足首のストレッチ方法。固いふくらはぎを柔らかくする柔軟体操メニュー6選
自分自身の少林寺拳法部時代(報徳学園)の怪我をきっかけに医療・トレーナー業界に興味を持つ。
その後某ストレッチ店に入職し、解剖学に没頭する日々が続く。更に医学に精通する為、理学療法士の専門学校に入学。
理学療法士の資格取得後は病院で勤務しながら、コンディショニングトレーナーとしてアーティスト~一般の方まで幅広く指導している。
またSNSでは総登録者数20,000人超えとインフルエンサーとしても活躍中。
足首付近にある筋肉とは|足首ストレッチで硬い下半身を柔らかくしよう!
足首の関節のストレッチを学ぶ前に、まずは足関節の動きに強く影響を与えている筋肉ついて見ていきましょう。足首ストレッチでほぐす重要な筋肉は以下3つ。
足首を動かす筋肉① 腓腹筋
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)を構成する筋肉、腓腹筋(ひふくきん)。腓腹筋は二関節筋とも呼ばれる筋肉で、膝関節と足関節の2つの動きを担当しています。二関節筋は様々な動作に影響を与えているため、ストレッチ種目が多いというメリットもあれば、怪我をしてしまうと2つの関節に影響を及ぼす可能性があります。
腓腹筋は主に、足関節を屈折させる動作(足の甲を下げる動き)と膝関節を屈曲させる動作 (膝を曲げる動き)を担当しています。
【参考記事】腓腹筋の鍛え方とは▽
足首を動かす筋肉② ヒラメ筋
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の1つ、ヒラメ筋。腓腹筋とは違い足関節にのみ働いている筋肉で、足関節の動きに非常に重要な役割を担っています。ヒラメ筋は立ち作業など、日常的に必要な動作に強く影響している筋肉ですので、毎日ケアすることが大切です。
ヒラメ筋は主に、足関節を屈折させる動作(足の甲を下げる動き)をサポートしています。足関節の屈折運動はヒラメ筋と腓腹筋の2つが大きく影響しているため、ストレッチもこの2つ伸ばすイメージで取り組めばよいでしょう。
【参考記事】ヒラメ筋の鍛え方とは▽
足首を動かす筋肉③ 前脛骨筋
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は、ヒラメ筋や腓腹筋とは逆で、下腿前面(すね)にある筋肉です。名前は世間一般には広がっていませんが、ランニングやジョギングなど足を動かす動作ではほぼ必ずと言っていいほど使われる重要な筋肉になります。
前脛骨筋は主に、足関節を伸展させる動作(足の甲を上げる動き)で力を発揮しています。足首の背屈(伸展)は前脛骨筋が主動筋として働き、その他(長趾伸筋や第三腓骨筋など)が補助筋肉の役割を担当していますよ。
良い効果ばかり!足首をストレッチするメリットとは?
足首ストレッチのメリット1. 怪我の予防になる
足首のストレッチは、運動をする際の思わぬ怪我や事故の予防に繋がります。多くの方は学生時代から、体育の授業などで準備体操でストレッチに多く取り組んだかと思います。この理由も、思わぬ怪我を防ぐため。
車のエンジンと同じように、筋肉もストレッチをして温めてあげることで、柔らかく動きがしなやかになるので、運動の際の激しい動きにも問題なく対応できるようになります。
ジムで定期的に身体を鍛えていたり、趣味でスポーツをしている方は、慣れてくるとストレッチを怠ってしまう方もいます。しかし、それが原因で怪我をする方も同様に多いので、足首から太もも裏まで、しっかりとストレッチは習慣化しましょうね。
足首ストレッチのメリット2. 脚の疲労回復力が上がる
脚は普段から歩いたり階段を上ったりと、何気なく酷使されやすい部位です。知らず知らずの内に疲労を蓄積していたり、疲労を取り切れていないケースは、多くの方が体感したことがあるかと思います。
足首のストレッチはふくらはぎの筋肉を刺激し、血行の促進効果を得られるメリットがあります。血行が良くなれば、疲労物質の排出と酸素と栄養の運搬がスムーズに行われるようになります。それによって、疲労回復も早まり、回復力が向上するのです。
スポーツ選手などで、寝る前のストレッチを欠かさない方が多いのは、こうした理由があるから。毎日のストレッチ習慣が次の日の自身のパフォーマンスを作っていきます。ただ、スポーツ選手でなければ、まずは疲れていると感じた際に取り組んでみるといいですね。
