"平素"の意味/使い方。類義語&目上に使える例文付き|ビジネス敬語ガイド
「平素」を用いた例文
- 平素よりお世話になっております。8月12日から16日まで、弊社は夏季休暇をいただきます。つきましては、この期間の...いただきます。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
- 平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。誠に勝手ながら...いただきます。ご迷惑をお掛けいたしますが…
- 平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。この度、定休日の変更をさせていただくことになり...
- 平素より弊社の〇〇商品をご愛用頂き誠にありがとうございます。ご好評につき...
- 拝啓 〇〇様 平素よりお世話になっているお客様との定例...
- 平素より当店をご利用のお客様に〇〇周年特別セールとしまして、感謝の気持ちを込めて...
- 平素からお世話になっております。
ビジネスシーンでは頻繁に登場する「平素」の中でも、「平素は」や「平素より」から始まる場合は、社外文章に使うことが一般的です。そのため、定型の文章になっていることが多く、メールや送付状に使用されます。
目上の方に使用することもありますから、「平素」という読み方を間違えることがなくても、続く文章が敬語としてまとまっているかは、必ず確認したい注意点です。
「いつもお世話に...」という書き出しよりも、例文の「平素よりお世話に...」と書き出す場合は、謙譲語で「~なっております」「~申し上げます」と締めくくる文章に統一感があります。また、お得意様や取引相手などを中心にし、文章はお礼やお詫びなどの前に使用することがポイントです。
【「例文」で使われている敬語】
・「弊社」と「当社」の使い方|取引先に使うのはどっち?
・「おろしくお願いいたします」の正しい使い方を例文付きで解説します
・「お世話になります」と「お世話になっております」との違いとは?
「平素」と言い換えできる類語一覧
平素の類義語① 先般
「平素」の類義語「先般(せんぱん)」は、「できごと」がポイントとなる言い回しです。
「平素」は今までのことや現時点までのことが関係していますが、「先般」の場合は「この前」や「この間(あいだ)」という意味を含みます。「平素」と同じように過ぎたことを指しているとはいえ、できごとがあった日ではなく、そう遠くない過去のできごとに使われている言葉です。
そのため、「すでに断ったこと」や「前に会議で話し合ったこと」というできごとを表現するようになっています。メールの返信などで時間が経過しすぎている場合には注意点となります。
政治家や官僚の文章や発言にも登場しているので、外部のお客様や目上の方にも使用することも可能ですが、ビジネスシーンのみで日常では使うことの少ない敬語になります。
「先般」の使い方
- 先般の通り、誠に申し訳ございませんが、当社では扱っておりませんので、...
- 先般の会議で扱われた〇〇について、今後のプロジェクトの方向性を修正し、...
- 先般行われた大会での...
【「例文」で使われている敬語】
・「申し訳ございません」よりも丁寧で言い換えできる類語とは?
平素の類義語② 日頃
「平素」に「いつも」や「日頃」という意味が含まれるので、「日頃から」と記載するときには「平素より」と同じ意味で受け止めることができるでしょう。
SNSやメール返信などプライベートな文章であれば「日頃から」のほうが親しみ深く、言い方も読み方も簡単でフレンドリーな印象があります。しかし、例文でも分かるようにフレンドリーな分、より軽い表現にも感じられるので、ビジネスシーンには「平素より」を採用した文章でまとめることをお勧めします。
「日頃」の使い方
- 日頃から大変お世話になっております。
- 日頃から、お引き立ていただきありがとうございます。
- 日頃の思いが届いたかと...
平素の類義語③ 毎度
「毎回(同じことを)繰り返す」、もしくは「いつも」や「毎回」などの示すのが、「毎度(まいど)」です。毎度も「平素」の類義語と言って問題のない表現になります。
日常的には、八百屋さんやお肉屋さんの商店などで、「毎度あり~」や「などのお礼の言葉を聞かれたことがあるでしょう。これを訳すと「いつもありがとう」「毎回(同じように)繰り返し来てくれてありがとう」などの表現と同じ使い方で、例文同様「毎度ありがとうございます」を簡略した言葉になります。
SNSでの返信や簡易式の送付状にも登場することもあり、商売で使用されることもありますが、ビジネスでは控えるほうがおすすめです。
「毎度」の使い方
- 毎度ありがとうございます。
- 毎度のことで恐縮ですが、〇日に...
- 遅刻や連絡が遅いのは毎度のこととはいえ、社会人として...
【「例文」で使われている敬語】
・「恐縮ですが」の意味/使い方|例文付きで分かりやすく解説
平素の類義語④ 常々
「常々」の読み方は「つねづね、もしくはじょうじょう」になり、毎日(日々)行われることなどを指す言葉として使われます。毎日、つまり「常々」や「日常」というと、「毎日」よりはかしこまった表現の言葉になるので、「平素」の類義語に含まれています。
「常々」の場合は、置き換えるだけではエレガントな敬語表現にはならないので、工夫が必要です。「平素より大変お世話に~」の「平素」を「常々」に置き換えると、「常々大変お世話に~」となってしまいます。
そこで、「常々」を敬語として外部の人や目上の方に使う場合は、最初の例文にもあるように「○○様のご愛顧に常々感謝しており~」など使い方が好ましいでしょう。
「常々」の使い方
- 〇〇様のご愛顧に常々感謝しております。
- これだけは納得ができないと常々思っていました。
- 常々子供をしかりつけている。
平素の類義語⑤ 普段
「普段」も「平素」の意味に含まれるように、「平素は」や「平素より」と同じ内容の文章になると考えることは可能です。
しかし、カジュアルな表現になるため、ビジネスシーンで使用するフォーマルな文章や公式に発行する書面上での使用は控えるのがお勧めです。
「普段からお世話になって~」という表現よりも、「平素より(大変)お世話になって~」と言うほうがフォーマルな言い方です。ビジネス文章では、カジュアルな軽い印象になる文章を控えることが優先したいところ。毎日使う「普段」などは、ついビジネスシーンでも同じような使い方をしてしまいがちですが要注意です。
「普段」の使い方
- 普段から大変お世話になっております。
- 当社では、普段からペーパーレスを意識しており、環境問題での取り組みの一歩として...
- 普段の業務でも使用している備品は、...