"ご足労いただき"の意味/使い方。目上へのメール例文付き|ビジネス敬語ガイド
「ご足労いただき」と言い換えられる類語
「ご足労いただき」など、移動してきてくれた相手に対して労いの意味を伝えられる言葉はいくつか存在します。
ここからは、「ご足労いただき」と言い換えられる類語を徹底解説。
- お越しいただき、
- ご来社いただき、
- ご来訪いただき、
- お越しくださいまして、
- ご足労くださいまして、
各類語の使い方から例文まで詳しく勉強していきましょう。
ご足労いただきの類語① お越しいただき、の使い方
「お越しいただき、」は「ご足労いただき、」の類語としてよく使われる基本のビジネス用語です。「いただく」は謙譲語で「来てもらった」の意になるため、使い方として目上の人に対して使うのは全く問題ありません。
「お越しいただき、ありがとうございます」はよく使われる文例です。「ご足労いただき、」と同様に、相手が来訪済みの場合に使います。「お越しいただき、」は口語でも文章語としても使え、相手に直接話したり、メールなどの文章として伝えることも可能です。
「ご足労いただき」との違い
「ご足労いただき、」は会社の上司には使えませんが、「お越しいただき、」は万人に使える言葉です。いずれも来ていただいた方に感謝の意を込めて伝える語ですが、パーティなどに招待した場合は「お越しいただき、」を使用します。
【参考記事】「お越しいただき」の使い方を解説します▽
ご足労いただきの類語② ご来社いただき、の使い方
「ご来社いただき、」は「来社」に「ご」と「いただく」をつけて、「来社した」を敬語にした表現です。自社に訪問したとの意味で、使うタイミングとしては訪問客が自社に到着した後になります。
社内という場を強く意識し、相手に自社訪問の謝意とともに歓迎の意を表す言葉で、自社の関係者以外なら誰にでも使えます。ごくごく基本的なビジネス用語なので覚えておきましょう。口語でもメールでも利用できる使いやすい表現です。
「ご足労いただき」との違い
「ご足労いただき、」は、こちらが指定した場所への来訪者に謝意を示す表現なのに対し、「ご来社いただき、」は自社を訪れた相手に対して使います。「ご足労いただき、」は場所を特に問いませんが、「ご来社いただき、」は自社の訪問者に限定した表現です。
ご足労いただきの類語③ ご来訪いただき、の使い方
「来訪」とは「人が訪ねてくること」で、「ご来訪いただき、」は来訪に「ご」と「いただく」をつけた敬語表現です。会話としてはやや硬めですが、ビジネスシーンにふさわしいのでよく使われます。
「ご来社いただき、」と違い、こちらが指定した任意の場所で使えますが、訪問先が自社の場合は「来社」が適切なので使用を控えましょう。
お客様や上司、取引先など、目上の人に対して使うのがふさわしいです。他の「ご~いただき、」の語と同様に、訪問相手がこちらに来た後に使います。
「ご足労いただき」との違い
「ご足労いただき、」は、訪問に対して感謝とねぎらいを与える表現で誰に対しても使えますが、「ご来訪いただき、」は敬語になるためお客様や目上の人に対して使います。いずれも訪問場所は問いませんが、来社の際は「ご来訪いただき、」の使用は避けましょう。
【参考記事】「来訪」の意味とは?正しい使い方を説明▽
ご足労いただきの類語④ お越しくださいまして、の使い方
「お越しくださいまして、」は、「いただく」の代わりに「くださる」を使った語です。
厳密にいうと、「いただく」は「(して)もらう」の謙譲語のため、こちらから相手に来訪を依頼した場合に使うのに対し、「くださる」は「(して)くれる」の敬語になり、相手側の申し出により来訪を受けた場合に使います。
「お越しくださいまして、」は敬語であるため目上の方に使うのは問題ありません。使用するタイミングとしては、すでに来訪を受けた場合に使うのが適切です。
「ご足労いただき」との違い
先ほどの説明でも分かる通り、厳密な使い分けとしては以下の通りになります。
「お越しくださいまして、」は「くださる」を使用しているため、相手側の好意による申し出により来訪を受けた場合に使い、「ご足労いただき、」は「いただく」を使用しているため、こちらから来訪を依頼して相手方の訪問を受けた場合に使うとよいでしょう。
ご足労いただきの類語⑤ ご足労くださいまして、の使い方
「ご足労くださいまして、」についても、「お越しくださいまして、」と同様の使い方になります。こちらが何らかの事情で相手側に伺うことができない場合に、相手側からの来訪の申し出があり、実際に訪問を受けた場合に使うのがよいでしょう。
「くださる」という相手の行為に敬意を表する敬語を使用しており、目上の方に使うのも問題ありません。「くださる」の現在形を用いているため、すでに来訪を受けた場合に使うのがふさわしいです。
「ご足労いただき」との違い
類語としてほとんど使い分けはしませんが、「ご足労くださいまして、」は「くださる」を使用しているため、相手側の好意による申し出により来訪を受けた場合に使います。
一方、「ご足労いただき、」は「いただく」の語を使用しているので、こちら側から来訪を依頼し、それが実現した場合に使います。