足首ストレッチのメリット3. 運動機能が高まる
足首のストレッチを継続することで脚全体の柔軟性が上がり、可動域が広がっていきます。可動域が広がることで運動機能の向上にもつながります。しかし、ストレッチで運動機能を向上させるなら、足首だけではNG。
太もも裏のハムストリングスなどの大きな筋肉もきちんと伸ばす、ほぐす事を意識しないと脚全体の可動域は広がりませんよ。でも、毎日脚の様々な部位のストレッチをするのも大変なので、いくつかの部位を曜日ごとに分けてストレッチするなどの工夫をすると楽。
メリットの効果はすぐには出ないので、根気強く取り組む事が大事になってきます。
足首ストレッチのメリット4. むくみなどが無くなり、スッキリした脚になる
足首をストレッチすることで血行が良くなり、脚の老廃物の排出がスムーズになります。
それにより、むくみが改善されるという事です。むくみが無くなると、ほぼ筋肉と皮膚だけになるので、引き締まったスッキリとした脚になります。ポイントは、お風呂上りや寝る前のリラックスした状態の時に行うこと。
ゆっくりとほぐすように足首をストレッチをしてみてください。また、むくみは塩分の取りすぎとカリウム不足が原因の可能性もあるので、足首ストレッチをするだけでなく、食生活も一緒に見直してみると改善までの時間も早まるかもしれません。
【参考記事】下半身痩せに効果的なエクササイズを解説▽
足首ストレッチのメリット5. 新陳代謝が向上する
足首をストレッチすることで、新陳代謝が向上します。足首がほぐされて柔軟になることで、血行促進、可動域の拡大、使われる筋肉の増加が効果として現れます。それにより、歩いているだけでも動かす筋肉量が違うので、エネルギーがその分消費されます。
結果として、全体の代謝量も上がる事となります。足首を習慣的に柔らかく伸ばす事が、代謝UPのコツです。また、代謝をより上げるなら脚全体のストレットをすると良いでしょう。
脚の筋肉量は、体全体の6割ほどと言われているので、代謝も上げやすいのが特徴です。ふくらはぎ、太もも、太もも裏なども足首と一緒にストレッチするのもいいかもしれませんね。
足首ストレッチの効果的なメニュー|ふくらはぎの筋肉を伸ばせる柔軟体操6選
足首の動作に重要な筋肉を確認した後は、実際に取り組んでほしい足首ストレッチを6つご紹介します。
オフィス&自宅で出来る柔軟体操をメインに解説していきますので、気になった方は取り組んでみてください。
【参考記事】はこちら▽
足首のストレッチ1. 立って出来るアキレス腱伸ばし
小学校や中学校など、学校でも取り組むことの多い足首ストレッチ、アキレス腱伸ばし。ヒラメ筋や腓腹筋といった、底屈運動を支える筋肉を効果的に伸ばせますよ。場所をとらないため、気軽に取り組めるのも魅力的なポイント。
アキレス腱伸ばしの正しい方法
- 足を拳1つ分ほど開いて立つ
- 左足を大きく一歩踏み出す
- (2)の時、両足の裏は地面に着いた状態を維持しましょう
- 左足の膝を曲げながら、体をゆっくり前に倒していく
- ふくらはぎの筋肉が伸びているなと感じたポイントで20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻し、右足も同様に行う
- この動作を残り1回ずつ取り組む
- 終了
アキレス腱伸ばしの目安は、左右20秒 × 2回。呼吸を安定させた状態で足首へ刺激を届けていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- バランスが取れない時は手すりや壁などを使う
- 体を使って重心を前にずらす
- 後ろ足のかかとは浮かせない
アキレス腱伸ばしで覚えて欲しいポイントは、バランスが取れない時は手すりなどあんtねいする場所を掴んで取り組むということ。たったこれだけを意識するだけで下腿の筋肉を効率よく柔らかくできますよ。
足首のストレッチ2. ふくらはぎとお尻を伸ばせるストレッチ
リラックスした状態で行えるふくらはぎストレッチメニュー。1畳分ほどのスペースがあれば誰でも取り組める柔軟種目ですので、最近足の気だるさが取れないという方は試しに行ってみてもいいでしょう。
ふくらはぎストレッチの正しい方法
