ダイナミックストレッチの効果的な種類。運動前の簡単な体操メニューとは?
ダイナミックストレッチとは?
ダイナミックストレッチとは、「動的ストレッチ」とも呼ばれる柔軟運動の種類の一つ。
体を静止させた状態で行う「静的ストレッチ」とは違い、体を動かしながら行うこと、反動をつけることで筋肉を柔らかくします。
「静的ストレッチ」では伸ばしきれない筋肉をストレッチできるほか、体を温めて運動のパフォーマンスを上げる効果も期待できるので、バスケやサッカー、陸上などのプロのアスリートの準備体操として多く活用されていますが、一般の方でも運動をする時に取り入れると役立ちます。
毎日ランニングをしている人やジムに通っている人、スポーツが好きな方などに特におすすめですよ。
ダイナミックストレッチの効果|動的ストレッチにどんなメリットがあるの?
ダイナミックストレッチとは何なのかご説明したところで、具体的にどんな効果が得られるのか気になる人も多いはず。
ここからは、ダイナミックストレッチの効果をご紹介します。
体にどのような影響があるのかや、取り入れることでどう活用できるかなど詳しくご紹介していきますので、ダイナミックストレッチに挑戦してみたいと考えている人はぜひチェックしてみてくださいね。
ダイナミックストレッチの効果1. スポーツなどのパフォーマンスが上がりやすい
一般的に"ストレッチ"と聞いてほとんどの人がイメージするのは、体を静止させた状態で行う「静的ストレッチ」。しかし、静的ストレッチは、筋肉がリラックス状態になってしまうため、運動をするにはパワー不足となることも。
ダイナミックストレッチは筋肉を収縮させながら伸ばすので、筋肉がリラックスすることを防ぎながら柔軟に。運動をする為に必要なパワーを筋肉に与えてくれるので、ジャンプ力や瞬発力、肩周りの力が向上するなど、スポーツ時のパフォーマンスを上げる効果が期待できます。
そのため、ダイナミックストレッチは運動をする前に行うのが最適です。
動的ストレッチの効果を検証ダイナミックストレッチの効果2. 怪我をしっかりと予防する
走ったり飛んだりする時など、筋肉に負担がかかると損傷を引き起こす恐れがあります。そんな、スポーツによる怪我を防ぐ為には、筋肉を温め、運動するための準備を整えてくれるダイナミックストレッチがぴったりです。
さらに、反動をつけながら筋肉を伸ばすことで関節の可動域が広がり、肩関節や膝、股関節などの怪我を防ぐ効果も。特に、野球やバレーボールや、バドミントンなどでは肩を、ランニングやサッカーなどでは膝や股関節を痛めやすいので、運動前のダイナミックストレッチが欠かせません。
「静的ストレッチ」でも筋肉はほぐせますが、体温が上がりきらず、怪我のリスクを効果的に下げることができません。そのため、運動前の準備体操には、ダイナミックストレッチが効果的ですよ。
ダイナミックストレッチの効果3. 集中力を持続する
集中力を持続させるためには、血液の循環が欠かせません。しかし、筋肉が萎縮していたり、筋肉が動かされない状態が続いていると血行が悪くなりがちに。
ダイナミックストレッチで体を動かしながら筋肉をほぐすことにより、血液の循環を促す効果が期待できます。それにより、血液が脳までしっかりと届き、集中力が持続します。
スポーツをする時は特に、良い結果を得るため、そして怪我を防ぐ為にもとっさの判断力が重要。ダイナミックストレッチを事前に取り入れれば、集中力の高い状態をスタート時から作れますよ。
また、血液の循環が悪くなりやすい勉強や仕事の合間など、日常生活でも集中力を持続させたい時にもおすすめですよ。
ダイナミックストレッチの効果4. 体を温めてハードな運動へと移行しやすい
ダイナミックストレッチでは体を動かしながら行うので、心拍数が上がります。それにより、体温が上がり、体が興奮状態になるのでハードな運動へとすぐに移行しやすくなります。
例えば、ランニングをする時、急に走り始めると身体がだるく、重たいと感じてしまいますよね。ですが、ダイナミックストレッチを取り入れることで体が温まり、準備が整った状態になるので、走り始めから楽に感じやすくなりますよ。
バスケ、サッカー、水泳などの体力を大きく消費するスポーツの前にはもちろん、息の上がるような筋トレを行う前にもおすすめ。激しい運動をする時、いつも本調子になるまで時間がかかるという方は、ぜひダイナミックストレッチを取り入れてみてくださいね。
ダイナミックストレッチの正しいやり方|運動パフォーマンスをあげる効果的な種類とは?
