【男性&女性】基礎代謝量の平均とは?筋肉量との関係や計算方法を解説

織田琢也 2024.05.08
基礎代謝量について詳しく知りたい方へ。今回は、基礎代謝量の定義や筋肉量との関係性、年齢別に男性・女性の基礎代謝の平均値を大公開!また、短期間で基礎代謝を上げるコツについてもレクチャーします。消費カロリーに結びつく基礎代謝量の知識を身につけてみてくださいね。

そもそも、基礎代謝量とは?

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基礎代謝とは、安静にしている状態で生命維持のために消費される、最低限のエネルギー代謝のこと。

私たち人間の体は、じっとしていてもカロリーを消費します。

呼吸・体温調整・心臓の動きなど、意識して体を動かさなくても、体の中では様々な器官が働いているためです。この基礎代謝量に歩いたりスポーツをしたりといった運動で消費したカロリーを合わせたものが、1日の総消費カロリーということになります

基礎代謝量は人によって異なりますが、年齢・性別・体重が大きく影響するもの。

年齢が高いほど基礎代謝量は低くなり、男性の方が女性よりも基礎代謝量は高いです。また、体重は重ければ重いほど基礎代謝量は高くなります。同い年の同性で、体重が同じ人であれば、基礎代謝量はほとんど同じと考えていいでしょう。


基礎代謝量と筋肉量の関係性|筋肉が増えると基礎代謝にどんな影響があるの?

基礎代謝量と筋肉量の関係性

基礎代謝量に大きく影響を及ぼすのが、筋肉量です

筋肉量とは、全身の筋肉組織の総重量のこと。筋肉は脳や肝臓と並んで基礎代謝の大部分を占める器官であるため、この筋肉量が多ければ多いほど基礎代謝は高くなります

また、筋肉量は、性別だけではなく年齢によっても変動するもの。女性はホルモンの働きによって下腹部に皮下脂肪が付きやすく、体脂肪率の標準が男性よりも高い。つまり男性に比べて体の構造的に筋肉量を増やしにくいのです。

さらに、一般的に20代前半頃まで増え続け、その後維持期があり、加齢とともに少しずつ減少していくと言われています。しかし、性別や年齢で筋肉量が決まってしまうわけではありません。

日頃の運動や食事といった生活習慣によって筋肉量を増やし、基礎代謝を高めることもできます

【参考記事】筋肉量の平均値はこちらを参考に


【男性&女性】基礎代謝の平均値|年代別に分かりやすく説明します!

男性・女性の基礎代謝の平均

年齢や性別によって変わる基礎代謝量ですが、具体的にはどのくらいなのでしょうか。ここでは、年代別に基礎代謝量の平均値を計算したものを男女共にご紹介するので、自分と近いものをチェックしてみてくださいね。

  • 【20代】男性:1,520kcal、女性:1,110kcal
  • 【30代~40代】男性:1,530kcal、女性:1,150kcal
  • 【50代~60代】男性:1,400kcal、女性:1,100kcal
  • 【70代以上】男性:1,290kcal、女性:1,020kcal

同年代の男女の場合、男性が女性より基礎代謝が高く、同性でも30代~40代をピークにその後は年齢が上がるごとに少しずつ低くなっているのがわかります。

なお、基礎代謝の平均値は、各年代の平均体重を基準に計算されています。年代別の平均体重は、以下の通りです。

  • 【20代】男性:63.2kg、女性:50.0kg
  • 【30代~40代】男性:68.5kg、女性:53.1kg
  • 【50代~60代】男性:65.3kg、女性:53.0kg
  • 【70代以上】男性:60.0kg、女性:49.5kg

体重が平均に比べて重い場合は基礎代謝が平均値よりやや高めに、逆に軽い場合はやや低めになると考えれば、自分のおおよその基礎代謝量を把握することができます。


基礎代謝量が低いデメリット|自然な消費カロリーが少ないと何が起こるの?