- マットなどを敷いた上に、膝曲げつけて座る
- (1)の時、膝から頭まで一直線をキープしましょう
- 両手をマットにつけ、四つん這いの形を作る
- 膝を浮かせ、足と手でバランスをとる
- ゆっくりと膝を伸ばしていく
- ふくらはぎの筋肉が刺激されているのを感じたら止め、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻していく
- 足先を内・外側に向けて各1回ずつ行う
- 終了
ふくらはぎストレッチの目安は、20秒 × 3回。筋肉へ急に負荷を与えてないために、膝の上下運動はゆっくりと行いましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- バランスが取れない時は両手を少し前に置く
- 足先を外・内・中央の3段階で行う
- 足のかかとは浮かせない
ふくらはぎストレッチで大切なポイントは、足先を中央・外・内の3段階に分けて取り組むということ。外・内を1回ずつ行う理由は、腓腹筋全体を柔らかくするため。中央だけでは刺激できない外側の筋肉や内側の筋肉を効率よく伸ばすことができますよ。
足首のストレッチ3. 段差を使ったすね&ふくらはぎのストレッチ
10cmほどの段差と1分間あれば取り組める足首ストレッチ種目。トレーニング前などではなく、ちょっとした小休憩で行って欲しい柔軟体操になります。お手軽簡単ストレッチですので、この機会に覚えていって。
段差ストレッチの正しい方法
- 10cmほどの段差を用意する(安定する物であればOK)
- 左足のつま先だけを乗せ、かかとは下の段につける
- この状態を20秒キープする
- 元に戻し、右足も同様に取り組む
- 終了
段差ストレッチの目安は、左右20秒ずつ。段差が低すぎると刺激にならず、高すぎると負担がかかるため、ベストな高さを用意しましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- バランスが取れない時は手すりなどをつかむ
- かかとから頭まで一直線を維持する
- 段差の高さを調整する
段差ストレッチで大切なポイントは、かかとから頭まで一直線を維持するということ。体が後ろに倒れてしまうと、ストレッチできるほど負荷を与えられません。筋肉を柔らかくするためにも、正しいフォームとやり方をマスターしていきましょう。
足首のストレッチ4. スネをほぐせる正座ストレッチ
前脛骨筋を伸ばせるストレッチ種目。タオルや枕など自宅にあるアイテムで簡単に行えるため、お風呂後など時間の空いたタイミングで取り組んでみてください。ストレッチポールがある方はストレッチポールを使ってもOK。
スネのストレッチの正しい方法
- タオルなどを重ねて10cmほどの高さにする
- アイテムの前に正座で座る
- (2)の時、足の方向はまっすぐ前に向けておきましょう
- 正座の状態のまま、体重を後ろにかけ、アイテムを膝の下に入れる
- スネの筋肉が伸びているのを感じながら20秒キープしていく
- その後ゆっくりと元に戻す
- もう一度取り組む
- 終了
スネのストレッチの目安は、20秒 × 2回。足先が内側・外側に曲がらないようにして取り組んでください。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- 正座ができない方は無理せず別のストレッチを行う
- 股関節から頭まで一直線にキープする
- アイテムの高さを調整する
スネのストレッチで押さえておくべきポイントは、無理せず取り組まないということ。正座が出来ない方はこのストレッチにこだわらず、別のストレッチで伸ばすようにしましょう。無理して取り組んで関節を痛めてしまうのはストレッチを行う上で最もいけないことです。
足首のストレッチ5. 家で寝ながら出来るチューブストレッチ
チューブを使った足首ストレッチメニュー。トレーニングチューブは体全体が固いという男性でも手軽に行えるようになるため、非常におすすめです。寝ながらでもゆっくり筋肉をほぐしていきましょう。
チューブストレッチの正しい方法
- トレーニングチューブを用意する
- 下腿よりも指先側にチューブをかけ、仰向けに寝っ転がる
- 足をゆっくりと上げていき、足が床と垂直になる位置まであげる
- その状態のままで、足の甲を自分側に近づける
