"お伺いします"の意味/使い方。メールで使える例文集|ビジネス敬語ガイド
「お伺いします」と「参ります」の違いとは
「お伺いします」も「参ります」も「行く」という意味の謙譲語ですが、明確な違いがあります。
「お伺いします」は特定の相手に対して「行く」ことを丁寧に表現していますが、「参ります」は特定の相手ではなく一般的に「行く」という自分の行為を配慮した謙譲表現なのです。
例えば上司に対して海外出張の報告をするときに、「明日アメリカへ参ります」のような使い方をします。「アメリカへ伺います」とは言いません。「参ります」はビジネスシーンなどで、目上や上司に配慮しながら一般的に使う謙譲語です。
「参ります」を使った丁寧な例文
- 決済日が迫っていますので、何とか今月中に北海道の取引先へ参ります。
- これから支店へ行って参りますので、何か用件があれば伝えておきます。
- そちらへ参りますので、担当者の方に引き継ぎをお願いしたいのですが。
「お伺いします」と言い換えできる類語一覧
お伺いしますの類語① お尋ねします
「お尋ねします」は「お伺いします」の類語ですが、この場合は「質問する」という同じ意味です。
「尋ねる」と「伺う」はどちらも「ます」という丁寧語を使った敬語ですが、「お」をつけることで相手を敬う敬語的表現になっています。
「お尋ねします」は自分をへりくだって、目上の人やビジネス上の上司などに敬意を表しながら質問する場合に使います。
「お伺いします」は二重敬語になっているので、避けたい場合は「お尋ねします」の方を使った方がよいでしょう。
「お尋ねします」を使った例文
- お尋ねしますが、今回のプロジェクトで私が最も注意しなければならないのは何でしょうか。
- 他のスタッフではわかりかねるので、部長にお尋ねします。
- 会社の営業方針が発表されましたが、いくつかの疑問点についてお尋ねします。
お伺いしますの類語② お訪ねします
「お伺いします」の類語に「お訪ねします」がありますが、この場合は「訪問する」という意味があります。
どちらも「お」という丁寧な表現をつけている敬語ですが、「お訪ねします」の方が「お伺いします」よりも気軽に使えます。
ビジネスシーンでは目上や上司に向かって使う敬語ですが、比較的親しい間柄の場合は「お訪ねします」の方がしっくりくるでしょう。
「お伺いします」の方はビジネス文書などの書き言葉で使うケースが多いです。
「お訪ねします」の例文
- 明日の朝一番の飛行機に乗りますので、そちらには10時頃にお訪ねします。
- 突然ですが今日の午後にお訪ねしますので、ご都合はいかがでしょうか。
- 電話やメールよりも直接お話を聞きたいので、機会を見てお訪ねします。
お伺いしますの類語③ お聞きします
「お聞きします」は「お伺いします」の類語で、「お」と「ます」をつけて丁寧に表現する謙譲語になります。どちらも自分をへりくだって使う言葉で目上やビジネスでの上司などに使用します。
「お伺いします」がビジネス文書などでも使うのに対し、「お聞きします」の方は会話で使うことが多いのが違う点です。
また、「お聞きします」は「聞く」という行為に限定されますが、「お伺いします」の「伺う」という言葉にはもっと幅広い意味が含まれています。そのため、幅広い使い方をするときは「お伺いします」を使用します。
「お聞きします」の例文
- 改めてお聞きしますが、事故が発生した経過について説明してください。
- 失礼とは思いますが規則で決まっているため、年齢をお聞きします。
- 来年度予算の参考にしますので、今年度の必要経費についてお聞きします。
お伺いしますの類語④ 拝聴する
「拝聴する」というのは「聞く」という言葉の謙譲語になります。「お伺いします」の類語で、「伺う」にも「聞く」という意味があります。「拝聴」の「拝」はおがむという意味があり、自らを謙遜する場合に使います。
感謝を込めた思いを伝えるシチュエーションなどで使用される表現です。例文としては「ありがたく拝聴します」などがお手本になります。
「お伺いします」との大きな違いは、「拝聴する」には「ありがたく聞く」という感謝の念が含まれる点です。
「拝聴する」の例文
- 例年、年始めには社長の事業方針を拝聴することになっています。
- これまでは自分の判断で物事を決めてきましたが、これからは先生のご意見を拝聴することにしました。
- まだ正式の会員になっていないのですが、御社の集まりに参加してご意見を拝聴するのは許されるでしょうか。
【参考記事】拝聴」の意味とは?|ビジネスシーンで使える例文まで解説します▽
お伺いしますの類語⑤ 承ります
「承ります」は「お伺いします」の類語ですが、どちらも「聞く」という意味があります。謙譲語である点も同じですが、「承る」という言葉には聞くだけでなく「承認する」というニュアンスが含まれている点が「伺う」という言葉とは異なります。
したがって、「承ります」と言ったときには、要望を聞いたと同時に承認しましたという意味が含まれるのです。
どちらも自分より目上の人に対して使いますが、ビジネスなどでは「承ります」の方がより相手に敬意を表せます。
「承ります」の例文
- 締切は過ぎておりますが、長年お付き合いのある部長からの要望ですので承ります。
- 今週いっぱいスケジュールは塞がっておりますが、ご依頼の件については確かに承ります。
- チケットの発売は午前10時からですが、窓口では先着100名様については希望を承ります。
【参考記事】「承る」の使い方|言い換えできる類語から例文まで解説します▽
お伺いしますの類語⑥ お邪魔する
「お邪魔する」は「行く」や「訪問する」の意味で、「お伺いします」と同じ謙譲語になります。相手への敬いの気持ちを表す敬語表現です。
「邪魔する」には「妨害する」という意味があり、相手にとっては迷惑なニュアンスがあります。そのため「お邪魔する」というのは、迷惑をかけてすみませんという気持ちが込められています。
「お伺いします」は単に訪問しますという報告ですが、「お邪魔する」には申し訳ないという気持ちがあるので、相手が忙しい最中に訪問するといったシチュエーションで使われます。
「お邪魔する」の例文
- こちらの都合で年末にお邪魔することになりますが、よろしいでしょうか。
- 今回のプロジェクトでは弊社のスタッフがお邪魔するので、よろしくお願いいたします。
- このような事態にならなければ、部長のお宅へお邪魔することもなかったと思います。
お伺いしますの類語⑦ 参上する
「お伺いします」には「行く」や「訪問する」という意味がありますが、同じ意味の類語として「参上する」という言い方があります。
「参上する」も「お伺いします」も、目上の人やビジネスシーンの上司やハイクラスの人に対して使う点は同じです。どちらも謙譲語で自分をへりくだって相手への敬いを表現します。
使うシチュエーションとしては、目上の相手へ自分が訪問するときなど。注意したいのは文章や言葉の最後に「参上」を使うと名詞になって敬語的表現は失われてしまい、失礼にあたるため注意しましょう!
「参上する」の例文
- 詳しい経過報告については参上する所存ですが、その前に手紙で説明させてください。
- 今回のプロジェクトが無事に終えることができた暁には、スタッフを引き連れて参上するつもりでおります。
- 今後の展開によってはこちらの責任者が参上することになりますが、よろしいでしょうか。