"ありがとうございます"の意味&言い換えできる類語|ビジネス敬語ガイド

"ありがとうございます"の意味&言い換えできる類語|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2019.03.17
感謝の意味を持つ言葉、ありがとうございます。丁寧な言い回しとして使われていますが、もっと丁寧な言い換えはあるのか。今回は、ありがとうございますの意味から正しい使い方、言い換えできる類語、英語/韓国語/中国語まで解説。ビジネス敬語のレベルを上げていきましょう。

「ありがとうございます」の言い換えできる類語を丁寧さ別に解説

【丁寧さ★☆☆】比較的フランクな「ありがとうございます」の類語

比較的フランクな表現は、会話の中で重くならない感謝を表す表現として使われることがよくあります

相手によってはふさわしくない失礼な表現になる恐れもあるため、きちんと意味や使い方を理解しておいてください。


類語① 助かります

類語①助かりますの意味とは

「助かります」は「ます」という丁寧語が付いた敬語ではありますが、目上の人や上司に使うのはふさわしくない言い回しです

そもそも「助かる」は「ご苦労さま」などと同様に相手を労う言葉なので、目上の人に使うべきではない言葉ではありません。

実際にビジネスシーンで使われている使い方を見ても、丁寧な「依頼」をするときに同じ作業などで関わる取引先などの同程度から少し上程度の相手、目下の人に対して使う場合がほとんどです。


類語② 幸いです

類語②幸いですの意味とは

「幸いです」は「幸い」と助動詞の「です」で成り立っている言葉です。「幸い」は好ましい、嬉しい気持ちをのことです。

ビジネスシーンでの使い方としては、「助かります」を使うと失礼な目上の人などへの依頼をする場合がメインになります。

失礼にならないように「お手数おかけしますが」「恐縮ですが」といった言葉も言い添えるのを忘れずに。主にメールなど文章で使う表現です。

【参考記事】「幸いです」の使い方を例文付きで分かりやすく解説!


類語③ 嬉しいです

類語③嬉しいですの意味とは

「嬉しい」は自分の気持ちを表す形容詞です。

また、「です」は「だ」の丁寧語ですが、本来名詞や代名詞の後にのみに付く言葉なので、「嬉しいです」はじめ「形容詞+です」という表現は文法的に問題のある俗語的な表現で、目上の人に使える敬語ではありません。同僚や目下の人に対してのみ使える表現です。

正しい敬語表現として「嬉しく存じます」なども考えられますが、感謝の気持ちに焦点を当てて、「ありがたく存じます」「幸甚に存じます」などの表現な言い換えるのがおすすめです。


