懸垂ができない原因。出来るようになる初心者向けトレーニング方法とは?
そもそも、懸垂ができない人は意外と多い。
懸垂は自重トレーニングの中でも高い強度で知られているエクササイズ。少ない回数でも筋肉に刺激を与えられますが、実際にやってみようと取り組んでみると、1回もできないという人は少なくありません。
中には勢いをつけて筋トレを行う『チーティング法』を用いればできるという人もいますが、正しいやり方で行うと、10回できる社会人は急激に減ります。
「懸垂ができない」と感じている人もいるかと思いますが、それほどできていない人が多い自重トレーニングなので、恥ずかしがることはありません。
懸垂ができない原因を知って、練習を行い、懸垂ができるように体を整えましょう。
懸垂ができない原因|あなたに足りないポイントとは?
懸垂は1回もできない人がいれば、何回もできる人もいます。できない人にとって懸垂はできる気がしないほど難しく、どのようにやれば良いのか分かりにくいもの。
実は懸垂ができない原因は一つではなく、いくつか考えられます。ここでは、懸垂ができない原因を詳しくご紹介!
ぜひどの原因が考えられるのかを確認してみましょう。
懸垂ができない原因1. 筋力不足
懸垂ができない理由としてまず挙げられるのが、筋力不足です。主に以下の筋肉不足により、懸垂ができない可能性があります。
- 上腕三頭筋:股関節の伸展などの作用をもつ
- 上腕二頭筋:長頭、短頭にわけられ、肘関節の屈曲などの作用をもつ
- 広背筋:腕を上、前から引き寄せる作用をもつ
- 腹筋:お腹に意識して取り組むと、負荷をかけられ、ウエストを引き締める
- 僧帽筋:肩甲骨を動かしたり、安定させたりする作用をもつ
懸垂は、背中の筋肉を中心に、多くの筋肉に刺激を与えられる優れた自重トレーニングで、筋トレ上級者に重宝されています。
しかし、懸垂を行うための必要最低限な筋力がないと、懸垂自体を行うことができません。
懸垂を行うには、トレーニングで筋力をある程度つけておくことが大切です。
懸垂ができない原因2. 体重が重すぎて持ち上げられない
懸垂を行う時に、筋力を付けてから取り組むのはもちろんですが、他にも重要なポイントとなるのが体重です。
懸垂は鉄棒などにぶら下がって行うため、体重が重いとそれだけ腕の筋肉、背中の筋肉に全体重が乗っかり、高い負荷がかかることになります。
そのため、筋肉を鍛えている体の大きな人が、懸垂を1回もできなかったり、逆に細くて筋力がない人ができたりすることも少なくありません。
懸垂をしたいと考えているなら、筋力をつけるだけでなく、余計な脂肪を燃焼させ、体重落とすことが効果的です。
懸垂ができない原因3. 体の使い方が間違っている
筋力があって、体重もさほどなければ懸垂はできるだろうと思われがちですが、それでもできない人が意外と多くいます。その原因の多くは、懸垂をする際に、体を上手く使えていないこと。
肩に力が入り過ぎたり、バーを強く握り込んでしまったり、誤った体の使い方で懸垂を行うと、体をしっかりと下げられずに本来の効果が発揮できません。
誰もが知っている懸垂だからこそ、一つ一つの細かな動きを確認せずに取り組んでしまいがちですが、正しい懸垂のやり方をマスターすること。しっかりとフォームを確認して使いたい筋肉に最大の負荷をかけられるように意識しましょう。
懸垂ができるようになる練習メニュー|初心者におすすめのトレーニング方法
懸垂ができない状態で、無理に取り組んでもハードルが高くてなかなか上達しません。そのうちにやる気がなくなって継続する意欲が失せてしまっては元も子もありませんよね。
