スクワットで膝が痛くなる原因|初心者が体を痛めない対策とは?
スクワットで膝を痛める原因|何が間違っているの?
特に無理をしたわけではないのにスクワットで膝を痛めてしまい、「普通にトレーニングしてるのになぜ?」と不思議に思っている方はいませんか。
膝が痛くなる原因の多くは、
- 間違ったフォームで取り組んでいるか
- スクワットに必要な筋肉が弱かったか
の2パターン。
ここでは、それら原因について「なぜそうなるか?」を詳しく見ていきましょう。
スクワットで膝が痛くなる原因1. 間違ったフォームで行っている
スクワットのフォームを間違えて覚えてしまっている方は意外なほど多くいらっしゃるようです。「ただしゃがむだけじゃないの?」と思った方は、膝を悪くして痛い思いをすることになりますよ。
膝が痛くなる時のフォームは多くの場合、つま先に重心をかけているか、しゃがむときに膝を内側へ入れてしまうパターン。
いずれも目的の筋肉にしっかり負荷がかからず、膝へ負荷が集中してしまう間違ったフォームです。そのまま続けていると負荷に耐えられなくなった膝が痛みを訴え始めますよ。
鍛えたいのに故障してしまっては意味がありません。単純なトレーニングですが、しっかりと正しいフォームを心がけてください。
【参考記事】はこちら▽
スクワットで膝が痛くなる原因2. スクワットで使う筋肉が弱い
正しいフォームにしようとしているのに、どうしてもできない方もいます。そういった方はスクワットに用いられる筋力が不十分というケースが多いようです。
本来スクワットで刺激されるべき大殿筋やハムストリングス、腓腹筋が弱かったり固かったりすると、トレーニングの負荷をしっかりと受け止めることができません。
体は無意識のうちに負荷を別の部位に逃がそうとし、その結果として膝に負荷が集中して痛くなることに繋がります。
これまで運動不足だった方はいきなりスクワットに取り組まず、ますはストレッチや別の筋トレでコンディションをしっかり整えましょう。
スクワットで膝を痛めない対策|改善方法は「股関節」にアリ。
股関節の使い方がスクワットの質を高めるポイントになります。正しいフォームなら股関節を上手に使え、膝を痛めるリスク対策になりますよ。
スクワットの正しいフォームは以下の通り。
- 腰と同じくらいに足を開く。
- (1)の時、つま先の向きは膝が曲がる方向に合わせる。
- 背筋を伸ばす。肩甲骨を寄せて下げるようにすると姿勢を作りやすい。
- 股関節を使いながらイスへ腰掛けるイメージで膝を曲げていく。
- (4)の時、膝は横から見てつま先より前に出さない。
- 太ももが床と平行になったら動作を止める
- 元の体勢にゆっくり戻していく。
初心者の場合、膝だけを使って腰を下ろしてしまうケースが多いので注意。
股関節をしっかりと曲げ、膝ではなくお尻と太ももに負荷がかかっていることを自覚しましょう。
スクワットがきつい人は、別のトレーニングで下半身を引き締める。
正しくスクワットに取り組んでも、膝が痛いと感じたり、厳しくなってしまったりする方はきっといらっしゃると思います。
自分に合わないトレーニングを頑張っても余計に体を痛めてしまうだけ。他に代替となるトレーニングメニューがあればそちらを試してみましょう。
ここでは、スクワットの代わりとなる筋トレメニューをご紹介しますので、自分に合ったものがあるかチェックしてみてくださいね。
スクワットの代わりになる筋トレメニュー1. レッグランジ
レッグランジは、主に大腿四頭筋や大臀筋を中心に鍛えることができるトレーニングです。
陸上競技などで走ることが多いアスリートには、スクワットよりも強力な下半身を作れるので、下半身の強化に最適。
下半身全体に高い負荷がかかるので、スクワットによる下半身強化をしてからのステップアップとして取り組むと良いでしょう。
トレーニングの正しいやり方
- 頭の後ろに手を添える。
- 真っ直ぐ立ち、肩幅くらいに足を開く。
- 片足を前方に大きく出し、そのまま体を真下に下げていく。
- 前方に出した足に力を加えながら、2の体勢に戻す。
- 足を入れ替えて同じ動作を行う。
レッグランジの目安は、自分の筋力に限界を感じるまで×1〜2セット。