ここからは、ダイナミックストレッチの効果的なやり方をご紹介していきます。
正しいやり方だけでなく、注意すべきポイントやどんな運動をする前に行うのがおすすめなのかなども詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ダイナミックストレッチの種類1. 下半身全体をほぐす簡単ストレッチ
片足で屈伸運動をする動きを取り入れたストレッチ法。
股関節と体側を中心にストレッチし、走る、しゃがむ、ジャンプするなどの動きをスムーズにしてくれる効果が期待できます。なかでも、バスケやバレーボール、テニス、バドミントンなど、下半身のパワーを必要とするスポーツをする際におすすめですよ。
趣味のスポーツをもっと楽しみたいという人は、ぜひ準備体操として取り入れてみてくださいね。
ストレッチの正しいやり方
- 足を腰幅に開き、背筋を伸ばした状態でまっすぐに立つ。
- 両手を頭の後ろで組む。
- 両膝をゆっくりと、軽く曲げる。
- 右足を大きく後ろに引き、腰を下げていく。
- 右膝が床に着くギリギリのところまで腰を下ろす。
- ゆっくりと立ち上がりながら、(3)の位置へと戻る。
- これを10回繰り返す。
- 左足も同様に、10回行う。
ストレッチを行う目安は、片足10回ずつ×1セット。
こちらは筋トレではなくあくまでストレッチなので、回数、セット数は少なめで問題ありません。それよりも、ゆっくりとした動きで、正しいフォームを意識することを重視しましょう。
ストレッチのコツ
- 膝が床に着くギリギリの位置まで、しっかりと腰を下げる。
- 上半身が前、もしくは後ろの倒れないよう、背筋をまっすぐに保つ。
- ゆっくりとした動作で、正しいフォームを意識する。
- 常に呼吸を止めずに行う。
特におさえておくべき注意点としては、腰をしっかりと下まで下げること。
下がりきっていないと、股関節の可動域が広がらず、太ももの前側の筋肉も十分に伸ばされないので、下半身のストレッチ効果が薄れてしまいます。
後ろに引いた足の膝が、床に着くか着かないかのギリギリの位置、膝が90°に曲がる位置まで、しっかりと腰を下ろすよう意識して行いましょう。
ダイナミックストレッチの種類2. お尻から腰にかけて伸ばすストレッチ
足を大きく横に開き、屈伸運動を行うストレッチ。股関節の可動域を広げる他、内ももの筋肉を伸ばしたり、下半身の筋肉を温めるのにも効果的なストレッチ方法です。
一歩大きく踏み出した時に、つま先が正面を向いていること、かかとがしっかりと床についていることを意識して行うのがポイント。間違ったやり方だとストレッチ効果が薄れるだけでなく、怪我をする恐れもあるので、正しいフォームを意識しながら取り組みましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 足を腰幅に開いて立った状態でスタートする。
- 肘を軽く曲げた状態で、両手を胸の前で組む。
- 右膝を伸ばしたまま、左足を大きく横に一歩踏み出し、左膝を曲げながら深くしゃがむ。
- 右足の内ももがストレッチされているのを感じながら、左足を元の位置に戻す。
- これを10回繰り返す。
- 反対側の足も同様に行う。
このストレッチの目安は、片足10回ずつ×3セット。
急いで行うとフォームが乱れやすくなってしまうので、慣れないうちは特にゆっくりと行い、正しいやり方で取り組むことを意識しましょう。
ストレッチのコツ
- 一歩足を踏み出した時に、つま先が外側に向かず、正面を向いていることを意識する。
- かかとが上がらないように注意しながら取り組む。
- 足を踏み出す際に腰を少し後ろに引き、可能な限り深くしゃがむ。
ストレッチにおいての注意点は、かかとが床から離れないように意識しながら取り組むこと。
かかとが浮いてしまうと足元が不安定になり、転倒してしまったり、足首をひねってしまう恐れがあります。最悪の場合、捻挫を引き起こす可能性も。
素早い動作で行うと、特にかかとが浮いてしまいがちなので、ゆっくりとした動きを心がけ、着実に正しいフォームで行うよう意識しましょう。
