"お越しください"の意味/使い方。類語&丁寧な例文集|ビジネス敬語ガイド
「お越しくださり」と「お越しいただき」との違いとは?
「お越しいただき」は「来てもらって」とう意味の敬語表現です。
「お越しくださり」と同じように、相手が自分のところへ来る場面で使用されます。「お越しいただき」は、「私があなたに来てもらって」という謙譲表現なのに対して、「お越しくださり」は「あなたが私のところに来てくれて」という尊敬語なのが異なる点です。
厳密には、自分が相手にお願いしてきてもらうような場面では「お越しいただき」を、相手から積極的に来てくれるようなときには「お越しくださり」と使い分けるのが望ましいでしょう。主語が自分なのか相手なのかという違いだと覚えておいてくださいね。
【参考記事】「お越しいただき」の使い方を丁寧な例文と共に解説▽
「お越しください」と言い換えできる類語一覧
「お越しください」と何度も使ってしまうと、どこか定型文に頼っている印象を受けるでしょう。
取引先に「何度も同じ言葉を使ってるな...。」と思われないためにも、言い換えできる類語をあらかじめ確認しておきましょう。
- お待ちしております
- おいでください
- ご足労おかけします
- ご来訪ください
- お立ち寄りください
お越しくださいの類語1. お待ちしております
「お待ちしております」は、「待っているので来てください」という気持ちを伝える類語です。
「お待ちしておりますので、ぜひお越しください」と、「お越しください」と並べて使用されることもよくあります。謙譲語を使った丁寧な表現なので、メールも含めて一般的に使われていますが、目上の人や上司には最適な表現だとは言えません。
目上の人であれば、お待ちしておりますをさらに丁寧にした「お待ち申し上げております」などの方がふさわしいでしょう。次の例文を参考にして使ってみてください。
「お待ちしております」の使い方
- 本日は誠にありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
- 〇月△日に特別セールを開催いたします。皆様のお越しを、心よりお待ちしております。
- 〇月△日のご都合はいかがでしょうか。お返事をお待ちしております。
【参考記事】「いらしてください」の正しい使い方を解説します▽
お越しくださいの類語2. おいでください
「おいでください」も「来てください」という意味の類語です。
「来る」の尊敬語「おいで」と、丁寧な依頼を表す「ください」から成り立っていて、目上の人に来てくださいと依頼したいときに使われます。「お越しください」と同じように使用できるため、言い換え表現の一つとして覚えておきたいですね。
ビジネス、プライベートともに、口頭やメールで使われるので、イベントをするときや相手を何かに誘いたいときにはぜひ使ってみてください。次に例文をチェックしましょう。
「おいでください」の使い方
- 〇月△日×時より弊社主催のパーティーを開催いたしますので、ぜひおいでください。
- 面接試験の当日は、〇時までに会場までおいでください。
- ご来場の際は、〇〇にある受付までおいでください。
お越しくださいの類語3. ご足労おかけします
「ご足労おかけします」は、「わざわざ来てもらってありがとうございます、すみません」という気持ちを表す類語です。
「足労」とは「行く、歩く」の丁寧語で、本来は自分が行くべきところを相手が来るといった場面で使うことで、相手に対して感謝や労いを示せます。ビジネスシーンでも目上の人や上司に使用可能です。
上司には、自分がやるべき仕事を手伝ってもらうときなどに使えますが、社外の第三者が同席している場面では上司に対して使用できないので使い方に注意してください。次に例文で、具体的な使い方を見ていきましょう。
「ご足労おかけします」の使い方
- ご足労おかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 今日はご足労おかけして、申し訳ありませんでした。
- 先日はご足労をおかけしました。
【参考記事】「ご足労おかけしますが」の使い方を例文付きで解説します▽
お越しくださいの類語4. ご来訪ください
「ご来訪ください」も、「来てください」という意味で使える類語です。
「来訪」とは、人が訪ねてくることで、丁寧の「ご」を付けると、取引先や顧客が来てくださるという意味合いになります。** **。
ビジネスシーンは、メールや電話で、目上の人や取引先に来てほしいと依頼するときなどに使われるのが一般的です。
次の例文のように、「お手数をおかけして申し訳ございませんが、~」などの言葉と合わせると、より丁寧に言い表せます。
「ご来訪ください」の使い方
- 大変恐縮ですが、ご来訪くださいますようお願いします。
- 〇月△日にイベントを開催いたしますので、皆さまぜひご来訪ください。
- 〇月△日に新製品の展示会を開催する運びとなりましたので、ぜひご来訪ください。
お越しくださいの類語5. お立ち寄りください
「お立ち寄りください」は「立ち寄ってほしい」という意味です。
「立ち寄る」には、「近くに行く、ついでに訪れる」といった意味があり、「お越しください」のように、相手に来てほしいという気持ちを伝えられます。
ただし、目上や上司に使うと、やや強い口調だと思われたり、上から目線だと感じられたりする場合もあるため、注意が必要です。目上には「お立ち寄りくださいませ」や「お立ち寄りいただければと存じます」などと言い換えると良いでしょう。
「お立ち寄りください」の使い方
- 近くまでお越しの際には、ぜひ私のオフィスまでお立ち寄りください。
- 〇〇の近くに弊社がありますので、ぜひお立ち寄りください。
- こちらの方面にお出かけの際には、ぜひ弊社にもお立ち寄りください。