【筋トレ】前鋸筋の正しい鍛え方|ストレッチ/トレーニングメニューを解説

【筋トレ】前鋸筋の正しい鍛え方|ストレッチ/トレーニングメニューを解説

織田琢也 2022.05.20
脇下にある小さい筋肉、前鋸筋(ぜんきょきん)。日常生活では、刺激されにくい筋肉ですが、スポーツとなると幅広いシーンで重要な役割を担います。今回は、そんな前鋸筋の鍛え方として、トレーニングメニューやストレッチを公開。作用など基礎情報から筋トレ方法まで把握していきましょう。

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前鋸筋は筋肥大しないため、鍛え方次第で脇腹周辺をすっきりと見せてくれます。ただ、具体的にはどのような方法で前鋸筋を鍛えることができるのかわからない人が多いでしょう。

そこでここからは、前鋸筋を筋力アップする効果的な鍛え方をご紹介します。しっかり動きをマスターしてすっきりボディラインを手に入れてください。


前鋸筋の鍛え方1. ディップス

ディップストレーニング

上半身の筋肉を鍛えられるトレーニングディップス。大胸筋、上腕三頭筋、三角筋などを鍛えるのに効果的なトレーニングです。しかし、腕の曲げ伸ばしによる体の垂直上げ下げ動作により、前鋸筋を刺激することも可能な筋トレと言えます。

上半身を丸めるようにすると肩甲骨を開く外転の動きとなり前鋸筋をより効果的にトレーニング可能です。


トレーニングの正しいやり方

  1. 平行棒に用意する
  2. 腕を立てて、体を支える
  3. (2)の時、背筋をしっかりと伸ばす
  4. 足はクロスさせ、臀部側に軽く曲げておく
  5. 上半身を少し前のめりにして、安定させる
  6. ゆっくりと肘を曲げて、体を下ろす
  7. 肘が90度になるまで体を下ろしたら、そのままキープ
  8. その後、ゆっくりと元に戻していく
  9. この動作を15回繰り返す
  10. インターバル(30〜60秒)
  11. 残り2セット行う
  12. 終了

ディップスの目安は、15回×2~3セット。1セットで15回動作を行える程度の余裕を持たせることで引き締まったボディライン作りに効果を発揮します。


トレーニングのコツ

  • 体を降ろす時の動作をゆっくりと行い、負荷を高める
  • 上体は常に前のめりになって、大胸筋に効かせる
  • 動作中、肘は常に身体の近くに寄せておく
  • 身体が揺れてしまわないように、腹部と臀部に力を入れて、身体を安定させる
  • 正しい呼吸法をマスターしてトレーニングする

ディップスは、腕だけで身体を支えて行う自由度の高いトレーニング。体を固定して行う筋トレではないのでフォームが安定しにくく、鍛えたい部位がズレてしまいがち

胸板を厚くしたいなら、状態を常に前傾姿勢にすることを意識し、大胸筋を狙ってトレーニングをすると効果的です。フォームが崩れないようにしながら丁寧に行いましょう。

【参考記事】ディップスのやり方をより詳しく解説します


前鋸筋の鍛え方2. ダンベルアップライトローイング

ケーブルアップライトローのやり方

背中の筋肉である僧帽筋や、上肢の筋肉である三角筋をメインに鍛えられるのがダンベルアップライトローイング。この筋トレを行うことで肩関節の外転が起こり、肩甲骨の上方回旋も同時に引き起こされます

肩甲骨の上方回旋は前鋸筋下部を使うため、サブターゲットとして前鋸筋を鍛えることができるのです。効果的な筋トレの為に正しいフォームを維持して行いましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 足を肩幅分ほど開いて立つ
  2. 肩幅よりも少し狭めの手幅でダンベルを握る
  3. 肩は上げずにリラックスした形を作りましょう
  4. ダンベルを鎖骨付近まで引き上げていく
  5. 限界まで上げたら、一度停止する
  6. ゆっくりと戻す
  7. この動作を10回繰り返す
  8. インターバル(1分間)
  9. 残り2セット行う
  10. 終了

ダンベルアップライトローイングのトレーニングの目安は、10回×2~3セットです。セット間に1分間のインターバルを挟みます。肘が下がらないように意識して行いましょう。


トレーニングのコツ

  • 背中をしっかりと伸ばす
  • 肘を外に出していく
  • ダンベルを引き上げる時だけ肩に力を入れる
  • 呼吸を安定させる
  • ダンベルの前にケトルベルを使ってみる

ダンベルアップライトローイングは重過ぎるウェイトにするとフォームが崩れ、肩のケガにも繋がってしまいます。ケトルベルを使うことでダンベルとは違い両手を同時に持ち上げることができるため、フォームが崩れにくく初心者にも行いやすいのがメリット