ダイナミックストレッチの種類3. ふくらはぎを伸ばす簡単ストレッチ
ふくらはぎは、走ったり飛んだりするスポーツにおいて必ず使われる重要な筋肉。
そんなふくらはぎを柔軟にし、怪我を防止したり、パフォーマンスを上げたりする効果が期待できるのが、「ふくらはぎのストレッチ」と呼ばれる柔軟方法です。
シンプルな動きでできるので、運動初心者の方でも挑戦しやすいメニュー。ただし、特に何も意識せず取り組んでしまうとストレッチ効果が薄れてしまうので、かかとを上下させる動きに注目しながらリズムよく行うことが大切です。
ストレッチの正しいやり方
- 足を腰幅に開き、まっすぐに立った状態でスタートする。
- 両手を腰に当て、右足を一歩後ろに引く。
- かかとを上げた状態で、右足のつま先のみ床につける。
- 左膝を軽く曲げ、右足のかかとを床につける。
- 右足のかかとを上げる。
- (4)(5)の動きをテンポよく、10回行う。
- 右足を元の位置に戻す。
- 左足も同様に行う。
「ふくらはぎのストレッチ」を行う目安は、片足10回ずつ×1セット。
慣れないうちはフォームが乱れてしまいがちなので、ゆっくりと行い、慣れてきたら徐々にテンポを速めていきましょう。
ストレッチのコツ
- つま先と膝が、正面を向いていることを意識する。
- 自然な呼吸を意識しながら取り組む。
- 初めのうちはゆっくりと行うことで正しいフォームを身につけ、慣れてきたらテンポを速めていく。
- ふくらはぎと足首が硬く、かかとが床につかない場合は、足幅をやや狭めて調整する。
「ふくらはぎのストレッチ」を行う時は、膝の向きとつま先の向きが、必ず正面を向いていることを意識しながら行いましょう。
内向き、または外向きに膝とつま先がずれてしまうと、ふくらはぎが最大限にストレッチされません。
もしもフォームが乱れてしまう場合は、ややテンポを遅くしたり、足幅を狭めて調節し、ふくらはぎがしっかりと伸ばされていくのを感じながら取り組みましょう。
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ダイナミックストレッチの種類4. 股関節のストレッチ
「股関節のストレッチ」は、かがんだ状態で腰を上下させ、股関節周りを柔軟にするストレッチ方法。
股関節の可動域が広がり、しゃがんだり走ったりするなど下半身の動きをスムーズにする効果が期待できるので、陸上の運動や野球をする前に取り入れるのがおすすめですよ。
なるべく大きな動きを意識して行うことで、股関節周りがほぐされ、そして内ももの筋肉へのストレッチが効いてきます。慣れないうちは小さな動きから始め、慣れてきたら反動を大きくつけていきましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 両足を、肩幅よりも大きく開いて立った状態でスタートする。
- 両手を両膝に起き、膝が90°の角度に曲がる位置まで腰を深く落とす。
- 手を膝についたまま右肩を前へ出し、上半身を左側に向かって捻る。
- そのままの腰を上下に動かし、リズミカルにバウンドさせる。
- これを10回繰り返す。
- 上半身を正面に戻す。
- 反対側も同様に行う。
「股関節のストレッチ」を行う目安は、左右10回ずつ×1セット。
左右の股関節、内ももをバランスよくストレッチさせるため、右側と左側は必ず同じ回数行いましょう。
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ストレッチのコツ
- 腰を上下させる動きでは、膝を押し、股関節が広がっていくのを感じながら取り組む。
- 自然な呼吸を続けながら行う。
- できる限り大きな動きを意識しながら取り組む。
- 体をしっかりとひねってから、腰を上下に反動をつける。
- リズミカルなテンポを意識する。
「股関節のストレッチ」を取り組む上での注意点として、上半身をしっかりとひねった状態をキープしながら行うことが重要。ひねりがあまいと股関節周りのストレッチの効きが弱く、可動域が十分に広がりません。
