大胸筋のストレッチ方法。筋肉を柔らかくする効果的な柔軟体操メニューとは?
大胸筋ストレッチで柔らかくする筋肉は大きく2種類ある。
大胸筋ストレッチで柔らかくする筋肉は、大胸筋と小胸筋の2種類があります。
- 大胸筋:鎖骨の内側から肋骨にかけて広がる筋肉で、上腕の動きに作用する
- 小胸筋:大胸筋の奥にある小さな筋肉で、肋骨や肩甲骨の動きに作用する
大胸筋は表面から見えるアウターマッスルで、バストの形にも影響する部位です。対して小胸筋は体の内部にあるインナーマッスルで、大胸筋に比べると聞きなじみのない筋肉かもしれません。
日常動作での筋肉のはたらきは、大胸筋はボールを投げたり物を抱きかかえる動作、小胸筋は肩甲骨を動かす他呼吸の動作に使われています。
ここで紹介する大胸筋ストレッチでは、大小それぞれの胸の筋肉を柔らかくします。
大胸筋をストレッチで柔らかくするメリット|胸の筋肉をほぐすと何が良いのか?
大胸筋と小胸筋をほぐすストレッチには、肩回りや胸周りの筋肉を柔らかくする効果があります。
しかし、大胸筋ストレッチが実生活にどんなメリットがあるかを知っている方は少ないはずです。
そこでここでは、大胸筋ストレッチのメリットについて詳しく紹介します。
大胸筋ストレッチのメリット1. 肩こりを解消できる
デジタル社会の現代では、長時間のデスクワークやスマホ操作をする人が増えています。
長時間同じ体勢でいると体が緊張し、筋肉が縮まったままの状態になります。体の緊張状態が続いた結果的血行不良になり、肩こりなどの体の不調を引き起こすのです。
胸の筋肉は肩こりと関係なく思われがちですが、肩の動きは胸筋が働く肩甲骨や肋骨の動きと連動しています。
そのため、大胸筋や小胸筋をほぐすことで肩の筋肉の緊張感がやわらぎ、肩こりも解消されるのです。
大胸筋ストレッチのメリット2. 胸や肩周りがほぐれてケガをしにくくなる
肩や腕を動かすうえで欠かせないのが、胸周りの筋肉です。腕や肩甲骨の動きをサポートする大胸筋と小胸筋は、運動だけでなく普段の生活の日常動作でもよく使われる大事な場所。
もしも、胸や肩回りが硬いまま腕を動かしてしまった場合、腕の動きをサポートできず、ケガや故障を引き起こす要因となります。
大胸筋のストレッチで胸や肩回りの筋肉をほぐすことは、肩や腕の動きづらさを解消してケガをしにくくすることにつながるのです。
大胸筋ストレッチのメリット3. 猫背が改善でき姿勢がよくなる
猫背とは、背中が丸まって肩甲骨や頭が前に出た姿勢のことです。猫背になる原因は、大胸筋や小胸筋の硬さや筋力低下だと考えられています。
特に運動不足や加齢により筋肉が縮むと、胸筋が腕や肩甲骨を支えきれなくなり、慢性的な猫背状態になってしまうのです。猫背改善に正しい姿勢を保とうと意識しても、筋肉が正しい姿勢を維持できなければ、意味がありません。
大胸筋のストレッチと筋トレを組み合わせ、硬い筋肉をほぐして筋力を上げることで、猫背を改善したり、正しい姿勢を維持できるようになったりしますよ。
大胸筋をほぐすストレッチメニュー7選|筋肉が柔らかくなるおすすめ種目を大公開!
腕の動きや肩回りの動きに重要な大胸筋は、ストレッチで日常的に筋肉をほぐすことが大事です。
ここでは、大胸筋を柔らかくするのに効果的なストレッチメニューをご紹介します!