フォームが崩れやすい人はダンベルの前にケトルベルを使ってトレーニングすると良いでしょう。

【参考記事】アップライトローイングのやり方をより詳しく解説


前鋸筋の鍛え方3. ダンベルローテショナルパンチ

ダンベルローテショナルパンチのやり方

ダンベルローテショナルパンチは、ボクシング好きの人にはぜひ取り入れてほしいトレーニングです。

ボクサー筋とも呼ばれる前鋸筋は、ボクシングの『ストレートパンチ』をイメージしながら、しっかりと腕を伸ばすことで、前鋸筋にしっかりと効くトレーニングができます。

シャドウボクシングよりも負荷をかけたい人にこの筋トレはおすすめです


トレーニングの正しいやり方

  1. ダンベルを両手に持った状態で立つ
  2. 体を右に捻り、左腕を肩の高さに保ち伸ばし、ストレートパンチを繰り出すようにしっかり伸ばす
  3. (2)の手を引き、今度は反対に体を左に捻り、同様にストレートパンチを繰り出すように右腕を肩の高さでしっかり伸ばす
  4. 素早く (2)~(3)を繰り返す
  5. この動作を10回繰り返す
  6. インターバル(1分間)
  7. 残り1~2回繰り返す
  8. 完了

ダンベルローテショナルパンチの目安は10回×2~3セットです。インターバルを1分間挟みます。この回数とセットが限界ギリギリになるような負荷のダンベルを使用しましょう。


トレーニングのコツ

  • 動作はなるべく素早く行う
  • 腕は下がらないよう床と水平になるように気を付ける
  • 腕に過剰な負荷がかからないよう、はじめは軽い重量から徐々に上げていく
  • 腕を伸ばす時はできるだけ腕を伸ばすように意識する
  • ダンベルがキツイ場合はまず何も持たないで行う

ダンベルローテショナルを行う上で腕の高さを床と水平に保つのは非常に大切なポイント。腕が高すぎても低すぎても筋トレの効果が減ってしまいます。

疲れてくると腕が上下にブレてしまいがち。そこで、鏡を見ながら腕の高さを一定に保てているか、姿勢が乱れていないかなどを注意しながらトレーニングを行うと効果的です。


前鋸筋の鍛え方4. トレーニングチューブパンチ

筋トレグッズのおすすめ:トレーニングチューブ

チューブがあれば、簡単にできるのがトレーニングチューブパンチです

トレーニングチューブはダンベルと違い、長さや本数を変えることで簡単に負荷を変えられるので筋トレ初心者にも自分に適した負荷を見つけやすいためおすすめのトレーニング器具。

肩甲骨を前に押し出すようにしっかりと腕を前に出すことで前鋸筋を鍛えることができますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. パワーラックなどにトレーニングチューブをしっかりと縛り付ける
  2. パワーラックを背にする位置に立ち、先端を片手で握り 込む
  3. トレーニングチューブを持っている手で前方にパンチを繰り出す
  4. ゆっくり腕を戻す
  5. 片側10回終わったらもう片側に持ち替えて同様に行う
  6. インターバル(30秒)
  7. 残り1~2回繰り返す
  8. 完了

トレーニングチューブパンチは左右10回ずつ×2~3セットを目安に行います

トレーニングチューブを持つ位置や、本数を変えることで負荷の量が変わるため、1セット10回ほどで限界がくるように調整しましょう。


トレーニングのコツ

  • パワーラックに結ぶ時には、ほどけないようにしっかり結ぶ
  • 結ぶ高さは、引っ張る時に肩の高さと同じ高さになるように調整する
  • 前方にパンチする時は、腕だけでなく、肩を前に出すように思い切り伸ばす

トレーニングチューブパンチでは、パンチを前方に繰り出す際にただ腕を前に出すだけでなく、肩を前に出すように意識することがポイント

肩を前に出すことで前鋸筋の付着している肋骨を捻ることができ、前鋸筋に優れた刺激を与えることが可能。鍛えるのが難しい前鋸筋ですが、ちょっとした意識で筋トレ効果がぐんと高まります。


前鋸筋の鍛え方5. 肩甲骨プッシュアップ

肩甲骨プッシュアップのやり方

前鋸筋を鍛えるトレーニングメニューの中では比較的オーソドックスな肩甲骨プッシュアップ。

スタンダードな腕を曲げて行うプッシュアップ(腕立て伏せ)に比べ、このトレーニングは前鋸筋にダイレクトに作用するため前鋸筋を集中的に鍛えたい人におすすめです。

前鋸筋の動きを意識しながら行うことでより効果的に鍛えられます。


トレーニングの正しいやり方

  1. うつ伏せの状態になり肩幅に腕を開き、手のひらと足で体を支える(スタンダードな腕立て伏せの開始姿勢)
  2. 腕は曲げずに肩甲骨を内側にしめる動きと、外側に開く動きを繰り返す(肩甲骨だけ上下させる)
  3. この動作を20回行う
  4. インターバル(30秒)
  5. 残り2セット繰り返す
  6. 完了

