ニュアンスの意味/使い方とは|普段の会話で使える例文&類語まで徹底解説

長谷川大輔 2019.07.27
公私共に使用される機会が多い言葉「ニュアンス」。よく耳にする言葉とはいえ、意外ときちんとした意味を把握して使いこなせている方は多くないはず。そこで今回は、ニュアンスの意味や使い方から、実際に活用できる例文まで詳しく解説していきます。

ニュアンスの意味とは|どんな表現方法なのか?

ニュアンスを伝える画像

ニュアンスとは、わかりやすく言うと大きく2つの意味を持っています

  • 言葉に含まれている微妙な意図や考え
  • 色彩やトーンにおける色合いや強弱の微妙な差異・違い

話し手が伝えたいと思いつつ言葉での表現が難しい意図や雰囲気を示す時は、「もう少し強いニュアンスだよ」などと使いますし、色やトーンの微妙な差異を伝えたい時は「もう少しやわらかいニュアンスで」などと使います。

聞き手が話し手の感覚をある程度想像して汲み取る必要があるでしょう。


ニュアンスの語源とは|どんな言葉から生まれた言葉?

「ニュアンス」という言葉の語源は、英語ではなくフ、ランス語の「nuance」が由来になっています

もともと「nuance」という単語は、「陰影」という意味を持つ言葉。

「nu」 はフランス語で「雲(nuage)」 を指しており、「ance」 は「〜をすること」といった意味を持つため、この2つを組み合わせると「雲のようにする・行うさま」を表しています。

雲は視界を遮り曖昧な形に見せるものですから、「はっきり分からない物や事」を指し、わかりやすく言うと「言外の話し手の意図」「色やトーンの微妙な差異」という雰囲気を示す使い方をするようになったと考えられます


ニュアンスの正しい使い方|例文から使われ方を学ぼう!

「ニュアンス」が使われるのは、誰かの発言に含まれる微妙な意味合いや言葉の裏に隠された意図を示す時です

言葉での説明が難しい細かい違いや雰囲気を伝えたい場合には、ニュアンスという言葉を使うことが多いでしょう。

例えば新商品の感想を部署内で共有する時、様々な意見を正確にまとめるのは意外と難しいため、集まった意見をもとに「消費者の意見はこういうニュアンスだ」といったんわかりやすく方向付けをするような場合に使います。


実際にニュアンスを使用した例文一覧

  • 彼はいつも肯定的なニュアンスで話す人だ。
  • もう少し厳しいニュアンスで伝えると分かりやすいのではないか。
  • 彼女があまりいい気分でないことは言葉のニュアンスで分かる。
  • 実力不足だということは部長の発言のニュアンスを汲み取るとすぐ理解できることだ。
  • このシャツのデザインは、あのブランドのシャツとニュアンスが似てるね。
  • こないだ英語で提案いただいた資料よりは、日本語のニュアンス的に合っていますよ。
  • あなたの意見は彼の意見と少しニュアンスが違うと思います。
  • ニュアンスだけで伝えようとするプレゼンは何を伝えたいのか分かりにくいから避けたいものだ。

ニュアンスの類語|同義語として使われる言い換え表現とは?

言葉ではうまく表現できない意図を示すニュアンスとは、似た言葉である類語で言い換えることができます。

状況や相手に合わせて言い換えることで、別の言い方としてより伝わりやすくなることもあるでしょう。似た言葉として使えるニュアンスの類語を2つ紹介します。


ニュアンスの類語① 雰囲気

「ニュアンス」を言い換える場合の類語としてよく使われるのが、「雰囲気」という言葉です

その場の感じや、その場にいる人たちが持っている空気などを指し、例文でいうと「ここは家庭的な雰囲気の店ですね」といった使い方をします。

ある人つの言葉ではっきりと表現するのが難しい状態を意味する点では似た言葉ですが、「ニュアンス」が物や事など広い対象に対して使うのに対し、「雰囲気」は主にその場の空気感や人の気分に対して使うことが多いです。

そのため、別の言い方として、「ニュアンス」よりも限定された対象に対して使うという使い分けをするのが一般的と言えます。


ニュアンスの類語② 含意

「ニュアンス」の類語の一つとして挙げられる言葉に「含意」という別の言い方もあります

「含意」とは、使われている漢字の意味の通り「意味を含むこと」、つまり表面に現れない意味を含んでいるさまを指し、例文でいうと「取引先の発表内容の含意を正しく読み取る」などと使います。

適切な一つの言葉では表現できない意味を示すという点は共通していますが、「ニュアンス」が言葉の外に含まれた意味合いを何となく汲み取るという意味で使うのに対し、「含意」は既に決まっている意味をはっきり汲み取るという意味合いが強いです。

「ニュアンス」よりも汲み取ろうとする意味が明確であるケースが多いでしょう。


「ニュアンス」だけではなく、正しい言葉の意味を使える大人に!

日常生活で使う機会が多いニュアンスという言葉は、便利な表現である一方で、話の焦点がぼやける曖昧さを持っています。

例文にもあるようにビジネスシーンで使う場合は、何を言いたいか分からなくなる可能性があるので注意が必要です。

ニュアンスの持つ由来や意味、正しい使い方をこの記事の例文で学んで、日常の会話にぜひ役立ててくださいね!

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