大胸筋の効果的なストレッチメニュー。胸周りの筋肉を柔らかくする柔軟体操とは?
大胸筋ストレッチのメリット|胸の筋肉をほぐす効果とは?
ストレッチは運動のためと思っていませんか。大胸筋ストレッチは体のパフォーマンスアップ以外にも、健康や美容など、さまざまなことにメリットをもたらします。
ここでは、大胸筋をストレッチするメリットについてご紹介します。自分にとって嬉しいメリットがあるかチェックしてみてくださいね。
1. 肩周りの筋肉がほぐれて、肩こりの解消ができる
日常生活では、腕や手は基本的に身体の前で使われることが多いです。なので大胸筋があまり使われることがなく、衰えてしまい縮んだ状態になってしまいます。
縮んでしまうと筋肉が伸びづらくなるので、大胸筋に繋がっている首周辺にも影響を受けてしまい身体が全面に出ることから、首こりを引き起こす原因に。
ストレッチをして縮んだ大胸筋の柔軟性を取り戻すことで、首周辺の筋肉の負担が減るため首こりの解消ができます。
首こりで悩んでいる方は、首ではなく大胸筋をストレッチしましょう。
【参考記事】ひどい肩こりを解消できる方法とは?▽
2. 縮こまった胸が開き、猫背が解消できる
猫背と一般的に呼ばれている巻き肩症状も、大胸筋の衰えによって引き起こされます。
大胸筋は腕の骨に繋がっている筋肉なので、硬くなってしまうと腕の骨を内側へ捻り、体の前方へもっていこうとする力が働くことに。その影響を受けて肩甲骨も開いていってしまうので、姿勢はどんどん悪化していきます。
ストレッチで大胸筋をほぐすことで、骨が引っ張られることがなくなるので、正しい姿勢へと戻っていきます。
悪い姿勢はさまざまな病気に繋がりやすいので、大胸筋ストレッチで解消を目指しましょう。
【参考記事】猫背改善に効果的なストレッチメニューはこちら▽
3. デコルテやバストラインが綺麗になる
バストの土台となる大胸筋の筋力が低下すると、ハリがなくなりデコルテやバストラインがたるんでしまう原因に。大胸筋は日常生活で使われにくい筋肉なので、意識的に使っていかないと筋力が低下するばかりです。
大胸筋をストレッチすることで、大胸筋に刺激を与え柔軟性を高められるので筋力低下を防げます。
筋力の低下を防ぐことで、デコルテやバストラインが綺麗になるだけではなく大胸筋にハリが出るので、女性には嬉しいバストアップも可能ですよ。
4. 柔軟性が高まり運動パフォーマンスが向上する
筋肉の中でも多くのスポーツで活躍しているのが大胸筋。特に、腕を使うスポーツでは重要な筋肉になるので、重点的に鍛えていくべきです。
大胸筋が鍛えられると、大きな力を発揮できるようになるのはもちろんですが、柔軟性も向上していきます。腕を動かしたり、大きな動きを力強くできるようになるので、より高いパフォーマンスで運動できるようになりますよ。
ストレッチをしっかりと行い、バランスの良い大胸筋にしましょう。
大胸筋のストレッチメニュー|胸の筋肉をほぐす効果的な柔軟体操とは?
大胸筋をストレッチすることのメリットは分かりましたが、何のストレッチをすれば大胸筋に効くか具体的に知りたい方も多いのでは。
ここでは、大胸筋への効果が期待できるストレッチ7種類をご紹介します。家庭で手軽にできる種目ばかりなので、自分に合ったものを見つけてみてくださいね。
1. 寝ながらできる大胸筋ストレッチ
首や肩がこって辛いという方に試していただきたいのが「寝ながらできるストレッチ」です。
コリとなる原因の一つは大胸筋の衰え。このトレーニングは、横向きに寝た体勢から上半身を捻ることで、大胸筋強化を目指していきます。大胸筋は呼吸するときのサポートもしている筋肉なので、呼吸が楽になることも期待できますよ。
ハードな筋トレは苦手という方でも気軽に取り組める運動なので、1日の締めくくりとしてベッドの上で毎日やってみて。
トレーニングの正しいやり方
- 右肩を上にして横たわる。
- 右膝を直角に曲げて体の前に出す。
- 左手を右膝に添え、体が仰向けにならないようにサポートする。
- 右腕を天井方向に挙げ、肘を直角に曲げる。
- 上半身を捻りながら右腕を背中方向に倒していく。
- 右腕を倒しきったら、深呼吸しながらその状態をキープ。
- 右と左を入れ替え、(1)〜(6)まで同様に行う。
「寝ながらできるストレッチ」の目安は、左右30秒ずつ×1セット。上半身を捻るときは無理をせず、痛気持いいくらいの角度で止めるようにしましょう。
2. 壁を使った簡単なストレッチメニュー
