単身赴任のメリット&デメリット|離婚率や家族円満を続ける方法とは
単身赴任を控えている方へ。
家族と離れて暮らすことになる単身赴任。会社からの転勤命令で、不本意でも単身赴任せざるを得ないという方は多いのではないでしょうか。しかし、家族のためを思って単身赴任を選んだとしても、離婚という形で結末を迎えてしまうことも少なくありません。
そこで今回は、単身赴任のメリットやデメリットから家族円満を続ける方法までお送りしていきます。離れている時こそ、家族の絆が試されますよ。
そもそも「単身赴任」の意味や定義とは?
単身赴任とは、会社からの転勤命令に伴って家族と離れて一人暮らしをするのが定義とされています。家庭を持っているのが前提となり、独身者の場合には単身赴任とはなりません。
単身赴任をするかどうかの選択は本人次第なのですが、「マイホームを購入した」「子供を転校させるのがかわいそう」といった理由から単身赴任を選ぶ方が多いようです。
単身赴任の平均期間はどれくらい?
労働政策研究・研修機構のデータによると、3年以内が70%、3年~5年が20%、5年以上が10%となっており、約3年程度が単身赴任の平均期間として考えられます。
しかし、実際は会社によりけりで1年といった短期間から10年単位といった長期間まで様々です。詳しい期間を知りたい場合は会社に直接「どのくらいの期間を想定しているか」を聞くといいでしょう。
単身赴任のメリット/デメリットは?
単身赴任は家族と離れてしまうため、出来れば避けたいという方がほとんどでしょう。その一方で、単身赴任をしたいと思っている方も少なくありません。
なぜそのように意見が別れてしまうのかというと、単身赴任にはメリット・デメリットの双方があるためです。単身赴任とはいいことなのか悪いことなのかを判断するためにも、これから単身赴任によるメリット・デメリットを紹介していきます。
単身赴任のメリット
単身赴任はどこかマイナスなことと定義されがちですが、何もデメリットばかりではありません。
得られるメリットも数多くありますので、どのようなメリットがあるのかここから見ていきましょう。単身赴任を決意するきっかけとなるかもしれませんよ。
メリット1. 帰りの時間を気にせず飲みに行ったり、遊びに行ける
単身赴任は妻の目がありませんので、独身時代のような自由を手に入れられます。同居している場合は帰りが遅くなることに嫌味の一つや二つ言われてしまいますが、単身赴任中はそういったこととは無縁です。
結婚してから久しくしていなかった朝帰りなんかもできますし、気兼ねなく余暇を楽しめるのは大きなメリットとなります。
メリット2. 洗濯や食事の準備も自分だけの分で済む
同居していると家事も、相手のやり方や好みに少なからず合わせなければなりません。しかし、単身赴任は自分一人のため好きな時に家事をして好きな物を食べられて、と自由に思いのまま行えます。
また、単純に家事の量も減りますので負担削減にもなるでしょう。家事をしたくない時は後回しにしても問題ありませんし、いくら手を抜いても文句を言う人はいませんので、メリットとして挙げられます。
メリット3. 家族の目を気にせず仕事や趣味に打ち込める
単身赴任では妻や子供の相手をする必要がありませんので、全て自分の時間として使えます。家に仕事を持ち帰っても静かな環境で集中できますし、ゲームやテレビも邪魔されずにゆっくりと楽しめるでしょう。
また、幼稚園や保育園に子供を迎えに行く必要もありませんので、残業するのも可能です。仕事も趣味も家族のことを考えて打ち込めなかった方には、何よりも大きなメリットとして考えられるでしょう。
メリット4. 休日に家族サービスをせず、自分の休息に当てられる
休日には妻から「休みの日くらいどっか連れてってよ」と、家族サービスを要求されるのも少なくありませんよね。休日なのに、平日の仕事以上に疲れてしまって「辛い」と感じてしまうことも少なくありません。
単身赴任していればいくらでも寝ていられますし、ダラダラしていても文句は言われませんので、休日にはしっかりと身体を休められます。単身赴任をしなければ得られない休日ですので、まさに嬉しい出来事ですよね。
メリット5. 家族の大事さが改めて感じられる
人間には慣れがありますので、毎日生活を共にしていると家族がいるのを当たり前のことだと感じてしまうもの。それが単身赴任で一人の生活を送ることによって、家族がいることを当たり前ではないことに気付けます。
同居しているとなかなか家族の大切さを感じられる機会は少ないのですが、単身赴任はいいきっかけともなりえるでしょう。
単身赴任のデメリット
単身赴任は家族と離れて「寂しい」ことがデメリットとして考えられますが、デメリットはそれだけではありません。
