"申し訳ありません"の意味/使い方。言い換え類語も!|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2018.09.01
ごめんなさい、すみませんの意味を持つ敬語、申し訳ありません。申し訳ございませんとどちらが正しい敬語なのか迷う人も多いはず。今回は、申し訳ありませんの意味から使い方、例文、言い換えできる謝罪の敬語表現まで解説。正しい敬語なのか間違いなのかをハッキリさせましょう!

「申し訳ありません」の意味とは?

申し訳ありませんの意味とは

「申し訳ありません」とは、謝罪を意味する敬語表現です

「申す」は「言う」の謙譲表現で、「訳」には理由という意味があります。言って伝えることができるような正当な理由を持っていないというのは、「申し訳ありません」という表現の直接の意味するところです。

言い訳をしない謝罪のフレーズで、ビジネスのシーンでも目上のかたに対する敬語の表現として使えます。


「申し訳ありません」と「申し訳ございません」との違いとは?

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の違い

「申し訳ございません」は、「申し訳ありません」をより丁寧に表現した言葉です

とはいえ、「申し訳ありません」も丁寧な謝罪の言葉ですから、使用するシーンも同じで、ビジネスでも通用するフレーズです。

口頭だけでなく、メール等でもお詫びの表現としても使用でき、繰り返しミスをしたときなど、さらに丁寧な表現をしたいという場合は「申し訳ございません」を用いたりします。

したがって、同じお詫びの表現ではありますが、より敬意を込めて謝る場合は、「申し訳ありません」ではなく、「申し訳ございません」をセレクトしましょう。

【参考記事】「申し訳ございません」は間違い敬語なのか?詳しく解説します


「申し訳ありません」は、間違い敬語なのか?正しい敬語なのか?

申し訳ありませんは間違い敬語なのか

「申し訳ありません」という表現は、文法上間違っているという意見が多く見受けられます。

なぜなら、「申し訳ありません」の原型である「申し訳ない」を形容詞として扱うと、語尾を変換しても「申し訳ありません」にはならないからです。

確かにその通りなのですが、言語とは常に変わっていくもので、「申し訳ありません」という表現は、既に一般的に使用されるフレーズとして定着しています

そのため、ビジネスシーンで使用しても基本的に問題ありませんよ。


「申し訳ありません」の使い方とは?目上には使えるの?

申し訳ありませんは目上の人に使える

「申し訳ありません」は、目上の人にも使える敬語表現です

ビジネスでは、クライアントに対してメールでお詫びする時や、注文を受けた商品が在庫切れになっていたという時など、様々なタイミングが使用できます。

同僚や部下などには使わず、上司や目上の方に使う表現ですので、きちんと使い分けるようにしましょう。

  • 申し訳ありませんでした。
  • 申し訳ありませんが、〜
  • 本当に申し訳ありません。

「申し訳ありませんでした」の使い方とは?

「申し訳ありませんでした」は、「申し訳ありません」の類語で、すでに過去のこととなったミスについての謝罪をするときに使えるフレーズです。

「申し訳ありません」と同じように、目上の方にも使える表現ですし、メールなどで事後に謝罪しなければならないというシーンでも使えます。ビジネスでは頻繁に使う場面がある表現といえるでしょう。

【参考記事】「申し訳ありませんでした」の例文をより詳しく解説


「申し訳ありませんが、〜」の使い方とは?

「申し訳ありませんが、」という使い方もできます。相手に対して、こちらの要望に基づいてアクションしてもらいたい時に使えるフレーズです。

注文を受けた商品がなく、別の日の来店を促したいときにも、「申し訳ありませんが」と述べて状況を説明することで、謝罪を述べつつ後日お店に再訪問してもらえるようスムーズにお願いができます。


「本当に申し訳ありません。」の使い方とは?

「申し訳ありません」の謝罪の意を強めるために、「本当に」をつけることにより、さらに深い反省を表せます。

目上の方に対してミスをしたり、失礼があったりした場合に、「本当に申し訳ありません」と言うと、二度と同じ過ちを繰り返さないことの決意の表明として、好意的に受け取ってもらえるでしょう。


「申し訳ありません」を使った丁寧な謝罪の例文

申し訳ありませんと丁寧な例文
  • 返事が遅くなり、申し訳ありません。取り急ぎご返信し、のちほどご質問の回答を送らせていただきます。
  • 連絡が遅くなり、申し訳ありませんでした。ご依頼の商品は、すでに生産中止になっております。
  • ご迷惑をおかけいたしました。重ね重ねお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。
  • 差し出がましいお願いで申し訳ありません。
  • お手数おかけしまして、大変申し訳ありません。書類の準備ができましたので、カウンターへどうぞ。
  • 急な連絡で、申し訳ありません。もし可能であれば、ご検討ください。
  • 申し訳ありませんが、今回は辞退させてください。