【丁寧さ★★☆】上司に使える「ありがとうございます」の類語

ここからは、上司にも使える「ありがとうございます」の言い換えともなる類語をご紹介します

上司や目上の人だからと状況に合わない丁寧すぎる表現を使うと、慇懃無礼なニュアンスになりかねません。意味をしっかりと踏まえて適切に使うようにしてください。


類語① 深謝申し上げます

類語①深謝申し上げますの意味とは

「深謝申し上げます」は、「心の底から深く感謝する」という意味の言葉で、強い感謝を表します。

スピーチなど改まった席での話やメール、文書などでよく使われます。目上の人、上司などに強い感謝を伝えるときに使うにもふさわしい言葉です

「深謝申し上げます」には「深く謝罪する」の意味で用いることあり、謝罪の言葉としても使用されます。

【参考記事】「深謝」の正しい使い方を徹底解説


類語② 感謝申し上げます

類語②感謝申し上げますの意味とは

「感謝申し上げます」は「感謝します」の謙譲なので目上の人や取引先、接客でも使える表現です。

会話でも使いやすいかしこまりすぎない敬語ですが、頭に「心より」などを付け加えるなど、使い方によって感謝の度合いを強めることもできます。

「~していただき」と付け加えれば何に対する感謝なのかも明確にできます

【参考記事】「感謝も申し上げます」の使い方を例文付きで解説


類語③ 幸甚に思います

類語③幸甚に思いますの意味とは

「幸甚(こうじん)」とは「甚だ(とても)幸せ」という意味です。相手のおかげでたいへん幸せに感じていることに対して感謝を伝える表現です

丁寧語「幸いです」をもう少し丁寧に言い換える場合に使う表現です。「幸甚に存じます」よりは丁寧さが控えめになります。

「助かります」と同じように、何かを依頼するときに、「~してもらえると幸せです、ありがたいです」の意味での使い方もあります。

【参考記事】「幸甚」の正しい使い方を分かりやすく解説


類語④ 恐れ入ります

類語④恐れ入りますの意味とは

「恐れ入ります」は日常会話でもクッション言葉としても使われる言葉です。書き言葉としては「恐縮です」を使ったほうが改まったまった表現になります。

「恐れ入りますが」と会話で切り出すときはなにか依頼をするときの「申し訳ない」という「恐縮」の意味になり、「恐れ入りました」と言えば相手に対する「感心」の意味にもなる、幅広く使える敬語です。

【参考記事】「恐れ入りますが」の正しい使い方を解説


【丁寧さ★★★】かなり丁寧な「ありがとうございます」の類語

これからご紹介する「ありがとうございます」の類語は、丁寧度が最も高くなる感謝を伝える言い回しです。普段の会話ではあまり使われない、主に書き言葉として使われるかしこまった言い回しとして覚えておいてください。

また、かなり丁寧な言い回しばかりなので、軽はずみに使用せず、ここぞという場面で使用しましょう。


類語① お礼の申し上げようもございません

類語①お礼の申し上げようもございません

「お礼の申し上げようもございません」は、言葉では表せないほど感謝していることを伝える、最上級の感謝を伝えるときの表現です

したがって、頻繁に使うのはおかしいので、めったにないようなことに対してのみ使いましょう。また、文章全体もかしこまった丁寧な文体でなければこの表現が浮いてしまうので、注意が必要です。


類語② 恐縮至極に存じます

類語②恐縮至極に存じますの意味とは

恐縮は感謝や申し訳なさで身もすくむほどだ、という意味で、至極(しごく)がこれ以上ないという意味で、これ以上ないほどの感謝やお詫びの気持ち表す敬語です

ただし、大したことでもないのに使うと大げさすぎると、失笑されかねませんのでご注意を。身に余るような恩恵を受けたり、無理なお願いをきいてもらった時など、正しい状況を見極めて使用しましょう。


類語③ 幸甚に存じます

類語③幸甚に存じますの意味とは

これまでにご紹介した自分が幸せを感じることを伝える「幸いです」の類語の中でも、もっとも丁寧な敬語が「幸甚に存じます」です。

「思う」の謙譲語「存じる」に丁寧語「ます」が加わっているため、目上の人、上司や取引先に出すメールや文書に一番ふさわしい表現と言えるでしょう。

実際、文章では「幸甚」という固めの言葉にもあっている「存じます」を付けたこの表現が定型パターンになっています。

【参考記事】「幸甚に存じます」の意味や正しい使い方とは?


類語④ 足を向けて寝られない

類語④足を向けて寝られないの意味とは

ご恩を受けたり、お世話になった相手には寝るときも敬意を払って足を向けられないという、具体性があり温かみも感じられる、この上ない感謝を示す表現です。

かしこまったあいさつや、堅苦しいことが嫌いな相手には喜ばれる表現ですが、かなりかしこまったシーンや文章にはふさわしくないので、普段は他の表現を使ったほうが良いでしょう


類語⑤ 厚く御礼申し上げます

類語⑤厚く御礼申し上げます

この表現での「御礼」は「おんれい」と読みます。取引先に送るビジネス文書やメールなどで冒頭のあいさつ文で頻繁に使われるのが、「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」という定型文。

相手に対してしっかりと感謝の気持ちを伝えられるため、ぜひとも覚えておきたい丁寧な言い回しです


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