「彼女のお母様の、デキ婚への本音」僕は彼女に妊娠を告げられた|第17話
大阪から来訪した彼女の母親と、月島でもんじゃを食べることになった僕と彼女。
この日は平日だったこともあり、月島の人気もんじゃ屋さん『いろは』に予約なしでスムーズに入店できました。
「妊婦は、お酒飲んだらあかんからな〜(笑)」
そんな事を言いつつ、席に案内されるなりビールを注文する義母。
「お母さん、お酒好きやから付き合ってあげてや(笑)」
彼女に諭されて、お酒をあまり飲まない僕もビールを注文します。
先にドリンクが到着し、軽めの乾杯を済ませると、
「娘の旦那さんとお酒を飲める日が来るなんて、嬉しいわ〜!」
ビール片手に、義母はとてもご満悦そうな様子。
かなり上機嫌な雰囲気で、お酒も入ってきたので、僕は勇気をふり絞りぶっちゃけな質問を投げかけてみることに。
「前からずっと気になっていたんですけど、お義母さんは娘さんから妊娠したって告げられた時、率直にどう思われましたか
?」
一瞬にして顔がこわばる彼女を横目に、僕もドキドキしながら返答を待っていると、
「そりゃ驚いたけど、やっぱり嬉しいって思ったかな。なんたって初孫やからさ!」
お義母さんは明るい口調で答えてくれました。
ポジティブは返答が聞けた僕は、思い切って結婚についても触れてみます。
「そう言ってもらえてホッとしました(笑)僕たちの結婚については正直どう思われていますか?」
すると、
「子供が先にできようができまいが、娘が結婚して幸せと思うならお母さんはそれだけで十分よ。順序を守っても、私みたいに離婚するケースもあるし(笑)そこはもう、結果論やから!」
自身の経験談を踏まえながら、結婚観を語るお義母さんの言葉には、娘に対する深い深い愛情が込められています。
「もちろん、小嶋くんや生まれてくる子供にも幸せになって欲しいと思ってるからな。そこは勘違いしないでな(笑)」
初対面にも関わらず、そして娘である彼女を妊娠させてしまったにも関わらず、僕の事まで気にかけてくれる発言に、母親の偉大さを垣間見た気がしました。
「本当にありがとうございます。娘さんと幸せな家庭を築いていくので、これからもどうぞ、よろしくお願いします。」
「わがままな娘やけど、よろしく頼みます。なんかあれば言ってきてな?お母さんが代わりに叱ったるから(笑)」
「やめてお母さん、それはええって(笑)」
照れくさそうにお母さんを静止する彼女も、どこかホッとしている様子。
ぶっちゃけトークも交えながら、もんじゃとビールを嗜んでいると、僕の母から電話がかかってきました。
「あんた今日、実家に帰ってくるんでしょ?」
義母の滞在中、僕は実家に帰る予定だったので、その確認の電話かと思っていると、
「向こうの親御さんがお見えになってるなら、明日にでも顔合わせできないか、聞いてみてちょうだい!急な提案で申し訳ないのは、重々承知なんだけど。」
母の要件は顔合わせの提案でした。
電話を切り、その事を二人へ伝えると、
「全然構わないで。明日は都内を見物しようと思ってたくらいやから(笑)むしろ、小嶋くんや親御さんの仕事とかは大丈夫なん?」
服装だけが心配だと語るお義母さん。
「僕はお休みを頂いているので。親の方もスケジュール平気みたいです。むしろ、こちらこそ、急な提案ですいません!」
そんな流れで急遽決まった両家顔合わせ。
今日の明日で畏まったプランを練るのは厳しいので、僕の実家へ来ていただき、お昼をみんなで一緒に食べることに。
「それなら、今日はもうお開きにしとこか?明日も早いみたいやし」
次の日に備え、今日は早めに帰ることにした僕たち。月島駅まで二人を見送ると、
「今日は本当にありがとうね。もんじゃも食べれたし、婿にも会えたし満足やわ〜(笑)明日もよろしく!」
お酒も入って、すっかり上機嫌なお義母さん。
「私はとりあえず、お母さん連れて帰るわ(笑)家に着いたら、連絡入れるね!」
彼女はそう言い残すと、母を連れて、反対方面の電車へと乗り込んでいきました。
「お義母さんに結婚とか出産についての意見を聞けてよかったな〜」
と、義母の本音も聞けて安堵したのも束の間、急すぎる展開で決まった明日の両家顔合わせ。
「何を話せば良いんだろう?」
「そもそも、会話は成り立つのか?(笑)」
「厳格な父が何かしでかさないといいな・・」
尽きぬ心配にソワソワしながら、電車に揺られ、僕も実家への帰路につきました。
<続く>
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