回数には制限がないので、きついと感じるまでを1セットとしてください。
トレーニングのコツ
- 背筋が曲がった状態にならないよう、真っ直ぐの姿勢をキープする。
- 膝はつま先より前に出さない。
- 顔は常に真っ直ぐを向いておく。
レッグランジでは、背筋を曲げた状態でトレーニングしてしまうと正しく重心をかけることができず、大腿四頭筋などターゲットとなる筋肉に十分な負荷を与えることができません。
背筋はしっかりと意識していないと曲がりがちになるので、レッグランジに取り組んでいる最中は姿勢を崩さないよう常に心がけるようにしましょう。
【参考記事】レッグランジのやり方&コツとは▽
スクワットの代わりになる筋トレメニュー2. スプリットスクワット
スプリットスクワットは、主に大腿四頭筋やハムストリングス、内転筋、大臀筋など、お尻や太ももを構成する筋肉を全体的に鍛えることができるトレーニングです。
スクワットよりも負荷をかけられるので、下半身をより強く鍛えたい時におすすめです。
また、前述したレッグランジに見た目が似ていますが、こちらは片足に負荷を集めて行うので、さらにハードなトレーニングが必要な時に役立ちます。
トレーニングの正しいやり方
- ダンベルを両手に持つ。
- 片足を前方に出し、別の足は後ろに伸ばすような体勢を取る。
- 上半身は胸を張った状態で床に対して垂直を保つ。
- 重心を前方へ移しながら膝をゆっくりと曲げていく。
- 前方に出した足の膝がつま先より前に出て太ももが床と平行になったところで動作を止める。
- 2の姿勢に戻す。
スプリットスクワットの目安は、片足10回ずつ×3セット。
負荷をしっかり与えられるよう、ゆっくり行うことを心がけてください。
トレーニングのコツ
- 慣れてフォームが身につくまではダンベルなしで取り組む。
- 背中を曲げないようにする。
- やや前傾姿勢になるようにして重心を前方へかける。
- 体が左右にぶれないように意識する。
- 動作スピードが一定になるように心がける。
- 負荷を上げたい時は足を入れ替える際にジャンプする。
スプリットスクワットは姿勢が乱れていると目的の部位へしっかりと負荷をかけることができません。
十分なトレーニング効果を得られないばかりか、膝に負担をかけて痛めるリスクも高くなります。
初めてのうちは正しいフォームを身につけることが重要なので、慣れるまではダンベルなしで負荷を抑えながら取り組みましょう。
【参考記事】スプリットスクワットのやり方&コツとは▽
スクワットの代わりになる筋トレメニュー3. ヒップアブダクション
ヒップアブダクションでは、主に中殿筋や小殿筋といったお尻を構成する筋肉を鍛えることができます。
スクワットよりも負荷が少なく、お尻の引き締めが主目的になるトレーニングです。
本格的な下半身強化トレーニングをする前の準備運動や、形の良いお尻を手に入れたい方のボディメイキング用として取り組んでみてください。
トレーニングの正しいやり方
- 床に横たわり、肘を使って上半身がぶれないようしっかり支える。
- 下側の足は膝を軽く曲げ、上側の足は伸ばす。
- 伸ばした状態の上側の足を、そのままゆっくりと高く持ち上げていく。
- 足を持ち上げた体勢のまま1秒ほど動きを止める。
- 上げた状態からゆっくりと下ろしていき、最初の体勢に戻す。
ヒップアブダクションの目安は、片足10回ずつ×3セット。
勢いをつけて足を動かさないように気をつけ、お尻周辺にある筋肉の動きを意識しながらゆっくり行いましょう。
トレーニングのコツ
- 足が前後にふらつかないよう意識しながら真横に開く。
- 吐きながら足を開き、吸いながら戻すように呼吸を意識する。
- つま先は常に正面を向くよう心がけ、開いてしまわないようにする。
- 開いた足を元に戻すときはゆっくりした動作を心がける。
ヒップアブダクションでフォームが乱れやすくなる瞬間は上げた足を元に戻すとき。
戻す動作が速いと足全体やつま先がぶれてしまうので、戻し動作には3秒くらい時間をかけると正しいフォームを維持しやすくなります。
正しいフォームができていると中殿筋や小殿筋にもしっかり負荷をかけられるので、トレーニング効果がアップしますよ。
【参考記事】ヒップアブダクションのやり方&コツとは▽