じわじわと内もも周り、股関節が広がっていくのを感じられたら、正しいフォームで取り組んでいる証拠。心地良いと感じる場所を探りながらチャレンジしてみてくださいね。
ダイナミックストレッチの種類5. ハムストリングスのストレッチ
「ハムストリングスのストレッチ」は、上半身を前に倒すことで、太ももの裏の筋肉を伸ばす柔軟体操。
ももの後ろ側の筋肉を柔軟にし、ジャンプ力をアップさせたり瞬発力を上げる効果が期待できるので、バレーボールやバドミントンなどのスポーツを行う前に取り組むのがおすすめです。
こちらのストレッチでは、上半身を深く倒すことで、ももの裏の筋肉がストレッチされます。特に、早めのテンポよく行うと上半身の倒しが浅くなりがちなので、筋肉の伸びを感じる位置まで深く倒すことを意識して取り組みましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 足を腰幅に広げ、背筋を伸ばした状態で立つ。
- 両手を腰に当てる。
- 背筋を伸ばしたまま、膝を軽く曲げながら腰を引き、上半身を前に倒す。
- できる限り深く前に上体を倒したら、背筋を伸ばした状態のままで、上体を起こしていく。
- (4)の時、同時に膝も伸ばす。
- (3)〜(5)の動きをテンポよく、10回繰り返す。
「ハムストリングスのストレッチ」を行う目安は、10回×1セット。
よりハードな運動をする場合は、2〜3セット繰り返し、太ももの裏の筋肉のストレッチを強化するのがおすすめです。
ストレッチのコツ
- 背中、首が前や後ろに曲がらないよう、背筋をまっすぐにした状態で取り組む。
- なるべく上半身を深く前に倒し、ももの後ろの筋肉がストレッチされているを感じながら行う。
- 上体を起こす時に、後ろに反り返らないように注意する。
「ハムストリングスのストレッチ」において最も大切な注意点は、背筋をまっすぐに保った状態で行うこと。
特に、上半身を前に倒した時は、背中が丸くなってしまったり、首が前に倒れてしまいがち。すると、太ももの後ろの筋肉が十分にストレッチされなくなってしまいます。
正しい方法で取り組めば、少ない回数でも効率よくストレッチできるので、ぜひ取り組むときの姿勢に注意してみてくださいね。
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ダイナミックストレッチの種類6. 肩から肩甲骨周りをほぐすストレッチ
ゆっくりと大きく肩甲骨を動かすよう意識することで、効率よく肩関節の可動域を広げられます。
腕を高く上げたり、物を持ち上げたりするのが楽になるので、ラケットやボールを使うテニス、野球などのスポーツをする前はもちろん、日常的に行う柔軟運動として取り入れるのもおすすめ。
デスクワークなどで同じ姿勢が続いた時や、朝起きた時など、肩周りが硬くなっている時にぜひ取り入れてみてくださいね。
ストレッチの正しいやり方
- 足を肩幅に開いて、背筋を伸ばした状態で立つ。
- 両手の指先を肩につけ、肘を横に張る。
- 肩甲骨が動くように意識しながら、肘を前に向かって一回転させる。
- これを10回転するまで繰り返す。
- この時、肩が硬い場合は回転させる円を小さくする。
- (2)の位置に腕を戻す。
- 逆回転で同様に、10回肘を回す。
このストレッチの目安は、前回し、後ろ回しそれぞれ10回転ずつ×1セット。
肘をしっかりと大きく回すよう意識すれば、少ない回数、セット数でも肩を柔軟にする効果が十分に期待できるので、回転数よりも正しい方法で行うことを重視しましょう。
ストレッチのコツ
- 肘だけでなく、肩甲骨が動いていることを意識しながら行う。
- 肘を回す動きが小さくならないよう、ゆっくりと取り組む。
- 背中が反り返らないよう、腹筋を意識しながらまっすぐな姿勢をキープする。
- 呼吸を止めずに行う。
このストレッチでは、大きな動きで行うことが重要ですが、勢いがつくと背中が反り返ってしまうことも。背中が反ってしまうと、腰を痛めてしまう可能性があるので注意が必要です。