重いダンベルを持つようなキツイ筋トレができない高齢者の方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ストレッチメニュー1. 壁を使うストレッチ
壁を使ったストレッチは、上部・中部・下部と大胸筋全体をほぐす種目です。難しい動きなどがないので、高齢者や運動不足の方でも簡単にできる方法です。
壁を使うストレッチのやり方
- 足を前後に開き、肘の位置を肩の高さよりも下にして片腕を壁に沿わせる
- ゆっくりと体を前に倒していく
- 肘と肩が同じ高さになるように片腕を壁に沿わせ、2を行う
- 肘の位置が肩の高さより上にして片腕を壁に沿わせ、2を行う
ストレッチのコツ
- 肩と肘の位置関係を変えながら3回行う
- 左右の肩甲骨を中央に寄せるイメージで胸を開く
- イタ気持ちいいと感じる位がベスト
大胸筋全体をストレッチするためにも、肩と肘の位置関係を変えることは重要です。
3回1セットで行えば、筋肉をまんべんなくほぐせます。
ストレッチメニュー2. 後ろで肘をつかむストレッチ
座ったままできるやり方で、デスクワークの合間などに手軽にできるストレッチです。肩甲骨を開くことで、大胸筋や小胸筋をほぐします。
後ろで肘をつかむストレッチのやり方
- あぐらの体勢で床に座る
- 腕を背中に回し、左右の肘を掴むように腕を組む
- 呼吸をしながら、15~30秒体勢をキープする
ストレッチのコツ
- 肩から腕までを後ろに回し、肩甲骨を中央に寄せるイメージ
- 座る時は骨盤が後ろに倒れないように注意する
猫背気味や巻き肩の方は肩が胸より前に出てしまっているので、姿勢を正すイメージで行いましょう。
ストレッチメニュー3. 頭の後ろに両手を添えるストレッチ
立っても座ってもできるストレッチ種目で、肩回りや胸周りの筋肉をほぐします。深呼吸しながらゆっくりと取り組みましょう。
頭の後ろに両手を添えるストレッチのやり方
- あぐらの体勢で床に座る
- 両手を後頭部にあて、胸を少し突き出すように開く
- 深く呼吸を意識しながら、15~30秒体勢をキープする
ストレッチのコツ
- 肘の位置は後頭部より前に倒れないように意識
- 腰を反り過ぎないように注意する
- 肩甲骨を中央に寄せるイメージ
ストレッチメニュー2と同じく、巻き肩や猫背の方は肩や肘が内側に倒れないように意識してください。
ストレッチメニュー4. 赤ちゃんのポーズ
ヨガの定番ストレッチをアレンジした方法です。
肩甲骨から腕全体に伸びを感じなら取り組んでいきましょう。
赤ちゃんのポーズのやり方
- 両足の親指を付けるようにして正座する
- 両腕を上げ、ひざを広げて腰から前に倒れる
- 腕を伸ばしながら、胸を床に付けるイメージで前に倒す
- 指先は広げたまま床に付けておく
ストレッチのコツ
- 倒れる時は呼吸を意識する
- 息を吐くタイミングで徐々に前に倒れていく
- 背中は少し丸め、お尻が浮かないよう注意する
前に倒れていくときは一気に倒れず、呼吸を意識しながら徐々に倒れるようにしましょう。
かかとはしっかりお尻に付いたまま、上半身を前に伸ばすイメージで行うと伸びを感じやすいですよ。
ストレッチメニュー5. 横たわって手を伸ばすストレッチ
寝ながらできる大胸筋のストレッチで、床を使って筋肉をほぐしていきます。
横たわって手を伸ばすストレッチのやり方
- うつ伏せになり、両腕は広げて手のひらは下、両足は揃える
- 左腕で体を起こし、右のこめかみが床に付くよう横向きになる
- 左足はひざを曲げ、かかとからつま先を床につける
- バランスを取るために、左手は床に付ける
- ストレッチ効果を上げたい人は、左手を天井に伸ばす
- 反対側も1~5を繰り返す
ストレッチのコツ
- 体全体を倒すように意識する
横に倒れている時は体を安定させるために、腕と足でバランスを取りましょう。
ストレッチメニュー6. 椅子を使うストレッチ
小胸筋に効果的なストレッチで、椅子を使ったメニューです。
椅子を使うストレッチ
- 椅子を置き、椅子の斜め前の位置で正座する
- 腕を90度くらいに曲げ、椅子に置く
- 筋肉の位置を意識しながら、反対の手で腕を曲げている胸に触れる
- 体は正面を向き、胸を開いていく
- 深呼吸しながら20秒程度、体勢をキープする
- 反対側も1~5を繰り返す
ストレッチのコツ
- 胸を開くときは背中を丸めない
- 余裕がある人は体を前に移動し、腕と胸を大きく開く
胸を開くときは、胸を張るように意識しながら行います。余裕がある方はキープする秒数を意識してください。
ストレッチメニュー7. ストレッチポールを使うストレッチ
こちらは寝ながらできるストレッチメニューで、理学療法(リハビリ)でも使用するストレッチポールを用意します。
ストレッチポールを使うストレッチのやり方
- ストレッチポールが背骨に沿うようにし、ひざ立ちの状態であおむけに寝る
- ポールが頭の上に乗るよう、寝る位置を調整する
- 両腕をまっすぐ上げ、両手の甲を内側に向ける
- 両腕を頭の位置に上げ、手のひらが外に向いたままひじを曲げる
- 胸式呼吸を3回繰り返す
- 3~5を繰り返す
- 1~6を3セット行う
ストレッチのコツ
- 腹式ではなく胸式呼吸を意識する
- 余裕のある人は、肘が床に付くイメージで胸を開いていく
ストレッチポールを使うことで、大胸筋をピンポイントにストレッチします。
呼吸は胸に息をためるイメージで胸式呼吸を行いましょう。
大胸筋と合わせて全身をストレッチしよう!
関節や内臓の動きをサポートする筋肉は、全身に張り巡らされています。そのため、大胸筋だけ部分的にほぐしたとしても、全身が硬今まではストレッチ効果をうまく感じられません。
全身のストレッチの習慣化は、筋トレやスポーツ時に起きるケガのリスクを減らす他、筋肉をほぐすことで血流が改善されて基礎代謝が上がるなどのメリットもあります。
大胸筋のストレッチを行う時は、部分的だけではなく全身をストレッチするよう心がけましょう。
大胸筋を柔らかくして、健康的な体に仕上げよう!
腕や肩周りの動きに欠かせない大胸筋が硬いなら、ストレッチがおすすめ。
肩こりや猫背でお悩みの方はもちろん、長時間パソコンやスマホを眺めている方もストレッチを実践しましょう。硬くなった大胸筋を柔らかくすることで、健康にも繋がりますよ。
今回紹介したストレッチを参考に、毎日使う大胸筋を柔らかくしてくださいね。
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