"高みの見物"の意味/使い方とは?類語&丁寧な例文集|ビジネス敬語ガイド

関係のない立場から傍観するという意味を持つ言葉、高みの見物。対岸の火事と比べられる言葉で、実際に使う人も多いでしょう。今回は、高みの見物の意味から正しい使い方、言い換えできる類語、丁寧な例文まで徹底解説。良く使う人もこの機会により深く理解しておきましょう。

「高みの見物」の意味とは?

「高みの見物」とは、自分に直接関係のない立場から興味本位に成り行きを見守ること、傍観することを意味する敬語表現です。「高見の見物」の「高見」は間違いなので要注意。

「高み」というのは周辺よりも高い場所のことで、「見物」は眺めること。この2つの意味をくっつけて、周囲より高い位置から傍観するこという意味合いになります

使われるシチュエーションとしては、自分とは利害関係のないところで騒ぎが起こっている場合です。例えばライバル会社のプロジェクトで問題が起こって騒ぎになっている場合に、「高みの見物」という言い方をします。

よくない事態が起こっているというシチュエーションで使われる言葉が「高みの見物」です。


「高みの見物」の語源や由来とは?

「高みの見物」の語源は「高み」からきています。争い事やもめ事を見るのに適しているのは高い場所です。高い場所から傍観することから発想されたのが「高みの見物」という言い回しであるといえます

当事者の場合は騒ぎの渦中に巻き込まれるので、全体を眺めることはできません。しかし無関係の人間なら、興味本位で傍観することができますね。

そのような人たちが見物するのに都合のよい場所が高い場所です。「高みの見物」とは高い場所から、下の方で騒いでいる人々を無関係な第三者が興味本位で見物するというのが由来になっています。


「高みの見物」の正しい使い方とは?

「高みの見物」という言葉は他人の立場から興味本位に他人の不幸を眺めるという意味なので、自分の上司や目上の人に対して使うのはおすすめできません。

ただし、「高みの見物といきましょう」などの使い方をすれば、目上の人を誘うことはできますね。目上の人や上司に仕えるかどうかは、その場のシチュエーションによるところが大きいでしょう

目上の人や上司に使う場合でも、普段から近い関係にあるのが前提条件になります。滅多に顔を合わせない上司やビジネスの取引先などには使わない方が無難です。

「高みの見物」には他人の不幸をおもしろがるニュアンスがあるので、使い方には慎重さが必要ですね。


「2ch(5ch)」などインターネット上でも使われる

ビジネス文書やメールではほとんど使われない「高みの見物」ですが、インターネットを利用したSNSなどではよく使われます

例えば投稿サイトの「2ch(5ch)」では「ワイ、高みの見物するわ」などのような使い方が多いですね。「ワイ」という言葉の語源は関西弁からきており、「自分」という意味で、「ワイ」という言い方で相手を見下すニュアンスがあります。

「2ch」で「ワイ、高みの見物」が使われるようになった元ネタは、チャンネル内で自分より劣る相手を見つけたときに見下すという意味合いから生まれたのです。


「高みの見物」を使った丁寧な例文

高みの見物を使った丁寧な例文集

  • 競争相手の業者が不正取引で摘発されたから、高みの見物といきましょう。
  • 触らぬ神に祟りなしというから、高みの見物が1番ですよ。
  • 首を突っ込むと争い事に巻き込まれるから、私は高みの見物を決め込むよ。
  • 被害者には申し訳ないが、ここは一つ高みの見物としゃれこもうか。
  • 我々のプロジェクトは完成したから、現在進行中の案件については高みの見物だ。
  • 俺はあんな危険な仕事を請け負うのはごめんだから、高みの見物を決め込む。

各例文でわかるように、「高みの見物」を使うシチュエーションは相手が困っている状況や苦境に陥っているケースがほとんどです

なぜかというと「高みの見物」には相手を見下すという意味合いがあるので、相手が自分より勝っているシチュエーションは成り立たなくなります。

競争社会であるビジネスの現場では、口に出さないまでも「高みの見物」的な状況は多々起こり得るのです。


「高みの見物」と「対岸の火事」との違い

「対岸の火事」というのは自分がいるこちら側とはかけ離れた川の対岸の火事のことで、自分には直接関係のない物事を傍観することです。

「高みの見物」と似ているのは、直接自分に火の粉が降りかからない安全な場所で傍観するというシチュエーションです。自分にとっては痛くも痒くもないという立場は同じですね