軽々しく単身赴任を決意してしまうと後々後悔してしまう恐れもありますので、事前に単身赴任によるデメリットを確認しておきましょう。
デメリット1. 引っ越しの手続きや準備などに手間がかかる
辞令が出されてから実際に転勤する日まで、時間はほとんどありません。仕事をしながら新居探しや引っ越し作業、住民票の移し替えなどを急いで行わなければなりませんので、掛かる手間は相当なものです。
自分や家族のための引っ越しならゆっくり準備できますし、前向きな気持ちで取り掛かれますが、転勤による引っ越しではそうはいきませんのでデメリットとして挙げられるでしょう。
デメリット2. 子供の成長を側で見守れないので辛い
父親として子供の成長は最大の幸せであり、生きる目的ともなっているはず。そんな子供の成長に立ち会うことができない辛さは相当なもので、「何のために頑張ってるんだろう」とネガティブで辛い気持ちになってしまう方も少なくありません。
成長の様子を写真で送ってもらったり、電話で子供と話したりしても、直接触れてあげられないのは、父親からすればやはり寂しいもので、最大のデメリットに違いありません。
デメリット3. 食事の準備や洗濯を全て自分でやらないといけない
たとえ仕事でくたくたになっていたとしても、家事は全て自分でやらなければなりません。特に妻が家事全般をしてくれていた方には、相当な負担となるでしょう。
仕事に家事は一人暮らしなら誰もがやっていることですが、結婚していれば妻が助けてくれることに慣れてしまっているはず。単身赴任をすれば、改めて自分で身の回りのことをしなければならないため、苦痛に感じる人も少なくありません。
デメリット4. 生活費が二重でかかるため、貯金がしにくい
単身赴任はいくら節約していても、同居していた時より出費がかさみます。家賃や食費も二重に掛かりますし、引っ越しや家具・家電を揃える初期費用も莫大なものです。
会社から手当てが出る場合がほとんどですが、それだけでは賄いきれず赤字となってしまうことも少なくありません。貯金ができないどころか貯金を切り崩さなければならない場面も出てくるでしょう。
デメリット5. 寂しいがゆえにお互い浮気へ走りやすく、離婚率が高まりやすい
単身赴任はたった一人になってしまうため、必然と寂しさを感じます。それは自分だけでなく妻も同じで、お互いが「寂しい」という気持ちを埋めようと外で浮気してしまうことも多いです。
どちらかの浮気がバレれば当然離婚にも繋がりますし、家族のためを思って単身赴任したのが裏目に出てしまいますので、デメリットという他ありません。
パートナーと離れることが心配…。単身赴任による離婚率ってどのくらい?
平成29年度の厚生労働省のデータでは、人口千人当たり1.7件の離婚、つまり0.17%の確率で離婚していることとなります。
また、アメリカの心理学者によると単身赴任者の離婚率は同居の2倍に当たることが発表されており、日本に当てはめると0.34%の離婚率となるのです。(参考:https://ricon-pro.com/)
この数字を多いと感じるか少ないと感じるかは人によりけりですが、単身赴任をすると離婚率が上がってしまうのは確かなようです。
単身赴任で家族の仲が悪化したり、離婚率が上がったりする理由とは
家族のためを思って単身赴任を選んだにも関わらず、夫婦仲が悪化したり、離婚率が上がったりと逆効果になってしまうことも少なくありません。
なぜそのような事態になってしまうのか、関係が悪化してしまう理由について見ていきましょう。
理由1. 別で暮らすのに慣れて、パートナーへの愛情が薄れやすいから
単身赴任をし始めた時はお互い「寂しい」と感じるものですが、次第に一人でいるのに慣れてしまいます。そうなると、パートナーのことを想う時間・考える時間が自然と減ってしまい、愛情も薄れていってしまうもの。
愛情がなくなれば相手を必要としなくなってしまい、大切にしなかったり、冷たく当たったりしてしまいがちなことから、不仲や離婚の原因にもなりますよ。
理由2. 独身時代のような解放感から浮気に走りやすくなるから
単身赴任をすると自分を縛る存在は何もありません。何をするにも自由になることで強い解放感を感じ、寂しい気持ちやバレにくい安心感も後押しして浮気に走ってしまう男性が多いです。
浮気がバレれば離婚の可能性もありますし、バレなくても妻への気持ちが冷めてしまうため、浮気しやすい単身赴任は離婚に繋がりやすくなってしまいます。
理由3. 一人だとつい浪費してしまい、家族の生活費を圧迫してしまうから
妻の目がない分、羽目を外してしまいやすいのが単身赴任。お酒やギャンブルに外食なども咎める人がいませんので、ついつい浪費してしまいがちです。
そうすれば妻から不満の声が出てくるのは当然なのですが、旦那側も反発心から「自分が稼いだ金だ!」と主張してしまうのも少なくありません。
