"拝借"の意味/使い方とは?類語&目上に使える例文集|ビジネス敬語ガイド
「拝借」の意味/読み方とは?
「拝借」とは「はいしゃく」と読み、借りることを意味する敬語表現です。必要な物を借りる時に借用する意味でつかったり、相手に時間をとらせてしまう時などにも使えます。
また、パーティーなど大勢の人が集まるような環境で、「お手を拝借〜」という使い方もされます。相手の意見を聞きたい時などにも便利な表現で、智慧を借りるというニュアンスでも使われます。
さらに、目上の方、先輩に対して使える便利な敬語表現です。モノ、時間、意見などを相手に求める時、借してもらう時に、へりくだった丁寧な表現として是非覚えたい言葉です。
「拝借」と言い換えできる類語一覧
拝借の類語① お借りする
拝借の類語、「お借りする」は、力、智慧、モノを借りる時に使う敬語表現です。意味合い的には「拝借」と差異はありませんが、拝借するよりもソフトな印象な表現のため、口語表現やビジネスメールに向いています。
「◯◯さんのお力をお借りすることになりますが、よろしくお願いいたします。」などのように使うと良いでしょう。
少し一文が長くなるものの、丁寧に目上の方、先輩、上司に対して、協力してもらったり、なにか借りる時に感謝の気持ちを伝えられます。
拝借の類語② お貸しいただく
「拝借」の類語に、「お貸しいただく」という敬語表現がありますが、ビジネスでの口頭、メール等では少し変化させて使用します。
「◯◯様のお知恵をお貸しいただきたく〜」や「お力をお貸しいただく、何卒よろしくお願い致します。」などのように用います。相手に対して丁寧にお願いする気持ちを込めた表現と考えると良いでしょう。
拝借よりも、一文を長くする使い方をすることでより相手への感謝を伝えやすい敬語表現です。
拝借の類語③ お貸し願う
「拝借」の類語、「お貸し願う」は、モノなどを借りる時に使える敬語表現で、意味としては拝借との違いはありません。
「◯◯をお貸し願いたく〜」という形で用いることで、目上の方にも失礼なく、ビジネス上の取引相手等にも安心して使える丁寧な表現。
ただ、少し堅い印象の表現でもありますので、使い方としては、どうしても貸して欲しい、相手に貸さないという選択肢を与えない時などに使うと良いでしょう。年齢的にも少し高齢の方が使う表現という印象もあります。
拝借の類語④ 借用
「拝借」の類語には「借用」という言葉も挙げられます。拝借も借用も、ものや人を借りるという意味で使えるのですが、借用書という言葉があるように、必ず返す前提で借りるというニュアンスがあります。
借りる相手に対して返す意思がある時にも使えますし、どちらかというと口語よりもメールで使われることが多い表現です。ちなみに借用は敬語表現ではないため、上司や目上の先輩には使えません。
一見似たようなニュアンスの言葉であっても、使えないシーンもありますので、失礼のない表現にならないよう気をつけて言葉を使い分けましょう。
「拝借」の正しい使い方とは?
「拝借」は、モノや人の智慧、助けを借りる時に便利な敬語表現です。目の前の相手、ビジネスメールのやり取りをしている相手に対して、お願いする時に使えます。
なにか必要なものがあって一時的に借してもらうとか、アドバイスを求める時に、失礼のない形でお願いする使い方に向いている表現ですので、ぜひ覚えましょう。
自分ではもう解決策がなく万策尽きた時や、自社、知り合いのつてなどでは人手が足りない時などにも使えます。
頼み事をする際のメール、口頭で使うことで、相手に対してへりくだった表現としてお願いができますので、ビジネス敬語の一つとして身に付けたいですね。
ビジネスシーンで使える「拝借」の丁寧な例文
- 申し訳ございません、少しお手洗いを拝借したく、場所を教えていただけますか?