背筋をまっすぐに保つ為には、腹筋を意識するのがポイント。
グッとお腹に力を入れながら行うことで、背中が後ろに反り返るのを防げます。勢いよく腕を回せば回すほど腰が後ろに曲がりやすくなるので、より強く、腹筋を縮めるように力を入れることを意識しながら取り組みましょう。
ダイナミックストレッチの種類7. 胸周りをほぐすストレッチ
両腕に反動をつけることで、胸周りを徐々に開いていく「胸のストレッチ」。
肩の可動域が広がり、腕が動かしやすくなる他、猫背を改善する効果も期待できる柔軟体操です。
腕だけを動かすと胸、肩周りの筋肉が十分にストレッチされないので、肩甲骨をしっかりと後ろに寄せることを意識するのがポイント。ぜひ正しいやり方を身につけて、スポーツをする前や、毎日の柔軟運動として取り入れてみてくださいね。
ストレッチの正しいやり方
- 足を肩幅に開き、立った状態でスタートする。
- 手のひらを天井に向け、両腕を肩の高さで横に開く。
- 両腕を肩よりも後ろに引きながら、肩甲骨を寄せ、胸を開く。
- この時、肘を曲げず伸ばした状態で行う。
- 腕を元の位置に戻す。
- (3)、(4)の動きを、反動をつけながら10回繰り返す。
このストレッチの目安は、10回×1〜2セット。
反動を大きくつけて行う方が効果的ではありますが、無理をすると筋肉や肩関節を損傷してしまうこともあるので、痛みの出ない範囲で取り組みましょう。
ストレッチのコツ
- 腰が反らないよう、腹筋に力を入れながら取り組む。
- 腕だけを動かすのではなく、肩甲骨が寄っていること、胸が開いていることを感じながら行う。
- 腕を後ろに向かって振りにくい場合は、無理をせず、腕を動かす範囲を狭める。
このストレッチを行う時は、背中が反り返らないように注意が必要です。両腕を後ろに振る時に勢いがつくと、特に腰が反ってしまいやすく、腰痛の原因となってしまいます。
腹筋に力を入れながら行うと、背筋をまっすぐに保ちやすいですよ。
また、腕の振りが大きければ大きいほど姿勢が崩れやすくなってしまうので、慣れないうちは反動を小さくして行い、徐々に大きな動きにチャレンジしていきましょう。
ダイナミックストレッチの種類8. 下半身全体をほぐすストレッチ
腰を深くまで下げた位置から立ち上がることで、下半身の筋肉に強くアプローチする「ディープスクワット」。回数、セット数を重ねれば心拍数も上がるので、ハードな運動をする前の準備として最適です。
ただし、太ももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」への負荷が大きいため、間違った方法で取り組むと怪我をするリスクも。特に慣れないうちはフォームが乱れやすいので、ゆっくりと行い、正しいフォームを身につけましょう。
ストレッチの正しいやり方
- 両足を肩幅に開き、つま先を前に向けた状態で立つ。
- 背筋をまっすぐに伸ばす。
- 腹筋に力を入れながら、ゆっくりと腰を下ろしていく。
- (3)の時、脇を締めたまま両肘を90°に曲げ、顔の横で手を軽く握る。
- しゃがむ体勢になるまで、腰を最大限まで下げられたら、ゆっくりと(2)の状態に戻る。
- これを8〜12回繰り返す。
「ディープスクワット」の目安は、8〜12回×3セット。筋肉の回復を待つため、間に1分間のインターバルを挟みましょう。
ストレッチのコツ
- かかとが上がらないように注意する。
- 立ち上がる時、膝の力を使うのではなく、しゃがんだ時の足の筋肉のは弾みを利用する。
- 腹筋とお尻の筋肉が働いているのを意識しながら行う。
- フォームが乱れないように、ゆっくりとした動作を意識する。
「ディープスクワット」は激しいスポーツをする前の準備運動として最適ですが、一方で怪我のリスクも高い種類の一つ。特に、しゃがんだ体勢から立ち上がる時は、膝に負荷がかかりやすく、怪我をしてしまう恐れがあります。
- お尻と腹筋に力を入れながら行うこと
- しゃがんだときの足の弾みを利用して行うこと
