いい靴を大切に履き続けたい。革靴が長持ちする「5つの習慣」
いい靴と長く付き合うためには?
出張靴磨き屋の池田和弘です。連載4回目の今回は、靴の運用方法についてお話します。
革靴と長く付き合っていくためには、前回の記事(靴磨き屋が教える!誰でも簡単に5分でできる靴の磨き方)でお伝えした様に、靴磨きで革を保湿してあげる必要があります。
しかし、本当の意味で革靴を長持ちさせるためには、靴磨き以外のポイントも抑えていく必要があります。今すぐ日常生活に取り入れたい5つのちょっとしたポイントをご紹介していきます。
1. 3足以上でローテーションしよう
あなたは革靴を何足でローテーションしていますか?同じ靴を履き続けたりはしていないでしょうか?もしかしたらそれが一番の劣化の原因かもしれません。革靴を大事に履きたいのならば、3足以上で順繰りに履くことをおすすめします。
一日履いたあとの革靴は汚れが付着し、汗で湿気を帯びています。毎日の様に同じ靴を履いてしまうと革の状態が落ち着く時間がないため、革の乾燥による劣化や型崩れの原因となってしまうのです。3足以上用意することで革を休ませることができれば、その分靴磨きの頻度も少なくて済みます。
2. シューツリー(シューキーパー)を使用しよう
革靴は繰り返し履いてゆくと、足の甲のあたり、つまり歩いたときに湾曲する箇所にシワが癖として残るケースが多いです。シワが深くなると、その部分から革が割れてゆき、程度によっては履けない状態に陥ってしまいます。(画像参照▽)
そういったトラブルを防止してくれるのがシューツリーです。靴に装着することで、シワが伸びた状態をキープすることができます。素材は主に木製とプラスチック製がありますが、“木製”をおすすめします。靴の消臭効果がありますし、靴の変形を防ぐ効果も高いです。
シューツリーを装着するタイミングは?
諸説ありますが、夜に靴を脱いだとして翌朝くらいがおすすめ。なぜならば、脱いだあとすぐに装着してしまうと、靴の内側の湿気を逃す時間がないためです。シューツリーを用意して、順番に使用する習慣をつけましょう。
3. 履き終わったら“ほこり”を落とそう
外出の後は、靴のほこりを落としてあげることが大切です。ほこりが付着していると革の水分や油分を奪ってしまいます。それにより革が乾燥し劣化を招いてしまうのです。
ほこりと落とす時に使用するものは?
一般的には馬や山羊などのやわらかい毛のブラシでほこりを落とします。しかし、私のおすすめは綿100%の布を使用すること。布を濡らして固く絞ったものを用意し、靴全体を拭いてあげてください。この方法であればほこりを落としながら、革へ適度な水分補給を行えます。
靴を脱いだあとこの作業を毎度行っていると、それまでと見違える程靴の印象がガラッと変わります。
4. 靴べらを使おう。紐は解こう。
スニーカーの様に脱ぎ履きしていると、あっと言う間にかかとの芯が崩れてしまいます。そして、つま先をトントンとして靴を履く癖がある方、かかとの内側を擦り合わせて靴を脱ぐ方は、靴を見ればすぐに分かる程、傷がついています。いくら靴を磨いてもこれでは台無し。悪くなる一方です。靴を長持ちさせたければ、履くときはくつべらを使用しましょう。そして、脱ぐ時は靴紐をゆるめて脱ぎましょう。細かい配慮が大切です。
【参考記事】持ち運びも簡単な靴べらをピックアップしました▽
5. 定期的に修理をしよう
革靴は使用していると確実に靴底とかかとが削れてきます。そのため、定期的に靴修理屋さんに修理をお願いしましょう。修理のタイミングは靴の製法や素材によって違うので、職人さんに相談するのが良いと思います。目安としては、靴底であれば指で押してヘコむ様な状態。かかとであれば一番下の層(よく見ると何層かに分かれている)が無くなるタイミングです。革靴は地面に接しているので、スーツや鞄と比較して格段に傷や汚れが付きやすいです。状態を把握して、早めに処置をしてあげましょう。
まとめ
今回ご紹介した内容を習慣化することができれば、あなたの革靴は格段に保ちが良くなります。靴を履きつぶしてしまうより、コストパフォーマンスもグッと上がるはずです。靴磨きと併せて是非実践してみてくださいね。
▶次回予告:雨との付き合い方、トラブルの対処方法をお伝えします。引き続きお付き合いください。
筆者紹介【池田和弘】
出張専門靴磨きサービス『I.K.D』代表。ワックスを用いずクリームのみで革靴をハイシャインする『すり込み式』の靴磨きによって、月間500〜800足の靴を磨いている。
世界的ファッションブランドとのコラボレーションイベントや靴磨きを通したビジネスセミナーの開催など、従来の靴磨きの枠に捉われない企画を実施。現在は外資系企業においてトップセールスの方々への靴磨きを中心に活動中。社会福祉への靴磨きの活用が関心事。
【池田和弘】アーカイブ
・連載①「月間500足以上の靴を磨く中で気付いた、ビジネスマンが靴を磨くべき5つの理由」
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