スクワットの代わりになる筋トレメニュー4. ヒップリフト
ヒップリフトでは、主に大臀筋や脊柱起立筋など、腰からお尻にかけての筋肉を鍛えられるトレーニングです。
スクワットでは難しい体幹まで鍛えることができるので、腰痛対策や基礎代謝向上も期待できますよ。
負荷の強い本格的なトレーニングをするための体力的な下地作りとして最適。筋トレ初心者はヒップリフトから徐々に体を慣らしていってみましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 仰向けになって床へ横たわる。
- 90度ほどの角度で膝を立てる。
- 両手を横方向へ30度くらい開いて体を支える。
- 腰を突き出すように持ち上げていく。
- 腹から膝へかけてのラインが真っ直ぐの体勢になったら動きを止める。
- 呼吸しながらお尻の筋肉に負荷がかかっていることを意識する。
- ゆっくりとした動作で元の体勢に戻す。
ヒップリフトの目安は、10〜15回×2セット。
セット間には1分ほどのインターバルを挟んで筋肉を小休止させるようにしましょう。
トレーニングのコツ
- 正しい呼吸を意識し、息を吐きながらお尻を上げ、吸いながら下ろす。
- 上半身は力まず、リラックスした状態で取り組むようにする。
- 動きに勢いをつけず、大臀筋を使ってゆっくりとお尻を上げ下げする。
きつく感じてくると、楽になりたくて動作スピードが早くなりがち。
1回の動作が早いと筋肉には瞬間的にしか力が加わらないので、負荷がほとんどどかからず、トレーニング効果が落ちてしまいます。
腰を上げる時は3秒、下げる時も3秒を目安として、ゆっくりした動きをキープするように意識しながら取り組みましょう。
【参考記事】ヒップリフトのやり方&コツとは▽
スクワットの代わりになる筋トレメニュー5. バックキック
バックキックは、大臀筋や広背筋などお尻周りの筋肉を強化したい時に有効なトレーニングです。
スクワットのメインターゲットが腰から下の筋肉中心になるのに対し、バックキックはお尻から背中まで鍛えられることが特徴。
お尻を引き締め、姿勢を良くする効果が期待できるので、スタイルを美しくしたい方なら積極的に取り組んでみましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 手と膝をつき、四つん這いの体勢になる。
- 片足を持ち上げながら後ろの方向に大きく伸ばしていく。
- 伸ばした足をゆっくりと元の位置まで戻す。
バックキックの目安は、片足10〜20回ずつ×3セット。
セット間には1分ほどのインターバルを挟むようにし、筋肉を少し休ませるようにしましょう。
トレーニングのコツ
- 足を伸ばす動作は素早く行い、反対に下ろす動作はゆっくりするよう心がける。
- 足を伸ばすときはへそを覗き込むような体勢にして腰が上がるようにする。
- 伸ばした時の足の高さはお尻より上になるようにする。
- 足は真っ直ぐに伸ばし、膝を曲げないように意識する。
バックキックは足の伸ばし方と高さが効果を上げるポイント。これら基本フォームが崩れてしまうと効果が不十分になってしまいます。
特に足の高さはしっかり意識しないとお尻より上に上がらなくなるので、少し大げさなくらいの上げ方を心がけると上手くいきますよ。
正しいフォームを守れば筋肉にしっかり負荷がかかり、バックキックの質を高くすることができます。
【参考記事】バックキックのやり方&コツとは▽
膝が痛まないよう、正しくスクワットを行っていきましょう。
スクワットは自宅でもできるシンプルなトレーニングなので、つい自己流で取り組んでしまい、膝を悪くして痛い思いをしてしまうことがあります。
膝を痛めないためには正しいフォームを覚え、実践することが大切です。また、初心者の方など、慣れていないうちは他の代替トレーニングで体の基礎作りから始めるといいでしょう。
今回の記事を参考にして、膝を痛めないようにスクワットに取り組んでみてくださいね。
【参考記事】スクワットは毎日やった方が効果的?▽
【参考記事】スクワットの正しい呼吸法とは?▽
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