大胸筋は大きく分けて3つのパーツで構成されているので、できることならパーツごとにストレッチしたいもの。「壁を使ったストレッチ」は、パーツそれぞれを個別に伸ばしていく理想的なストレッチです。
パーツごとにストレッチするといっても複雑なやり方ではなく、壁を押さえる手の高さを変えながら同じ動作を繰り返すだけ。初めてでもすぐ覚えられますよ。
大胸筋を全体に渡ってきめ細かく刺激できるので効果はバツグン。普通の大胸筋ストレッチでは物足りないという方はぜひ取り組んでみてください。
トレーニングの正しいやり方
- 柱や壁の角など、体の前後運動を邪魔しない垂直面の横に立つ。
- 壁側にある腕の肘を直角に曲げる。
- 手のひらを顎と同じ高さにして壁を押さえる。
- 反対側の手を胸に当て、大胸筋を押さえる。
- 壁側にある足を1歩前に出す。
- 手で壁をしっかり支えながら体を前に倒す。
- 大胸筋に負荷がかかっていることを感じたら、その姿勢を10秒ほどキープ。
- 壁にある手のひらを(3)の位置から、二の腕が床面と水平になる高さに置き直す。
- (6)〜(7)の動作を行う。
- 壁にある手のひらを(8)の位置から、肘が顎の高さと同じくらいになる高さに置き直す。
- (6)〜(7)の動作を行う。
- 体の左右を入れ替えて同様に行う。
- 終了。
「壁を使ったストレッチ」は、手の位置ごとに10秒ずつ計30秒×2〜3セット。1回のトレーニングでセット数を全てこなす必要はなく、1日の合計で2〜3セットになればOKです。
3. 両手を押し合うだけでできる胸のストレッチ
「両手を押し合うだけでできるストレッチ」は、簡単な動作で大胸筋を伸ばしたいときの定番。両手を押し合う力を負荷にして、大胸筋に刺激を与えます。
「お願い」のポーズをして両肘を上げ下げするだけですが、慣れないうちは肩に力が入りがちになるので注意。肩に力が入った状態では大胸筋へ負荷が伝わりにくくなりますよ。
肩は楽な状態にし、胸から二の腕にかけて力が集中していることを意識すれば上手くできるようになるので、ぜひ試してみて。
トレーニングの正しいやり方
- 背筋を伸ばして立つ。
- 腰幅より少し広いくらいの間隔で両足を開く。
- 胸の高さまで肘を上げ、胸の前で手のひら同士を合わせる。
- 左右の手を押し合う。
- 手を押し合った状態で肘を下げていく。
- ウエストの当たりまで肘を下げたら再び上げ、(3)の体勢に戻していく。
- (5)〜(6)を繰り返す。
- 終了。
「両手を押し合うだけでできるストレッチ」の目安は、10回×2セット。大胸筋が刺激されにくくなるので、肩の力は抜くように意識しましょう。
4. 頭の後ろに両手を回すストレッチ
「頭の後ろに両手を回すストレッチ」は、簡単なのに上半身の筋肉へしっかりアプローチできるトレーニング。大胸筋はもちろん、背中にある僧帽筋や菱形筋まで一緒にストレッチできます。
両手を頭の後ろに回し、肘を開いて胸を張るだけでOK。毎日1〜2分程度取り組むだけなのに、しっかりと筋肉にきいていることが実感できますよ。
立ったままと座ったまま、どちらの姿勢でも取り組める運動なので、ちょっとした隙間時間に取り組んでみて。
トレーニングの正しいやり方
- 両手を頭の後ろに回す。
- 手のひらを後頭部に当て、両手の指同士を組み合わせる。
- 首の高さくらいを目安として肘を上げる。
- ゆっくりと肘を後方へ開いていき、胸を張る。
- (4)のとき、肩甲骨同士が寄っていことを意識する。
- 無理しない程度に限界まで肘を開いたら動作を止め、その状態をキープする。
- 終了。
「頭の後ろに両手を回すストレッチ」の目安は、15秒~30秒×3セット。毎日1回できると理想的ですが、無理な場合は少なくても1週間のうち2~3回は取り組むようにしましょう。
5. 両肘を掴むストレッチ
もう少し効率的に伸ばしたいたいなら「両肘を掴むストレッチ」がおすすめ。難度はやや高めになりますが、難しくなるぶんしっかりと大胸筋に効かせられますよ。
体の後ろで肘をつかみ、肩甲骨を寄せて胸の筋肉を刺激するやり方で行います。つい息を止めたくなってしまうポーズですが、呼吸も大切な要素なので止めないように心がけてください。
体が硬いと肘をつかめないかもしれませんが、そのような方はできるだけ肘に近い位置をつかむようにして頑張ってみましょう。
トレーニングの正しいやり方
- あぐらを組んで床に座る。
- 両手を後ろに回す。
- それぞれの肘をつかむようにして腕を組む。
- 後ろで腕を組んだまま肩甲骨を寄せ、胸を張る。
- (4)のとき、肩は下げるように意識する。
- できるところまで胸を張ったら動作を止める。
- ゆっくり呼吸しながら(6)の状態をキープする。