- この動作を20秒キープ
- 元に戻し、右側にひねって20秒行う
- 最後に左側にひねって20秒取り組む
- 終了
チューブストレッチの目安は、20秒 × 3回。足が上がらない方は座った状態でストレッチさせていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- チューブは力強く引っ張らない
- 股関節から足先まで一直線を維持する
- 柔らかいチューブを使う
チューブストレッチで効果を高めるコツは、柔らかいチューブを使って行うということ。筋トレで使われるチューブはやや硬めになっていることが多いため、ストレッチ用のアイテムを選ぶと良いでしょう。
足首のストレッチ6. 足関節を柔らかくする足首回し
今回ご紹介する足首ストレッチで唯一の動的ストレッチ種目。底屈運動・背屈運動どちらの筋肉をバランスをよく刺激できるため、各筋肉を刺激した後にまとめとして取り組んでほしい柔軟メニューです。
足首回しの正しい方法
- 地面または椅子に座る
- 左足の膝を90度に曲げて、もう右足の太ももに乗せる
- (2)の時、ふくらはぎを膝側を置きましょう
- 乗せている足を手で持ち、軽く足先を伸ばす
- ゆっくりと時計周りに回す
- この動作を5回繰り返す
- 逆方向・逆足も同様に取り組む
- 終了
足首回しの目安は、左右5回 × 逆回し・順回し。スピードは早めずゆっくりと筋肉を伸ばしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒間しっかりとふくらはぎの筋肉を伸ばす
- 2秒で一周させるスピードで取り組む
- 足先を伸ばしたまま、回転させる
- 力は入れずにリラックスさせた状態で足首を回す
足首回しで最も重要なポイントは、2秒で1周させるスピードで取り組むということ。たったこれだけで足首付近の筋肉を柔らかくできますよ。足首回しはあくまでまとめストレッチですので、まずは上5つのストレッチのどれかで伸ばした後に取り組みましょう。
足首ストレッチに効果的な便利アイテムとは?
1. ストレッチマット
ストレッチや筋トレなどを自宅で行う場合は、安全に取り組むために「ストレッチマット」を仕様する事をおすすめしています。床の場合は、肘、膝を痛めたりしてしまう可能性もあるので、極力マットの上で取り組むようにしましょう。
「EMPT ジョイントマット」は、60cm角のミニマットを6枚組み立てて作るストレッチマット。足首だけのストレッチなら4枚だけ使用したり、ヨガをするなら6枚使用するなど、用途に合わせてマットの大きさを変えることが可能。
暑さ1.2cmなので収納も6枚重ねてしまえば場所を取りません。ダンベルなどのトレーニングアイテムで床を傷つけないように防止も出来るので、筋トレをしている方にもおすすめです。
Amazonで詳細を見る2. ストレッチチューブ
足首のストレッチは、柔軟や伸ばす、ほぐすなどの動作が多いイメージがあるかと思います。しかし、負荷をかけるストレッチのやり方もあるんです。ストレッチチューブを使用することで、それも簡単に行えますよ。
「Philonext エクササイズバンド」は、5種類のテンションの違ったチューブがセットになって販売されているストレッチチューブ。足首に掛けて手で引っ張ったりすることで、足首ストレッチが出来ます。
5つの負荷があるので、自分に合った負荷でストレッチが出来るのも魅力。朝の5分、寝る前の5分など行う時間を決めておくと3日坊主になりにくいので、購入したら取り組む時間も決めてしまいましょう。続けることで、足首も柔らかくなっていきますよ。
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スポーツを取り組む前に足首ストレッチを
足首を動かす重要な筋肉と足首ストレッチの正しい方法を解説していきました。野球やサッカーやバドミントンといった球技はもちろん、柔道や空手などの武道でも足首は重要な関節です。怪我のリスクを避けるためにも正しく筋肉を伸ばしていきましょう。
【参考記事】全身のストレッチ方法を細かく解説▽
【参考記事】肩関節のストレッチ方法をご紹介▽
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