まずは、懸垂よりも負荷の少ない簡単な練習方法から取り組んでいくこと。初心者におすすめしたい懸垂ができるようになる練習メニューを行って、ぜひ慣れてきたら懸垂にチャレンジしてみてくださいね。
懸垂の練習メニュー1. バーを下げて斜め懸垂を行う。
- おへその辺りの高さになるようバーをセット(鉄棒ならおへそ辺りの高さ)
- 肩幅より少し広い位置でバーを握る
- 足を前にずらしていき、体が一直線になるような姿勢(体は反らない)
- つま先を上げて、かかとを床につける
- 胸にバーを引き寄せるように、肘を曲げる
- 肩甲骨動かして、背中が動いているイメージを持つ
- 腕を伸ばして体とバーを引き離す
- 10回を3セット
- 終了
斜め懸垂を行う場合には、横から見た体のラインが、一直線になることがポイント。
お尻が下がった状態で懸垂を行うと、肩甲骨への負荷が少なくなり、効果を十分に得られません。さらにきつくなって膝を曲げても足の筋肉を使って取り組み、効果が薄れてしまうことも。
体を一直線に保つことで、懸垂をする時に正しい筋肉が使えるようになりますよ。鏡を見たり、人に見てもらったり、姿勢をキープしているか確認しながら取り組めると良いでしょう。
懸垂の練習メニュー2. 肩甲骨の下制動作を体に染み込ませる
- 懸垂をやる時のように身長より高いバーにぶら下がる
- 肘は曲げ伸ばしせず伸ばした状態
- 胸をはり、目線は上、体を反らせる姿勢
- 肩甲骨の下制と、広背筋への負荷を意識しながら行う
- 広背筋に負荷をかけるために小指に負荷を乗せて、体をバーに近づけるイメージで行う
- 元に戻す
- 繰り返す
- 終了
懸垂では、肩甲骨を寄せて下制させることがポイントです。
一見、懸垂は腕の力で体を持ち上げているように見えますが、それだけでは肩甲骨が十分に動かずに肩を痛めてしまうことにも繋がります。
そのため、まずは腕を曲げ伸ばしする動作は行わず、肩甲骨を使う動作を体に覚えさせましょう。
肩甲骨を寄せて下制させるためには、バーを持った状態で胸を軽く張り、下を見ずに目線をやや上にすることが大切。そうすることで肩甲骨が下げやすくなり、本来の懸垂での動作が身についていきます。
懸垂の練習メニュー3. 台を使って体を上げる動きを身につける
- 身長より高いバーを用意する
- バーを握る
- 台を使ったりジャンプしたりして、肘を曲げ、バーと胸を近づける
- 肩甲骨の下制、胸を張って広背筋に負荷をかけることを意識する
- 胸とバーを近づける際は、胸を張り、体を反らせる
- ゆっくり肘を伸ばして足を地面に付ける
- 繰り返す
- 終了
肩甲骨の下制動作を体に覚えさせたら、腕を曲げて、体を上げる状態を身に付けさせます。そのために台などを使用すること。
バーにぶら下がった状態から持ち上げる方法はまだ難しいと感じられると思います。また、無理に体をバーに近づけようとして、フォームが崩れてしまう可能性も。
まずは台を用意して、バーと胸が近づく高さに難なく持っていけるようにすること。台から足を浮かせ、肩甲骨の下制動作を意識しながらバーと胸を近づけたら再び台に足を乗せましょう。
練習メニューを続けることで、バーに体を近づける動作のコツが掴めて、懸垂で正しく体を起き上がられるようになりますよ。
懸垂の練習メニュー4. 体を上げた位置でキープする
- 身長より高いバーを用意する
- バーを、肩幅よりも広めに握る
- 台に乗り、肘を曲げた状態から始め、バーと胸を近づける
- 胸を張って、体を反らせるイメージで肩甲骨の下制と、広背筋への負荷を意識する
- 3の状態を5秒キープ
- 肘を伸ばして台に足をつける
- 繰り返す
- 終了
台を使って、懸垂の正しい腕を曲げた状態を体に覚えさせたら、次に体を上げた状態を5秒程度キープします。
