「それは、突然の出来事だった」僕は彼女に妊娠を告げられた|第1話

小嶋 2017.05.09
今日も彼女との当たり前の日常が続くと思っていた。そんな僕にかかってきた彼女からの電話。その内容は、想像だにしないものだった。
僕は彼女に妊娠を告げられた


僕には今年の年明けから同棲をしている彼女がいます。生まれが関西で、例に漏れず明るく情に厚い女性です。

そんな陽気な彼女に異変を感じだしたのは半月ほど前。気分のムラが激しくなったり、いつも気だるそうだったり。さらに驚いたのが、苦手だった炭酸飲料を毎日飲みたがるようになったこと。

理由と尋ねると異様に喉が乾き、口の中をすっきりさせたいとのこと。そんな日々が続き、「大丈夫?」と彼女に声をかけても、「多分生理前とちゃう?ごめんな〜」と口にするばかり。もともと生理不順な彼女。以前から「生理痛が重たいほうなんだ」と口にしていたことを思い出し、僕はそのことを知人の女性に相談してみることに。

「一回婦人科に通って生理不順を改善したほうが良いかもね。その様子だと妊娠のとき、つわりも重たくなるかもしれないし。」

そんな優しいアドバイスをもらい、帰ってから彼女に伝えると、「そうなんだ〜、じゃあ次の休みに婦人科に行ってくる!」と吹っ切れたような前向きな顔になりました。

数日後、彼女の仕事が休みの日。僕がいつも通り働いていると、業務中に彼女から一通のメッセージが届きました。

「帰ってきたら大事な話がある。」

思いつく節はなかったものの、只ならぬ気配だけは察し、会社を出てすぐ彼女に電話をかけました。「どうしたの?」と心配する僕に、彼女は一言。

「妊娠した。」

瞬間的に、頭が真っ白になるのを感じました。が、不思議と恐怖や不安を感じることなく、両親や職場の上司に何を言うべきか、誰に言うべきか、いつ言うべきかを考えるなど意外にも冷静でいる自分に驚いたものです。

電話を切り、電車に乗り、帰路につくと、少しずつ目の前で起こっていることに改めて向き合いはじめました。「えっ、妊娠、した…?」時間差できた混乱。水曜日の夜、JR山手線の帰宅ラッシュの中、自分の置かれた状況がいまいち整理できないまま、僕は父親になりました。

<続く>


──最後に。
はじめまして。今回、Smartlogで連載を持つことになった小嶋(仮名)と申します。
僕は彼女の妊娠をきっかけに、唐突に男から父親へと変わりました。それまでの独身生活が嘘のように、目まぐるしく急速に、日常が変化していっています。
そこではじめて、「父親になる」ということは多くの男性にとって余りにも唐突で、真新しいことの連続だと気が付きました。この世界には独身時代には知り得なかったことが、まだまだたくさんあるのでしょう。
事前に父親になるシミュレーションができていれば、動揺する妻をもっと支えられたように思っています。
そこで、自分の忘備録のためにも、いつかパパになる画面の向こうの男性のためにも、僕の体験記を記したいと考えました。
拙い文章ですが、「もしも彼女が妊娠したら、男にはこんな現実が待っている。」という学びとして、一人の男が父親に変わっていく体験記を読み進めていただけたら嬉しく思います。

僕は彼女に妊娠を告げられた

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【参考記事】第2話はこちら。妊娠が分かった小嶋に降りかかる新たな試練とは▽

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