- ゆっくりとした動作で正しいフォームで行うこと
上記の3つのポイントを意識し、膝への負担を減らしましょう。
ダイナミックストレッチの種類9. 腰や腹筋など上半身をバランスよく伸ばすストレッチ
背中を丸めたり、反らせたりすることで、背骨の柔軟性を高める「キャットアンドカーブ」。腹筋や背筋など上半身の筋トレがしやすくなったり、激しいスポーツでの腰の怪我を防止する効果が期待できます。
こちらのストレッチでの注意点は、痛みのない範囲で行うこと。
無理やり腰を反らせると、怪我を防止するどころかかえって腰痛を引き起こす可能性があるので、特に体が硬い人は無理をせず自分のペースで取り組みましょう。
ストレッチの正しいやり方
- マットや布団の上で、足の甲を床につけた状態で四つん這いになる。
- 息を吸いながら、背中を反らせ、顔は天井に向ける。
- 息を吐きながら、背中を丸めていき、おへそを覗くように頭を下に下げる。
- 背中を反らせる動き、丸める動きはそれぞれ2秒ほどずつかけて行う。
- これを10回繰り返す。
「キャットアンドカーブ」の目安は、腰を反らせる動き、丸める動きを1セットと数えて、10回×1〜2セット。痛みが出る場合は回数、またはセット数を少なくし、無理のない範囲で行いましょう。
ストレッチのコツ
- 背中を反らせる時は、胸を前に突き出すような感覚で取り組む。
- 背中を反らせる時に、大きく息を吸い、丸める時に大きく息を吐くことを意識する。
- 骨盤が前後に移動しないように注意する。
- 痛みが出るほど、無理に腰を反らせない。
「キャットアンドカーブ」を行う時は、骨盤が前後に移動しないように注意しながら取り組むのがポイント。
腰を反らせる時は前に、丸める時は後ろに骨盤が動きやすく、ズレると背中がほぐれにくくなったり、背骨に負担がかかって痛みが出たりする可能性があります。
2秒ほどずつかけながら行うのが理想的ですが、慣れないうちはスピードを落とし、骨盤の位置が安定するよう注意しながら行いましょう。
ダイナミックストレッチの種類10. 肩・肩甲骨のストレッチ
タオルを使って、肩甲骨、肩、体側をほぐすストレッチ。
上半身、肩周りの動きがスムーズになるため、走る時の腕が振りやすくなったり、ラケットやボールを振る力がアップする効果が期待できます。速度の速いランニングや陸上、テニス、野球、バトミントンなど様々なスポーツにおすすめですよ。
特別な器具を使わず、家にあるもので手軽にできるので、ぜひ運動前の準備運動として気軽に取り入れてみてくださいね。
ストレッチの正しいやり方
- 右膝を床につき、左膝を立てた状態でスタートする。
- 座ったままで、右足のかかとを上げてつま先立ちした状態を作り、体がぶれないように支える。
- 両手でタオルの端と端を握る。
- 肘を伸ばしたまま、タオルを持った腕を時計回りに体の前から後ろへ、後ろから前へ一回転させる。
- 体の前まで回してきたら、逆回転も同様に行う。
- 時計回し、反時計回しを交互に3回ずつ行う。
「肩・肩甲骨のストレッチ」の目安は、時計回し、反時計回しを交互に3回ずつ×2セット。肩周りに痛みが生じる場合は、使うタオルのサイズを大きくし、手と手の幅を広くして取り組んでみましょう。
ストレッチのコツ
- 腕を回すときに、骨盤、上半身の位置がぶれないように腹筋に力を入れ、軸足でバランスを取りながら行う。
- 腕が後ろに回った時に、背中が反らないように注意しながら取り組む。
- 上半身が動いてしまう場合は、腕を回すスピードを落とす。
「肩・肩甲骨のストレッチ」を行う時は、腕の遠心力で体の軸がブレてしまいがち。
上半身や骨盤の位置がずれると、腰、背骨に負担がかかってしまうので、腹筋に力を入れながら取り組むのがポイントです。
また、膝を立てた方の足全体、つま先立ちさせた足指など、床に密着させた部位に力を入れると、体がより安定しやすいので試してみてくださいね。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ|取り組む前に意識すべき注意点とは?