腕を曲げる時には、肩甲骨を寄せ、肩を落として下制を意識するのを忘れずに。肩甲骨を開いた状態でキープすると、使いたい僧帽筋が使われず、広背筋と腕の力だけで行うことになるので、肩を痛めてしまうことにもなりかねません。
懸垂で僧帽筋、広背筋、腕にバランスよく負荷をかけるためには、胸を張って肩甲骨を落とし、背中全体で体を持ち上げましょう。
懸垂の練習メニュー5. ゆっくりと下げていくトレーニング
- 身長より高いバーを用意する
- バーを、肩幅よりも広めに握る
- 台に乗り、肘を曲げた状態から始め、バーと胸を近づける
- 胸を張って、体を反らせるイメージで肩甲骨の下制と、広背筋の負荷を意識する
- 3の状態を5秒キープ
- できるだけゆっくりとバーから体を離す
- 繰り返す
- 終了
台に乗って、腕を曲げた状態を正しいフォームでキープできるようになったら、腕を伸ばす時になるべくゆっくり下ろすように行うと効果的。
自重を利用して素早く腕を下ろすと、筋肉を使わずにただ下ろしているだけになります。
懸垂で体をしっかり支えるためには、丁寧に体を落としていくこと。懸垂で正しい下げる動作を身に付けましょう。
懸垂の練習メニュー6. ジャンプの勢いをつけて体を持ち上げる
- 身長よりも、高いバーを用意する
- バーの下に立ち、ジャンプをしてバーを握る
- バーを握ると同時に、ジャンプの反動を利用して体を持ち上げる
- バーと胸を引き寄せ、肩甲骨の下制と広背筋への負荷を意識する
- ゆっくり肘を伸ばす
- バーから手を離し、着地する
- 繰り返す
- 終了
台を使って、肘を曲げた状態からゆっくり下ろす体の使い方を覚えたら、ジャンプで反動を付けて懸垂を行うのが次のステップのポイント。
ぶら下がった状態からでは、広背筋や僧帽筋、腕への負荷がとても高くなるので、上手く体をバーに近づけるのが難しいと感じる人も多いかと思います。
無理に行うと、姿勢が崩れて鍛えたい筋肉を上手く使えない場合も。まずは、ジャンプで反動をつけて、負荷を和らげながら懸垂の動作をしっかりと覚えるのがコツです。
懸垂の練習メニュー7. チューブを使って回数をこなせるようにする
- バーにゴムチューブの取っ手を取り付ける
- 片足の足首にチューブを乗せる
- もう片方の足は、先にチューブに乗せている足に乗せて安定させる
- 肩幅よりも広めの位置で、バーを握る
- 肩甲骨の下制と広背筋に負荷をかけるのを意識しながら、胸とバーを近づける
- 肘を伸ばす
- 5.6を繰り返す
- 終了
懸垂の動作や筋肉の使い方を覚えられたら、次にチューブを利用して、普通の懸垂よりも負荷を落として回数をこなすようにしましょう。
チューブを足首にかけて伸縮によってサポートさせることがポイント。
チューブのサポートにより通常の懸垂よりも多い回数を取り組め、一度も出来ない人でも懸垂の動作を身に付けやすくなります。
ある程度慣れてきたら、利用するチューブを細いものに変えるなどすれば、負荷の調整も簡単に可能です。筋力に合わせて練習に活用してください。
懸垂ができるようにするために、ぜひ練習メニューを取り組もう!
広背筋や腕の筋肉を鍛えたい時に、多くの人が思いつくエクササイズが懸垂ではないでしょうか。
誰もが知っている有名な筋トレですが、女性に限らず男性でも実際に取り組もうとすると簡単にできず苦戦する人も多いのが特徴です。
しかし、懸垂ができない原因を知り、練習メニューをコツコツ取り組めば、誰でもできるようになります。懸垂ができないと悩む方は、ぜひこの記事の練習方法を参考に、懸垂に挑戦してみてくださいね。
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