上手に使い分けるようにしましょう。

「ご自愛ください」の使い方

  • まだまだ暑さが続くようですので、どうぞくれぐれもご自愛ください。
  • 夏の疲れが出る季節になっています。どうぞご自愛ください。
  • 体調不良でお休みされているとお聞きいたしました。どうぞご自愛ください。

お大事になさってくださいの類語② お労りください

ご自愛くださいの類語⑦お労りくださいの意味とは

「おだいじになさってください」は、「お労わりください」と言い換える事も可能です。「労わる」には、気にかけることや大切にすることという意味合いがあり、「お大事になさってください」と同じ使い方ができます。

しかし、この表現には、より回復に専念してほしいというニュアンスのメッセージが含まれています。ビジネスシーンでも、上司などの目上の方に対しても含めて、敬語の表現としての使い方ができます。

また、メールなどに記して気遣いを示すのにも最適な表現です。

「お労りください」の使い方

  • 入院されているとお伺いしました。どうぞお身体をお労わりください。
  • お疲れがでないように、どうぞお労わりください。
  • どうぞお労わりくださいますよう、お願い申し上げます。

お大事になさってくださいの類語③ おいといください

ご自愛くださいの類語③おいといくださいの意味とは

「おいといください」は、メールや手紙の最後に記す挨拶の文言です。

「いとう」は漢字で表現すると「厭う」ですが、「厭う」には大事にするという意味がありますが、嫌うというふうなネガティブな意味も持ち合わせているため、誤解を防ぐべくひらがなで記します。

「お大事になさってください」と同じく、体調を気遣う表現なため、目上の方にも使えるビジネス敬語フレーズです。相手の健康を願う結びの挨拶として重宝するため、ビジネス文書を書く方はぜひ覚えておきたいワードと言えるでしょう。

「おいといください」の使い方

  • 寒くなってまいりました。どうぞお身体をおいといください。
  • 季節の変わり目でございますから、どうぞくれぐれもお身体をおいといくださいませ。
  • 夏が近づいてまいりました。どうぞお身体をおいといください。

お大事になさってくださいの類語④ ご留意ください

ご自愛くださいの類語②ご留意くださいの意味とは

「ご留意ください」は、注意を促してもらうための敬語表現です。「留」は心にとどめること、「意」は意見を意味します。こちらの意見に思いを留めてほしいという願いを丁寧に述べた表現になっています。

「ご留意ください」という表現だけでは健康を願っている表現とはならず、なにかの指示をしているような文面になってしまいますから、例文として「健康」「体調」「お風邪をひかれませんよう」といったワードと一緒に使う必要があります

そのため、丁寧な表現ではありますが、使い方にはくれぐれも注意しましょう。

「ご留意ください」の使い方

  • 季節の変わり目でございますから、どうぞ健康にご留意ください。
  • 暑い日がまだ続くようでございます。どうぞ体調管理にご留意ください。
  • とても寒いですから、お風邪などをひかれませんようご留意ください。

【参考記事】「ご留意ください」の使い方を例文付きで分かりやすく解説!


お大事になさってくださいの類語⑤ 静養なさってください

お大事になさってくださいの類語⑤静養なさってくださいの意味とは

「静養なさってください」というフレーズもお見舞いのときに使える敬語表現です。「お大事になさってください」と同様、目上の方へのお見舞いのメッセージとしての使い方も可能です

「静養」には、病気や怪我の回復のために、心と身体をしっかりと休めること、という意味があります

怪我や病気について知らされたメールなどの返信にこのフレーズを入れると、進行中の仕事のことを気にせずに回復に思いを向けてほしいという願いを表せます。

「静養なさってください」の使い方

  • 手術が無事に終わって何よりです。この機会にしっかりご静養なさってください。
  • ご病気が治るまでゆっくりと静養なさってください。
  • 進行中のプロジェクトのことは、任せていただいて、しっかりご静養なさってください。

お大事になさってくださいの類語⑥ 養生なさってください

お大事になさってくださいの類語⑥養生なさってくださいの意味とは

「養生してください」という「お大事になさってください」の類語があります。「養生」は、健康促進、体調不良の回復、保養などの意味を持つ言葉です。病気などのために欠席している方へのメッセージとして、とてもよいフレーズといえます

目上の方への敬語表現としての使い方もでき、ほとんど「お大事になさってください」と同じ使い方ができると覚えておきましょう。メールなどで気遣いのメッセージを送るというシーンでもOKです。

「養生なさってください」の使い方

  • 本日は体調不良のため欠席とお聞きしました。どうぞご養生なさってください。
  • 欠勤の連絡をありがとうございました。ご養生くださいとお伝えください。
  • 寒い日がまだつづきそうですから、しっかり養生なさってください。

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