違いは語源の持つニュアンスにあります。「高みの見物」は相手の不幸を眺めて見下すという意味合いですが、「対岸の火事」は見下すというニュアンスはありません。「対岸の火事としない」の例文では教訓にもなります。


「対岸の火事」を使った例文

  • ライバル企業が開発に失敗したことは、我が社にとっても対岸の火事ではありません。
  • 昨夜起こった事件は、同じ町内でもあるしとても対岸の火事とは思えない。
  • 今回の企画部の不祥事を対岸の火事とはしないで、我が部署の規律をさらに高めよう。
  • 大事なことはライバルの苦境を笑うことではなく、対岸の火事とすることです。
  • お隣の不幸は対岸の火事ではなく、我が家も注意する必要があります。

「高みの見物」と言い換えできる類語一覧

高みの見物の類語① 他人事

「他人事」は「ひとごと」と読みます。意味は、自分には縁がないけれども他人にとってはとても大事なものということ

シチュエーションとしては教訓的な意味合いで使う場面が多いですね。「他人事とは考えないで、自分の身を振り返りなさい」といった例文が教訓的な使い方になります。

「他人事」は「高みの見物」の類語になりますが、どちらも自分には関係のない物事という点で同じ語源に属します。類語でも異なる点があります。見下すニュアンスがある「高みの見物」に対して、「他人事」は教訓的な使い方ができることでしょう。


高みの見物の類語② 野次馬

「野次馬」も「高みの見物」の類語。意味は、自分とは関係のない出来事を興味本位で傍観する人のことです。

類語として共通なのは、自分とは無関係の第三者的立場であるという点ですね。「高みの見物」をする人間は「野次馬」であるという言い方も可能でしょう。

語源は似ていても「野次馬」が「高みの見物」と違うのは、傍観するだけに留まらないで自ら騒ぎ回るというニュアンスがあること。「高みの見物」は客観的に対象物を見下ろしているのに対し、類語の「野次馬」は自ら動くことで騒ぎを大きくすることがあります。


高みの見物の類語③ 我関せず

「我関せず」というのは、ある出来事について自分は無関係であると思っていることです。ビジネスシーンでは「我関せず」という言葉をモットーにしている場合もあります。

「我関せず、我が道をゆくのみ」という例文のように、ビジネスシーンでの一つの生き方として使う場合も。自分は第三者的立場であるという点では「高みの見物」と似ています。

「我関せず」は「高みの見物」の類語ですが、自分の立ち位置をしっかりと確保するというニュアンスがあり、他者を傍観するニュアンスが強い「高みの見物」とはかなり使い方が違ってきますね。


高みの見物の類語④ 山門から喧嘩見る

「山門から喧嘩見る」という言葉の意味は、自分には関係のない安全な山門で、外の出来事を興味本位で傍観するということ。「高みの見物」や「対岸の火事」と同じような意味合いがありますが、丁寧さが感じられます。

どちらかというと「対岸の火事」に似ており、言い換えればより丁寧な使い方になりますね。

「高みの見物」との違いは、どのような意識で傍観するのかという点でしょう。「高みの見物」が突き放して見下ろすイメージなのに対し、「山門から喧嘩見る」は丁寧に眺めるといった客観性が強くなります。


高みの見物の類語⑤ 川向かいの喧嘩

「川向かいの喧嘩」は「対岸の火事」とほとんど同じ意味合いで、言い換えて使うことができます。「高みの見物」の類語になりますが、自分とは無関係という立場に立っている点が似ています。

「川向かいの喧嘩だと思って、関わらない方が賢明だよ」という例文のように、教訓的な使い方ができますね。この点も「対岸の火事」と同じです。

「高みの見物」が関係のない相手を見下すという意味が強いのに対し、「川向かいの喧嘩」にはそのニュアンスがない点が違います。


高みの見物の類語⑥ 余所事

「余所事」は「よそごと」と読みます。「他人事」とほぼ意味合いは同じで、自分とは直接関係のない事柄を意味します

「余所事」を使うシチュエーションとしては、ビジネスシーンで他の部署が失敗したときに「余所事だと思えない」というような使い方ができますね。

「高みの見物」と似ているのは、自分とは関係ないという立場でしょう。違いは言葉の持つニュアンスで、「高みの見物」には相手を見下す意味合いが含まれますが、「余所事」にはそこまでのニュアンスはなく、教訓的な使い方をします。