基礎代謝量が低いデメリットとは

これまで、年齢が若い・体重が重い・筋肉量が多いほど基礎代謝が高いということがわかりましたが、逆に基礎代謝が低いとどんなデメリットがあるのでしょうか。

基礎代謝が低いことによるデメリットとして代表的なものには、以下の4つがあります。

  1. 太りやすく痩せにくい体になる
  2. 冷え性に繋がる
  3. 肌荒れしやすくなる
  4. 疲れが溜まりやすく、取れにくい

どれか1つでも心当たりがある場合は、基礎代謝が低いことが原因かもしれません。

ここからは、基礎代謝が低いことによる4つのデメリットがなぜ引き起こされてしまうのか、その原因を一つ一つ詳しく解説していきます。原因をしっかりと把握して、自分の体についての理解を深めましょう。


基礎代謝量が低いデメリット1. 太りやすく痩せにくい体になる

基礎代謝量が低いデメリットとは:太りやすく痩せにくい体になる

同じ食事をしていても、太る人と太らない人がいますよね。これは、摂取カロリーが同じでも消費カロリーが異なることが原因です。

例えば、基礎代謝量が1.500kcalの人と1,000kcalの人が1日1,500kcalの食事を摂った場合について考えてみましょう。前者は全く運動をしていなくても太らないのに対し、後者は1日500kcal余分に摂取していることになります。これが、同じ食事をしていても太る人と太らない人がいるメカニズムです。

基礎代謝量が少ないということは、必然的に1日の消費するカロリーも少なくなります。そのため、運動によって消費カロリーを増やすか、食事制限によって摂取カロリーを減らさなければ痩せられない体になってしまっているのです。


基礎代謝量が低いデメリット2. 冷え性に繋がる

基礎代謝量が低いデメリット:冷え性になる

基礎代謝によってエネルギーが消費されている時、人間の体内では熱が発生します。この熱が作られることによって、体温を保つことができるのです。

基礎代謝が低いと、体で作られる熱の量が少なくなり、冷え性に繋がります。冷え性の人が厚着をしてもなかなか体が温まらないのは、体の内側から発生される熱が少ないためです。

一般的に冷え性は男性よりも女性が多く、約7割の女性が冷え性に悩んでいるのに対して、男性で冷え性に悩んでいるのは約1割以下。これは、男性の方が女性よりも筋肉量が多く、基礎代謝量が多い傾向にあることが原因であると考えられます。

また、代謝が落ちることで血管の機能が衰えて血流が悪くなり、手足の指先といった末端冷え性を引き起こしてしまうのです。


基礎代謝量が低いデメリット3. 肌荒れしやすくなる

基礎代謝量が低いデメリット:肌荒れしやすくなる

生命を維持するための基礎代謝と、ターンオーバーとも呼ばれる肌の新陳代謝は、同じ「代謝」と呼ばれていても別のものです。しかし、基礎代謝と新陳代謝には、密接な関係があります。

基礎代謝が落ちることで血液やリンパ液の流れが悪くなり、肌の新陳代謝がうまく機能しなくなるのです。その結果、肌が古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わりにくくなり、くすみやクマ・肌のゴワつき・むくみ・シミ・ソバカスといった肌トラブルに繋がります。


基礎代謝量が低いデメリット4. 疲れが溜まりやすく、取れにくい

基礎代謝量が低いデメリット:疲れが溜まりやすく取れにくい

人間が「疲れた」と認識するのは、体の中に疲労物質が溜まった時です。運動などで体を動かすと、体に疲労物質が蓄積され、その後の肉体のパフォーマンスはグッと下がります。

疲労は誰しも感じるものですが、同じ活動をしても疲れが取れやすい人と取れにくい人がいるのはなぜでしょうか。

それは、疲労物質を体の外にうまく排出できるかどうかで回復のスピードが決まるから。

基礎代謝が高い人は、血液やリンパ液の流れが良いため、疲労物質もすぐに体の外に排出することができます。対して基礎代謝が低い人は、血液やリンパ液の流れが滞っている状態のため、疲労物質が体の外へとなかなか出ずに疲れが取れにくいのです。

疲労を感じても溜め込まずに、一晩寝たらスッキリ回復するような体を作るためには、基礎代謝を上げることが極めて重要だと言えるでしょう。


基礎代謝量を上げる方法|短期間で基礎代謝をアップさせるコツとは?