メールの返信が遅くなってしまうと相手方は、心配になったりイライラしたりしてしまうものです

依頼されていることをすぐに対応できないとしても、取り急ぎ対応する予定ということだけでも伝えられれば、相手も安心できます。

「申し訳ありません」のフレーズで、素早く連絡を取るようにしましょう。「本当に」を添えて「申し訳ありません」というと、より丁寧さが増して、謝罪と反省の意を強めることができます。

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「申し訳ありません」と言い換えできる類語一覧

申し訳ありませんの類語① すみません

申し訳ありませんの類語①すみません

謝罪の敬語として最もオーソドックスなのが「すみません」という類語。ビジネスシーンよりも、一般的な会話で使われることが多いです。

社内で上司に使う謝罪のフレーズとしては、少し程度が弱い言葉ですから、重要な局面では多用しない方がよいでしょう

でも、「すみません」も敬語の表現のひとつですから、上司に対して使っても間違いというわけではありません。普段のやり取りの中などのシーンで使うには、申し訳ありませんよりもぴったりな表現といえるでしょう。すみませんの例文を見てみましょう。

「すみません」の使い方

  • お待たせしてしまい、たいへんすみませんでした。
  • すみませんが、ここから東京駅への行き方を教えていただけませんか。
  • この度は、ご面倒をおかけしてしまい、たいへんすみませんでした。今度埋め合わせをさせてください。

申し訳ありませんの類語② 失礼しました/失礼いたしました

謝罪の敬語表現①失礼しました/失礼いたしましたの意味とは

「失礼しました」と「失礼いたしました」も、「申し訳ありません」の類語で、お詫びの意味合いを持つフレーズです

表現の真剣さという点で、「申し訳ありません」よりも程度が低い言葉に分類されますから、ビジネスシーンで用いるタイミングを気を付けなければなりません。

例文として、商談に遅れてしまって、「失礼しました」では、少し謝る度合いが小さいように感じられてしまう可能性があります。

商談中に話しているときに、咳をしてしまったという場合には、「失礼しました」という程度のフレーズがしっくりくるでしょう。

「失礼しました/失礼いたしました」の使い方

  • 手が当たってしまい、たいへん失礼いたしました。お怪我はありませんか。
  • 説明させていただいた部分に言い間違いがあり、たいへん失礼いたしました。
  • お茶をお出しするのを忘れてしまっていました。失礼しました。

申し訳ありませんの類語③ ごめんなさい

申し訳ありませんの類語③ごめんなさいの意味とは

「ごめんなさい」というフレーズもよく使う謝罪の言葉です。

「ごめんなさい」には、敬語のニュアンスが含まれていません。また、許してほしいということだけの意味を持つ言葉です。そういった経緯から、ビジネスシーンには向かないフレーズであるといえます。

同僚との間や、友人や家族との間で、コミュニケーションを円滑にするための、軽い謝罪フレーズとして使うと、お互いに敬意を保って、ミスをフォローしてもらったり、大目に見てもらったりできるでしょう。

「ごめんなさい」の使い方

  • この前貸してくれたブルーレイディスクを持ってくるのを忘れてしまった。ごめんなさい。今度持ってくるから許して。
  • 今まで気づかなくてごめんなさい。声をかけてくれたらよかったのに。
  • 門限を破ってごめんなさい。今度からちゃんとします。

申し訳ありませんの類語④ 恐れ入ります

申し訳ありませんの類語④恐れ入りますの意味とは

「恐れ入ります」も多様な使い方ができるフレーズのひとつです

相手に敬意を持っているという意味で「恐れ」を持っているわけですから、敬語の表現のひとつでもあります。普段は、相手に何かを頼みたいというときに使うフレーズです。

恐れ入りますが」と一言入れるだけで、これから述べることを失礼に感じないようクッション的な役割を果たしてくれます

「恐れ入ります」の使い方

  • たいへん恐れ入りますが、お名前とご連絡先の電話番号を教えていただけますでしょうか。
  • お忙しいところ恐れ入りますが、稟議書へのサインをお願いいたします。
  • 本日はおいでくださり、まことに恐れ入ります。