肩甲骨プッシュアップの目安は20回×3セット。トレーニングの効果を十分に発揮するためにインターバルを1セットごとに30秒取ることがポイントです。


トレーニングのコツ

  • 前鋸筋を意識し、感じながら行う
  • 肘を曲げずに肩甲骨だけを動かす
  • 手を置く位置を狭くすることで負荷が高まりより効果的なトレーニングができる
  • 動作時、肩がすくまないようにする
  • お尻が上にあがったり背中が反ったりしないようにする

前鋸筋は意識して動かさないとなかなか、使うのが難しい筋肉の一つです。そのため、何も考えずにトレーニングをするよりも前鋸筋の働きを感じながらトレーニングをする方がより効果的

肩甲骨プッシュアップは通常のプッシュアップよりもより前鋸筋に効くトレーニングの動きなので動きをマスターして効率的に鍛えましょう。


前鋸筋の鍛え方6. ダンベルショルダーフロート

ダンベルショルダーフロートのやり方

誰もが気軽に始められるのがダンベルショルダーフロート。

ダンベル一つで始められ、ダンベルの重量によって負荷の度合いは変わるものの、基本的に負荷のあまりかからないトレーニングなので、ダンベルの重さによってはリハビリや肩こり解消に用いることができます。

正しいフォームで前鋸筋に効果的なトレーニングを目指しましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 床にあおむけになり、膝を立てた状態の姿勢になる
  2. 一つのダンベルを縦にし、上下に左右の手が来るように持つ
  3. 腕を伸ばして胸の前にダンベルを持つ
  4. 肩甲骨を開き、ダンベルを前に突き出すように動かす
  5. 元の状態に戻る
  6. この動作を12回繰り返す 7.インターバル(60秒)
  7. 残り1~2回繰り返す
  8. 完了

ダンベルショルダーフロートは12回×2~3セットが目安

1セットごとにインターバルを60秒入れましょう。負荷が足りない場合はダンベルの重さを調整すると効果的なトレーニングが行えます。


トレーニングのコツ

  • 肩甲骨を外に開くことを意識してダンベルを押し込むような感覚で突き出す
  • ダンベルの重さは軽いものから徐々に上げていく -肘を曲げずに胸の上で伸ばした状態でダンベルを持つ
  • 両手で左右のバランスを考えながら持つ

ダンベルを胸の上でただ持つだけでは前鋸筋のトレーニングには効果が表れません。

胸の上で腕を伸ばし、さらに肩甲骨を開くようなイメージでダンベルを突き出すことで、初めて効果が発揮されます

動きとコツを覚えるまでは負荷の小さなダンベルで行い、正確なフォームが身に付いたところで負荷を上げれば、肩を痛めることも防止可能です。


前鋸筋の鍛え方7. ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーのやり方

大胸筋や広背筋に主に効果的なダンベルプルオーバーですが前鋸筋のトレーニングにもなります。2つのダンベルを持って行う場合もありますが、バランスを崩して脱臼してしまうこともあるため、上級者向きです。

まずは一つのダンベルからチャレンジしましょう。前鋸筋を使っている感覚を持ちながらトレーニングを行うのがポイントです


トレーニングの正しいやり方

  1. ベンチの上で仰向けの状態で横になる
  2. 胸の上に一つのダンベルを両手で構える
  3. 肘を曲げた状態でダンベルを後方にゆっくり下ろしていく
  4. 肘を曲げた状態を保ちながらゆっくり元の位置に戻す
  5. この動作を10回行う
  6. インターバル(30秒)
  7. 残り1~2セット繰り返す
  8. 完了

ダンベルプルオーバーは10回を2~3セットを目安に行いましょう。負荷が足りないと感じる場合は、ダンベルの重さを徐々に増やしていきます。


トレーニングのコツ

  • 腕を傷めないためにも肘を伸ばさず曲げた状態を保ちながらトレーニングする
  • 背中が浮かばないように注意する
  • ダンベルは持てる限界の重さではなくゆとりのある重さから始める
  • 前鋸筋の働きを意識しながら動作する

ダンベルプルオーバーは、ダンベルの重さ選びが重要です。負荷が少なければ想定している効果が十分に発揮されません。しかし、自分の限界ギリギリの重量のダンベルを用いると、腰が浮いてしまい、腰を傷める他、脱臼などを引き起こす可能性が高まります。

負荷の少ない重量から徐々に重くしていき、目安の回数を限界ギリギリで行える重量のダンベルを選びましょう。

【参考記事】ダンベルプルオーバーの効果とは?


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