多裂筋とは?腰痛緩和に効果的なストレッチやトレーニングメニューを解説
そもそも、多裂筋とは?
多裂筋とは脊椎の両側に付着している筋肉です。
一般的に筋は骨の間に付着しており、収縮の少ない起始と、収縮が大きい停止の間で動きを調整していますが、多裂筋の場合はこの起始停止の骨の間隔が2〜4つ空いているのが特徴。
骨盤に近づくにつれて太くなっていき、体を反ったり回旋する上体動作の重要な役割を担っています。
筋肉自体の動きはわずかなものですが、小さな骨が積み重なって形成されている脊椎を安定させる役割も担っており、インナーマッスルとして正しい姿勢を維持し、日常動作や運動時におけるパフォーマンスを向上させる上でも重要な筋肉といえるでしょう。
多裂筋と腰痛の関係性は?
腰の痛みの原因として多くみられるのが、多裂筋内部のトリガーポイントによって生じる慢性痛です。
トリガーポイントとは、筋肉に負荷がかかり続けることによってできる硬いしこりのことで、炎症や血行不良が元になっていると考えられています。
現代はパソコン作業や、スマホの操作によって長時間無理な姿勢を維持している場面が多々あり、筋肉へストレスを与えやすい環境下にあるといえるでしょう。姿勢維持の役割を担っている多裂筋には負荷がかかりやすいため、腰痛の原因となるトリガーポイントが発生しやすいのです。
多裂筋をほぐす効果的なストレッチメニュー
腰痛の予防や改善をしていくには、多裂筋の緊張を緩めることがポイントとなってきます。しかし、背中の筋肉である多裂筋を自らマッサージをするのは難しいですよね。
そこでここでは、多裂筋へ効果的にアプローチできるストレットメニューをご紹介していきます。
職場や自宅でも取り組みやすいので、ぜひ日々の生活へ取り入れていきましょう。
ストレッチメニュー1. 座ったままできるストレッチ
多裂筋や背中の中心に位置する脊柱起立筋へアプローチできるストレッチメニューです。
姿勢の改善に効果的なため、デスクワークで猫背になりがちな方にもおすすめですよ。
ストレッチのやり方
- 両膝を軽く曲げた状態で座る
- 膝を少し開き、内側から足の裏を掴む
- 足は押し出し、手は引っ張りながら背面の伸びを感じる位置でキープ
- 10秒間姿勢を維持する
- 2〜3セットを目安に上記を繰り返す
ストレッチのコツ
- 足裏を掴む際はへそを覗き込む意識で前屈みになる
- 片足を内側から両手で掴むことで、更に強度を高めることが可能
負荷の高いストレッチとなるため、回数を調整しながら無理のない範囲で行うようにしましょう。
【参考記事】はこちら▽
ストレッチメニュー2. 猫のポーズのストレッチ
角膜リリースに効果的な猫のポーズのストレッチ。
多裂筋や腸腰筋のこりをほぐせるため、肩周りや股関節の可動域を広げたいという方にもおすすめですよ。
ストレッチのやり方
- 膝と手を肩幅に開き、四つん這いの姿勢になる
- 息を吐きながら背中を丸めていく
- 腹部に力を入れてお腹を薄い状態にする
- 背中の丸みを維持したまま、呼吸を止めずに30秒キープ
- 息を吸いながら背中を反らし視線を天井へ向ける
- 背中を反ったまま、呼吸を止めずに30秒キープ
- 上記の動作を繰り返す
ストレッチのコツ
- 背中を丸める際は、へそを覗き込むように視線を向ける
- 動作中は深い呼吸を意識する
動作に呼吸を合わせることで、更にストレッチを深めることができるでしょう。腰に痛みを感じる場合は、無理せず控えるようにしてください。
ストレッチメニュー3. 壁ペタ背中反らし
多裂筋を反らすことで刺激を与える壁ペタ背中逸らしは、筋繊維本来の柔軟性を維持するのに効果的なメニューとなっています。
ストレッチのやり方
- 壁につま先をつけた状態で立つ
- 両手を上げて、手の平と胸を壁につける
- 胸が離れない限界点までお尻を引く
- 体を下げた状態で5秒キープ
- (2)の状態に戻る
5秒10セットを目安に取り組んでみてください。
ストレッチのコツ
- 腕を上げづらい場合はYの字に開いてみましょう
- 壁とつま先の距離を離すほどストレッチの難易度が下がります
胸を壁から離さずに行えるよう、自身で難易度を調整しながら行ってみましょう。正しい姿勢で行うことで、背中のストレッチの他、腿のエクササイズ効果も得られるでしょう。
多裂筋を鍛える筋トレメニュー|おすすめのトレーニングは?