単身赴任は金銭面の衝突が多く夫婦間が不仲になりやすいため、離婚の原因となりやすいです。
理由4. 一人で居るほうが気が楽だと感じてしまうから
単身赴任中は妻から文句を言われることも、子供の世話を一方的に押し付けられることもありません。自分だけの生活を送れることに気楽さや居心地の良さを感じてしまい、「この環境を手放したくない」と考える男性も多いです。
結果として離婚を選ぶ男性も多く、気楽さを味わえる単身赴任は離婚の決断を後押ししてしまいますので、離婚率を上げているのでしょう。
単身赴任をしても家族円満の日々を送る方法とは
単身赴任は確かに同居している家庭よりも離婚率は高くなりますが、家族円満を保っている家庭が多いのも事実。
どうすれば単身赴任をしても家族円満な日々を送っていけるのか、円満の秘訣を5つに分けて紹介していきます。
これから単身赴任をする方はこういった方法をとって、離婚に繋がらないようにしましょう。
円満の秘訣1. こまめに連絡を取り合い、できる範囲で会うようにする
単身赴任は同居していた時よりも、確実にコミュニケーションが減ってしまいます。コミュニケーションが減れば心も離れてしまいますので、連絡を取り合ったり、会うようにしたりと、意識してコミュニケーションを図っていきましょう。
そうすればお互い家族を意識し続けられますし、家族の大切さを忘れてしまうこともありません。コミュニケーションは夫婦円満の秘訣ですが、単身赴任中はさらに重要な要素ですよ。
FaceTimeやスカイプなど、テレビ電話をするのも有効な手段!
電話をして声を聞くだけでも十分ですが、テレビ電話を活用するとさらに効果的です。顔を見ながら話せるので家族をより近く感じられますし、表情を見ることでお互いの気持ちも伝わりやすくなります。
FaceTimeやスカイプ、LINEなど無料でテレビ電話を利用できるサービスも数多くありますので、積極的に活用していくといいでしょう。「家族に会えなくて寂しい」と思う気持ちも和らぎますよ。
円満の秘訣2. 金銭感覚のズレをなくすために、生活費の配分や内訳をしっかり話し合う
単身赴任の家庭では、金銭面に関するトラブル・不満が非常に多いです。金銭感覚のズレで離婚とならないよう、事前にお互いが納得できるように生活費の配分について話し合うようにしましょう。
しかし、実際に単身赴任をしてみると思ったよりも出費がかさんで、生活費が足りないということも少なくありません。そんな時には現状の内訳などを出しながら、改めて話し合いをすることによって、金銭面でのトラブルを避けましょう。
円満の秘訣3. 誕生日や結婚記念日はきちんと家族でお祝いする
離れて暮らしているからこそ、相手の誕生日や結婚記念日といった特別な日は大切にしなければなりません。有給休暇を取ったり、時間を作ったりと出来る限り家族でお祝いするように心掛けましょう。
家族を大切にしているという気持ちが伝わりますし、日頃の感謝を伝えるいいきっかけともなります。
どうしても都合が付かない場合はプレゼントを郵送したり、電話でお祝いしたりするだけでも構いませんので、離れているから何もしないということだけは避けましょう。
円満の秘訣4. 日頃から感謝や好きの気持ちを口に出して伝える
単身赴任で自分一人で家事をしていたりすると、妻への感謝の気持ちが湧いて出てくるはず。その時に感じた感謝の気持ちや好きな気持ちは、口に出して伝えるようにしましょう。
そうすれば妻も「離れていても自分を想ってくれている」という安心感を得られ、夫婦円満へと繋がります。離れているからこそお互いの気持ちが離れないように、意志の疎通を積極的に図っていきましょう。
円満の秘訣5. 浮気を疑ったりせず、相手のことを心から信頼する
「単身赴任は浮気しやすい」というのが広く知られていますので、「もしかしたら自分の相手も…」と不安になってしまう人もいるでしょう。しかし、いくら浮気を疑っても事実は変わりませんし、得をすることはありません。
それなら相手を心から信頼した方が気持ちが楽ですし、「信頼してくれている」と強く感じた相手は浮気に罪悪感を覚えるはず。遠く離れているからこそ相手を信用して、夫婦円満を保ちましょう。
単身赴任をしても円満な夫婦を目指しましょう。
単身赴任は、家族の不仲や離婚となってしまうことが多いのが事実。その事実を恐れて、単身赴任を決断できない方も多いでしょう。
しかし、単身赴任によって「家族の絆がさらに深まった」と感じる方が多いのも紛れもない事実です。
単身赴任がプラスとなるかマイナスとなるかは夫婦次第ですので、単身赴任を決断するならお互いを思いやりながらプラスになるよう、夫婦で励んでいきましょう。
【参考記事】はこちら▽
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