基礎代謝量を上げる方法

基礎代謝が低いことによるデメリットがわかったところで、続いては実際に基礎代謝を上げる方法についてご紹介していきます。

基礎代謝を上げるために必要なのは、何も特別なことではありません。日常のちょっとした工夫で、健康で活動的な体を作ることができますよ。

今回はとりわけ、今日からでも始められる、手軽なものについて解説します。日頃の生活に意識して少しずつ取り入れるだけで、効率良く基礎代謝をアップさせられるので、ぜひ挑戦しやすいものから試してみてください。


基礎代謝量を上げる方法1. 筋トレで筋肉を成長させる

基礎代謝量を上げる方法:筋トレで筋肉を鍛える

筋肉は基礎代謝量のおよそ20%を占める器官であるため、全身の筋肉量を増やせば増やすほど、基礎代謝を上げることができます。

簡単な筋トレで筋肉を成長させ、基礎代謝量が上がりやすい体を作りましょう

特に鍛えた方が良いとされるのが、お尻や太ももといった下半身の筋肉。これらは体の大部分を占める大きな筋肉なので、成長させることによって効率よく全身の筋肉量を増やすことができます。

太ももとお尻の筋肉を効率よく鍛えられる筋トレとして有名なのが、スクワット。つま先を外に向け足を大きく開き、お尻を後ろの方に置く意識で腰を落とすことによって、太ももの裏の筋肉とお尻の筋肉を同時に鍛えることができます。

また、太ももをしっかりと上げて階段を上るのも効果的なので、通勤中などに取り入れていきましょう。

【参考記事】痩せるのに効果的な筋トレメニューはこちら


基礎代謝量を上げる方法2. ストレッチで血流を促進する

基礎代謝量を上げる方法:ストレッチで血流を促進させる

基礎代謝が低いと血流が悪くなり、肌荒れや冷え性といったトラブルを引き起こしやすくなります。そんななか、血流を良くするために効果的と言われているのが、ストレッチ。

ストレッチで体の筋肉を伸ばすことで柔軟性が高まり、血流が改善されるのです。

また、ストレッチで体の柔軟性を上げることによって可動域が広がるため、それまでと同じ生活をしていても自然と運動量が増えます。その結果、基礎代謝が徐々に上がっていくのです

基礎代謝を上げるのに特に効果的とされているのが、股関節を伸ばすストレッチ。股関節は、床に座り両足の裏を合わせて上体を倒す、簡単なストレッチで伸ばすことができます。

また、肩甲骨を動かすストレッチも体の可動域を広げ、基礎代謝アップに効果的。両肩に手を置いて腕を大きく回して、肩甲骨をよく動かしてみましょう、

【参考記事】ダイエットに効果的なストレッチメニューとは


基礎代謝量を上げる方法3. 食事はバランスの取れた献立を意識する

基礎代謝量を上げる方法:栄養バランスの取れた食事を意識する

基礎代謝を上げるためには、食事にも気を遣う必要があります。栄養バランスの取れた食事を3食規則正しく取ることで筋肉をはじめとした体のエネルギーが高まり、基礎代謝の高い体を作ることができるのです。

基礎代謝アップのための食事に必要なのは、筋肉を作る食材を取り入れること

魚介類・レバー・豚肉・鶏肉などの良質なたんぱく質を摂ることで、筋肉を増やす手助けになりますよ。また、玄米・納豆・豆類などの食材に含まれるビタミンB1も、糖質や脂質の分解をサポートしてエネルギー代謝を円滑にしてくれるので、基礎代謝アップには欠かせない栄養素です。

以上のような栄養素を積極的に取り入れて、バランスの良い献立を組み立て、基礎代謝を上げてくださいね

【参考記事】バランスの取れた献立レシピをご紹介します!