- ご多忙の中大変恐縮ですが、◯◯様のお知恵を拝借してよろしいでしょうか。
- ありがたく拝借します。
- この度は、貴重な機材を拝借する機会を頂戴し、誠にありがとうございました。
- ◯◯様のお力を拝借したことで、無事にプロジェクトを完遂できました。
- お知恵を拝借したことで、良い製品づくりができそうです。
- 以前、拝借しました書籍、大変参考になっております。
- 貴重なお時間を拝借し、感謝申し上げます。
「拝借」が多く使われるタイミングとしては、智慧を借りるタイミング、なにかモノ(場所)を借りるシーンが多く、ビジネスの場では欠かせない敬語表現です。
借してくれた相手に対して、拝借させていただくことへのお礼や、借してもらったことへのお礼を丁寧に伝える表現なため、上司や先輩にも使用できます。
例文にもあるように、相手に対する感謝をしっかりと伝えるために、「拝借」はとても大切な表現ですので、しっかりと例文を身に付けてください。
使い方は少し難しいですが、しっかりマスターしてスマートな言葉遣いを心がけましょう。
【「例文」で使われている敬語】
・「大変恐縮ですが」の使い方って?ビジネスメールでそのまま使える例文もご紹介!
・「頂戴する」の意味とは?|"いただく"との違いまで分かりやすく解説します
・「感謝申し上げます」を使った丁寧な例文集。上司や先輩など目上の人に丁寧にお礼を伝えよう!
「拝借させていただく」「拝借いたします」は二重敬語。
「拝借させていただく。」や「拝借いたします。」は、二重敬語と呼ばれ、基本的には使用してはいけない表現です。なにかを借りる時に、丁寧さを伝えたいがあまり、”いただく。”や”いたします。”を付けてしまいがちですが、実は間違いなので注意しましょう。
現代では使っても問題のない敬語表現として定着しつつあり、特段問題はないですが、言葉の使い方、歴史的な部分まで学んでおくと、一歩進んだビジネス敬語をマスターできます。
ただし、年齢が離れた方に使う場合、その方の考えによっては、間違った使い方であると指摘されることもあります。したがって、「拝借させていただく」など二重敬語の恐れのある表現は、できれば使用を控えるのが無難です。
「拝借」と「借用」の違いとは?
「拝借」と「借用」の違いは、口語かメール等の文章で使用するか?です。「借用」は文語的(メール等で使う)のに対し、「拝借」は口頭での会話で用いられるため、類語ではあるものの、使うシーンが違うと言えるでしょう。
同じ借りるというニュアンスの表現であっても、口語と文語の違いは慣れていないと難しい。そのため、類語のバリエーションを覚えると同時に、それぞれの類語の使い分けもしっかりと身に付けてください。
その際には、二重に敬語をつかってしまう二重敬語に注意したり、上司や目上の先輩に使えるかどうかなどにも注意しつつ、例文なども覚えてしまうと良いでしょう。
「拝借」の英語表現
- May I use your cellphone?(電話を貸してもらえますか?)
- Can you spare me few minutes?(少し顔を貸してくれますか?)
- May I use the toilet?(トイレをお借りできますか?)
- May I use the bathroom?(お手洗いを拝借できますか?)
- I'd like to ask you for your help.(お力添えをいただきたいのですが。)
- I know your busy, but please help me.(お忙しいと思いますが、お力添えいただけますか?)
英語では拝借と同意の言葉を探すのは難しいですが、”May I use〜”といったお決まりフレーズ、”Can you sparee me〜”などはかなり使える、ビジネスでの英語表現です。
また、お手洗いを借りる時にも、英語表現”May I use〜”は使えますので、例文を参考に一部を変えて、英語が必要なシーンで使い方を覚え、ぜひ役立ててください。
「拝借」は、ビジネスでも日常会話でも活用できる敬語表現です。
「拝借」の類語表現や英語での例文などを紹介しました。各表現の例文を参考に、モノや智慧、場所、人などを借りる時にビジネス敬語で失礼の無い表現を心掛けましょう。
まずは身近な上司に例文で覚えた表現を、拝借させていただくなどの『二重敬語』に気をつけながら使うなどして、類語表現もしっかりとマスターしてくださいね。
各類語の例文にある表現を少しアレンジすれば、日々の会話に役立つことでしょう。
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