- 終了。
「両肘を掴むストレッチ」の目安は、15~30秒×1セット。トレーニング中は呼吸を止めず、最後までゆっくりしたペースで吸ったり吐いたりしましょう。
6. リラックス効果もある赤ちゃんのポーズ
ヨガでも積極的に行われている「リラックス効果もある赤ちゃんのポーズ」。キツさを感じないストレッチなので、運動するのは苦手という方でも気軽に取り組めます。
何度も体を動かす必要はなく、脱力したままひれ伏すような体勢を続けるだけ。毎日続けていくうちに大胸筋にきいていることが実感できるようになります。
大胸筋の柔軟性を高くするほかにも、名称が示すようにリラックスした気分にもなれるので、寝る前の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
トレーニングの正しいやり方
- 床に膝立ちする。
- 足の親指同士を重ね合わせる。
- 両足のかかとにお尻を乗せて座る。
- 上半身の力を抜く。
- 両腕を上へ真っ直ぐ挙げ、そのまま伏せるようにして上半身をゆっくり前へ倒す。
- 両手とおでこを床につける。
- ゆっくり呼吸しながら(6)の状態をキープ。
- 終了。
「リラックス効果もある赤ちゃんのポーズ」の目安は、15~30秒×1セット。トレーニング中は体全体の力を抜き、楽な状態でゆっくり呼吸しながら取り組みましょう。
7. 横向きに寝ながらできるストレッチ
胸の中でも肩に近い部分を集中的に伸ばしたいときは、「横向きに寝ながらできるストレッチ」に取り組んでみるといいでしょう。
横向きになった状態で体の下にある腕へ体重をかけ、肩から胸にかけて強い刺激を与えます。体重を利用するので筋肉がしっかり伸び、大胸筋の上側に効かせることができます。
筋トレをしていて「胸の上の柔軟性が足りないかな?」と感じたら、このストレッチもトレーニングメニューに組み合わせてみてください。
トレーニングの正しいやり方
- うつ伏せになって横たわる。
- 両手を横に広げてT字型の体勢になる。
- 右のこめかみを床につけたまま、できるところまで左半身を持ち上げる。
- 左足を立てて足裏を床につけ、体を安定させる。
- (4)の体勢が維持できるように、胸の近くで左手を使ってバランスをとる。
- ゆっくり呼吸しながら(5)の状態をキープ。
- 左右を入れ替えて(3)〜(6)を同様に行う。
- 終了。
「横向きに寝ながらできるストレッチ」の目安は、左右それぞれ15~30秒ずつ×1セット。慣れてきたらバランスをとるほうの手を天井へ伸ばしてみてください。より効果的にトレーニングできます。
大胸筋ストレッチを効果を上げるコツ|柔軟体操の質を上げるポイントとは?
ストレッチを頑張っているのに、あまり効果を実感できないという方はいませんか。
効果が落ちてしまうケースのほとんどは、正しいやり方ができていないせい。ここでは、大胸筋のストレッチをもっと効果的にするため、特に心がけたいコツを解説していきます。
1. 大きく胸を開くことを意識する
背中が丸まり、縮こまったような姿勢になっていると、ストレッチの効果は落ちてしまいます。
筋肉は体勢以上に広がったり伸びたりすることができません。縮こまった姿勢でストレッチしても動く範囲が限定されてしまうので十分に刺激されないのです。
大胸筋ストレッチで筋肉をしっかり刺激するには、胸をできるだけ大きく開くようにすること。筋肉の動きが大きくなり、強く刺激されるようになるので、トレーニング効果が向上しますよ。
2. 呼吸を止めない
筋肉は息を吐くとリラックスし、伸びやすくなる性質があります。
この性質を利用し、大胸筋を伸ばすときに息を吐くことでストレッチの効果を高めることができます。また、呼吸をゆっくり行うことで自律神経を整えることもあり、リラックスの効果がさらに高まります。
ゆっくりとした呼吸を行うには、腹式呼吸をるとうまくできますよ。息を吸うときにお腹を膨らまし、吐くときに思いっきり凹ませるように意識しましょう。
縮んだ胸の筋肉を伸ばして姿勢改善や肩こりの予防に。
大胸筋は上半身の中心にある筋肉なので、さまざまな動作に影響を及ぼす存在。衰えてしまうと生活に支障をきたすこともあります。
ストレッチは筋トレと比較して弱めのトレーニングですが、初めての方でもやり方が分かりやすく、すぐ始められるのが魅力。
今回ご紹介したストレッチは効果を実感しやすいものばかりなので、早速取り組んでみてはいかがでしょうか。
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