「高みの見物」と言い換えできる対義語一覧

高みの見物の対義語① 干渉

「干渉」という言葉は、本来は自分とは関係ない事柄なのに強引に関わって、自分の考えに従わせることを意味します。自分から相手に関わっていくので、「高みの見物」の対義語であり反対語です。

「干渉」は色々なシーンで使われますが、ビジネスの現場では相手のプロジェクトの方針が違うときに積極的に関わっていく場合などが考えられますね

自分の考えに従わせるという意味合いが「干渉」にはありますが、必ずしもマイナスとは限りません。相手が間違った方向へ進もうとしている場合は、「干渉」することによって軌道修正ができるからです。


高みの見物の対義語② 斡旋

「斡旋」とは、物事がスムーズに進むように2人の人間や複数の組織の間をとりもつことです。積極的に他者に関わっていくので、「高みの見物」の対義語になります。

よく使うシチュエーションとしては、対立している2つ、または複数の組織がある場合など。放っておくと争いが起こってしまうときに、第三者が「斡旋」することで衝突を回避できるわけです。

このように「斡旋」という反対語には前向きな要素が含まれており、ビジネスの世界ではとても大切な言葉といえるでしょう。


高みの見物の対義語③ お節介

「お節介」というのは、本来は無関係なはずなのに余計な手出しをして相手に迷惑をかけてしまうことです。

無関係なので見物をするという意味の「高みの見物」の対義語になりますが、相手に迷惑をかけてしまうという点では、「お節介」はマイナスイメージのある反対語でしょう

ビジネスシーンでよくあるシチュエーションは、相手が仕事で苦労しているのを見て、放っておけなくて手伝ってしまうケースです。結果がよければ「お節介」とは言われませんが、失敗したり迷惑をかけてしまうと「余計なお節介をして」などと言われてしまいますね。


高みの見物の対義語④ 介入

当事者ではないのに、ある出来事について関わっていくことを「介入」といいます。一般の市民生活ではあまり使われない言葉ですが、組織や会社などの現場では「高みの見物」の反対語として使われます。

シチュエーションとしては、争い事が発生した場合が多いでしょう。例えば会社の跡継ぎ問題で上層部が割れた場合など、会社を存続させるために第三者が「介入」します

この例文でもわかるように、「介入」にはある種強引に割って入るというニュアンスが強く、力を持っている人だけが行える行為ともいえますね。


高みの見物の対義語⑤ 火中の栗を拾う

「火中の栗を拾う」という言葉はビジネス以外でもよく使われます。自分の利益にはならないのに、他人のためにわざわざ危険を買って出るという意味で「高みの見物」の反対語です。

本来なら無関係なので手を出さないで見ていればいいのです。わざわざ手を出して相手のために力を尽くすのですから、正義感の表れという側面もこの言葉にはありますね

使うシチュエーションで多いのは、ビジネスの現場で同僚や後輩が失敗しそうになるのを見てられない状況です。ずるい人なら見て見ぬ振りをするでしょうが、「火中の栗を拾う」人は自分の不利益を顧みずに手助けしてしまうのでしょう。


「高みの見物」の英語表現

ご査収の程よろしくお願いいたしますの英語表現

  • I was an idle spectator of your trable(あなたの問題を高みの見物した)
  • we look on with unconcem(私たちは高みの見物を決め込みます)
  • you must look on with indifference(君は高みの見物をすべきだ)
  • to look on from a safe height(高みの見物)
  • stand by idly(高みの見物)
  • I watch from the safely(高みの見物をする)

英語で「高みの見物」と言う場合、stand by idlyやlook on with unconcemという言い方が最も一般的です。

もっと丁寧な言い方ではI watch from the safelyでしょう。安全な場所から見ているという意味なので、「高みの見物」と同じニュアンスがあります。

look on with indifferenceは座視するという意味なので、「高みの見物」として使えますね。


「高みの見物」という言葉をこの機会に100%理解して。

「高みの見物」という言葉の持つ意味、どのようなシチュエーションで使うかなどについて説明しました。

敬語として目上の人に使うのは避けた方がよく、類語の中から言い換えできる丁寧な言葉を用いた方が安全です。ビジネスシーンで使う場合は、対義語なども理解しておくと幅広く応用できるでしょう。

例文などを参考にして、使い方をマスターしてください。

【参考記事】「申し伝える」の正しい使い方から類語まで解説

【参考記事】「お気遣いなく」を使った丁寧な例文を解説します

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