基礎代謝量を上げる方法4. 体を温める食べ物・飲み物を摂取する

基礎代謝量を上げる方法:体を温める食べ物、飲み物を摂取する

基礎代謝が低い人の主な特徴とされているのが、体温が低いことによる内臓の動きが鈍いこと

ジャンクフードやお菓子など、糖質や脂質に偏った食事は体を冷やしやす、基礎代謝を下げてしまうので注意が必要です。体を芯から温める食材を積極的に摂ることで体温を高め、基礎代謝を上げていきましょう

体を温める食材として有名なのが、ショウガ・かぼちゃ・唐辛子・ニンニク・玉ねぎなど。これらの食材を積極的に日々の食事で摂ることが、基礎代謝のアップに有効です。

また、献立に組み込むのが難しいという場合は、飲み物で手軽に摂るという方法が効果的

すりおろしたショウガとはちみつをお湯で割ったホットジンジャーは、スッと浸透して体をすぐに温めてくれるので、体温の下がりやすい冬の朝に飲むのがおすすめです。


基礎代謝量を上げる方法5. お風呂に浸かって体を温める

正月太りの解消法|お風呂に入る

体温を高めて内臓の働きを活発にし、基礎代謝を上げるのに有効な方法は、何も食事だけではありません。お風呂に浸かって外側からじんわりと体を温めるのも、基礎代謝アップに効果的ですよ。

効果的に基礎代謝を上げたいのなら、体温が上がって疲れが取れることで話題になった「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」がおすすめ。体に熱ストレスを与えることで内側に熱をこもらせ、効率よく体温を高める入浴法です。

方法は簡単で、40度のお湯なら20分・41度のお湯なら15分・42度のお湯なら15分を目安に入浴するだけ。入浴後はすぐに服を着て冷たい飲み物は避け、体温を下げないようにし、週に2日程度を目安に行いましょう。


基礎代謝量を上げる方法6. 水分をしっかりと取る

基礎代謝量を上げる方法:水分をしっかり摂る

基礎代謝と水分は一見関係がないように思えるかもしれませんが、食事で摂った栄養を体に運ぶ・老廃物を体の外に排出する・体温を調節するなど、基礎代謝と呼ばれる内臓の活動には水分が欠かせません

水分を十分に取らないとこれらの活動が正常にできなくなり、基礎代謝の低下に繋がると考えられています。

1日に必要な水分の目安は、座り仕事が多い人の場合は2.5リットル、立ち仕事や運動をすることが多い人は3.3リットル程度と言われています。喉が渇いたと感じる前に、少しずつ小分けにして飲むのがおすすめですよ。

ただし、冷たすぎる水や糖分のたっぷり含まれるジュースなどを飲みすぎると体が冷え、逆に基礎代謝を下げてしまう恐れがあります。常温の水や白湯・温かいお茶など、体を冷やしにくい水分をしっかりと取ることで、基礎代謝を効率よく高めていきましょう


基礎代謝量を上げて、健康的な体を作り上げましょう!

生きるために消費される最低限のエネルギー代謝である基礎代謝量は、その人の年齢・性別・筋肉量・体重によって大きく異なります。

基礎代謝が低いことによるデメリットは、冷え性や肌荒れ、太りやすいなど様々。運動や食事・入浴で体を温め、基礎代謝を上げていくことが健康な体づくりには重要です。

年齢と共に基礎代謝が下がっていき、冷えや中年太りといった健康被害が出るのはイヤですよね。

いつまでもエネルギッシュで健康な体でいるために、日頃の生活で基礎代謝を上げる工夫をしていきましょう


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