ここからは、ダイナミックストレッチの効果をより高めるコツをご紹介していきます。
パフォーマンス効果を上げる為にはどんなことを意識すれば良いのかや、怪我のリスクを避ける為に気をつけておくべき注意点なども詳しくご説明していきますので、初めてダイナミックストレッチに取り組む方はぜひチェックしてみてくださいね。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ1. 正しいフォームで取り組む
ダイナミックストレッチを行う時は、正しいフォームで取り組むことが最も重要。
フォームが乱れてしまうと、筋肉が十分にストレッチされなかったり、効率よく筋肉が働かず体が温まりきらなかったりするなど、準備体操としての効果が薄れてしまいます。
特に、足や腕、状態を大きく動かす動きや、リズミカルに体を動かす動きではフォームが乱れやすくなってしまうので注意が必要です。
反対に、正しいフォームで取り組めば、少ない回数でも十分にストレッチの効果が得られます。初めのうちは、まずゆっくりと行うことで正しいフォームを身につけ、徐々に回数やセット数を増やしていきましょう。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ2. 痛みのない範囲で行う
筋肉をほぐす為に反動をつけて行うことが、ダイナミックストレッチを行う上での大きな特徴の一つ。そのため、ある程度の勢いをつける必要があるのですが、やりすぎてしまうと筋肉を損傷してしまう恐れがあります。
なかでも、ふくらはぎのストレッチや胸のストレッチでは、体重や遠心力による、筋肉への負荷が大きくなります。ストレッチを行なっている際は小さな痛みでも、慢性的な痛みに繋がったり、いざスポーツを始めた時に痛みが出る可能性もあるので、慎重に行いましょう。
痛みが出るようであれば、難易度を少し下げて調節し、無理のない範囲で行うことが大切です。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ3. 徐々に動きを大きくしていく
ダイナミックストレッチの多くでは、筋肉を効率よく伸ばす為に大きな動きが求められます。
そして、腕や足、上半身などを大きく動かす為には、体の軸を保ったまま行う必要がありますが、いきなり大きく体を動かしてしまうとコントロールを失いやすく、筋肉や関節を痛めてしまったり、間違った方法で取り組んでしまう恐れがあるので注意が必要です。
運動に慣れていない方は特に、小さな動きから始め、徐々に動きを大きくしていきましょう。また、慣れている方でも、急に体を大きく動かすと怪我をしてしまう可能性があるので、ストレッチをやり始める時は小さい動きからスタートしましょう。
ダイナミックストレッチの効果を高めるコツ4. 筋肉や関節の動きを感じながら取り組む
リズミカルに体を動かすダイナミックストレッチは、なんとなくで取り組んでしまうと、伸ばしたい筋肉、アプローチしたい筋肉をピンポイントに狙うのが難しくなり、ストレッチ効果が薄れてしまいます。
確実にダイナミックストレッチの効果を得るためには、どの筋肉、どの関節が、どのように伸ばされたり広がったりしているのかをよく感じながら行いましょう。
特に、同じ種類のダイナミックストレッチを継続して行なっていると、マンネリ化し、体の感覚を感じ取る意識が薄れてしまいがち。そんな時は、動きのスピードを少し落とし、自分の体の感覚に集中しながら取り組んでみてくださいね。
スポーツやトレーニングをする際は、ダイナミックストレッチで体を動かしやすくしましょう!
ストレッチといえば、じわじわと筋肉を伸ばしていく「静的ストレッチ」をイメージする人も少なくないはず。しかし最近では、スポーツをする前の柔軟運動としては、「静的ストレッチ」は不十分であると言われています。
ダイナミックストレッチなら、怪我のリスクを減らすだけでなく、パフォーマンスを上げる効果が期待できるので、スポーツをする前の準備体操として最適。正しい方法を身につけ、運動する前に取り入れてみれば、いつもより体が動かしやすいと感じられるはず。
ランニング前やスポーツをする前、ジムでトレーニングする前に、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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