申し訳ありませんの類語⑤ お詫びいたします/お詫び申し上げます

申し訳ありませんでしたの類語②お詫びいたします/お詫び申し上げますの意味とは

「お詫びいたします」や「お詫び申し上げます」も、とても丁寧な謝罪のフレーズです。

メールなどでお詫びを伝える際、謝罪は述べたいけれど同じ言い回しの多用は避けたいところ。そんな時は「申し訳ありません」だけでなく、「お詫び申し上げます」と言い換えることで、単調な文章を避けられます。

意味は時の通りそのままで、謝りたいと思っていることを直接表現したもので、とても率直な反省の意を相手に伝えられます。「申し訳ありません」と同じく、ビジネスシーンで目上の方にも使える表現です

「お詫びいたします/お詫び申し上げます」の使い方

  • 出発が遅れてしまったことを深くお詫びいたします。
  • 誤配送をしてしまい、まことに申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
  • 至らない点が数多くございましたことを、心からお詫び申し上げます。

【参考記事】お詫び申し上げますの意味から正しい使い方までをまとめました


申し訳ありませんの類語⑥ 陳謝いたします/陳謝申し上げます

謝罪の敬語表現③陳謝いたします/陳謝申し上げますの意味とは

「陳謝いたします」と「陳謝申し上げます」も、深い謝罪の意図を持ったフレーズです

「陳」には、述べるや申し上げるという意味があります。「謝」はお詫びすることや謝ることの意味があります。したがって、「陳謝する」は、お詫びを述べたいというストレートな表現の言葉と言えるでしょう。

さらに、陳謝には起こってしまった経緯を説明するという意図も含まれます。ただ謝るというだけでなく、今後ミスを重ねないようにするという決意をあらわす表現でもあります。

「陳謝いたします/陳謝申し上げます」の使い方

  • この度の不祥事について、関係する皆様に深くお詫びをし、陳謝いたします。
  • 今回の事態を深く受け止め、深く陳謝いたします。
  • これまでの経緯と、今後の再発防止の方針についてご説明し、深く陳謝いたします。

【参考記事】「陳謝」の意味から使い方まで詳しく解説します


「申し訳ありません」の英語表現

「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の英語表現
  • I'm sorry.(申し訳ありません)
  • We hope you understand.(申し訳ありません)
  • I can't apologize enough.(申し訳ありません)
  • I'm very sorry.(たいへん申し訳ありません)
  • A thousand apologies.(申し訳ありません)
  • I apologize for my late reply.(返信が遅れて申し訳ありません)

英語の謝罪の表現も多様です。ビジネスでは、ご理解くださいというニュアンスで謝ることもあり、「hope you understand」もよく使われるフレーズです。

日本語の字義通りなら、「can't apologize enough」が近い意味の表現になります。また、「A thousand apoligies」は、少しかしこまった表現としても使えます。


連絡が遅くなり、申し訳ありませんの英語表現

  • I am terribly sorry for the delay in contacting you.(連絡が遅くなり、申し訳ありません)
  • I apologize for the late reply.(連絡が遅くなり、申し訳ありません)
  • I apologize for the long delay in my response.(連絡が遅くなり、申し訳ありません)

申し訳ないという謝罪と反省の意図を伝えているのは、「I am terribly sorry for」という表現です。「terribly」で「恐れ入ります」という敬意のこもった謝罪表現にもなっていて、とても印象のよい謝り方になっているといえます。


お待たせして、申し訳ありませんの英語表現

  • Sorry for keeping you waiting.(お待たせして、申し訳ありません)
  • I'm sorry to have kept you waiting so long.(お待たせして、申し訳ありません)
  • Excuse me for keeping you waiting for a long time.(お待たせして、申し訳ありません)

英語表現では、「sorry」や「excuse me」という基本的な単語を使って遅れたことを謝ります。待ってくれたことに感謝したり、待たせてしまったことを詫びたりという意味が含まれています。例文の通りにやってみましょう。


「申し訳ありません」を使って、スマートに相手へ謝罪を述べよう。

多様なお詫びの表現がありますが、それぞれに微妙なニュアンスの意味が付されていますから、正しい使い方ができるようにしましょう。敬語で間違いをしてしまうと、恥ずかしいですし、評価もいまいちになってしまいます。

「申し訳ありません」とその言い換えのフレーズをよく覚えて、正しい敬語で謝罪できるようにしましょう。

【参考記事】「申し訳ございません」の使い方をより詳しく解説

【参考記事】「申し訳ございませんでした」の使い方を徹底解説

【参考記事】「深謝」の意味とは?|謝罪の意味もあるの?

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