稼働する頻度が少ない筋肉ほど萎縮してこり固まりやすくなるものです。ストレッチに加えて筋力を鍛えていくことで、正しい姿勢が維持しやすくなり腰への負荷も軽減できるでしょう。
ここでは、手軽に多裂筋を鍛えられる効果的な筋トレメニューについてご紹介していきます。
トレーニングメニュー1. プランク
体感トレーニングの代表プランクは、多裂筋や腹横筋といったインナーマッスルを効率的に鍛えられる筋トレです。
自重トレーニングの中でも体に無理な負担をかけづらいため、腰痛の方でも取り入れやすい鍛え方となっています。
プランクの正しいやり方
- 肩の真下に肘をついて上半身を持ち上げる
- つま先に体重を乗せ、体を一直線に伸ばす
- 視線を前方に送り1分間姿勢をキープ
1分間3セットを目安に取り組んでみてください。
トレーニングのコツ
- 足は肩幅より若干狭い位置に置く
- 自然な呼吸を意識して取り組む
- 腹部と背面の筋肉を意識しながら姿勢を維持する
呼吸を止めずに力まないことで、正しい姿勢を維持しやすくなりますよ。
【参考記事】プランクの効果を高めるやり方&コツを詳しく解説!▽
トレーニングメニュー2. バードドッグ
左右の筋肉のバランスを整え姿勢改善に効果的なエクササイズです。
背中やお腹、臀部といったボディラインを美しくしたい方にもぴったりの鍛え方となっています。
バードドッグの正しいやり方
- 肩と股関節が90度になるように四つん這いの姿勢になる
- 左足と右手を持ち上げ一直線にして2秒間キープ
- (1)に戻り、右足と左手も同様に繰り返す
左右5回ずつを目安に取り組んでみてください。
トレーニングのコツ
- 手は肩幅よりやや広目に開く
- 姿勢を維持する際は体がぶれないように意識する
- 背中を反らしすぎて負荷が分散しないように注意する
正しい姿勢で取り組むことで、多裂筋や股関節の筋肉にも効率よく刺激を加えていくことができるでしょう。
トレーニングメニュー3. ヒップリフト片足上げ
多裂筋を効率よく収縮させ、体幹を安定させるヒップリフト片足上げ。猫背が気になる方にもおすすめの鍛え方となっています。
ヒップリフト片足上げの正しいやり方
- 仰向けになり両手を胸の上に置く
- 膝を90度以上曲げた状態からお尻を持ち上げる
- 片膝を持ち上げ体が一直線になるよう5秒間キープする
- お尻を降ろし、片方も同様に繰り返す
片足10回を目安に取り組んでみてください。
トレーニングのコツ
- 負荷を高めたい場合は、上げた足を外側に開く
- お尻が落ちないよう意識する
自身の筋力に応じて、難易度を調整してみましょう。
【参考記事】はこちら▽
多裂筋を鍛えて、健康的な体を作り上げましょう!
多裂筋の作用によって、正しい姿勢の維持やスムーズな日常動作が可能となります。
「デスクワークが多くて姿勢を維持するのが難しい」「腰に痛みがあるけど整体に行く時間が確保しづらい」という方も多いでしょう
本記事では、多裂筋に効率的にアプローチできるストレッチやエクササイズの中から、手軽に実践できるものをピックアップしてご紹介しました。
短時間でも取り組めますので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
【参考記事】腰痛改善には筋膜リリースも効果的!▽
【参考記事】立ったままできる腰痛改善ストレッチも取り組みましょう▽
【参考記事】腰痛の改善にはバランスボールを使うのもおすすめ!▽
大切な人にシェアしよう。Enjoy Men’s Life!